2018.7.23

吹田市でフットパスとまちづくり活動(part8)ーゼミ3年生が岸辺で2回目まち歩きー

岸辺コースを2回目まち歩き

 2018年5月12日(土)にゼミ3年生5人が吹田市岸辺において2回目のまち歩きを実施しました。1回目のまち歩きでは、吹田歴史文化まちづくり協会の吹田まち案内人の方(吹田市民でもある)にガイドとして学生たちと一緒に歩いていただきましたが、2回目の今回は、1回目のまち歩きをふまえて、学生たち自身で、もう一度行きたいと考えた場所を訪れ、同じエリアを彼らだけで歩きました。ここでは、彼らが発見したことや感じたことを報告します。

岸辺地区を再び歩くことで
 3年生 田村 晃大

 私は以前大阪府吹田市岸辺地区をまち歩き調査しました。前回訪れたポイントとフットパスとして魅力のある新たなポイントを探すために再び岸辺地区に調査へ赴きました。
 今回は旧中西家住宅(吹田吉志部文化墨客迎賓館)で住宅内の観覧を予約し、ボランティアの方々に案内と様々な説明をしていただきました。旧中西家住宅は、江戸時代に淀藩が領した摂津国嶋下郡内のうち14カ村の大庄屋を務めていた中西家の屋敷で、文政9年(1826年)に建築されました。約1000坪の屋敷地に主屋、長屋門、内蔵(米蔵)、キザラ(木小屋)などの建物が建ち、江戸後期の大庄屋の屋敷構えを、ほぼ当時のまま受け継ぎその魅力をさまざまな人に伝えています。主屋や長屋門などは市指定、国登録有形文化財となっています。また周囲と調和を図りながら現代的に改装された主屋居間や台所、地面を掘り下げて深山幽谷を表現した庭園などの見所が数多くあります。そしてこの旧中西家住宅は平成19年から一部を一般公開されており、吹田市の歴史と高い文化水準を伝える貴重な建物です。江戸時代の学者で漢詩人でもあった廣瀬旭荘が「其宅華麗 殆類候居(華麗で諸侯が住まう家のようだ)」と唱えています。敷地に入る門をくぐると、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような風景が目の前に広がります。重厚な構えの建物は当時の姿のままであり、気品のある空間を演出する庭園は、桜や紅葉など四季折々の表情を見せてくれます。

 我々はこの庭園を見たあと、喜雨亭という茶室の説明をしていただきました。喜雨亭という名前の由来は雨を喜ぶ建物ということです。さらには茶室に入る前の休憩場所である待合にも実際に座らせていただきました。その次は西の庭園を通り亭と呼ばれる場所に案内され、続いて離れ座敷を見ました。そしてメインである主屋を案内してもらいました。主屋に入ると、たたきの間は改装され石敷きの床でした。そのすぐ横には屋敷に招かれた人が帰りに立ち寄って談笑するためのスペースである喫茶去がありました。土間であったところはイタリア製のタイルが敷き詰められ現代風になっていました。ダイニングキッチンはもともと土間で篭や精米用の踏み臼も据えられていました。現在の内装材を取り外すと建築当時の姿に復することが出来るように設計されています。その他、装飾と涼感を出すため天井にすだれを使用するなど様々なこだわりを感じました。
 今回、旧中西家住宅を訪れて美しい庭園、和洋折衷の興味深い屋敷があり歴史的価値があると感じました。またその他の岸辺地区にある魅力的なスポットと組み合わせることで岸辺地区におけるフットパス・コースの大きな目玉になるであろうと考えました。

岸辺のさらなる魅力
 3年生 遠藤 菜緒

 2018年5月12日、私たちは岸辺で第2回目のフィールドワークを行いました。1回目ではガイドの方が一緒に岸辺を回ってくださり、岸辺の色々な場所や歴史を教えていただきました。その中で出てきた旧中西家住宅は前回外観のみの見学で、予約すれば中を案内係の方と共に見学させていただけるということなので、今回はまずそちらに伺わせていただきました。旧中西家住宅は平成19年1月に中西家が吹田市に無償で家具や調度品とともに寄贈されたものであり、それまでは実際に住んでいたそうです。そのため中は近代の生活の為にリフォームされている部分もあります。しかし、床や壁など後から付けた部分を全て剥がすとまた昔の姿になるようにされているそうです。建物内は和と洋がかっこよく交わっていると感じました。床の代理石や、ソファの細やかな刺繍といった洋の部分が昔からある木の床の色と馴染んでいてとても素敵でした。 また、旧中西家住宅は茶室にとてもこだわりが見えました。下に引いてある石は待つ順番によって分けられ、また、雨が降っていなかったにも関わらず、庭の草の葉に水が付いていたのが不思議でしたが、それもおもてなしの心だと知り、自分の知らない日本を昔の建物から感じることができ、とても面白かったです。旧中西家住宅は庭が広く、私たちが伺った時期は緑の葉をつけた木々が鮮やかでそこに咲く紫の花や赤や緑に色づき始めた紅葉が美しいものでした。また、京都の石畳を思わせるものもあり、四季折々で楽しめるものだと感じました。
 次に私たちは前回まだ公開期間ではなかったオッペン化粧品会社のバラ園へ向かいました。向かう道は人も多く、賑わいを見せている様子がわかりました。前回はまだ咲いていなかったバラが入り口から満開な様子が見えさらに中へ進むと想像していた以上に広く沢山の鮮やかなバラが広がっていました。見たこともないバラの種類が沢山あり、思わず写真を撮ってしまいました。バラ園にはテントと椅子も用意され、オッペン化粧品のオリジナルのお茶の試飲や可愛いらしいバラのアイスを販売されているなど、暑い中できちんと休憩ができる場所が用意されていたり、吹田のマスコットキャラクター「すいたん」が来ていたりとお子さん連れでも楽しめると感じました。
 今回は主にこの2つの場所を周りましたが、日本家屋の歴史やバラ園といった美しさなど岸辺の魅力をさらに感じました。今後は、そういった魅力が伝わるようなルートを考えたいです。

岸部地域で江戸時代の大庄屋住宅を観覧
 3年生 三枝 寛和

 5月12日(土)に、吹田市の岸部地域で2度目のまち歩きを行いました。1度目は吹田まち案内人の方にガイドしていただきながらのまち歩きでしたが、今回は新たな発見を求めて、前回とは違うコースを学生だけで歩きました。
 この日、岸部に本社を構えるオッペン化粧品株式会社のバラ園にてイベントが開催されており、色とりどりの華やかなバラを観賞しました。他にも緑豊かなJR路線沿いの道を歩くなど、前回は通らなかった道を歩いて行かなかった場所に行くことができました。その中でも特に印象的だったのが「旧中西家住宅」です。
 前回のまち歩きで旧中西家住宅の前を通ることはありましたが、建物の中に入ることはありませんでした。今回は、事前に電話で観覧を申し込み、建物と庭園を見学させていただきました。

 中西家は、現在の岸部地域周辺が淀藩領であった時代に、村々の庄屋を束ねる大庄屋でした。この建物は中西家の方々が代々住んでいたそうですが、12年前に吹田市に寄付され、現在では吹田市教育委員会が管理しています。敷地内の建物は合計7つが国の登録有形文化財、吹田市の指定文化財となっており、庭園も国指定名勝に登録されています。最初にこのような話を伺い、歴史や時代背景を知ることができました。
 4人のボランティアガイドの方々に案内していただきながら、およそ1時間半見学しました。手入れが行き届いた日本庭園に風情を感じながら歩き進むと、お抹茶席や裏千家の庵など、日本文化を感じさせる建物を見ることができました。特に「喜雨邸」と名のついた庵は、保存のために年1度の特別公開でも中に入ることができない貴重な建物だそうです。敷地内には、中西家が大庄屋をしていた時代に使われた物置などもあり、江戸時代の建物が大きな改修工事もなく現存していることに驚きました。母屋は中西家の方々が住むにあたって改装された部分がありますが、その部分を剥げば、土間などの建設された当時の内装がそのまま残っているそうです。住宅をとても大事にしていることが伝わってきました。
 旧中西家住宅を観覧して、陽の光の入り方で景色が一変するなど、昔の住宅には日本の四季を楽しむことができる工夫が見られるのだと知りました。日本文化を感じたい人には非常に魅力的な建物だと言えます。岸部地域における大きな観光資源として、今後まち歩きのルートを考える際にも参考にしていきたいと感じました。

初めての岸辺まち歩き
 3年生 前田 果歩

 私は1回目のまち歩きを休んだので2回目のみの参加になりました。岸辺コースの2回目は、旧中西家住宅(吹田吉志部文人墨客迎賓館)を訪れました。初めは中西家と言われても誰の家なのだろうと思っていましたが、ボランティアガイドの方々のお話を聞くにつれて江戸時代の建物であり、学者で漢詩人でもあった廣瀬旭荘さんの家であることが分かっていきました。緑が多く素晴らしい庭で街中なのに自然がその一角だけ溢れているという印象が強かったです。家の中に入ってみると、私が想像していたものとは大きく異なっていました。畳のある和室なのに入ってすぐのところに洋風なソファーや机、椅子があり床は大理石でできている部分もありました。もちろんキッチンもあり、少し昭和感が漂っているレトロな作りでした。食卓の部分はフローリングでブラインドが窓にありました。外側はとても和風で古風な作りの家なのに中は洋風な部分があったのでとても驚きました。一つ一つの家具も高級なものばかりで何の変哲もない木の椅子も30万円するのだとボランティアガイドの方がおっしゃっていました。

 次に、私が見学していて注目していたのはボランティアガイドさんの説明の仕方です。普通に話しながら歩き回ったりと他の場所で見学する際と大きくは変わらないのですが、旧中西家におられたガイドさんは実際に茶室に座らせてくれて当時を思い浮かべられるかのような言葉を言ったり、昔の人はこのように感じていたなどを教えてくださったので、自分自身でも頭の中で考えながら当時を想像して話を聞けました。そのおかげもあって私はガイドさんの話はとても理解しやすかったです。また、ガイドさんが、かしこまった態度ではなくリラックスした感じで接してくださり、自分の祖父母と話をしているようだったので余計にそう思ってしまったのかもしれません。現代のモノに例えてくれたので、知らない事でも分かり、今とどう違うのか想像しやすかったです。フットパスやまち歩きのさいのガイド役も、このような方法ならば歩く人々に地域をより親しみ深く理解してもらえるのではないかと思いました。
 今回のフィールドワークを通して実際にその町を歩いてみないと知らない店も沢山ありました。旧中西家のように昔の歴史を現代につなぐ施設も知らないままだと、上手く次世代に受け継げないままで終わってしまうと感じます。だからこそ、もっと知らないところを開拓して視野を広げていこうと思いました。

岸辺の新たな魅力
 3年生 永野 実優

 私たち岸部コースの班は、5月12日に二回目のフィールドワークを行いました。今回は、前回のフィールドワークで訪れることができなかった、旧中西家住宅とオッペンバラ園を訪問しました。
 まず、向かったのが旧中西家住宅です。旧中西家住宅は、吹田吉志部文人墨客迎賓館とも呼ばれ、文化財を吹田市のために役立てたいという中西家の御厚志により、平成19年1月22日に家具や調度品とともに、吹田市に寄贈されました。文化人をあたたかく迎えてきた中西家代々のこころと培われた豊かな歴史や文化を伝承するとともに、大切な客人を迎えるこころをもって歴史と伝統を堪能してもらうことを目的に設けられたそうです。中西家は、江戸時代には大庄屋を勤めていたそうで、約1,000坪と広大な屋敷地に、文政9年建築の主屋、長屋門、内蔵、キザラなどの建物が建ち、当時の雰囲気がそのまま残されているように感じました。また主屋前面に造られた庭園は、作庭の位置や造園の技法に特色をもっていて、希有なものといわれています。旧中西家住宅のほぼ全ての建物は、吹田市指定有形文化財に指定され、同時に国の登録有形文化財に登録されていて、吹田市の長い歴史と深い文化を伝える貴重な建物です。現在のダイニングキッチンは、元々は土間だったそうで、いまの内装材を取りはずすと、建築当時の姿に復することができるように設計されているなど、文化財を保存しながらも、快適で、住み続けたくなるよう美しく整えられていました。前回のフィールドワークで気づいた「現代と過去の共存」という岸辺の魅力を、この旧中西家住宅でも強く感じることができました。
 次に、オッペンバラ園に向かいました。ここではオッペン化粧品の本社が開催している、オッペンローズウィーク2018というイベントが開催されていました。2014年から毎年5月に開催されているイベントで、本社敷地内に320品種、5,500本ものバラが一般公開されています。色とりどりのバラが美しく、ずっと見ていて飽きませんでしたし、どんな年代の方でも楽しめると感じました。また、私たちが訪れた日はイベントの終盤ではありましたが、来場者も多く、集客力があるイベントだと思いました。期間は限られてしまいますが、開催時期には是非訪れてほしいと思いました。
 今回のフィールドワークを通して、また新たな岸辺の魅力を発見することまち歩きやフットパスに活かしていきたいと思います。

自然豊かな岸部地区を覗いて・・・
 3年生 古川 英希

 5月12日に2回目の岸辺コース周辺の探索を行いました。今回は、1回目では行かなかった旧中西家住宅とオッペン化粧品で期間限定で一般公開されているバラ園に行ってきました。
 まず、岸辺駅を出発して旧中西家住宅に向かいました。行くまでの道は昔の建物が建っており、趣があると感じました。ここではボランティアの方に家の中を案内してもらいました。私達含め2組の参加者がおり、若い人が来るのは珍しいらしく、驚かれました。門をくぐるとそこには、自然にあふれた光景が広がっていました。外と内でここまで違うとは思いもしませんでした。話を聞くと春夏秋冬で咲く花が異なり、春ならソメイヨシノ、秋ならイロハモミジです。私たちが行った時は、バラ・サツキが咲いており、美しかったです。屋敷の中には母屋・蔵・お茶を飲む茶屋・年貢を納めに来た人を招く勘定部屋棟など歴史を感じさせる建物がありました。江戸時代、距離的に離れている吉志部神社を見ることが出来たそうですが、都市開発の影響で現在は見えなくなりました。
 次に母屋に入りましたが、広く改装していてとても綺麗でした。また京都から宮大工を招き改装したらしく、お金をかけていると感じました。私が旧中西家住宅で最も心に残ったのは、椅子です。これは椅子作りの名匠が作った木製の椅子で、見た目には座り心地がとても悪そうに見えるのですが、座ってみると、座り心地はとても良く、長時間座っていても疲れる感じが全くしませんでした。将来この椅子を作った名匠に私も椅子を作って欲しいと思いました。歴史を感じさせる物が幾つもあり、有意義な時間を過ごすことができたと感じました。また庭園のみの観覧も行っているため、季節が変わる毎に行くのも良いかもしれません。
 次に、オッペン化粧品に行きました。門をくぐった瞬間バラが咲き乱れ、とても良い匂いがしました。320種類、5500本余りのバラがあり、美しかったです。私が特に好きだったバラは「リベラ87」です。淡いピンクをしており、またオッペンオリジナル品種のバラです。ここでバラ園に因んでイタリアンジェラートの「イチゴミルク&ローズソルト」を食べました。イチゴの食感・風味の中にほのかなバラの風味があり、とても美味しかったです。そして私がその日の中で最も嬉しかった事に出くわしました。それは、吹田のマスコットキャラクターの「すいたん」が居たことです。あまりの嬉しさに一緒に写真を撮って貰いました。こうしてオッペン化粧品を後にして岸辺駅に戻ってきました。
 私は今回、旧中西家住宅やオッペン化粧品など、吹田に住んで居ながら初めて行く所ばかりでした。どちらも共通しているのが自然豊かだったという事です。この様な所を後世に伝え、人口減少に悩まされず、自然を残しながら吹田が発展していく事を市民として強く望んでいます。

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