塩路ゼミ3年生3チームが学会で発表

 2017年12月2日、3日と金沢星稜大学において開催された日本観光研究学会全国大会で、国際観光学部 塩路研究室3年生3チーム(イギリス、カナダ、日本)6名がポスター発表を行いました。
 発表したタイトルはそれぞれ、「イギリスにおけるフットパスの重要性」、「カナダのトレイル 〜都市観光と自然〜」、「但東町の魅力溢れるフットパス 〜地域活性化に向けて〜」です。
 今回は、学生たちが発表した内容、発表を通して考えたことや感じたことについて報告します。

イギリスにおけるフットパスの重要性

金沢ポスターセッション
 3年生 松本 拓誠

 12月3日、金沢星稜大学でポスターセッションを行いました。集まった他大学の学生もそれぞれ研究していることについて発表していました。今回、私たちはイギリスに焦点をあて、フットパスの重要性と、それによって起こる経済効果について調査した内容を発表しました。ポスターセッションでは、観光について研究している他大学の先生方から質問や意見を頂き、自分たちの研究について、改めて見直すことが出来ました。フットパスによって得られる経済効果についてもっと詳しく分析する事、そして、次の課題として日本のどの場所でならフットパスを実現できるか、そのためには何をすれば良いのかを考えることだと感じました。
 ポスターセッションでは、他大学の学生が、どのような研究をしているのかを知る機会でもありました。どの大学のゼミも観光について研究しているのですが、それぞれ違った視点やアイデアがありました。最も多かったのは、観光客の少ない地域にどうやって観光客を呼び込むかというものでした。例えば、東京の八王子から来た学生は、東京の中でもあまり人が集まっていない地域に焦点をあてて最も見てほしいと思う場所にポイントを置き、スタンプラリーのようなものを考えたり、インスタグラムやツイッターといった、SNSを用いたもの、家族が住みやすい制度を作り、移住してもらうという案もありました。なかには、研究するだけではなく、考えたアイデアを実現させるところまで考えているグループもありました。
 同じようなことを研究している他大学と会場で交流し、発表しあうといった機会は、今回が初めてでしたが、それぞれ個性的で発表の仕方も違い、参考になる部分もありました。
 今後もこのような機会がもっと増えると、より良いアイデアが生まれるのではないかと思いました。

カナダのトレイル 〜都市観光と自然〜

金沢発表を終えて
 3年生 山口 智也

 私たちは、12月3日に石川県金沢市の金沢星稜大学で行われた日本観光研究学会でポスターセッション発表をしました。同大学は、金沢駅からバスで約20分のところに位置します。この学会には、日本全国から様々な大学生や先生方、地域の観光に携わっている方がたくさん来ていました。ポスターセッション以外にも先生方や自治体の人の発表もありました。私たち学部学生は、ポスターを作成し、発表しました。
 私たちは、夏休みに1週間カナダのビクトリアとウィスラーのフットパスを調査した結果を発表しました。カナダでは都市やリゾートで野生の動物と共存しており自然を大切にしていると感じたので、そのことを発表内容に含めました。しかし、本当に野生動物と共存することは良いことなのか、という質問を受けました。私たちは動物と共存することは自然が豊かで良いことだと考えていましたが、日本では熊の出没やカラス被害がたくさんあることで、共存することは良いことではないと感じている人もいるのではないかと思いました。カナダではそういった被害は聞いたことがなく調べてもいませんでした。
 また、発表を通して「フットパス」という言葉自体、あまり一般に浸透していないと感じました。しかし、中にはフットパスを研究している先生や自治体の方が2名いました。観光というと消費行動というイメージがありますが、フットパスは気軽に誰でもできる新たな観光であるということを訪れた人に必ず伝えました。年配層ではありますが、今後活動として取り組みたいなどの声をいただきました。今後、さらに「フットパス」の内容を広めていくことが大事だと感じました。今回、学会の全国大会でポスターセッションに参加でき、多様な意見や新しい視点を得たことは、私たちにとって大きな経験になりました。

但東町の魅力溢れるフットパス 〜地域活性化に向けて〜

金沢のポスターセッションにて
 3年生 山下 和樹

 12月3日、金沢の星稜大学で開催された日本観光研究学会においてポスターセッションを行いました。ポスターセッションは、私にとって初めての経験でした。研究の成果をしっかりと明確に説明できるか不安な気持ちになりながらポスターセッションの会場へと向かいました。
 今回私たちのグループの発表は、9月19日から4日間、兵庫県豊岡市但東町でまち歩きとフットパス作りを行ったものを題材にしました。但東町でもそうでしたが、ポスターセッションで話を聞いてくださった方々も、フットパスについて「初めて聞いた」という方がほとんどでした。しかし、フットパスについて説明すると、興味を持ってくれる方が多く、フットパスを日本にも広めていきたい私たちからすると大変嬉しく思いました。
 発表では指摘も数々いただいて、反省すべき点が沢山ありました。私たちは今回、但東町でまち歩きを行った上で、改善点や提案として、耕作放棄地を農耕体験のスペースとして再利用する点や、使われていない廃屋をカフェや休憩所として設ける点を挙げました。しかし、どのような休憩所にしたいのか、具体的な案はありませんでした。また、このフットパスコースは、どの年齢層を目的としているコースなのかを明確に決めていませんでした。その反省点を踏まえて、私たちは提案する上でより詳細な案を出していくことで、より聞く人達にも想像しやすいのではないかと感じました。
 他の大学のポスター発表も拝見させていただいたのですが、グラフや統計データを上手く応用しているポスターもありました。また私たちの反省点でもある、目的にしている年齢層もしっかりと設定されていました。色々な研究を見る事ができたので参加して良かったと思いました。今回のポスターセッションで質問や提案など得られた材料が多くありました。他大学の発表テクニックやポスターの作り方も参考にしながら、この経験を次の報告会でさらに進化した発表に活かしていきたいです。

塩路研究室 2017年度キャリアゼミの活動