ゼミ3年生が北千里公園コースをまち歩き

 2018年5月19日(土)にゼミ3年生5人が吹田市北千里の公園コースをまち歩きしました。この1回目のまち歩きでは、吹田歴史文化まちづくり協会の吹田まち案内人の方(吹田市民でもある)にガイドとして学生たちと一緒に歩いていただきました。暑い中、ガイドをありがとうございました。今回は、北千里公園コースを歩いた学生たちからの報告です。

まちづくりと住民
 3年生 歌川 ひいな

 千里ニュータウンは、大阪都心から北に15km、吹田市と豊中市をまたがる千里丘陵に計画・開発された日本で最初の大規模ニュータウンです。1961年に起工、1970年に事業が終了しました。わずか10年足らずで北大阪の副都市としての機能も併せ持つ面積1、160ha、計画人口15万人、計画戸数3万7330戸の住宅都市を建設しました。この千里ニュータウンは、大阪府と多くの専門家が総力をあげて取り組み、新しい理論と提案に基づいて建設された先進的・総合的な「実験都市」でもありました。
 ガイドの丹羽さんから、北千里についての様々なお話を聞くことができました。北千里駅は、世界で初めて自動改札機ができた駅であることや、当初、千里ニュータウンを緑で囲むという取り組みがあったなど、まちづくりについて知ることができました。まちを緑で囲む取り組みはとても良いものだと、まち歩きをしてわかりました。自然を楽しみながら歩くことができ、公園がたくさんあることで人と人の交流まで楽しめる、ゆったりとした空気が流れているまちでした。数多くある公園の中で、私が最も興味を持ったのは「藤白公園」です。この公園は、ピアノ池と呼ばれる池があります。上から見るとピアノの形をしており、前に建っているマンションの影がピアノの鍵盤に見えるという池です。残念ながら、前にあるマンションの階数が増えてしまったことにより、影がピアノの鍵盤に見えなくなってしまいました。一度、鍵盤のような影を見たかったと感じました。

 また、千里ニュータウンの取り組みで、住宅地のいたるところに「クルドサック」という、車の通り抜けを排除する行き止まり道路がありました。道路の途中に車が通れないように階段がつくられていました。しかし、少子高齢化でこのクルドサックを利用することが困難であるというお年寄りの意見もあるそうです。
 千里ニュータウンは、日本で初めてのニュータウンであるということから注目を集めましたが、現在、少子高齢化や老朽化などの多くの問題に直面しています。しかし、行政や住民は再生への取り組みをいち早く始めています。景観やアクセス、建物形態、施設導入などについての意見交換をし、新しい住民を呼び込もうとしています。
 私は、北千里を訪れたのは初めてでした。南千里にあるコミニティプラザで、千里ニュータウンの歴史を学び、ガイドである丹羽さんのお話を聞きくことができました。北千里についての歴史を聞くだけでなく、実際に歩くことで、より一層北千里と千里ニュータウンについての理解が深まりました。良いまちをつくるためには、制度や取り組みも重要ですが、住民の理解や参加も必要であると感じました。

緑豊かな公園コース in 北千里
 3年生 島田 麻衣

  私たちは、5月19日、南千里駅に正午に集合し、千里ニュータウン情報館へ行きました。千里ニュータウンは大阪府の北部地域、吹田市と豊中市の両市にまたがっています。12の住区から成り、人口はおよそ9万人です(平成24年4月1日現在)。
 情報館の展示によると、昭和33年に千里ニュータウン開発が決定され、その後、阪急電鉄千里線や地下鉄が開通し、百貨店や循環器病センター、救命救急センター、市民体育館などが開設されました。増え続ける都市人口と住宅不足を解決するために日本で初めての大規模ニュータウンとして、千里ニュータウンが開発されました。全体面積約1,160haのうち、道路、公園緑地といった公共施設用地が約40%とたいへん多く、ゆとりある空間、緑豊かなニュータウンを特徴づけています。また、住宅地は戸建て住宅と集合住宅あわせて約41%を占めています。この地域は平成18年に全国の緑の街の先進モデルとして『緑の都市賞』を受賞しました。平成24年、千里ニュータウンまちびらき50周年となり、開発から半世紀を経過した現在、千里ニュータウンに植えられた樹木は高さ20mをこえるほど大きく育ちました。緑豊かな街へと発展し、今後も全国や世界に誇れる質の高い緑の街、地球にやさしい緑の街をめざして、地域一体となって発展し続けるよう期待されています。

 午後1時に、阪急北千里駅にまち歩きガイドの丹羽幹男さんと合流し、コース散策を開始しました。阪急北千里駅は世界初の自動改札機設置駅として知られています。設置された当時、舞妓さんは改札機に入れた切符が、自分が下りる駅に届いていると思い込み、改札機から入れた切符を取り忘れるという珍事件があったと聞きました。
 そして藤白公園、ふじのき公園、三色彩道、北千里公園、蓮間池、フェニックス遊園、青山台小学校、くちなし公園、千里青山台団地、はぎのき公園、千里中央公園をまわりました。北千里には公園が多く、子供の遊び場が確保されており、家族が住みやすい地域であると感じました。公園の周辺は樹木が植えられており涼しい空間で、自然を感じることができます。
 三色彩道という名は当時中学生であった笹井尚子さんが命名したそうです。秋から11月頃にかけて約450mの並木道の葉の色が赤黄緑の3色に紅葉します。以前は錦木が多く道沿いに生えていたのですが、紅葉の美しい景観を一目見ようとくる車の排気ガスが原因で枯れてしまい、現在は非常に少ないそうです。住宅街が多いので、人通りも多いです。人のみが通ることができる道、車のみの通行道というように区別しているのも北千里エリアの特徴の一つでした。

地域に対する見方が変わったまち歩き
 3年生 橋本 優希

 5月19日土曜日、吹田まち案内人の丹羽さんと一緒に吹田市の公園コースを歩きました。初めに、南千里駅で集合してから千里ニュータウンの成り立ちをみんなで勉強し北千里駅に行ってフットパスを開始しました。
 まず丹羽さんが紹介してくださったのは、けやき通りです。この道は、1970年の万国博覧会が開催される前に16頭ものゾウがこの道を通ったのだと教えてくださいました。万国博覧会が終わるのと同時にゾウも帰ることになったが、帰国する際は赤ちゃんゾウが増えて17頭になったのだそうです。次に、藤白公園に行きました。ここの公園にある池は上から見るとピアノの形をしていてピアノ池とも呼ばれているということを教えていただきました。その後、三色彩道を歩きました。この道は秋になると緑・赤・黄の見事なコントラストを楽しめることで有名な道で、今年の秋はここをドライブしに行こうと考えながら歩きました。また、この道の十字路に植えられている楓は各ブロックでとても似ていますが、種類が少し異なる物を植えていることを知りました。種類は、アメリカ風楓、とう楓、台湾風楓、などで一見しただけでは全くわからないのですが、近くで一枚一枚を観察してみると、葉の形や大きさ、木の実など全く違うことに気付くことが出来ました。このようにガイドしていただくことで、歩くのが楽しくなって、この町のことをもっと知りたいと思えるようになっていました。

 次に、吹田市内では万博公園に次いで2番目に広い千里北公園を歩き、つづいて水鳥が多く集う観察場とされている蓮間池に行きました。この池は昔池の中からボコボコと千手観音が登場したという言い伝えがあることを知りました。それから、坂道を上って頂上にあるフェニックス遊園に行きました。ここは、標高99.4mもある千里ニュータウン最高地点というだけあって眺めがとても綺麗でした。その後、青山台小学校の横を通り、緑の多い千里青山台団地、はぎのき公園に行きました。この池は別名青たん池とも呼ばれており、その名の通り少しだけ青みがかった池で昔はここに竜がいたという言い伝えがあるそうです。
 最後に、豊中市域に入りましたが、千里ニュータウンを一望できる展望台がある千里中央公園に行きました。ここの展望台は、昭和天皇も訪れたことがあり、また、とても長いローラー滑り台があることでも有名な公園でした。帰る際に、みんなでこの滑り台を滑ったのがとても良い思い出です。そして、阪急山田駅まで歩いて今回のフットパスは終了しました。今回のフットパスでは、どこにでもあるような有り触れた道や公園にも、その町の歴史的背景や成り立ち、言い伝えなどを知ることによって今まで歩いていた道やその地域に対する見方が180度変わるのだということを学ぶことが出来ました。

歩いてわかる北千里
 3年生 中山 大輔

 私は今回、初めて北千里の町を訪れました。エキスポシティや万博には何回か訪れたことはありましたが、北千里の町を歩いたのは今回が初めてでした。まず始めに驚いたことは、自動改札機についてです。北千里駅では、世界で初めて自動改札機が実用化されました。今では当たり前のようにどの駅にもある自動改札機が、北千里駅から始まったことにとても興味が湧きました。また若い世代にはほとんど知られていないことだと思うので、もっと多くの人に伝えていきたいという気持ちにもなりました。
 北千里の町を歩き始めてまず始めに思ったことは、緑が多いというところです。宅地開発のさいの森林破壊は最小限にしているように私には感じました。また草木は整備されており、自然が多い中でも田舎という感じではなく、どこか豪邸の庭の様な雰囲気も感じました。北千里の団地は平行に配置されているところが多くありました。これは日差しを確保するなどの理由があるらしく、新しさを感じました。平行配置とは別でもう一つ、囲み型配置というものもありました。これは住棟で囲んで中庭を作り、そこで居住者の交流や、活動の場を確保できるという利点があるらしいです。他にもクルドサックと言われる混雑を防ぐためのUターン専用の道路があったりするなど、他では見たことのないものが多くありました。しかし、北千里には階段が多く、お年寄りにとっては苦労となっているところもありました。大学生の私たちでさえ、ため息が出るほどの長い階段もありました。

 北千里には公園が多くあり、中でも千里中央公園は想像を超える大きさでした。ボール遊びをしている人や、遊具で遊んでる人が多くいました。ローラー滑り台は今まで見たことのあるローラー滑り台の中でもっとも大きいものでした。また、公園内には所々に芸術的な銅像や風車の様なもの、変わった形の時計などが置かれていました。特に魅力的だったものは、日時計です。太陽が時間を示してくれる設計になっており、デザインが素晴らしかったです。
 北千里という町を案内してもらい約2時間歩きましたが、多くの工夫を発見することができました。平行配置、囲い型配置、クルドサック、そして自然を活用している点です。少しの時間でこれだけの発見があったので、歩いていてとても有意義な時間を過ごせました。また多くの人に北千里の素晴らしさを伝えていきたいと思いました。

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