東京ゲームショウ2025 阪南大学アカデミーブース出展報告

総合情報学部・経営情報学部 花川典子 

1.目的

日本最大のゲームショウである東京ゲームショウ2025のアカデミーブースに出展し、阪南大学のeスポーツを取り入れた教育や研究、メタバース等のシステム開発を大学の教育内容として紹介することで、阪南大学の知名度を向上させる。同時に、ゲームショウに来場するビジネスパーソンを対象としてゲーム業界やゲーム開発業界、eスポーツ業界の企業とのネットワークを構築し、学生の就職先の業界や企業との関係を深化させ学生のキャリア形成を支援する。一般ディに来場する高校生、中学生、小学生、その保護者に向けて大学の教育内容を紹介し、阪南大学への興味・関心を高めるなど大学全体の総合的な認知度向上を目的とする。

2.概要

出展先:東京ゲームショウ2025 tgs.cesa.or.jp/jp 図1参照
    日本最大のゲームショウ(世界3大ゲームショウのひとつ)
    2025年総来場者数26万人
 
開催日:2025年9月25日(木)—9月28日(日)4日間
    ビジネスディ 9月25日,26日
    一般ディ   9月27日,28日
 
開催場所:幕張メッセ 全ホール
 
阪南大学出展概要55校(内大学17校)
 
 場所:ゲームアカデミーブース(ホール1) 図2参照
        
出展内容:eスポーツを取り入れた教育紹介、バックエンドシステムを含むメタバース、マインクラフトシステムの紹介、
     ゲームをと入り入れた教育効果研究紹介
 
来場者数:4日間で400人弱(ビジネスディ2日間約240人、一般ディ約160人) ただし、カウントできない来場者多数
 
名刺交換数:210枚程度(有名ゲームメーカーを含むゲーム開発会社、eスポーツ関係企業、システム開発会社、プロチーム、大学など教育関係)
 
特筆すべき来場者:
・世界的に有名なバトルフィールド(スェーデン本社)のテクニカルアートディレクター(その業界ではほとんど憧れのスター)
・FENNEL、DFM等の有名プロチームやNMG等のプロチーム会社
・バンダイナムコ、スクエアエニックス、SEGA等有名ゲームメーカー
 の開発者
・奈良育英高校や九州の高校の先生たち
・SEGA等有名メーカに開発者としてお勤めの卒業生
・出展している学生の保護者(息子の出展をよろこんでおりました)
 
図1 開場前の東京ゲームショウ入口正面玄関 付近
  • 千客万来! 準備した3000部フライヤー、大学案内早々に完売!

  • 憧れのバトルフィールド技術者と! 

  • 一番小さなブースでしたが、他大学。専門学校と差別化できました。

  • 年々大規模になるアカデミーブース。大学も専門学校も気合が入っています!

図2 アカデミーブースと阪南大学ブースの様子

3.詳細

(1)出展内容

eスポーツを取り入れた実践教育の紹介 

阪南大学eスポーツ本大会、親子eスポーツ教室、高齢者eスポーツ教室の企画計画運営等、大阪府のOeGGでの学外イベント実施実績、eスポーツ関連科目

バックエンドシステムを含むシステム開発の紹介

マインクラフトのMod開発やメタバース開発のゲームクライアント開発に加えて、最も重要なバックエンドシステム開発をしっかりと教育の中に組み込んでいることを紹介。それによるマルチプレイのデモとオリジナル機能等を紹介。

ゲームを取り入れた教育の研究紹介

情報弱者が市販ゲームを使って提案教育モデルで学習することで、ITリテラシーが向上したという研究報告。
また、eスポーツ本大会等の企画運営を取り入れたゼミの学生が、通常のシステム開発を学んだゼミの学生とどのような成長に差があったかの研究報告 
 (2)来場者の詳細
  ビジネスディ 9月25日、26日
 来場者数 209人(カウントできていない人もあり)
 ・ゲーム開発会社関係(採用関係含む) およそ50%
 ・大学関係,教育関係 およそ30%
 ・eスポーツのプロプレイヤーやゲーム業界関係 およそ20%
 ・卒業生,その他 およそ10% 
 多くのゲーム業界やeスポーツ業界の産業界の方が阪南大学のブースに来場戴いた。あらかじめ下調べをして、阪南大学の活動を知った上で
 採用目的や教育活動目的で来場された方もいらっしゃった。
 通常では絶対出会えないようなプロプレイヤーや、世界のゲーム開発のトップエンジニアにも来場いただいた。
 評価していただいた点は主に「バックエンドシステムの開発」をしたことであり、他大学と差別化ができ、ゲーム開発や企業の方にお褒めをいただいた。
 
特筆すべき来場者とそのコメントは以下の通り。
・SEGA開発者(2000年の阪南大学経営情報学部1期生の卒業生)
 コメント:阪南大学が出展していると聞いてびっくりして来ました。総合情報学部に変わったこと、後輩が頑張っていることをうれしく思います。
 様子  :長時間にわたって後輩の開発したシステムを見ていただきました。卒業生ならではの厳しい指摘に学生は凹んでおりましたが、
      学生にとっては大変勉強になり、かつ、将来の目標にもなったと思います。
 
・バンダイナムコ開発
 コメント:他の大学や専門学校がゲームのフロントエンド(皆さんが実際に操作するゲームアプリ)のみを展示している、
      阪南はそれに加えてバックエンドシステム(ログインやユーザ管理セッション管理等)をしっかりと作って展示している。
      これはとてもすごいことである。
      クライアントゲームとバックエンドシステムの両方を開発している教育機関はない。
      学生の皆さんは自分たちのシステムが価値あることかをしっかり認識して、もっと自信をもってほしい。
 様子  :この方も長時間の滞在で学生とたくさん会話していただきました。学生もあまりのお褒めの言葉にびっくりしておりました。
 
・スクエアエニックス開発者
 コメント:バックエンドシステムをつくっているのは素晴らしい。これは他大学と一線を画している。ここまでできる学生をぜひとも欲しい。
 様子  :こちらも非常にお褒めの言葉をいただきました。ありがとうございます。
 
・日立ソリューションの開発者
 コメント:クライアントからバックエンドまで全部を経験しているとは非常に珍しい人材です。ぜひとも応募をお願いします。
      クライアントしかできない、バックエンドしかできないとどちらかしかできない人材は多くいます。
      両方できることの強みはすごいです。
 様子  :ゲーム業界ではなくシステム開発業界でもバックエンド開発の強みはすごいと思いました。阪南をアピールする特徴のひとつにしたいです。
 
その他プロプレイヤーチームや伝説のバトルフィールド開発者等、非常に多くの皆様がお越しいただき、ゲーム開発やシステム開発における「バックエンドシステム」の開発できる能力を示すことで、阪南大学の存在感が増した。また、他大学にはない「ゲームを使った教育の教育効果」等の研究も「他の大学とは展示内容が異なり、非常に目について訪問させてもらった」とのことであった。ビジネス関係者には阪南大学を強くアピールすることができた。
 
❷ 一般ディ 9月27日、29日
 来場者数 150人(カウントできていない人もあり)
 ・小学生、中学生、高校生とその保護者
 ・SNS配信者、社会人、卒業生、在学生保護者
  一般ディは名刺等のやり取りがなかったので、正確な分類が難しかった。大まかに親子や遊びに来た社会人、SNS配信者が多かった。
  ソフトバンクの社会人の方も生成AIを使った研究に興味をもっていただいた。一般ディの印象を以下に示す。
    
 ・アカデミーブースは合同オープンキャンパスになりつつある
  ゲーム好きな子供の進学先として親子でアカデミーブースを回っている。通常のオープンキャンパスなら一校ずつ回る必要があるが、
  東京ゲームショウなら1日で多くを回れる。
  その中で、「専門学校でゲームを作るだけでは将来が心配」と大学を訪問してくれる。
  ほとんどオープンキャンパスのノリで大学案内を保護者に説明した。阪南大学の教育を興味深くきいていただいた。
  また、東京ゲームショウは全国規模なので関西からの来場者も少なからずいた。知名度の高い東京ゲームショウの日本全体の影響力を感じた。
 
 ・アカデミーブースはSNS配信者の注目を集めつつある
  SNS配信者がアカデミーブースを回っている。阪南大学のライブ配信を含めて3人ほどのSNS配信者が来ていただいた。
  理由は、「カプコンやSEGA等の有名ブースは有名インフルエンサーが十分配信しているので、アカデミーブースを配信することで
  特徴を出そうとしている」と感じた。
  つまり、アカデミーブースはSNS配信者に注目されているということである。
  SNS配信者も他の教育機関と異なる展示をしている阪南大学に注目してくれた。SNS上では口コミ等の影響力は大きく、
  知名度アップに貢献できる。
 
 ・アカデミーブースは勢いがある
  東京ゲームショウ全体の勢いもあるが、アカデミーブースはさらに勢いが強いと感じた。
  教育機関がアカデミーブースの活用方法とその効果を認識してきたようだ。
  つまり、学生の開発したゲームを展示するだけではなく、大学や教育機関を企業や一般の高校生等の進学希望者に
  アピールする格好の場ということである。
  在学生の学生のモチベーションにも大きく貢献できるだけだはなく、同時に、企業や産業界にもアピールできて、
  さらに、入学希望者にも広報を一度にできる場ということである。
  それらの効果を各教育機関が把握して、アカデミーブースは勢いが増したと感じた。阪南大学もそのメリットを享受できると思う。
 

4.まとめ

 4日間の東京ゲームショウ出展を通して、ゲーム開発業界、eスポーツ業界の新しいコネクションを作ると同時に、従来のシステム開発会社とのコネクションも作ることができた。同時に高校生や中学生とその保護者にもオープンキャンパスと同様にアピールできることが分かった。
また、出展する本学学生も企業から直接お褒めの言葉をいただき学生モチベーションの向上にもつながった。今回の出展の効果をまとめると以下の通りとなる。

① ゲーム開発業界等の就職先のために100社以上の名刺交換ができた。学生の新しい就職先の確保に役立つ。

② バックエンドシステムを含むシステム開発教育やeスポーツを取り入れた高等教育等で他の大学や専門学校と差別化でき、
  企業や産業界の認知が推進できた。

③ SNS配信者や圧倒的な入場者数によって阪南大学の知名度向上に役立った。


④ 東京ゲームショウのアカデミーブースの一般ディは、合同オープンキャンパスの役割を果たしつつあることが分かった。

⑤ 一回の出展で「就職先の確保」「阪南大学の知名度向上」「入学希望者の確保」が同時に可能である、効率の良い効果的な出展であることが分かった。


以上、出展の内容と様子、その効果を示した。来年度以降も規模を大きくし、他の先生方の研究紹介も含めて継続的に出展することが重要であるといえる。
継続した出展に向けての検討を進めたい。
  • 最初はこんな感じ、一番小さいブースです。

  • 荷物が到着してどんどん設置していきます。

  • デモで重要なサーバー機も設置終了!形になってきました。

  • 当日準備万端! 来場者を待つのみ。

  • 来場が開始され人が流れてきました。呼び込み頑張ります。

  • 他大学は造作も凝っておりブースも広いです。中身で勝負です。

  • 湘南工科大学さん尚美大学さんも苦労話を聞いてきました。

  • まだ来場者も少なく撮影する余裕がありました。この後、怒涛の来場者ですっかり撮影余裕がなくなりました。

  • ブース内はこんな感じ。まだ余裕がありました。

  • 開場前の正面玄関。ここが人で埋め尽くされます。

  • バトルフィールドのあこがれエンジニアと! 感激です。

  • 卒業生も来てくれました、興味深々で見てくれました。

  • 隣は愛知工業大学さん、反対の隣はオンラインスクール専門学校さん

  • 去年よりも確実に規模が大きく出展数も多く、来場者数も多くなったアカデミーブース

  • 一般ディの朝7時、すでに来場者が幕張メッセの周りに大行列です.すごい人数!!

  • バイオハザードの警官コスプレレイヤーさん。インフルエンサー?

  • 偶然に来場してくれた卒業生の奥様!

  • 出展学生のご両親が来場。万博へ行く予定でしたが、キャンセルして東京ゲームショウに来ていただきました。息子さんからデモ説明を受けています。

  • 一般ディは親子ずれでにぎわいました。

  • 4日間ご苦労様でした。片付け中です。

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