鹿児島観光コンベンション協会で成果報告を行いました

合わせて、パンフレット掲載用写真の撮影も行いました

 森重ゼミでは今年度、鹿児島市を対象にフィールドワークを実施してきました。その成果がほぼまとまったことから、3月20〜23日の3日間、3年生のゼミ生全員で鹿児島市を再訪し、パンフレット掲載用の写真撮影と鹿児島観光コンベンション協会での成果報告を行いました。
 パンフレットについては、第31回日本観光研究学会全国大会学生ポスターセッションをはじめ、鹿児島県大阪事務所での成果報告など、学内外で何度も発表を行い、その都度いただいたご意見をもとにブラッシュアップを図ってきました。また、大谷新太郎准教授に成果を見ていただいた際に、パンフレットで楽しさが伝わるよう、ゼミ生が写っている写真を使った方が良いとアドバイスをいただいたことから、今回の現地調査の1日目と3日目にグループに分かれ、写真撮影を行いました。
 現地調査の2日目の午後、ゼミ生全員で鹿児島観光コンベンション協会を訪れ、パワーポイントを用いて成果報告を行いました。成果報告では、SNSによる情報発信の検討やパンフレットの役割の明確化などについてご意見をいただきましたが、おおむねわれわれの取り組みを評価していただきました。成果報告の詳細については、以下でゼミ生が報告します。
 今後はパンフレットの完成をめざし、最終的な取りまとめを行っていく予定です。今回の現地調査に際し、年度末のお忙しいところ、お時間を割いてくださった鹿児島観光コンベンション協会の皆さまに、心より御礼申し上げます。(森重昌之)

フィールドワークの様子

  • 研究成果の発表の様子

  • 研究成果の発表の様子

  • 成果発表後の質疑応答の様子

  • 成果発表後の質疑応答の様子

  • 成果報告後に鹿児島観光コンベンション協会の方と記念撮影

  • パンフレット掲載用写真の撮影の様子

※関連記事

参加したゼミ生の報告

成果報告を経て私たちはどう歩むか
 国際観光学部4年 寺田收孝

 私たち森重ゼミ3回生は3月20日〜22日の3日間、歴史のイメージの強い鹿児島市に若者を呼び込むために、これまでのゼミ活動で行ってきたことの成果報告と、若者向けのパンフレットを作成する上で不足していた情報を収集するため、鹿児島市を訪れました。成果報告会では鹿児島観光コンベンション協会様に報告を行い、今後に向けた意見交換を行いました。
 そこであがったご意見として、1つ目に紙媒体のパンフレット以外の発想はなかったのかという意見をいただきました。鹿児島市のプロジェクトを開始した当初は、動画を制作し、制作したものを市役所や観光コンベンション協会などのウェブサイトに載せていただき、それによって日本全国の多くの若者に来ていただけるきっかけとなればと考えていました。しかし、ゼミ活動を進めていくうちに、徐々に期間中には間に合わないという発想になってしまい、その結果紙媒体のパンフレットとなってしまいました。今後は紙媒体であったものを変えるべきかについて考え、変えるべきであるならば、自分たちで若者向け専用のウェブサイトをつくり上げて発信していくべきか、それとも紙媒体のものをウェブ媒体のものに変えて市役所や観光コンベンション協会のホームページに載せていただけるようにするかなどを考えていきたいと思います。
 2つ目に、鹿児島市には多くの紙媒体のパンフレットが案内所などにあり、訪れた若者は果たして私たちが制作したパンフレットを取っていただけるのかというご意見があがりました。多くの人に1つのパンフレット取っていただくためには、他のものに負けないインパクトが必要となります。私たちのパンフレットは他のものに比べ、インパクトが不足しているのか考える必要があります。成果報告会の前後に、私たちが作成したパンフレットで紹介している観光資源の写真に私たち自身が写り、オリジナルのものになるよう工夫してきました。果たして、そうすることによってインパクトのあるものになったか考えていく必要があります。今後、紙媒体のままで進めていくのであれば、インパクトをより増すようにデザインなどを変化させていく必要があると思います。
 最後に、鹿児島市を事例に若者観光客を地方都市に取り込む方法で、ただ単に若者である私たちが行きたい場所を選択し、その選択した場所をパンフレットに載せるだけではなく、若者の観光動向を深く把握した上で、どのようなシチュエーションの時にどのような観光資源を選ぶのかを考えて選ばなければ、良いパンフレットを作成することはできないことを学びました。この機会をきっかけとして、この先の卒業論文を作成する際などに学んだことを活かしていきたいと考えています。

観光客によってつくられる新たな観光の可能性
 国際観光学部4年 森川奈央

 私たちは3月21日に鹿児島観光コンベンション協会で、鹿児島市を事例にした「若者が求める観光情報とメディアによる情報発信の相違に関する研究」の発表を行いました。鹿児島観光コンベンション協会の方々には、昨年9月に聞き取り調査に訪れた際、若者に人気だと思われる観光地や地元の方々しか知らない観光地を教えていただき、鹿児島市に若者の観光客を誘致する方法について意見交換を行い、ご協力いただいたことから成果報告をするに至りました。
 鹿児島市は桜島や明治維新に関する資料館など、歴史的観光資源は有名ですが、若者が興味を惹く観光資源は少ない印象がありました。実際、私たちもガイドブックや旅行雑誌で調べているだけの段階では、若者向けの観光資源が少ないように感じました。しかし、実際に鹿児島市を訪れてみると、若者が魅力を感じる観光資源をたくさん見つけました。つまり、若者が興味を惹く観光資源がないのではなく、正しく情報発信が行われていないのだと気付きました。発表内容は上記の情報発信の相違について明らかにするとともに、それを受けて私たちが若者目線で鹿児島市の魅力を伝えるために作成したパンフレットを見ていただきました。
 このパンフレットのタイトルは「厳選鹿児島ならココMAP! イマドキの若者が巡る旅」とし、私たちが実際に訪れ、若者が楽しめそうだと感じたスポットを写真付きで掲載しました。また、裏面には若者を「カップル」、「一人旅」、「男友達」「女友達」のジャンル別に分類し、それぞれにお勧めのスポットを掲載しました。パンフレットに掲載している各ジャンル別の写真について、もっと振り切ったものにしてみても良いのではないかとアドバイスをいただきました。振り切ったものというのは、学生が自分たちでつくるパンフレットなので、もっと自由に考え、出版されているガイドブックや旅行雑誌では掲載されないであろう写真なども楽しさが伝わるものであれば載せてもよいのではないかと提案していただきました。そこで、翌日にパンフレットに掲載している観光スポットの写真を変更するため、撮影を行うことにしました。
 また、実際に訪れた人が伝える魅力というものはとても伝わりやすくて良いと、お褒めの言葉もいただきました。近頃の観光とは、訪れた人のレビューを見て観光に行く決め手になることが増えてきているように思います。私たちの研究は、実際に足を運んで得た感想をもとに作成しており、そこが苦労した点でもあるので、褒めていただき、とても喜ばしいことだと感じました。
 鹿児島観光コンベンション協会の方々は、鹿児島市について日頃から仕事として鹿児島市に携わっていらっしゃるので、鹿児島市に対する気持ちの強さを感じました。また、私たちでは考えつかないような意見やアドバイスもいただき、とても良い機会となりました。取り直した写真を含め、いただいたアドバイスを参考に、パンフレットをより良いものとし本研究を終えることができればよいと思います。

若者の観光客が手にとるパンフレットをめざして
 国際観光学部4年 佐々木麻希

 私たち森重ゼミ3回生は3月20〜22日にかけて、鹿児島市でフィールドワークを行いました。特に21日には、昨年9月に聞き取り調査をさせていただいた鹿児島観光コンベンション協会さまに、これまでの研究成果の報告と観光パンフレットの提案をさせていただきました。他の時間には、今までの発表でいただいたアドバイスをもとに、紹介文に合った写真の撮り直し調査を行いました。
 発表内容ですが、鹿児島市は桜島などの自然観光資源や仙巌園などの歴史観光資源が多いというイメージを持つ方がほとんどだと思います。私たちは「若者が関心を示す観光資源が少ない」、「若者向けの情報発信が乏しい」という2点を課題に設定し、研究を進めました。現状では、鹿児島市の観光客数は横ばい傾向にありますが、若者に向けた取り組みは少なく、シルバー世代に向けた取り組みがほとんどだということがわかりました。そこで、先行研究として若者が旅行に出かける動機や条件などを調べ、ジャンル分けを行いました。また、旅行雑誌などから、鹿児島市の観光資源についての情報を収集しました。同時に、3ヶ所で聞き取り調査を行い、実際に現地調査に出かけ、これらの資源の実態を確認しました。次に、事前に旅行雑誌などで得た情報と現地調査時の印象を比較し、表にまとめました。結果として、若者が魅力に感じる観光資源があるにもかかわらず、雑誌などのメディアの情報と実際の観光資源には相違が見られ、情報発信が適切に行われていないことがわかりました。そこで観光資源を紹介するだけでなく、若者に魅力が伝わるようなものが必要だと感じ、パンフレットを作成しました。
 パンフレットでは、若者の視点で魅力ある鹿児島市の観光スポットを厳選し、カテゴリー別に紹介することをコンセプトに、先行研究と同様、「カップル」、「一人旅」、「男友達」、「女友達」のジャンルごとにオススメしたい観光資源を掲載し、人目でわかるように色分けも行いました。掲載する写真には、若者の目を惹くような写真を選びました。紹介文では、あまり文字を読まなくても大丈夫なように、なるべく短い文章で魅力を伝えられるよう、検討を重ねました。
 発表のフィードバックとして、なぜ紙媒体のパンフレットという形式をとったのか、情報と異なっていると感じた点は具体的にどのような内容だったのか、一人旅のおすすめスポットとして選んだ新とそ温泉をどうやって知ったのか、雑誌などで紹介されているところはありきたりになってしまうので、もっと学生ならではの思い切った資源の紹介や写真を使ってはどうかなどのご意見をいただきました。
 私たちがパンフレットを作成したのは、技術的問題や時間の関係からでした。しかし、いずれの発表でもSNSの利用について問われたので、何か利用できないか考えていきたいと思います。掲載した写真は、見た目が綺麗で目を惹くものから、若者が楽しんでいる様子に差し替え作業を行っていましたが、提案した段階のままでは、あまり他の情報媒体との差別化ができていないと思いました。新とそ温泉やマリンポートかごしまなど、他の情報媒体にはあまり掲載されていないマイナーな資源の紹介と、学生が共感し、訪れたくなるような写真が必要だと思いました。
 他にこちらから、追加した方がよいと思う観光スポットや、差し替えた方がよいと思う観光スポットはあるかどうか尋ねましたが、特にご意見はいただきませんでした。それは、鹿児島観光コンベンション協会の方の意見が入ってしまうと、現地の方の意見を入れてしまうことになるので、このパンフレットの意義がなくなってしまうからではないかと後になって考えました。再提案の時には、担当の方がこれだったら置いてもよいではなく、ぜひ置かせてほしいと言ってもらえるような完成度をめざし、改善していきたいと思います。
 また、今回のフィールドワークでは、鹿児島市内だけではなく、指宿市と霧島市にも足を運びました。そこで、観光地間の距離が長いことに気づきました。鹿児島市内にもアクセスが悪い観光資源もありますが、近隣に観光資源がある場合もありました。指宿市や霧島市では自動車が必要不可欠で、近くの観光資源と言っても自動車で30分ほどかかりました。他方で、自動車の運転がしやすいという声も聞いたので、観光資源以外の面でも鹿児島市はとても魅力あるところだと感じました。この魅力を余さずに伝えていけるよう、パンフレットの改良に取り組んでいきたいと思います。

観光情報の発信から始まる地域活性化
 国際観光学部4年 小田健斗

 私たちは3月20日から22日まで、鹿児島市で最後となるフィールドワークを行いました。今回は、これまで何回か調査を行ってきた研究の成果を現地の方々に発表することが目的でした。1日目は、パンフレットの作成を行っている中で素材となる写真の撮影を行いました。当初使用していた写真は、ウェブサイト上のものであったり、私たちが写っていなかったりするなど、実際どのようなシチュエーションなのかわからない写真がいくつかあったので、見るだけで雰囲気が伝わるような写真を撮影しました。この日は夕方に指宿市を訪れ、そこで宿泊しました。
 2日目は指宿市で砂むし温泉を体験してから、鹿児島市の鹿児島観光コンベンション協会で成果発表を行いました。発表を終えて意見をいただいた中に、SNSによる情報発信やウェブサイトの作成などもよいのではないかというものがありました。確かに、ネット社会が拡大する現状で、鹿児島市にも多くの観光マップがあふれており、観光情報を広めていく上で他のものとは違った内容が求められ、難しい部分もあると思います。しかし、その中で私たちのパンフレットはターゲットを若者に絞ることにより、ありきたりな観光を、私たち若者目線に一番寄り添った旅に変えて提案ができることが、特徴のひとつになっています。遊び心を持った写真や一言などは独特のインパクトがあり、若者には一番影響しやすい内容である点がこのパンフレットの一番の可能性であり、またアピールポイントになっていると思いました。最終日は、1日目に天候が悪く撮ることができなかった残りの観光スポットの写真を撮影した後、霧島市で観光を楽しみました。
 今回のフィールドワークを終えて、観光は形のないものなので、考えた分だけ、独自の新しい観光が生まれることを実感し、観光コンベンション協会の方がおっしゃっていた「ミクロの情報が必要になってくる」ということの大切さがわかりました。旅行会社や旅行雑誌を見て旅行する人が多いため、たいていの人が同じような形態の旅行になってしまいます。私たちが作成したパンフレットを使用してもらうことで、地元の人に愛されているような場所などを訪れてもらい、旅行者が想像していた鹿児島市だけでない魅力を伝えることができると思います。また、インターネットの普及によって情報が拡散され、たくさんの人に訪れてもらえるようになることで、地域活性化につながっていくので、今回のパンフレットがこれから鹿児島市を旅行する方にとって、ひとつの情報のツールになっていけばよいと思いました。

旅の魅力と仲間の大切さを再確認できた活動
 国際観光学部4年 山田奈緒子

 私たち森重ゼミ5期生は、3月20日から2泊3日の日程で鹿児島市を訪れ、鹿児島市役所でゼミ活動の成果報告を行いました。私たちは約1年間かけて、鹿児島市に若者の観光客を増やすための取り組みを考えてきました。そのため、鹿児島市に2度足を運び、資源調査や聞き取り調査を行ってきました。ゼミ活動を行う中で、ゼミ生で意見が合わないことや、正解がわからず行き詰まったこともありました。それでも、途中で学生ポスターセッションなどの発表の機会があり、多くの方々から意見を頂戴し、内容を修正してきました。そして、私たちは若者のための鹿児島市観光パンフレットを完成させました。今回はそれを用いた発表で、私たちにとって集大成の場でした。
 はじめに、パワーポイントで今までの活動報告を行い、観光パンフレットを紹介しました。活動内容には関心を示していただき、観光パンフレットにも大変興味を持っていただきました。そして、観光パンフレットをより良くするためのご意見もいただきました。1番多くいただいたご意見は、学生がつくった観光パンフレットなので、もっと学生らしさをプラスした方が良いというものでした。確かに、観光パンフレットに使っていた写真は、その観光地の風景が多く、学生がつくったということがわかりにくくなっていました。「観光コンベンション協会ではつくれないようなものをつくってほしい」と言っていただき、観光パンフレットをより良いものにしようという気持ちが強くなりました。鹿児島観光コンベンション協会での発表を通して、私たちにとって今まで諦めず活動を続けてきてよかったと感じることができ、とても有意義な時間でした。
 発表は2日目に行ったので、1日目と3日目は鹿児島県内を訪れました。鹿児島県を訪れたのは3度目でしたが、これまでは調査が中心だったので、観光旅行をすることはあまりありませんでした。ですので、今回楽しみにしていることの1つでもありました。指宿や霧島など、鹿児島県を代表する観光地を訪れ、鹿児島県の魅力を再発見し、楽しいひと時を過ごしました。1年前にゼミ生と話し合い、フィールドを鹿児島市に決定しました。今回の活動では、大人数で1つのことを完成させる難しさを痛感しました。しかし、ゼミ生と達成感や喜びを分かち合うことができたこの1年間は、私にとって忘れられない、とても大事な時間になりました。また、改めて旅の楽しさやおもしろさを実感することができました。訪れてみないとわからない、その土地の魅力や人の温かさを知ることができることが旅の魅力だと再確認しました。今回の活動を通して、今まで以上に旅が好きになりました。