経済学部3年 西野 有咲 さん

 ベトナム・ホーチミン市にて8月17日から9月15日の約1ヶ月の間、大学のプログラムを利用し、インターンシップに参加した。このインターンシップに参加した理由は2つある。1つ目は、海外で働くことに興味があり、自分自身グローバル人材として、海外で働くことができるのかを学生の間で知っておきたいという思いを持っていた。そして2つ目は、就職活動をする際や社会人として働き始める際に役に立つのではないかと思い参加した。
 私が配属された企業は、「FOODCONNECTION Co.,Ltd.」という飲食店のWeb制作を中心としている総合支援会社である。同じインターンシップに参加している福岡の私立大学2年生と一緒に配属された。私達が携わった仕事内容は「FooBiz Vietnam」という、ベトナムに進出している飲食店や飲食関連業者に関する情報を、ベトナムで起業したいと考えている方などの日本人向けに発信しているWebサイトの記事を書くことであった。そのために、ベトナムで飲食業に従事されている方にアポイントを取ることや、取材をすること、そこから記事に書き起こすことなど、ライターとしての仕事を担当していた。
 早速取材に同行させていただいた。取材の流れや質問の仕方、内容をどのように詳しく聞いているのか等のライターの仕事を実際に拝見した。その取材した内容を、今回私が記事を作成することになった。作成するにあたって、ベトナムの飲食店事情を知らない人など誰が見てもわかるようにしなければ伝わらないが、一方で取材した方の考えを崩さないように文章を作っていかなければいけない。さらに、ベトナムのことや飲食情報を、教えていただいてはいるがほとんど知らないという状況下で飲食店の記事を書いていくという壁があった。これを打破するにはまず情報を集めて、しっかりと自分の中で理解した上で記事に挑まなければ、閲覧者に伝わない為、情報収集から開始した。そして、理解した上でインタビューの中で重要だと感じた内容を文章に起こしていくことにより、相手に伝わりやすい文章を書くことができるのだと感じた。また、記事を書く為に取材させていただく方にアポイントを取っていた。営業のように電話を使ってではなく、メールで送っていた。その為、文章でアピールしなければならず、電話とは違うアポイントの難しさを知る事ができた。そしてアポイントが取れたところに取材を行った。ターゲットは誰なのか、そのターゲットは何を求めて閲覧しているのかを意識しながら、質問内容を考え、インタビューした。話の流れを考えながら、閲覧者が気になりそうな内容や、私が気になった内容を聞く事ができた。傾聴の大切さや、話を広げることの難しさなど、コミュニケーションの必要性を再認識した。
 仕事面ではベトナムで働くことはどういったものなのかとても身にしみて実感でき、とても充実していたと思う。これは、インタビューをして様々な人の意見を聞いたことで、ベトナムはどんな国柄で、どのように経営していくのか、どんなトラブルがあるのかなど様々な事情を知ることができた。生活面でもとても充実したものになったと思う。日本とは違う、慣れない環境で右往左往するときもあった。少なからずストレスがかかる環境で、何をするにも自分でやる必要があり、上手くいかない時ももちろんあり、イライラした時もあった。自分ではどうしようもないストレスを感じ、腹が立つことだってあった。しかし、考え方を変えることで、そのストレスさえ全てではないが楽しさに感じられるようになった。物事の捉え方、考え方など別の角度から見ることで感じ方がここまで変わるのだと改めて感じた。また、海外ということでコミュニケーションを取ることはとても大変だった。仕事で使うのは日本語で受け取るコミュニケーションだったが、生活で使うのは英語での発信するコミュニケーションだ。ある程度英語を聞き取ることはできるのだが、話す事ができないので身振り手振りを使ってコミュニケーションを取っていた。言葉が通じなくても大体の意思疎通はできるが、自分が思っていることをしっかり相手に伝えようとすると、英語などの言葉は必要だった。言語の大切さを知る事ができるのも、海外に行かないと本当に実感できないのだと感じた。
 ベトナムインターンシップに参加した事で、普段の生活では得られないものを得られる機会であり、成長できるものであった。これから先、この経験が役に立つことばかりで参加を決意してとても良かったと感じた。

国際コミュニケーション学部 3年生 廣川 賢三 さん

 このインターンシップに参加させていただいて、私は様々な成長をさせていただきました。まず、参加させていただいた理由として、海外で事業展開したいという思いが強く日系企業が今多く参入しているのがベトナムだったので経営方針はどのようにしているかまたベトナム人とのコミュニケーションの取り方を学びたく参加させていただきました。そして、現代の日本の少子高齢化時代を考えると近い将来必ずどの企業でさえも海外を視野に入れざるを得ない状況になることが予測できるからです。
 当初ベトナムに行く前のイメージとしては、発展途上国である東南アジアに対してそれほどいいイメージを持っていませんでした。以前に短期留学制度を利用してフィリピンに訪れた時まだまだ建設中の建物や路上生活をしている人たちの多さを見てまだまだ東南アジアには未来があるなと思いました。そして、ハングリーな場所に身を置くことで自分自身を一回り二回りも大きくしようと思いベトナムを選択させていただきました。ですが、実際ベトナムのホーチミンを訪れたところ最初に思ったことは日本とそれほど遜色ありませんでした。もちろんローカルフードを食べたり路上生活をしている方たちを見てみるとベトナムだと思うことはできますが、中心街に行けばほとんど違いはありませんでした。辺りを見渡せば高層ビル、日本食、居酒屋などが連なり日本人にとっては非常に住みやすい国でした。市場を訪れても日本語を片言ではありますが喋れるフレンドリーな方ばかりで、ベトナム語でも意思疎通を測りたいなと何度も思いました。そして、ベトナム人は非常に家族を大切にする文化があり週に1回は家族で会うという今の日本とは大きく違うものを感じ日本でもそうであってほしいと思いました。
 次に仕事の話をさせていただくと私のインターン先は、佐川Vietnamでした。日本では有名な佐川急便系列です。ベトナムではそれほど知名度は高くないですが、従業員1000人近くいる大企業です。私自身物流関係など勉強したこともなく右も左もわからない状況でした。そんな中、実際に営業に同行させていただきベトナム人と日本人の考え方の違いや営業スタンスの違いを知ることができました。そして、日本人の営業マンのトークには何度も驚かされました。話が途切れないように様々な話を用意されていました。その姿を見て見習わなければならないと何度も思いました。ベトナムでの営業は、社長との対面が基本で日本では聞くことができないだろうと思う話ばかりで個人的な質問を社長にするのがすごく楽しみでもありました。さらに大学生の僕の話を真剣に聞いてくださり、的確なアドバイスまでいただくことができ考え方の全く違う社会人の方々とお話しできたことは私自身の人生の中で大変貴重なものとなりました。将来の夢をかすかに抱いていた自分にとってそれを明確にさせてもらえたインターンシップになったのではないかと思います。職場のベトナム人の方々は、お昼休憩はしっかり寝て定時になれば我が先に帰るというスタンスでした。私は、この職場の雰囲気を知りもっと日本も改革すべきだと思いました。残業することが偉いという考え方の日本社会では、ストレスを抱え込み自殺者が多い国となっても何の不思議もないなと思いました。ベトナムは、日本から学ぶことが多くあると思っていましたが日本も見習うことのできる箇所も数多くあると思いました。さらにベトナム人の方々の向上心の高さには、何度も驚かされました。日々自身の成長だけを志しながら生活しておられました。日本語、英語堪能なベトナム人の方は、次に中国語の勉強をされていて向上心の高さはどこの国にも負けていないと思いました。
 日本語と英語ができて当たり前の雰囲気が流れており、どちらの言葉も流暢に会話してるのを見て私自身恥じらいを覚えました。8年間近く英語を勉強しているにもかかわらず、満足な会話ができない自分に疑問を持ちました。ベトナム人の方々は、ベトナム語が世界では通用しないのがわかっていました。だからこそ、多言語を学ぶことで自分の視野を広げているのだと教えていただきました。その姿勢こそ日本が最も見習わなければならない点ではないのかと思いました。前半で述べさせていただいた通り、少子高齢化は深刻な問題です。
私自身現代の日本の流れに置いていかれないようますます海外を視野に入れていこうと思うことができました。そして、私自身毎日が勉強で日本では味わうこのできない一か月間だったと思いました。

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