経済学部3年 山下 拓人 さん

ベトナムでの生活

 まずはベトナムでの生活からレポートします。初めに驚いたのは輸入品の価格の高さです。分かりやすい例が煙草です。ベトナムの煙草は一番安いものは50円ほどで買えますが、アメリカのマルボロや日本のメビウスといった海外の煙草は150円ほどと価格に大きく差があります。日本で購入してもここまで大きく差はありません。このことを意識しておかなければ考えている以上にお金が減っているということが起きます。
 この写真はホテルから少し離れたところにある交差点の風景です。ここで会社までのタクシーを捕まえていました。ベトナムは確かにバイクの交通量が多いですが、一方通行が多く、また速度が遅かったのでそれほど危険は感じませんでした。
 この二枚は私がインターンシップ先であるFeelsync System社長の種市さんに連れて行ってもらった店の風景です。2000円から10000円ほどと高い店で、ベトナム人をターゲットにしているわけではなく、欧米の客が多かったです。こういった高級料理店は日本と比べても遜色ないと感じました。客層が国籍から違うというのが日本との違いです。
 中国のダイソーことメイソウを見かけたので授業で学んだということもあり、行ってきました。価格は100円で固定ということではなくバラバラで同じようなものが同じ値段という具合でした。中国資本なのにJAPANとでかでかと様々な場所に書いてあり、苦笑しました。ですが店内は賑わっており、土産を買いに来る客だけではなく地元の人も見かけました。

インターンシップの様子

 インターンシップ先として上記の通り、種市貴文さんが代表取締役社長を務めていらっしゃるFeelsync Systemで研修しました。研修の内容は、業務には一切携わらず、インターネットで情報を100円で売ることからビジネスやセールスといったことを学ぶことでした。合間に種市さんとの話やビジネス本を読むことで、経営者としての目線やビジネスのセンスも学びました。まず初日にインターンシップでやりたいこと、将来やりたい仕事のヒアリングをしていただき、上記の課題を決定し、3日ほど試行錯誤を繰り返しました。
 ですが、そういったことをしたことがなく、煮詰まってしまいました。そこで種市さんから本を読む際、「基礎・ノウハウ本・ストーリー本」を3冊ずつ、計9冊を読み、それぞれの段階で共通して書かれていることを本当に大切なことで、それをストーリー本で確かめるという読み方で一つの物事はマスターできるということを教わり、そのうえで読んでおくべき本を薦めていただきました。二日ほどかけて読み切り、強調されていたことをノートに書きだし、共通していることは何かを見たとき、顧客を把握することがなにより大切だということでした。顧客が欲しいと言ったモノを売る、顧客が把握していない問題を解決するモノを売るなど、細かい部分での違いはありましたが、顧客の立場にたってビジネスを考えることが一番大切で、それを第一に考えていた企業は発展していましたし、疎かにした企業は最終的に倒産していました。
 そのことを踏まえ、闇雲にブログやnoteの記事を作るのではなく、まずSNSでどういった情報が欲しいかということを聞きこみました。そこで得られたものはFacebookとTwitterでは客層が違うということでした。Facebookではビジネスの話はしやすいものの、趣味の話はなかなか見つけづらいこと、Twitterはその逆でした。そのことを踏まえ、まず自分の強みだろうと寿司について英語で書いたものを用意しました。本当であれば握り方を記事にしたかったのですが、ベトナムでは材料が手に入らないこともあり、簡単な紹介に留まりました。確かにSNS上で寿司を食べる海外の人は多かったのですが、これでは欲しいという人がいないということが分かりました。
 次に、種市さんに今話題なものも売れるとのアドバイスを頂いたので、テレビ番組の視聴率とTwitterのリアルタイム検索で人が集まりやすい番組で記事を書こうとマーケティングを行いました。得られたものは視聴率と人々の関心は必ずしも比例しないということです。ニュース番組と鉄腕DASHの視聴率はほとんど変わりませんが、ツイート数は100倍も変わっていました。また、ドラマは視聴率とツイート数が安定して高く、またインターネットで検索しているとあらすじの記事が多い中、使用されたインテリアの紹介をしているものがあり、なるほど、これなら有料でも買いたいと感じるなと思いましたが、ベトナムでは日本のドラマを見る環境がないこと、また私自身も普段ドラマを見ないので記事は書けないと最終的に判断しました。
 次に、「更新がされていないようなゲームのサイトなら有料でも買いたいと思う。」との意見をTwitter上で頂きました。私がプレイしているものでいくつか思いつくものがあったのでそれで記事を書けるぞと取り掛かりましたが、大手が無料で公開しているようなもののクオリティの記事、また当然最新の情報を書くにはそのゲームの前線に立っていなければならないこともあり、難しいと判断しました。そこで今後配信されるもので書けないかと考えましたが、時期が悪いことで断念しました。ちょうどそのとき、プレイしているアプリのゲームで新キャラが実装され、手に入れることができ、またそのゲームの攻略サイトが更新されていないので使用感をレビューしたものをひとまず無料で公開しました。Google検索でヒットするようにしたこともあり、アクセス数が稼げました。
 ここで失敗したのはここまでアクセスが伸びるとは予想しておらず、無料で公開してしまったことです。次の手として、プレイしている人ではなく、プレイしてみたいと考えている人に紹介する記事ならと考え、Twitterでゲーム名、やってみたいで検索をかけ、ヒットしたツイートに声を掛けました。最終的にこれで売り上げを出すことができたのでなるほどこうやってインターネットでビジネスするのか、マーケティングはこうするのかというノウハウを学ぶことができました。
 ベトナムインターンシップで私は、ビジネスに対する考え方を学べました。私自身、モノを売る仕事に就きたい、起業したいという気持ちがあったので非常によく噛み合ったインターンシップになりました。環境に慣らされるということなく、起業して種市さんに胸を張れるようなキャリアを積むという目標が立てられた有意義なインターンシップでした。

経済学部 3年生 枝本 萌 さん

 私がベトナムのインターンシップに参加した目的は、他の国の文化を触れ、日本で学生アルバイトをしていた視点とは違う、新たな基準や見方で、海外の働き方、会社の雰囲気、仕事に対する取組み方を実際に体感したかった。また、将来の職業を選択する際に自分がどのような仕事に向いているかの判断材料にし、将来の就職活動に繋げ、イメージと現実のギャップを埋めたいと思った。
 JV-ITというITの会社でインターンシップを行った。Webシステムの管理やIOS・Androidアプリ開発・テスト、Webのデサインを行っている会社で、任された主な仕事は、ブランデングと広告・PRだった。また、Facebookに載せるコンテンツ作成、日本語のサポート、翻訳を行うことだった。2週目の中間報告と4週目の最終報告の2回の報告があり、課題を与えられた時「会社に就職したことが無い日本人学生」だからこそ出来ることをしようと強く思った。
 アオザイ(ベトナムの伝統的な衣装)を着た歓迎会で、1つ1つの行事・イベントを楽しんでいて、それを業務的に捉えていない所が、魅力であって、これから会社を知ってもらう時に、大きな強みになると思った。ベトナムの中秋の名月にも、社長さんから社員さん1人1人に、月餅(MOON CAKE)が配られていて、日本に比べてベトナムは行事に対する認識が大きく、大事にしているように感じた。普段感じることが出来ない、また違った視点から会社を見ることが出来た。
 1回目の中間報告での私たちの課題は「日本人のクライアントが欲しい」「日本人エンジニアを採用したい」「良いベトナム人人材を採用したい」が明確に出来てない事だった。FacebookやInstagramの利用者の統計や数字にこだわり過ぎて「惰性」が足りなくて、「自分はJV-ITのここが好き」などの「好き」と感じるポイントが必要とアドバイスを受けた。もちろん、数字を見て、アプローチ方法を考えるのは大事だが、その前にJV-ITで働く皆様の実際の感想やより感情的な気持ちの部分を知る必要があると感じた。なので、Googleのアンケート機能を使って、皆さんにアンケートをお願いした。私がアンケートで一番びっくりしたことは「仕事はつらいですか?」という質問に過半数以上の人が、「いいえ」と答えていた。「いいえ」と答える人が多い理由は、お昼寝をする習慣があったり、業務中でもSkypeで話したりしていて、リラックス方法があるからなのかと自分は感じた。
 また、ベトナム人は比較的時間にルーズな人が多く、出勤時間になっても来てない人がいたり、5分前行動の習慣が無かったりして、時間にきっちりしていることが当たり前な日本では想像も出来なかった。日本でアルバイトを行っていた時は、業務内、業務外の区別がはっきりと区別していので大きな衝撃だった。
 日本は、家族や友人よりも仕事を優先する人が多いのに対して、ベトナム人は家族を優先しているひとが多いように感じた。なので、定時になると皆さんが帰って、残業はほとんど無かった。日本は、ベトナムのこの働き方を取り入れていくべきだと強く感じた。
 また、社内では、Skypeで会話を行うので、よりリアルタイムで仕事の効率が上がるような工夫がされているように感じた。この会社で当たり前であっても、別の会社、IT以外の会社、日本の会社などが採用していくといいと思った。
 結果として、想像と現実とでももちろんギャップはあったが、日本の会社がまだ始められていなかったりすることは、取り入れていく必要があると思った。
 ブランデング・広告方法を発表したが、期間がもう少しあれば、まだまだ感じられることはあったと思う。ITの会社だからこそ、人とのコミュニケーションが大事で、そこから次の仕事に繋がっていくとJV-ITで働き感じた。

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