2021.2.3

3学部4ゼミ合同研究発表会の報告

阪南大学には,経済学部,経営情報学部,流通学部,国際コミュニケーション学部,国際観光学部の5学部が,それぞれの特色のある教育を展開しています.学生は,自学部での授業やゼミ活動以外に接する機会が少ない状況です.ましてや他学部でどのような学習活動をしているのかを知る機会がほとんどありません.学内のゼミ活動報告会を開催することで,様々な研究課題や学習姿勢を共有することで,学生自身の視野を広め,学生生活を自省する機会として,複数ゼミでのゼミ研究発表会を開催しています.この学部横断のゼミ発表会は今年で6回目を数,しばらくは5学部のゼミが発表していましたが,今年は,コロナ禍で発表できるゼミで発表会を開催していました.この発表会の様子を報告します.
  • 発表会後の集合写真

ゼミ発表会の概要

今年は,コロナ禍の感染ため施策として,400人収容できる教室での開催,ソーシャルディスタンスの確保,マスク着用など感染対策を徹底して開催しました.開催スケジュールは下記の通りです.

開催日:2020年12月19日土曜日 10時~12時30分

発表日スケジュール
  • 10:00 開会挨拶
  • 10:05~10:57 第1セッション 司会:小林ゼミ、三好ゼミ 学生
    小林ゼミA(国際観光学部)
    李ゼミA(国際観光学部)
    永田ゼミA(国際コミュニケーション学部)
    三好ゼミA(経営情報学部)
  • 11:05~12:15 第2セッション 司会:李ゼミ、永田ゼミ 学生
    小林ゼミB(国際観光学部)
    李ゼミB(国際観光学部)
    永田ゼミB(国際コミュニケーション学部)
    三好ゼミB(経営情報学部)
    三好ゼミC(経営情報学部)
  • 12:15 閉会挨拶(教員による講評)
  • 12:30 解散
以下は,小林ゼミ(国際観光学部),李ゼミ(国際観光学部),永田ゼミ(国際コミュニケーション学部),三好ゼミ(経営情報学部)の発表報告です.

小林ゼミの取組(国際観光学部)

小林ゼミの活動目的は、観光交流による地域活性化を目指している国内外地域に対し、地域サイドと協働し「訪問者=学生達」の視点を交えながら観光素材を発掘し、地域の魅力をテーマ性のあるツアープランに仕立て、提案する。すなわち、『産学官(大学と地域観光協会や自治体などそして旅行会社)』連携による地域密着型旅行商品(ツアー)の開発です。新たな交流人口(観光客)を生み出し、地域振興に結び付けることが可能になります。また、ツアープランを企画する過程において、地域の魅力を発掘、商品構成、ターゲット、価格設定、販売方法、観光ビジネスで重要なマーケティング手法を実践的に身につけることも可能となります。今年度の活動地域は福井県あわら市、「あわら市観光協会 × 株式会社阪急交通社 × 国際観光学部小林ゼミ×李ゼミによる産学連携プロジェクト」です。
この度の4ゼミ合同研究発表会は、ゼミの各チームが考案した旅行企画案についてプレゼンテーションを行い、専門性の異なる様々な視点からの意見を頂戴して旅行企画に反映させるという姿勢で臨みました。

小林ゼミAチーム

井上、神頭、桑野、白藤、末友、瀬尾、高原
ツアータイトル:「幸福立県から学ぶ幸せ集めの旅」

今回のツアーでは福井県が幸福度ランキング日本一であること、アンケート結果から夫婦旅行の需要があることに着目し、プランを企画しました。経緯としては、福井県は日帰りの観光客が多いことや、観光素材により集客に大きなムラがあることなどが指摘されている。一方、福井県への観光客は年々増加傾向にある。日帰りの観光客を宿泊観光へ持ち込むには?それが課題解決に近づくのでは、と私たちは考えた。本ツアーでは、幸福の象徴である四つ葉のクローバーを通して幸せを感じる、学ぶ、をテーマにしている。また、ツアーを通して観光者と地域、両者に魅力やメリットのあるようなツアーを提案した。
(井上千鶴菜)

発表会を終えての感想(井上)

今回の発表会を通して貴重な体験をすることができました。
各学部のゼミ活動では、自分には思いつかない活動や研究を行っていました。
とてもいい刺激を受けることが出来たと同時に、各先生方から指摘や意見を頂き至らなかった点や、改善すべき点を確認することができました。発表方法についても、もっと分かりやすく伝えるには等、見直すべき必要があると感じました。
今回の発表を通して得たこと、学んだことを糧にもっと魅力的なプランを企画し、あわら地域の活性化に役立てたいです。

小林ゼミBチーム

玉城、直江、福澤、古谷、牧野、南
ツアータイトル:体験を通して見つけよう!親子で学ぶ福井旅

親子の楽しい思い出作り福井県の課題解決の両方を叶える旅。コロナストレス発散を兼ねて体験を通して親も子も学ぶことが出来る旅。
知識を高めるという意味の知 育、食文化を学ぶ食育、健康的な体づくりを意味する体育、道徳心を学ぶ徳育、この4つの要素を含めたツアー内容である。そして、現在のコロナウイルスによるストレスなどを、福井県の自然豊かな地域で発散するという目的もある。

発表会を終えての感想(南)

今回、他学部の発表を聞いて、普段学んでいることとは全く違う専門知識を知ることができるよい機会になったと感じました。他学部の発表について専門的で少し難しく、よく理解できなかったこともありました。それと同時に私たちが普段当たり前だと思っている事が他学部にとっては当たり前でないことも学びました。反省点として時間に余裕がなかったことです。伝えなくてはならないこと、伝えなくてもいいことをはっきりさせるべきだと思いました。そして、質問にしっかりと答えることが出来なかったことです。緊張したからか戸惑ってしまい、返答に困ってしまいました。今後、発表の場に慣れて緊張せずにはっきりと答えられるようにしたいです。

李ゼミの取組(国際観光学部)

李ゼミでは、「競争力のある観光事業の発展による地域貢献~宿泊施設における体験型宿泊プランの企画提案~」を活動テーマにし、次の二つの取り組みを行っています。
一つは、福井県あわら温泉地域の旅館を対象に、旅館サービスの特徴を学び、より良いサービス提供のための提案や魅力ある宿泊プランの企画提案を行います。
二つは、(株)関電アメニックスが運営するホテルエルシエント京都等において、ホテルサービスの特徴や集客戦略を学び、魅力ある宿泊プランの企画提案を行います。
特に一つの取り組みにおいては、連携型キャリアゼミとして「福井県あわら市あわら温泉地域の活性化」に向けて2つ以上のゼミが連携し、それぞれの指導教員の専門性を活かした観点から課題に取り組むという産学官連携事業の試みです。
この活動では、本来は、夏期休暇中にインターシップをはじめ、新たな観光資源を発掘するための現地でのフィル—ドワーク実施、国内外の他大学大学生との意見交換会・研究発表会への参加など、多くの活動に取り組みます。特に夏季インターンシップでは、ホテルや旅館に勤める上で必要な基礎知識を学んだうえで、運営現場に立ち会い、ホテルや旅館を円滑に運営するための取り組みや仕組みを学びます。その後、ゼミ内では、インターシップで学んだ知識や経験を踏まえ、学生自らが、ホテルがよりよいサービスを提供し、集客力を高めるために取り組むべき課題を考え、その課題解決に向けての提案や魅力ある宿泊プランを企画し、提案します。残念ながら、本年度はコロナ禍のため、インターンシップ研修など大きく制限を受けていますが、このような活動経験は、学生の実践的行動力の向上に大いに役に立ち、今後の就職活動にとって大きなメリットとなり、卒業後、就職先での即戦力にも繋がるのではないかと考えます。

李ゼミAチーム

山口,酒井,枡井,吉本,小倉
発表タイトル:美活応援プラン エルシエント京都×YAMAN

発表会を終えての感想(山口)

12月19日の5学部ゼミ発表会に参加して、李ゼミAチームは「京都のビジネスホテルの宿泊プラン企画案」について発表しました。今年度はコロナの影響もあり、これまではゼミ内での発表がほとんどだったので、大勢の前での発表は少し緊張する場面もありました。発表を終えてみると、多くのことを学ぶ貴重な機会であったと改めて感じました。質疑応答では鋭い質問が多く、的確に答えることができず、戸惑いました。他学部の学生や先生からは、普段自分たちが思いつかない視点での質問であり、大変勉強になりました。たくさんの質問を受けて、改善すべき点についての気づきがありました。また、他学部学生の発表はどれも興味深く、手の込んだものばかりでした。パワーポイントの作り方も各学部ことに特色があり、さまざまなアイデアや見せ方を学ぶことができました。学部は違っても、発表を聞くことで自分たちの取り組みに繋がることもありました。このような滅多にない経験ができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。

李ゼミBチーム

盛,折坂,明城,尾坂,渡辺
発表タイトル:福井県・あわらで衣食住を学ぶ! 〜修学旅行宿泊プラン〜

発表会を終えての感想(盛)

12月19日の5学部ゼミ発表会で李ゼミBチームは、あわら温泉地域の活性化を目的とした「旅館の宿泊プラン」について発表しました。
コロナ禍の影響で、今回の発表会が3回生になって初めて外部に向けた発表の場となり、たいへん貴重な機会でした。また、発表では、宿泊プランの完成度を高めるうえで、より良い方向性や改善すべき点に気づきました。自分たちが正しいと思い込んでいた事が、実はそうではなかったりと、様々な気づきや学びがありました。さらに、先生方から鋭い質問やアドバイスを受けたことで自信がついたところもありました。今後の課題は、分かりやすい発表のための資料作り(スライドや発表原稿の作成)に心掛け、私たちが自らの研究課題についてもっと理解を深めていこうと思います。また、国際コミュニケーション学部や経営情報学部など、他学部の学生が研究している事について興味をもてる機会となり、学部の垣根を越えて、学生たちとの情報交換の場になりました。
さらに、私は、発表会の前半の司会を務めさせていただきました。司会では、周りを見る力や時間配分、人前に立って話す難しさなどを学ぶことが出来ました。
ありがとうございました。

永田ゼミの取組(国際コミュニケーション学部)

永田ゼミAチーム

中川陽菜 中田一誠 中野滝士 中山史弥 中山学斌
発表タイトル:「人がイライラしてしまう瞬間-リモート授業-」

初めての大学での授業はリモートで始まった。学生も教員も手探りの中、さまざまなイライラが蓄積されていった。本研究は、誰一人取り残さないことを掲げるSDGs(持続可能な開発のための2030アジェンダ)の17のゴールの内、「質の高い教育をみんなに」に着目し、当事者である自分たちのイライラを一過性の体験にするのではなく、Microsoft Formsを利用し、学生がリモート授業で感じたイライラの実態を調査し、今後の大学生活を改善していく手がかりとすることを目指した。
結果、リモート授業におけるイライラの主な要因は、提出物の期限、提出場所が分かりにくさ、マイク音声の入れ忘れ、切り忘れ、および画面の共有し忘れといった、技術的な内容であることが分かった。一方で、講義科目や語学科目で学習効率があがった、質問がしやすい、といったプラス面があることについても明らかにした。これらの分析は、ポストコロナ社会で大学教育を受ける私たちにとって「質の高い教育」とは何かを考える重要な手がかりとなる。

永田ゼミBチーム

中川優有 中島葵 中西理子 中野明日春 中島航 中山亜久理 中村このは
発表タイトル:「エコバッグは必要なのか」

昨年の7月からレジ袋が有料となったことにともない、にわかにエコバッグが注目され始めた。ビニール袋有料化が地球環境を守る活動の一環であるという認識から多くの企業がエコバッグを販売し、多くの消費者もエコバッグを持たなければならない、という意識を強めている。
本研究は、誰一人取り残さないことを掲げるSDGs(持続可能な開発のための2030アジェンダ)の17のゴールの内、「つくる責任、つかう責任」に着目して大学生のエコバッグに対する意識調査を行った。Microsoft Formsによるアンケートを実施し、とくにエコバッグを持っていない大学生をターゲットにして分析をくわえた。
結果、エコバッグを持っていない大学生の多くが普段からリュックやトートバッグといった大きなバッグを持ち歩いており、別途エコバッグを持つ必要を感じていないことが明らかとなった。エコバッグは人によってはエコに繋がるが、大学生や大きなカバンを持ち歩いている人にとっては不要といえる。世の風潮としてエコバッグはエコだという固定概念が定着しつつあるが、自分の生活形態に合わせたエコを個人で見つけていくことが大切である。一人一人が当事者意識を持って自分にとって本当に必要なものなのか、本当にエコなのか、をもう一度考えることが持続可能な社会を作っていく第一歩になると考える。

三好ゼミの取組(経営情報学部)

三好ゼミでは,ヤマハ株式会社から提供されている紙製平面スピーカの活用方法として,多数スピーカ上に誘導音を走査することによる避難誘導の可能性について実験を通して検証している.その活動ので,実験で得られる多数データの集計方法,統計的分析方法の習得を目指している.今回のゼミ発表会では,これまで行ってきている走査音源による誘導を効率的に行うための音源走査方法や実際の廊下での誘導実験を通して得た知見について3グループで方向を行った.

三好ゼミAグループ

金津光希,山口昇吾,東元大樹,土屋喬慈
発表タイトル:「走査音による広い範囲での誘導時の走査方法に関する考察
~走査方向認知実験と走査音追従実験~」

発表会を終えての感想(山口)

今回の発表会で私はとても刺激を受けました。いつもであれば自分の研究内容に向き合うということだけになり、視野が狭くなってしまいます。しかし、今回の発表会のおかげで他の学部の研究を知ることができました。他の学部の内容もとても興味的な内容ばかりで、とても勉強になりました。当たり前のことかもしれませんが、学部が違うだけでここまで内容や考え方が変わるとは思いませんでした。
普段のゼミ活動の範囲では、多くの人の意見を聞いたりすることができません。ですが、発表会であれば多くの生徒の意見を聞くこともでき、更に先生方からのアドバイスもして頂けるので、自分の改善点を見つけることにも繋がりました。
世の中がこのような状況の中ですが、今回発表会を開けたことはとても有意義な時間になりました。とても勉強になる事ばかりで、私自身も頑張らなくてはいけないなという気持ちになりました。この発表会で学んだことを忘れずに、今後の自分に活かせるようにしていきたいです。

三好ゼミBグループ

塚田悠仁,細美銀次,横山一輝,豊岡遼
発表タイトル:「避難誘導における先行音効果と走査音の比較について」

発表会を終えての感想(細美)

12月19日に行われた4ゼミ合同研究発表会は、各学部のゼミ活動の中でそれぞれ研究したことを他学部に共有して意見を求め、お互いより良い研究にするために開催されたと聞きました。他学部の研究の発表を聞いてとても興味深いものがたくさんありました。中でも、旅行プランに関する研究を行っていた学部があり、私は旅行が好きなのでそのプランを参考にして行ってみたいなと思いました。 私たちの学部では積極的避難誘導と言うものの実験を行い発表しました。発表では私たちの言葉足らずで、実験の内容が伝わりにくいものとなってしまいました。しかし、その後の質疑応答などで指摘された部分を改善し、より良い研究にしたいと思いました。今回の合同研究発表会は初めて研究したことを発表するので緊張しましたが、とてもよい経験になりました。これからも研究を頑張っていきたいと思います。

発表会を終えての感想(豊岡)

今回の4ゼミ合同研究発表会では普段あまりかかわることのない別の学部の方達の活動を知ることができました。また発表の仕方やスライドの作り方など勉強になることも多く、とても有意義な時間を過ごすことができたと思います。私のグループではスピーカを使った誘導実験を行い、その実験方法や結果などについて発表しました。スライドを作る際にどうすれば初めて見る人に実験方法や専門用語がうまく伝わるかを考えて作ったのですが思うように伝えることができず、人に伝える難しさを再認識することができました。今回の発表会を通して様々な改善点や疑問点を見つけることができ、さらに貴重なアドバイスやご指摘をいただくことができたので今後のゼミ活動に活かしていきたいと思います。

三好ゼミCグループ

辻本一樹・山田涼・山本直輝・森本聖矢・牧直弥
発表タイトル:「走査された音声誘導における走査方向認知の特性」

発表会を終えての感想(山田)

12分と言う限られた時間の中で、発表する取り組み内容を始めて聞く皆さんに「音走査とは何か」、「どんな背景、実験を行ったのか」などを理解していただくために、どのように説明すれば理解していただけるのかを考えるのが大変難しかったです。私たちが取り組むことがらの「音走査」という言葉も普段あまり耳にしない言葉であり,その説明方法についても、ゼミのメンバーで沢山話し合い議論して説明方法を工夫しました.発表者5人で順番に声をだすという発表方法で,音走査を具体的に説明しました。まだまだ改善の余地はあるので、改善していきたいと思います。研究発表会という貴重な体験をさせて頂いてとても感謝しています。

発表会を終えての感想(山本)

4ゼミ合同研究発表会で感じたことは、仲間の大切さです。取組の初期の段階では私自身この音走査による積極的避難誘導の実験について深く理解できませんでした.先生の話を聞いても聞きなれない用語が多く難しいと感じました.グループメンバーといろいろと話をする中で,積極的に取り組めるようになりましたが,グループメンバーがいないと発表どころか実験すらまともにできなかったのではないかと感じています.このような経験から仲間とともにグループで取り組む大切さを感じました。次の実験では仲間達に助けてもらうばかりではなく、ときには助けれるような存在になりたいと思います。この内容を整理してヤマハ担当者への発表会ではもっと良い発表にしたいと考えています。

参考 これまでの経過