2017年12月10日(日)阪南大学南キャンパス2階9212教室において、国際観光学部小林ゼミ・国際コミュニケーション学部永田ゼミ・経営情報学部三好ゼミ・流通学部臼谷ゼミの4学部4ゼミの合同研究発表会が行われました。
 この合同研究発表会は、学部の垣根を越えてそれぞれのゼミ生が取り組んでいる課題についてまとめ、プレゼンテーションを行います。専門性の異なる視点からの意見交換や学部相互間の交流を図る目的で2014年から始まり、今年度で4回目をむかえ、これまで以上に充実した研究発表会となりました。

国際観光学部 小林ゼミの取組

 小林ゼミの活動目的は、観光交流による地域活性化を目指している国内外地域に対し、地域サイドと協働し「訪問者=学生達」の視点を交えながら観光素材を発掘し、地域の魅力をテーマ性のあるツアープランに仕立て、提案する。すなわち、『産学官(大学と地域観光協会や自治体などそして旅行会社)』連携による地域密着型旅行商品の開発です。新たな交流人口(観光客)を生み出し、地域振興に結び付けることが可能になります。また、ツアープランを企画する過程において、地域の魅力を発掘、商品構成、ターゲット、価格設定、販売方法、観光ビジネスで重要なマーケティング手法を実践的に身につけることも可能となります。
 この度の4ゼミ合同研究発表会は、ゼミの各チームが考案した旅行企画案についてプレゼンテーションを行い、専門性の異なる様々な視点からの意見を頂戴して旅行企画に反映させるという姿勢で臨みました。

『福井県あわら市活性化プロジェクト』

国際観光学部小林ゼミの今年度の活動地域は福井県あわら市です。
福井県あわら市観光協会 × 株式会社阪急交通社 × 阪南大学国際観光学部小林ゼミ

小林ゼミAチーム

赤崎 真帆、上中 魁人、多和田、中西、丸山
ツアータイトル:創健彩生「健康を意識した旅、ヘルスツーリズム」

 今回の旅行プランのテーマ・企画立案の背景として今日での日本では、少子高齢化社会を迎えており、将来寝たきり生活などを避けるために健康志向を持つ人が増加している。その現状に類似している地域が台湾で、あわら地域のインバウンド観光客の半分が台湾人観光客であることや台湾人が健康に敏感であることから台湾人をターゲットにした健康志向な旅にしようと考えました。
 そこでわたしたちは健康を意識した旅ヘルスツーリズムをテーマとし創健彩生をタイトルとしました。創健彩生とは健康を創りこれからの生活を彩るという意味が込められています。

(発表会を終えての感想)
 Aチーム(丸山)

 今回、他学部と交流しあまり触れることのない専門分野の知識を得ることができ良い機会でした。また学部が違う中での発表では専門的な言葉が出てくることで相手に伝わりにくい部分もあるので気を付けなければならないと感じました。質疑応答の場面では、返答がすぐできないことや質問の意図を理解しないまま答えてしまい、質問者を困らせてしまう場面があり反省し今後は改善しようと話し合いました。自分たちの作ったツアープランを十分に理解することで質問に対しはっきりと答えられるように準備するべきだと今回の合同ゼミで感じました。

小林ゼミBチーム

今西 末永 瀬戸 中里 米田
ツアータイトル:日本一幸せな家族になろう!〜ひとりは家族のために、家族はひとりのために〜「日本一幸せな県」福井で家族のことがもっと好きになる旅

 健康長寿の福井を支えているのは三世代同居に代表されるような家族のつながり!!
 核家族が増えている日本の現代で三世代同居率の高さが幸せの要因である。
 長寿の町である福井県で過ごすことで健康の秘訣を学べる。孫・夫婦・祖父母それぞれに利点がある三世代旅行を推奨する。3つのキーワード(伝統的な食生活・心の健康・癒し)を下に「日本一幸せな県」福井の秘訣を家族で協力して見つけ出そう!!

(発表会を終えての感想)
 Bチーム (瀬戸)

 今回、各学部のゼミ活動の発表を聞き、自分の知らないところで同じ大学の人たちがどのような活動をして、活躍しているのかを学べる良い機会となりました。また、自分たちの活動内容を普段交流のない他学部の学生に知ってもらえる良い機会にもなりました。学部が違うとはいえ、同じ大学に通う生徒同士でどんなことをしているか発表したり聞いたりして自分の通っている大学への理解度が高まりました。これからも自分の大学への理解度をあげていきたいです。

小林ゼミCチーム

金岡・北林・西川・藤井・安田・吉田
ツアータイトル:親への贈り物

(発表会を終えての感想)
 Cチーム(金岡)

 今回の学部発表では、学部の域を超え様々なアイデアや創造性が取り上げられた発表を聞き、良い刺激を受けることができました。また、発表をすることで観光学部の取り組みを知って貰うことが出来たのが一番良かったと思います。また相手に伝わる説明か、内容に不備がないか見直す機会となり細かな部分まで修正することが出来ました。発表の後にアドバイスを頂き改善点を見つけられたので、今後の活動にもっと活かしていこうと考えました。
 反省点として、質問の後にすぐ返答することが出来ず、下準備が不十分だったことを痛感しました。

経営情報学部 三好ゼミの取組

 私たちは仕事や種々の活動において、自らの考えを伝える機会が多くあります。そのような発表において、決められた時間内に自らが伝えたいことを聞く側に分かり易く伝える技術や能力は大変重要です。このようなプレゼン能力の育成は、ゼミ活動を通した教育の一つの目標だと考えています。
 三好ゼミでは、企業とのコラボレーションを行い、学生が自ら考え行動をして、その結果や考察を企業の担当者に報告するキャリアゼミに取り組んでいます。キャリアゼミでは、協力企業と設定した課題に対しての活動目的、実施計画、実施結果と考察についての中間報告や期末報告を頻繁に行っています。また、協力企業への報告だけではなく、今回のような4学部4ゼミ合同研究発表会などの学部間の発表会や外部での発表を積極的に行うことにしています。このようなプレゼンの経験を積みながら学生のプレゼンテーション能力向上を目指しています。2017年12月10日に行われました4学部4ゼミ合同研究発表会で三好ゼミが行った研究発表を紹介します。

ヤマハ(株)との新製品商品化プロジェクト

 企業では様々な製品候補がある中で、事業化可能な製品のビジネスモデルを立案して、事業化を行います。ビジネスモデルの立案やその実行可能性の評価にあたって、製品の利用シーンの開発を行い、そのような利用におけるトラブルや導入方法を確認することは重要な課題です。本年度、三好ゼミでは、商品化前に様々なユーザに利用してもらう実証実験を行い、新製品の商品化プロセスを実践的に学ぶとともに、その際の課題解決に取り組んでいます。
 現在、ヤマハ(株)では、映像の音を利用して複数の映像を簡便に同期化するマルチアングル同期システム(ChimeCa)および指向性をもつ軽量平板スピーカ(Flatone) の事業化を進めるために、当該システムの利用シーンの開発や使用例の収集を行っています。
 本活動では、このような企業の製品開発から製品化へのプロセスを実際に関わりながら学ぶとともに、ユーザ視点での新たな利用シーンの開発に取り組んでいます。上記 2製品の利用シーンの開発およびその使用状況の集約を行い、連携企業へ報告する活動を行っています。この活動の中で、参加学生は、企業への事業化の実際を学ぶとともに、利用シーンの提案活動を通してプレゼンテーション力などの実践的能力の向上を図っています。これらの活動内容を4学部4ゼミ報告会で報告しましたので、以下にその内容を紹介します。

ChimeCaチーム(三好ゼミAチーム)

 ChimeCaとは、スマフォなどの多数の映像記録装置で撮影した動画を、映像に付随する音情報で、映像を簡便に同期できるマルチアングル映像同期システムです。これらの利用シーンを考案して、実際に関係団体に利用してもらい、ChimeCaの優位性やメリット、デメリットをまとめる活動に取り組んでいます。それらの具体的活動を以下にまとめます。
 ・トランポリン部練習利用
 ・ウェイトトレーニング部 初心者育成
 ・バレエ教室 集団演技の創作
 ・映画部映像コンテンツ利用
にChimecaをパイロット的に利用いただき、導入方法、使用に対する期待、使用後の感想をまとめて、協力企業に報告しました。

Flatoneチーム(三好ゼミBチーム)

 災害時の減災、被害低減を目指して効率的な避難誘導へのFlatone利用を検討することになり、そのためのFlatoneの敷設条件や適切な音源種別の検討を行いました。具体的には、複数のFlatoneを屋内に仮設し、避難者に認識されやすい敷設環境や音走査方法を検討する実験を行っています。そして、随時、その成果を協力企業に報告しています。

国際コミュニケーション学部 永田ゼミの取組

 永田ゼミでは、ゼミ決定後、ゼミ生が主体となって活動内容を決めるコンペを実施し、その活動内容を決定します。通常は、3〜4グループがそれぞれの企画を提案し、最終的にゼミ構成員全員で投票を行い決定するという方法をとります。
 ただ、2017年度ゼミでは、海外旅行ツアーの企画やボランティア活動などの企画が提案され、議論が白熱しました。結果、ゼミ生全員の夢をかなえるべく、すべての要素を取り入れた「ボランティア+観光+海外の大学生との交流=異文化理解@ツアー」を企画することとなりました。

Ride 0n Relationships-smile at each other-

 目的地:タイ(バンコク・アユタヤ)
 期 間:2018年9月(5泊7日)

 本ツアーは、現地の大学生との交流一日、現地小学校でのボランティア一日、タイ(バンコク・アユタヤ)観光三日の5泊7日で構成されます。
 ツアーの特徴としては、出発までに現地の大学生とSNSで連絡を取り合い、現地小学校で行うボランティア内容を入念に話し合い、ツアー二日目に最終打ち合わせを兼ねた交流会を開催する点にあります。この出発前のコミュニケーション、ボランティア前日の交流会、および共同でのボランティア活動を通じて、タイという国を深く理解することを目指します。

 くわえて、若者の海外旅行離れが進むこの時代に、他者から提供されたツアーに参加するのではなく、若者である自分たち自身で海外旅行の魅力を探し出し、発信することも本企画の大きな狙いです。