2023.10.11

海外でフィールドワークする③-観光実習2(海外)

温泉施設の比較調査と観光資源の発掘調査を行いました

 国際観光学部では、8月24日から9月2日にかけてニュージーランドで現地調査を行いました。これまで歴史的建造物の調査やスーパーマーケットの物価比較調査、ファストフード店でのシェア文化の調査の結果をお伝えしてきましたが、今回が最後の報告になります。
 今年度は受講生が多かったので、さまざまな調査を行いましたが、今回はロトルアで実施した温泉文化の比較調査とマタマタでの観光資源調査について報告します。ロトルアは北島中央部に位置する都市で、市内にはいくつもの温泉があります。ただし、温泉といっても、日本とは入浴方法などが大きく異なるため、どのような違いがあるか調査し、日本との比較分析を行いました。また、マタマタはロトルアからバスで1時間ほどの距離にある小さな町です。日本人にはほとんど知られていない町ですが、ローカルな雰囲気の漂うこの町にどのような魅力があるか、グループに分かれてまち歩きをしながら調査しました。
 なお、それぞれの調査結果については後期授業で整理・分析し、最後に成果報告を行う予定です。(森重昌之)

現地での実習の様子

  • Polynesian Spaのエリア内の様子

  • 自然に囲まれたSecret Spot Hot Tubs Rotoruaの浴槽

  • Secret Spot Hot Tubs Rotoruaで用意された飲み物

  • マタマタの観光案内所での情報収集

  • マタマタで現地の方と交流する受講生

  • マタマタでの受講生の集合写真

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参加した学生の報告

プールのような温泉
 国際観光学部3年 岡本光葵

 私たちは観光実習2の授業で、ニュージーランドに調査に行きました。ニュージーランドには、温泉地として有名な街があります。ニュージーランドの北島にあるロトルアという街です。今回、ロトルアにある温泉施設を2件調査に行きました。
 調査の目的は、温泉地として有名な日本との共通点がある中で、国による文化や利用方法の違いを調べ、自国の温泉に対する捉え方を明らかにすることです。現地調査に行くにあたって、日本の温泉を利用する時のルーティンや、日本の温泉施設の特徴を表にまとめました。その表をもとに、日本とニュージーランドの温泉施設を比較しようと考えました。
 まず1つ目の温泉施設は、ロトルアの中で最も人気のある「Polynesian Spa」です。ポリネシアンスパの中は6つのエリアに分かれています。広さや湯の温度、ロッカーとタオルの有無、値段などに違いがあり、お客様好みのエリアを選ぶことができます。私たちは、タオルやロッカー付きで、大人数でも利用できる、1番日本の温泉に近い雰囲気を味わえる「デラックスレイクスパ」というエリアを選びました。湯船から見渡せるロトルア湖はとても綺麗でした。また、夜遅くになると、夜空の星もとても輝いていました。私が利用したエリアの値段は日本円で約6,000円と、とても高かったです。他のエリアも日本の温泉の利用料金の2倍以上の値段でした。次に、温泉利用時のルールについて、ニュージーランドの温泉はなんと水着着用が必須です。また、携帯電話も利用が可能で、とても驚きました。現地の方の入浴方法を見ていると、先に湯船に浸かり、最後に髪の毛や身体を洗っていました。また、裸足ではなく、湯船に入る直前までサンダルを履いていて、日本ではあまり見ない光景でした。
 翌日、2つ目の温泉施設「Secret Spot Hot Tubs Rotorua」という温泉に行きました。大自然の中に湯船があり、景色がとても綺麗で有名なことから、午前中に調査を行いました。5人で予約し、1人あたり約4,000円でした。こちらの施設も1つ目の温泉と同様に水着着用が必須で、携帯電話も利用可能でした。また、湯船に先に浸かり、最後に頭や身体を洗うという入浴方法でした。こちらの施設では、湯船に浸かりながら飲食ができるというサービスもありました。日本ではあまり見ないサービスで、実際に体験して、とても良いサービスだと感じました。
 今回の調査を通して、日本の温泉とニュージーランドの温泉にはたくさんの違いがあり、ニュージーランドの施設はどちらかというと、プールに近い温泉施設だと感じました。日本の温泉施設ではあり得ない利用方法があるなど、日本に温泉文化があるからこそ、さまざまな特徴に気が付けて、とてもやりがいのある楽しい調査となりました。

日本とニュージーランドの温泉に対する考え方の違い
 国際観光学部3年 吉井風花

 日本には銭湯やスパなど、いろいろな種類の温泉がある中で、ニュージーランドのロトルアではどのような温泉施設があるのか、また利用方法の違いがあるのか、温泉に対する捉え方を調査しました。現地調査に行く前に、私たちが普段日本の温泉に入る時のルーティンを思い出し、細かい点まで表にまとめました。その表をもとに、ニュージーランドでの温泉のルーティンを書き込み、メモしながら調査しました。
 私たちは温泉の調査フィールドを2つに絞りました。1つ目は、ポリネシアンスパという温泉施設で調査を行いました。ポリネシアンスパは野外の温泉施設であり、温泉特有の硫黄の匂いが漂っており、地元の方から観光客まで幅広く利用されている方が多いイメージでした。ポリネシアンスパでは、湖が見える温泉などに分けられていて、自分が入りたい温泉を選び、そこに入るチケットを買って入りました。日本の温泉の多くは室内と露天風呂で分けられていることが多く、男女別ですが、こちらの施設では露天風呂がたくさんあり、水着を着用して入る混浴施設でした。更衣室の横にはシャンプーやボディソープなどはなく、個室シャワーと壁のないシャワーがあり、そこで身体を流すことができました。更衣室にはロッカーがあり、その場で日本のように裸になって着替えるというより、個室の更衣室で着替える方が多かったです。日本では個室の更衣室がある施設は少なく、日本とニュージーランドでは裸になることの捉え方が違うように感じました。
 2つ目に行った温泉施設はシークレットスポットシダーホットタブというところです。ここは、森の中にある写真映えのするプライベート温泉施設のような雰囲気でした。インターネットから事前予約したので、スムーズに入ることができました。1つの浴槽を45分間貸し切るというスタイルで、こちらも水着を着用して入る温泉でした。こちらの温泉施設は、ソフトドリンクやアルコールなどを風呂から注文できるスタイルで、おしゃれな瓶に入ったジュースなどを飲みながら温泉に入ることができました。日本にはなかなかない温泉で、とても新鮮で、楽しむことができました。足湯もあり、足湯だけを利用する地元の方も見かけました。こちらの温泉はポリネシアンスパと違って硫黄の匂いはなく、地熱から湧き出ている温泉ではありませんでした。
 実際に調査して、日本の温泉と違う部分が多く、温泉に癒しやリラックスを求めにきているようにはあまり感じませんでした。日本の温泉は料金も安く、気軽に入る印象ですが、ニュージーランドの温泉の2つとも料金が少し高額で、テーマパークに行く感覚に近いように感じました。温泉の調査ということもあり、調査の写真を撮ることが難しかったです。日本の温泉とニュージーランドの温泉の違いがたくさんあったので、これらを踏まえて温泉の違いを表などにまとめていきたいと思いました。

温泉の街ロトルアと日本の温泉の比較
 国際観光学部3年 廣内晴翔

 私たちは8月28日から8月30日までロトルアの温泉2ヶ所を訪れ、日本の温泉とニュージーランドの温泉の違いについて調査しました。この調査では、温泉に入る際の作法やルールを比較し、温泉という共通点がある中で、自国の温泉に対する捉え方を明らかにすることを目的としています。前期の授業では、調査地をPolynesian SpaとSecret Spot Hot Tubs Rotoruaの2カ所に設定し、日本の温泉との比較するための調査シートを作成しました。
 調査初日、ロトルアに到着して街を移動していると、至るところから温泉街特有の硫黄臭を感じました。温泉はロトルア湖や温泉が湧き出るWhakarewarewaの周辺にありますが、ロトルアの街にも温泉が通っているように思いました。
 Polynesian Spaは調査初日の夜に行いました。Polynesian Spaはロトルア湖に面した場所にあり、ロトルアの街からも近く、私たちは徒歩で移動しました。Polynesian Spaでは日本と同じく、先に受付で料金を払います。しかし、Polynesian Spaでは利用できる風呂の数や利用目的に応じたさまざまな利用プランがありました。
 受付を済ませると、脱衣所に向かいました。脱衣所に入る際に、入り口付近にあるカゴを持ち、カゴの中に脱いだ衣服を入れます。そして、衣服を入れたカゴを入り口に戻し、貴重品は受付でもらうコインでロッカーに預けました。日本でも脱いだ衣服をカゴやロッカーに預け、貴重品をロッカーに預けるので、風呂に入るまでの作法は共通していました。Polynesian Spaでは、入浴の際に水着を着用します。私たちが選んだプランには、8つの風呂があり、それぞれ深さや温度が異なりました。入浴の際のルールとして、看板に「大きな声で話さない」、「携帯電話で通話をしない」、「飲み物を浴槽に入れない」と書かれていました。ここで私が驚いたのは、携帯電話の使用、飲み物を浴槽内で飲むことが許可されている点です。利用客の中にも携帯電話で写真を撮る人や浴槽につかりながら飲み物を飲んでいる客が多く、この点は日本の温泉と大きく違いました。
 Secret Spot Hot Tubs Rotoruaは8月30日午前に調査を行いました。Secret Spot Hot Tubs Rotoruaは温泉が湧き出るwhakarewarewaの付近にある温泉です。この温泉はロトルアの町から6kmほど離れた場所にあります。私たちはタクシーを使って移動し、Secret Spot Hot Tubs Rotoruaには事前に予約して利用しました。Secret Spot Hot Tubs Rotoruaは時間制で、45分間となっています。Secret Spot Hot Tubs Rotoruaは6人ほど入ることのできる浴槽が12個並んでおり、その中の1つを予約して利用します。受付の際には、ドリンクと食べ物を注文しました。ここで注文したものは、私たちの番号の浴槽に運ばれます。脱衣所は日本の温泉と同じくロッカーに衣服を預け、カギを持って浴槽に向かいます。予約した浴槽には受付の際に注文したドリンク、食べ物や追加のドリンクが書かれたメニュー表があり、浴槽につかりながら飲食することが許可されていました。携帯電話はPolynesian Spaと同じく利用可能です。Secret Spot Hot Tubs RotoruaはPolynesian Spaと比べて現地の人の利用が多く、私たちが利用した時間帯に観光客はいませんでした。
 これらの調査を行って、日本の温泉とロトルアの温泉の共通点や違う点を見つけることができました。今後は日本とロトルアの比較が丁寧にまとめられた発表をめざします。

住民が街をつくる
 国際観光学部3年 宮本柚人

 私たちは8月29日、ニュージーランドのマタマタという、映画「ホビット」のロケ地にもなった街で、写真映えする場所や現地の人が勧める飲食店や、ホビットの世界観を模した建物など、観光資源の発掘を行いました。私自身、ニュージーランドは初めて訪れた地であり、海外経験も少なく、英語もままならない状態で行ったので、不安や緊張感をはらんだ調査になりました。
 事前に調査目的や調査方法を記した紙を作成し、北、東、西の3ヶ所に3グループに分かれました。また、同じ飲食店には入らず、それぞれのグループで異なった場所を歩き、異なった店に行き、それぞれ違った所の写真を撮ったり、現地の人と交流したりして観光資源の発掘を行いました。私のグループは主に北側を調査し、さまざまな観光資源を発掘しました。
 私が考えるに、人が海外に行く理由には「自国内で経験、体験することができないことがあるから」ということが多いと感じています。マタマタは都心から離れた場所であり、他に調査した街とは異なった雰囲気を感じ、日本では体験できないような場所が多くありました。今回はそれらについてまとめます。
 最初、街中にはホビットのような家々が並んでいる印象を持っていましたが、実際にそのような家は観光案内所以外には見当たらず、高層ビルやマンションも1つもありませんでした。街の中心には多くの店が並んでおり、その周りを囲うように広い庭を持った大きな家とさまざまな公園があり、道も家も公園も自然で溢れて、思わず地べたに寝てしまいたくなるほど、のどかで綺麗でした。
 その中でも私たちが訪れた公園では、縦長に広がっており、日本でも見られる遊具の他に、4人並んで座ることのできるような大きい木が茂っていたり、さまざまな場所にベンチが置かれていたり、友人とランチを楽しんでいる人やサイクリングをしている人を多く見つけたりしました。日本と大きく異なる点は、家の庭と公園がつながっていたところです。庭と公園の間に柵もなく、庭でコーヒーを飲んでいる人からよく話しかけられました。その中でも、庭の奥に招いてくださった方には、自分が栽培しているレモンをくださいました。「マタマタには何もないよ」と言いつつも、いろいろなおすすめの場所を教えてくださるなど、とても優しく、海外の人でも気さくに受け入れ、話しかけてくださる方が大勢いました。そのおかげで、自分の中にあった不安や緊張もなくなり、英語ができないなりに現地の方と話すことができました。公園や家の他にも、とても大きい幼稚園があったり、日本では見かけない、さまざまな美味しい料理が売っているカフェを何軒も見つけたりました。しかし、私が目をつけた観光資源は街よりも、「人」でした。
 今回はマタマタの他に、クライストチャーチやロトルア、オークランドなどの都市でも調査を行いましたが、他の都市よりも出会う人数が少ないにもかかわらず、マタマタでは比べものにならないほど多くの人から声をかけられました。どれだけ私が奇抜な行動をとっていたとしても、ニュージーランドとは違うアジアの外国人であっても、笑顔で優しく話しかけ、自分が大切に育てたであろう果物も分けてくださいました。このような方々が多くいるからこそ、公園と家に境がなく、綺麗でのどかな街並みが築かれており、住民全員が笑顔で元気に過ごせているのではないのかと感じました。子どもが多くいる幼稚園ですら柵がなく、どこからでも入ることができます。公園とつながっている家も、柵がない幼稚園も、すべては街の治安の良さ、人柄の良さが反映されているのではないのでしょうか。
 他の都市と比べて「人」が大きく違い、そこが大きく違うからこそ、「街」が大きく違っているのではないのかと感じました。カフェや公園、街並みのすべてにおいて、さまざまな魅力を見つけることができましたが、私が感じた1番の魅力はマタマタの住民でした。