阪南大学では特徴ある教育のひとつとしてeスポーツを取り入れた実践教育を実施しています。それに合わせて、総合情報学部及び大学院企業情報研究科では各種eスポーツ関連活動、市販ゲームを取り入れた教育とその教育効果の研究、マルチフロントエンドという新しいシステムアーキテクチャ概念を提案・構築し、メタバースやマインクラフト、Webアプリ等のシステム開発をしました。独自のシステムや教育実績を本ページにてご紹介します。

複数の異なるゲームのマルチプレイを容易に開発するためのマルチフロントエンドシステムのYuminVillage開発

メタバースやマインクラフト、Lineゲーム等、学生は様々なゲーム開発に興味を示し開発にチャレンジします。しかし、そこで大きく影響するのがマルチプレイの難しさです。マルチプレイを実現するためには複数人のログイン制御や共通情報の蓄積、マルチプレイヤの情報の同期タイミング等、シングルプレイゲーム開発よりもはるかに困難を伴います。

そこで、総合情報学部花川ゼミではマルチフロントエンドシステムアーキテクチャを設計し構築・実装しました。サーバー機も自前でハードから準備し、各種サーバを仮想マシン上にて実現しました。
これでWebAPIによるログインの共通化、情報の一元管理、同期処理の統一化を図り、今後どのような新しいゲームが開発されたとしても、統一的なマルチプレイヤの情報と制御にて実現が可能となりました。

マルチフロントエンドシステムは花川ゼミオリジナルのシステムアーキテクチャです。今後の様々な種類のゲーム開発に対応できるシステムとなっています。
本マルチフロントエンドシステムの名称はYuminVillageです。学生が集うことができる村をイメージしています。
  • マルチフロントエンドイメージ図
  • サーバー機図

Yuminメタバース

YuminVillageマルチフロントエンドシステム上のひとつのフロントエンドとして開発されたメタバースです。UnityとC#にて開発しています。 YuminメタバースはPOLYGON Fantasy Kingdomの3Dアセットをベースに、各学生の家を割り当てて、その家を作ることが開発内容となります。学生は現在20名以上参加しており、各自の家が完成しつつあります。 家は間取りや装飾、内装、家具配置等を自由に設定します。YuminVillageのWebAPIを使って家の持ち主の情報やプレイヤの情報をもとに様々なトラップやギミックをオリジナルでC#プログラム開発します。例えば、「所定の位置にプレイヤが立つと、隠しトビラが開き、隠し部屋へ進むことができる。隠し部屋の中には宝の箱がある。」等です。 もちろん、YuminVillageのWebAPIにてマルチプレイ可能であり、会話や情報交換することが可能です。 プレイヤは他の学生の家を訪れて、様々なトラップを楽しむことができます。

Yuminマインクラフト

マインクラフトのMOD開発をJavaで実施しました。YuminVillageのWebAPIをつかってマルチプレイが可能です。Mod開発なので学生はアイテムをそれぞれ開発します。アイテムはプレイヤのスキルによって強さが変わります。つまり、YuminVillageのWebAPIのログインしてそのプレイヤのYuminVillageで蓄積された能力によって、アイテムの強さが変わります。YuminVillageで蓄積された能力とは学生自身の開発スキルや経験であり、簡単に説明すると、自分が学生としてしっかりとシステム開発の勉強や経験を積むと、そのIDでログインしたマインクラフト上のプレイヤも強いアイテムが使えるようになるという発想です。
もちろん、プレイヤの能力に応じてドアが開錠の可否が決まり、マインクラフトのワールドの中に様々な仕掛けを作っています。学生は自分のオリジナルアイテムをMOD開発して、ワールド内にイベントを発生します。

市販ゲームを使ったITリテラシー教育カリキュラムの提案と検証の研究紹介

情報弱者問題を完結するために、市販ゲームを使ったITリテラシー教育カリキュラムとそのシステムを開発しました。本研究では市販ゲームで遊ぶことでITリテラシー能力を向上させることを目的とします。被験者30人の予備実験、本実験を経て、ヒューマンリテラシーモデルを構築しました。ヒューマンリテラシーモデルはどのように人がITリテラシーを身に着けるかを明確にしたものです。そのモデル上で上位グループへ移行できるように支援する教育システムを開発し、そのシステムがITリテラシーの下位グループから上位グループへの移行を支援したことを確認した研究です。

ゲームを取り入れた高等教育の定量的教育効果の検証の研究紹介

阪南大学で実施しているゲームを取り入れた高等教育の教育効果を計測し、ゲームを取り入れることで従来の教育よりも成長できる能力を明確にする試みです。教育効果の計測方法はPROGテストを利用し、4月に1回目の受験、前期後期の授業終了の2月の2回目の受験をして、どの能力がどの程度向上したかを定量的に示します。 eスポーツイベントを1年間実施した学生チームと従来のシステム開発を実施した学生チームで比較した結果、eスポーツイベントは対課題解決能力の向上が非常に大きいことがわかりました。また、個人別にみるとシステム開発の学生が対人基礎力と論理的思考の構成力の成長大きかったです。一方,eスポ—ツの学生は計画立案力の向上が大きいことがわかりました。

阪南大学のeスポーツを取り入れた教育の紹介

阪南大学ではeスポーツを取り入れた実践教育を実施しています。まず、各種eスポーツイベントの開催です。年1回のeスポーツ大会の開催を中心として、年5回のミニ大会、親子eスポーツ教室、高齢者eスポーツ教室等の社会貢献です。また、大阪府主催のOeGG(大阪eスポーツラウンドテーブル)のメンバの一人となり、万博やその他の大阪のeスポーツイベントの開催にも参加・強力しています。

同時に正規カリキュラムのeスポーツイベント1,2やeスポーツ実技分析,GamingEnglishやeSportsEnglish等を科目として整備してeスポーツを積極的に教育に取り入れています。

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