国際観光学部 塩路研究室3年生3人が、2018年11月3日、4日に宮城県柴田町で開催された日本フットパス協会の「全国フットパスの集い in 柴田」に参加してきました。3日には、午前に2つのフットパスウォークが行われ、学生たちは「二つの時代を巡るコース」に参加しました。午後には仙台大学でフットパスフォーラムが開催され、筑波大学の前川啓治先生を主とした共同研究チームとして塩路も?英国のフットパスについて発表しました。また、来日した英国の Walkers are Welcome UK Network の会長1名と理事2名、日本フットパス協会理事も参加しコメントや質問をしました。4日には、5つのフットパスウォークが行われ、学生たちは「船岡花と河の道コース」に参加しました。今回は、学生が柴田町での体験と学びについて報告します。

フットパスの集いin柴田に参加して
 3年生 三枝 寛和

 11月3日と4日、宮城県の柴田町にて開催されたイベントに参加しました。柴田町は3年ほど前からフットパスによる地域振興と観光振興に取り組んでおり、フットパスについては先進的な地域なので今回のイベントは非常に勉強になりました。
 1日目の午前中は柴田町を実際に歩きました。ガイドをしてくださった関根さんの話がとても詳しく面白く、歩いていて、当時の情景が浮かんでくるかのようでした。特に印象に残った話は、原田甲斐についてです。寛文事件と呼ばれる伊達家のお家騒動の中で、一般的には江戸城にて突然刃傷沙汰に及んだ悪人だと言われていますが、柴田では領地争いを収束させ伊達家を改易から守ったヒーローのように扱われたそうです。原田甲斐は罪人のため墓は作ることができず名前も入れられないのですが、フットパスで訪れた恵林寺には供養碑があり、現代でも大切にされていることを知りました。
 午後からはシンポジウムや交流会に参加しました。パネルディスカッションではイギリスWaWネットワークの方々から話を伺い、日本もイギリスも若者にフットパスを歩いてもらうことが難しいという問題に対して、しかし将来は明るいと仰っていました。理由は、親が小さな子どもを連れて歩く姿はよく見られるからだそうです。小さなころからやっていることは大人になってもやる、やりたくなるためです。フットパスをファミリーにも歩きやすいものにすることが重要なのだと考えさせられました。交流会ではWaWネットワーク会長のサムさんや地元ボランティアの方など他の参加者と交流し、新たな見地を得られました。
 2日目も柴田町のフットパスを体験しました。柴田は「花の町」と言われているように、たくさんの自然を感じられました。フットパスの途中で菊花展を観覧したり観光物産交流館で土産を買ったりと、自然を楽しむだけでなく、休憩もしながらショッピングやアクティビティを楽しむことができました。貸しスペースとなっている昔の蔵では和紙人形作展が開催されていました。作品を観ながら、和紙人形作家の大槻先生から興味深い話を聞くこともできました。
 2日間のイベントを通して、柴田は地域にフットパスが根付いていることに気づき感動しました。地域住民のボランティアガイドやおもてなしをしてくださった方の誰もがフットパスを知っていて歩く人に理解があることは柴田の誇りではないかと思います。このようなことから、歩くことで生まれる交流がより楽しく感じられ、リピーターの創出などに繋がるのだと考えました。私自身、また柴田に行きたいと感じています。今回のイベントに参加したことで、フットパスが地域に貢献する大きな力を実感できました。

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