経済学部3年 安田 花音 さん

1. はじめに
 出発日当日の朝、私はとても焦っていました。出来ていたと思っていた準備が万全ではなかったからです。出発時間の30分前にそのことに気づき、一緒に行くはずだった友人に急いで謝りの連絡を入れました。
 このようにインターンシップに行く前の私の性格は「真面目に見える、少し抜けている人間」でした。周りの友人からは頼りになる、しっかりしているなどの言葉を貰えますが、実際私の性格は、それほどしっかりしていないように思います。この“少し抜けている”という欠点が、私の日々の行動を脅かしていました。
 結論から述べますと、私はインターンシップを通じてこの“少し抜けている”という短所が改善されたように感じます。社会人の行動力の速さ、視野の広さ、将来設計に向けた取り組みなどを直に体感し、大いに影響を受けました。抜け目のない、完璧人間などこの世には存在しないと感じていますが、理想に近い形に自身を導くための行動力は、人間誰しも持ち合わせていると私は感じています。
 本レポートでは、私の怒涛のベトナム一か月と、心の変化について述べます。
2. 勤務初日
 多くの友人が「仕事と言う仕事は行わなかった」と言っていた中、私は残業していました。しっかり“仕事”があったです。作業内容は議事録の作成や打ち合わせ同行、営業などです。インターンシップなので、それなりの作業内容は覚悟していたましたが予想を超える仕事の多さに驚きました。しかし、この仕事量はまだ序の口であり、この3週間後に私は頭を抱えながらパソコンと営業に向かう日々を送ることになりました。
3. 勤務中盤
 本来の仕事内容には含まれていなかった業務が追加されました。シェアオフィス個室スペースのインテリアデザイン案件です。この業務は私の仕事人生を変えた、煌びやかな仕事であったと同時に、今回のインターンシップで一番の仕事量を誇った業務でした。学生のころ行っていたインテリアデザインは、自身の感性存分に発揮できる空間づくりでした。一方で、今回行った案件は費用が掛かっているデザイン。私の感性だけで空間づくりを行ってはならず、コストとマテリアルの選定が制限されているデザインでした。この限られた範囲の中でインテリアデザインを行うことは新しい体験であり、大変頭を悩ませた仕事でした。
4. 勤務終盤
 一人でオフィス出社する日が増えました。一日の仕事スケジュールを自身で管理し、時間通りに物事が進んでいく様はとても気持ちがよかったです。そして「一人でシェアオフィス視察」という大仕事の時間が訪れました。私は仕事をしている最中、これと言った大きな問題は起こしていなかったので、英語を話せるこの機会をとても楽しみにしていました。
 午後2時、サイゴン川の眺望が美しいビルの会社に訪れたときです。私は自身の英語力はまだまだだと感じていたため、聞きたいことをメモし、文言まで考えてその視察に臨みました。しかし、質問を重ねるごとに曇っていく責任者の顔。強くなる語気。最後に言われた言葉は「Go away」でした。
 その日のドンコイ通りの帰り道は、私の心模様を表すように雨が降っていました。喧騒感の収まらないベトナムのバイクの音は聞こえず、道端の大量のゴミはより汚さを増しているように感じました。とても辛い経験でした。私の英語力の拙さ、学生である立場の弱さ、話を聞いてもらえない屈辱。今までに経験した事柄の何ものにも替えがたい感情を味わいました。タクシーでホテルの帰路につき、自身の部屋のドアを開けて中へ入った瞬間、涙が溢れました。
 私はこの日泣いた経験を今後忘れることはないでしょう。泣いた分だけ強くなる。よく聞く言葉ではありますが、当時の私はこの迷信を信じ、明日の糧にしました。
5. 勤務最終日
 シェアオフィスデザインのコンペの日でした。今日はこの業務のみであり、最後の仕事に全力を注ぎました。この最終コンペの他、一度デザイン案を提出した日がありました。その時は、デザイン自体に問題はなかったものの、私の熱量は伝わらない結果となりました。この結果を受け、私は自身の力を、忙しさを理由に発揮できなかったことに悔しさを感じました。
 やるならば全力で。15分間のプレゼンで、私は前日の夜中2時まで取り組んだコンペ資料に全力を注ぎました。そしていただいた講評は「デザイン採用」の言葉。達成感に溢れていました。また、その時に担当者の方からいただいた「全力で物事に取り組めば、その熱量に感化されて人は動く」という言葉を私は生涯大切にしたいと思います。
6. おわり
 海外で働くとは、限られた時間の中で、全力で仕事を行い、全力で余暇を楽しむことにあると私は感じます。今の日本人に足りないのはこの“余暇を楽しむ”ことです。仕事に人生を取られすぎていると感じました。物事を敏感に察知すること、将来設計を立てること、行動を起こすこと。不安にならず何事にも挑戦しよう。そのためには、やるべきタスクを貯めない事前準備が必要なのです。

経済学部 3年生 瀧本 卓也 さん

1. 初めに
 私がベトナムインターンシップに参加した理由は、四つあります。一つ目は、就活での話題作りで参加しました。今まで特に面接でいえることが少ない大学生活で少しでも印象に残る物が必要だと考えました。二つ目は、実際に働くという体験をしたいという目的です。社会人になる前に社会を知りたく、会社とはどのような雰囲気で、どのような1日なのかを一ヶ月体験出来ることは見えてくる物があると考えました。三つ目は、異文化体験です。ベトナムに一ヶ月滞在すれば様々なことが見えてくると考えました。文化や考え方、価値観を知り、日本との違いを体験したいと考えました。四つ目は、新しい環境に身を置く事です。高校大学と知り合いのいない学校を選びコミュニケーション能力や判断能力、人との接し方を学ぶことが出来ると考えているためこのインターンシップに参加しました。ベトナムインターンシップで学んだこと感じたことをまとめていきます。
2. ベトナムインターンシップで学んだこと感じたこと
 ここでは、ベトナムでの生活と佐川ベトナムインターンシップの二つに分けて話していきます。
 ベトナムでの生活で学んだこと感じたことは、来る前の印象としてインフラの整備が整っていないことや、物価が安い、危ない、親日という印象がありました。
 実際に1ヶ月滞在してみて感じたことは、良かった点は、物価の安さとGrabの使いやすさです。物価の安さでは、お昼ご飯が3万ドン(180円)で食べられたことがとても良かったです。Grabの使い方では、日本でタクシーアプリを使う機会がありそれと比べた時に安く早く来るという点でとても良いと感じました。また、お祭り的なことにも友好的に参加させてもらいとても良い体験でした。
 生活しにくかった点は、ベトナム料理が合わなかったことやお腹の調子が良くなかったこと、虫が多い、バイクの多さ、インフラが少ない、不備が多いと言う点でした。バイクの多さでは、帰宅時間になると渋滞が多くしんどかったです。
 佐川ベトナムインターンシップで学んだこと感じたことは、業務の同行や倉庫研修、営業同行、企業説明パワーポイントの作成、Facebook投稿案の作成、EC商材調査などがありました。その中でも営業職を希望しているため、営業同行とEC商材調査に力を入れました。営業同行では相手がドイツ人であったため英語の営業であり、単語単語で聞き取ることしかできず3割聞けているかどうかというような感じでしたが、自分から質問などをして頑張りました。EC商材調査では、営業に似た体験をするために実店舗訪問を多く行い言語の壁と営業の難しさ、楽しさを知れるいい経験になりました。
3. まとめ
 学んだこととしては大きく三つあります。一つ目は、チームワークの重要性です。会社に属した時に1人だけで出来ないことが多いと考えているため、今回インターン生同士で助け合いながら出来たことが今後の社会人となった場面でも使うことができると考えました。二つ目は、営業活動の難しさです。営業志望ですが実際どのようなことをするのか、どのような雰囲気なのかがわからない状態でした。そのため、今回堅苦しい雰囲気ではなくしかしメリハリのある現場を知れたことは大きなことだと考えました。三つ目は、会社の雰囲気です。一日がどのように進んでいるのか、どのような空気感があるのかなど実際その場所に行き肌で感じないとわからないと考えていました。一日二日などのインターンではなく1ヶ月という期間だとより知ることができ、学生やアルバイトでわからない経験ができたことが良かったです。
 今後の自身の課題としては、適応能力や営業能力、英語能力を向上させたいと思いました。適応能力はより自身からしてベトナムのような厳しい環境に身を置くことがより必要だと感じました。営業能力は普段の生活からも思考を広げていきたいと考えました。英語能力では、今回英語が使えない事によって伝えたいことも全て伝えきれないという事が多くあったため英語の勉強は大切であると思いました。
 一ヶ月のインターンシップで様々な事を学んだ事を活かしてこれからの就職活動、社会人になってからもこの経験を活かして頑張ります。

経済学部3年 稲次 海斗 さん

 私のインターンシップ先は、日系企業のSG佐川ベトナムです。ベトナム国内配送から輸出入まで、物流・ロジスティクスに関するワンストップサービスを提供している企業です。私は、この企業で学んだこと、得たことがたくさんありました。
 今回私がベトナムインターシップに参加した理由は2つあります。1つ目は、海外で働いてみたいという気持ちが強く参加させていただきました。2つ目の理由として学生のうちに海外の文化を学びたいという好奇心から参加させていただきました。1カ月インターンを行い、海外で働いてみたいという気持ちが強くなりました。海外で働くことによって多様な文化を持つ人と関わりを持てることを現地で実感したためさらに興味が湧きました。私は20年間日本で生活したため全てが日本基準で物事を考えていました。しかし、実際その考え方では遅いと感じました。私はベトナムで1か月生活し、インターンを行ったことで、日本を客観視できるようになりました。現地の方々は、母国語だけでなく、英語、日本語などマルチリンガルな方が多く、自分が遅れていると感じました。私が英語を話せたならば、もっと現地の方とコミュニケーションを取れたと思います。しかし、私は諦めずに、単語とジェスチャーで試行錯誤しながらコミュニケーションを取ることを意識しました。
 SG佐川ベトナムでの業務内容として、私はEC調査に力を入れました。EC調査とはベトナムから日本に輸出する企業、店舗を調査するという内容です。私は、英語もできなく、辿々しい単語とジェスチャーで調査を行いました。断られることも多く、挫折しそうになりましたが、粘り強く続けました。その結果、EC調査から営業まで繋げることができました。このことは、私にとって自信に繋がりました。当初私は営業とは堅苦しいものだと思っていましたが、実際はそうではなく、営業は雑談から始まるということを学びました。その雑談から営業に持っていく手法は勉強になりました。その他にも、互いに必要な情報を話し合い、企業同士が協力しているように伺えました。
 今後の課題として、ベトナムで英語力がなく悔しい思いを何度もしたため、英語力を身に付けたいと強く感じました。私は、営業に興味があるため、日本の営業インターンなどに積極的に参加しようと考えています。まだまだ課題が多いですが、今後もトライアンドエラーを重ねながら何事にも貪欲に挑戦していきます。この1カ月のインターンシップは、今後の人生に大変役立つ経験となりました。

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