くらしの経済パッケージ所属

経済学部 金子良事

2024年3月18日、卒業式でした。写真の花はゼミ生たちから贈られたものです。今、部屋中でゆりの香りがしています。4年次にゼミで在籍していた19名全員が卒業できることになりました。本当にそれぞれ色々あって、よく全員で卒業できたなと感じています。

1人ずつ話ししながら、卒業証書を渡していたら最後に、ほとんどゼミに出てこれなくなっていた学生から手紙をもらいました。今年の式はやばいなと出る前からゼミ生たちとも話していましたが、案の定、手紙を読む彼女の声を聞いているうちに、こらえきれず泣きました。たぶん、自分の式も含めて、初めてです。あとで何人かと話したら、みんな同じでした。ゼミをやっていた期間はほとんど参加できず、でも、ゼミの仲間たちが毎週、声をかけ続けてました。彼女の手紙には、私と仲間たちへの「何があっても切り捨てず、居場所を作り続けて」くれたことへの感謝の言葉が述べられていました。私も、二次会に向かう電車の中となんばの駅の柱にもたれて、お返事を書きました。

卒業論文も書けるかなと心配してましたが、期日前にちゃんと出て来ました。11月の卒業論文提出前の最後のゼミに徹夜のバイト明けの彼女が「今日は来るかどうか迷いました」と言いながら、ふらっと来ました。ずっとみんなに「全員一斉に最後に出されたら、私が大変だから早く出してな」とほぼゼミで毎回言い続けて来たのに、やっぱりみんなギリギリで「お前らが早く出さねーから、今日は寝れねーじゃねーか」と愚痴ったら、心当たりのあるみんながほぼ下を向いて作業してる中、間髪入れずに久しぶりに来た彼女が「今夜は寝かせねーよ」というので、笑いました。一言で私の負けです。その日は夜まで何人かとラリーして、結局3時ごろには寝れました。

2月の中頃に卒業判定がでる前は就活も出来なくて、そこから1ヶ月キャリアセンターのTさんと一緒に彼女をサポートして、内定をもらいました。どれもこれも良い思い出です。それにしても、朝までオールしたのって、たぶん、大学生以来です。
二次会の飲み屋で、1年生の時から私のゼミだった別の子が、高校で推薦をもらったとき、先生からお前は卒業できないと言われたらしく、その先生に4年ぶりの連絡で写真を送ったらとても驚かれたそうです。朝までに3回くらい同じ話を聞きました。

「僕、手が掛かったでしょう?」「手が掛かったんじゃなくて、手を掛けたんだよ」

卒論の推敲を何度も何度も最後のゼミまでやらせました。最後は私が10分くらいで手を入れて、その場で直したんです。

「最初からそうすれば、それで終わったけど、そうしなかったんだよ」「でも。あのやり取りがなかったら、後半はゼミに来てなかったです」。

彼もまた最後の年まで単位を残してたので、手紙をくれた彼女のサポートもしていました。そんな彼が飲み会のときに初めての質問をしてくれました。

「先生の専門はなんですか?」

みんな、卒業、おめでとう!

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