沖縄でフィールドワークする②-観光実習3(国内)

宿泊客を想定し、施設周辺の観光資源を調査しました

 今年度の観光実習3(国内)は、沖縄県恩納村にある宿泊施設の情報発信方法を検討しています。5月28~29日に現地調査を行い、実際に施設に宿泊しましたが、その体験を踏まえて宿泊客の想定を行うとともに、周辺の観光資源について調べてきました。
 そして、8月31日~9月3日までの4日間、再度恩納村の宿泊施設を訪問し、施設の調査を行うとともに、想定した宿泊客が利用しそうな観光資源の現地調査を実施しました。当日は台風11号が接近し、調査ができるかどうか危ぶまれましたが、多少風が強かったり、時折雨が降ったりしたものの、ほぼ予定通りに調査を進めることができました。今回はさまざまな宿泊施設での過ごし方を想定し、施設内のプールを利用したり、キッチンのある部屋で調理したりするなど、前回とは異なる調査もできました。これらの調査結果を踏まえ、想定する宿泊客に向けた宿泊施設の情報発信方法を具体的に検討し、年度末に施設へ成果報告を行う予定です。
 前回に続いて今回も、本学卒業生でもある宿泊施設の方には大変お世話になりました。以下で、今回調査に参加した受講生が現地調査の様子を報告します。(森重昌之)

当日の現地調査の様子

  • サンマリーナビーチでの調査の様子

  • 古宇利島ハートロックでの調査の様子

  • シーサー絵付け体験の様子

  • 辺戸岬にて

  • 施設内のプールを体験する受講生

  • 海洋博公園のイルカショーの様子

  • カフェでSNS映えする写真を撮影する受講生

  • 受講生がつくった料理

  • 宿泊施設にて

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参加した受講生の報告

台風が近づく中での現地調査
 国際観光学部2年 高梨優七

 私たちは、8月31日から9月3日にかけて沖縄でフィールドワークを行いました。前回のフィールドワークでは、ホテルの調査を中心的に行いました。そこから利用者の観光行動を考え、今回のフィールドワークでは施設周辺の観光地を周りました。私は1、2日目の活動を報告します。
 1日目は、まず「A&W」という沖縄県にしかないファストフードのハンバーガー店で昼食をとりました。店内は観光客で混雑している印象でした。次に、サンマリーナビーチを訪れました。このビーチにある桟橋で撮った写真がインスタグラムで多く紹介されていたので、私たちもここで写真を撮ろうと考えていました。しかし、当日は台風の影響による風と高潮で、桟橋までたどり着くことができませんでした。
 そして、沖縄本土から自動車で行くことができる古宇利島に行きました。ここでは、CMで話題になったハートロックを見学しました。思っていたよりもハートの形をしていました。駐車場からハートロックが見える浜辺まで少し距離があり、細い道でしたが、整備されていたので、不便に感じることはありませんでした。また、風がとても強く吹いていましたが、古宇利島で見た海がこの日で一番青く、透き通っていて綺麗でした。サンマリーナビーチはサラサラとした砂浜で、古宇利島のビーチはふわふわとした砂浜でした。この違いをホテルの方にお話しすると、人工ビーチと天然ビーチの違いと教えてくださいました。私は、砂浜は自然にできるものだと思っていたので、人工のビーチがあることに驚きました。
 2日目は、初めに沖縄そばを食べに「きしもと食堂」に行きました。ここは、ホテルの方が教えてくださった店で、とても美味しかったです。沖縄そばは、店によって味がまったく異なるそうで、どのように異なるのか食べ比べをしてみたいと思いました。次に、瀬底ビーチに行きました。風が強かったですが、晴天で青い空と海を一緒に見ることができました。
 その後、Laboratorio43potteryという店でシーサーの絵付け体験を行いました。自分で色やデザインなどを考えながら楽しむことができました。シーサーの絵付けの他にも、シーサーづくりや焼き物の絵付けなど、さまざまなプランがあり、子どもから大人まで楽しむことができると感じました。また、室内での体験ですので、天候に左右されず体験できることも良い点だと思いました。最後に、天気が良かったので、沖縄本島最北端の辺戸岬に行きました。最北端というだけあって、他に訪れた場所よりも遠かったですが、沖縄の自然を感じました。岬の先まで歩きましたが、強風で立っているのことさえ辛かったです。また行く機会があれば、風が穏やかな時に行きたいです。帰りに、辺戸岬近くで夕日を見ることができました。実習中は台風の影響で天気が良くなる日はないと思っていたので、眺めることができとても嬉しかったです。
 今回の実習では、沖縄の観光地について調査しました。台風の影響で臨時休業していて、予定していた場所に行くことができないこともあり、予定しなければいけない時があることを、身をもって知りました。また、私たちは1日中ホテルで待機する日があるかもしれないという中で、幸いにもすべての日に外に出て活動することができました。しかし、悪天候で1日中外に出ることができないことや、長期滞在の場合は1日ホテルでゆっくり休む日があるかもしれないと考えました。そこで、ホテルでも快適に過ごせることが重要だと思います。これからの授業では、これらのことを踏まえてどのような提案をしていくか考えていきたいと思います。

長期宿泊で新たに見つけたリゾート施設の課題
 国際観光学部2年 原菜摘

 8月31日~9月3日の4日間、沖縄県恩納村にあるリゾート施設とその周辺にある観光資源の現地調査を行いました。リゾート施設は大きく本館とコテージに分かれており、さまざまなタイプの部屋があります。そこで、事前に本館チームとコテージチームに分かれ、年齢層や性別など利用する宿泊者を想定し、設定したターゲットがどのような場所を訪れるか検討しました。私はコテージチームで調査に参加しました。
 コテージタイプの部屋は、壁面に写真映えするカラフルなアートが施されていて、部屋が独立しています。また、本館に比べて築年数が浅く、室内には調理器具や家電が充実しており、動画配信サービスも楽しめるようになっているという特徴があります。そのため、コテージタイプの部屋は若い世代の女性が少人数で利用することが多いのではないかと分析しました。そこで、若い世代の女性が好みそうな定番の観光地や写真映えスポットなどをSNSで探して、これらの場所を周るプランを調査に組み込みました。
 1日目は沖縄でチェーン展開するハンバーガーショップの「A&W」、美しい海と桟橋が見どころのサンマリーナビーチ、ハートロックで有名な古宇利島を訪れました。2日目は沖縄そばの老舗のきしもと食堂、シーサーづくりや絵付けの体験ができるLaboratorio43pottery、沖縄県最北端の辺戸岬を訪れました。
 3日目はステーキレストランの「ふりっぱー」、美ら海水族館、trip cafe okinawaを訪れました。3日目の夜は各チームに分かれ、部屋にあるキッチンを使って、夕食をつくりました。コテージに宿泊が見込まれるターゲットを意識して、ゴーヤチャンプルやスパムおにぎりなど、彩りが良く、写真映えするような料理を選び、つくりました。実際に部屋のキッチンを使用してみて、全体的に規模が小さく少し使いにくさを感じました。一方で、キッチンのコンパクトさは内装の雰囲気を損なうことがなく、最適なサイズであると感じました。また、リゾート施設周辺はコンビニエンスストアや飲食店もあり、利便性は高いものの、街灯が少ないため、夜間に出歩くことは厳しいように思いました。4日目はアメリカンヴィレッジを訪れ、空港内でスパムおにぎりを食べました。
 4日間コテージを利用してみて、宿泊期間中は清掃が入らないため、プライベートが維持できるというメリットを感じました。しかし、自分たちで清掃する必要があること、清掃道具や衛生用品の予備が少なく、なくなるたびにロビーまで取りに行く手間がかかるところが少し不便に感じました。
 台風の影響もあり、計画通り進めることができない場面もありましたが、天候に合わせ、その場でプランを変更しながら十分に調査ができたと思います。台風の接近により天候が悪くなると推測していましたが、時折晴れ間も見え、普段とは違う自然の風景を楽しむことができました。自然が豊かなところが沖縄の魅力の一つですが、天候のすぐれない日ではその魅力を最大限に引き出すことは難しいと感じました。一方で雨の日でも楽しめる施設を見つけることができたのは大きな収穫でした。そして、天候などさまざまなパターンを想定し、複数の調査計画を立てる必要性を痛感しました。
 最後に実際に連泊をすることで、長期滞在することによる利点や課題も新しく見えてきたので、改善方法を考え、イメージギャップ解消の一つの手立てとして役立てていきたいです。