2019年2月5日(火)10時から15時30分まで、南キャンパスのアッセンブリホールにおいて、国際観光学部第6期生の卒業研究発表会を開催しました。
 今年度の発表会は3部構成で、合計13ゼミ・16組がこれまで重ねてきた研究の成果を披露しました。
 発表会は大谷学部長の挨拶から始まり、午前の部のコーディネーターを努めた来村教授による進行方法に関する説明の後、各ゼミからの発表へと移りました。
 会場内は、学生や教職員が4年生の発表内容に熱心に耳を傾け、発表後の質疑応答で大いに盛り上がりました。その後、休憩を挟んで午後の部へと進み、16組の発表をすべて終えた後、森重副学部長の閉会の挨拶により、全日程を盛況のうちに終了することが出来ました。
 なお、後日、来場者へ配布した評価アンケートを集計した結果、以下の発表者が各賞を受賞しました。
 学部長賞
  安部 和樹さん(森重ゼミ)
 学術賞
  平 大貴さん(塩路ゼミ)
 プレゼン賞
  中里 圭希さん・末永 日菜子さん・上中 魁人さん(小林ゼミ)
 独創賞
  松井 昭憲さん(松村ゼミ)

※この活動は、学部教育研究活動助成制度(阪南大学学会)の補助を受けています。

安部 和樹さん(学部長賞)の研究概要

リゾートと負の遺産の共存は可能か-沖縄県のガマを事例に-

 学部長賞を受賞した安部和樹君の研究は、沖縄の戦跡ツアーがリゾート観光に比べて減少している現状を憂い、どのようにすれば気軽に戦争の歴史とリゾートを共存できるか考察しました。
 彼は、まずダークツーリズムに関する先行研究をレビューし、負の遺産を観光資源化する意義は慰霊にとどまらず、記憶の継承であることを整理しました。また、沖縄観光の歴史を振り返り、本土復帰以前の慰霊に戦跡めぐりが加わったが、本土復帰後はリゾート観光が増え、歴史とリゾートのバランスが崩れていると指摘しました。さらに、ハワイには、太平洋博物館をはじめ、気軽に戦争について学べる工夫があることを紹介し、沖縄にもこのような仕掛けが必要であると考えました。その一例として、沖縄のガマを利用したカフェに注目しました。
 結論として、負の遺産に新たな機能を見出すことで、現地を訪れてもらい、結果として戦争の歴史を知る仕掛けをつくることの重要性を訴えました。そうすることで、戦争の記憶を後世に継承し、歴史とリゾートの共存をめざすべきだと論じました。
【当日発表者一覧】
午前の部(コーディネーター:来村 多加史先生)
  1 松井 昭憲「新今宮観光夜市で次世代と賑わいを創る」(松村ゼミ)
  2 内海 純「競馬場を活用した地域活性化について」(李ゼミ)
  3 坂根 晃揮・寺地広将「大阪府岬町における観光地域づくりに関する研究活動」(和泉ゼミ)
  4 網野 智実・小高 杏奈「うみぞら映画祭開催プロジェクト&淡路の情報発信」(足立ゼミ)
  5 冨永 健輔・布野 雄大「なぜ遅刻は繰り返されるのか」(足立ゼミ)
  6 大盛 秀則「八重山諸島と台湾における人の往来—第二次世界大戦前後でのプッシュ要因、プル要因の変化—」(段ゼミ)
午後の部1(コーディネーター:福本 賢太先生)
  7 小泉 まどか「アメリカ政治とSNSーSNSによる民意操作は可能なのかー」(段ゼミ)
  8 黒岩 未知也・吉良 快・胡 文啓「大阪市北区における観光資源の調査と研究—旧郊外に残る歴史的景観の探索—」(来村ゼミ)
  9 中里 圭希・末永 日菜子・上中 魁人「コンテンツ利用による新たな旅行スタイルの提案」(小林ゼミ)
 10 米木 愛未「地方創生と観光施設としての地域博物館~のと里山里海ミュージアムを例に~」(清水ゼミ)
 11 平 大貴「多民族国家カナダから日本が学べること-移民政策と観光の視点からー」(塩路ゼミ)
午後の部2(コーディネーター:長谷川 明彦先生)
 12 岡本 和哉「ゆるキャラの実態~ゆるキャラの貢献が観光促進へ~」(塩路ゼミ)
 13 池脇 翔太「有田市におけるみかん産業と流通経路に関する研究」(渡辺ゼミ)
 14 佐古 健太「スタジアムを核としたまちづくり—大阪府大阪市「桜スタジアム事業」の可能性—」(鷲崎ゼミ)
 15 安部 和樹「リゾートと負の遺産の共存は可能か-沖縄県のガマを事例に-」(森重ゼミ)
 16 三浦 七星「SNS時代における広告」(大谷ゼミ)
  • パネル展示

これまでの国際観光学部 卒業研究発表会は、以下をご覧ください