文:飯銅 航太  撮影:松本 淳志
 
 今回は、経済産業省「基本情報技術者試験」に合格された経営情報学部3回生の梁井 想(やない そう)さんにインタビューさせていただきました。

2回生の8月に合格

——:基本情報技術者試験の合格おめでとうございます。
梁井:ありがとうございます。
——:基本情報技術者試験はどのような資格ですか?
梁井:IT職に就く人向けの情報に関する基本的な知識を問われる試験になります。
 
ライター注:「基本情報技術者試験」は、情報処理推進機構(IPA)の実施する国家試験で、ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者を対象とする試験です。(出典:独立行政法人情報処理推進機構ホームページ
——:いつ頃試験に合格されたのですか?
梁井:昨年の8月です。
——:ということは2回生8月ということですね。2回生での合格とはとても早いですね。
何回目の受験で合格されましたか?
梁井:2回目の試験で合格しました。
 
ライター注:梁井さんが受験された2023年8月の合格率は48.4%でした。
——:1回目の試験はいつ頃受けられたのですか?
梁井:6月に受けました。
——:結構、スパンが短めなのですね(笑)。
なぜ短い期間で2回目の受験をしようと思ったのですか?
梁井:最初の試験は合格点にギリギリ届かないくらいの得点だったので次で合格できると思いました。
——:どうして基本情報技術者試験を受けようと思われたのですか?
梁井:当時は将来システムエンジニアなどの情報系の職に就きたいと考えていて、就職活動の際に必要かなと思って取りました。それと1回生の時にITパスポートを取得していて、その次の段階として基本情報技術者試験を受験しました。
——:基本情報技術者試験を受験しようと思われたのはいつですか?
梁井:2023年の4月ごろですね。
——:2回目の受験の時もですが、本当にスパンが短いですね(笑)。
梁井:これまでに他の資格も取得してきたのですが、資格試験は基本2か月くらい勉強したら試験を受けますね。
——:資格習得に特に力を入れられていたのですね。
試験の方式について教えてください。
梁井:CBT方式です。
 
ライター注:CBTは「Computer Based Testing」(コンピュータ ベースド テスティング)」の略称で、コンピュータを使った試験方式のことを指す。
——:具体的にはどういった試験方法なのですか?
梁井:試験会場にあるコンピュータを利用して問題に解答する方法です。CBT方式になってから毎月受験できるようになり、会場も様々な場所があって自分の家から近い場所でも受けることが可能になりました。
——:それでは選択式の問題が多く出題されたのですか?
梁井:はい、疑似言語の問題なども、これまではプログラムを実際に書いて提出だったのですが、そちらも選択式になっていました。
 
ライター注:基本情報技術者試験で使用される疑似言語は日本語で表記されている擬似的なプログラミング言語のことを指し、アルゴリズムの処理の流れをわかりやすく理解を助けるために使われる言語
——:次に試験時間について教えて下さい。
梁井:試験時間は科目Aが90分で科目Bが100分でした。
——:具体的にはどのようなことを問われるのですか? 
梁井:科目Aはコンピュータやネットワーク等の基本的な知識を問われるテクノロジ系、情報システムの運用等などのマネジメント系、経営戦略などに関わるストラテジ系が主な範囲です。科目Bではコンピュータの疑似言語とセキュリティついて問われる形になります。
——:苦手だった分野はどこですか?  
梁井:科目Aの経営に関する部分は覚える専門用語が多いこともあり苦戦しました。
——:それをどのように克服されましたか?
梁井:ただひたすらに問題を解くことです(笑)。
——:1回生で取得されていたITパスポートで勉強した知識は基本情報技術者試験にも役立ちましたか?
梁井:科目Aで出題される単元は結構ITパスポートと通ずる部分があり、基本的な知識の習得にとても役に立ちました。

ノルマは時間ではなく、ページ数や問題数を決めて取り組んだ

——:基本情報処理技術者試験の勉強を始めたのはいつごろからですか?
梁井:受験をしようと思ったタイミングなので2023年の4月です。
——:2か月で疑似言語の分野を習得されるのは本当にすごいですね。
「情報処理技術の基礎講座2」は受けられましたか?
 
ライター注:「情報処理技術の基礎講座2」は、基本情報技術者試験の合格を目標に、コンピュータテクノロジー系の知識からプログラミング技巧の基礎であるアルゴリズムの習得を目的とする科目です。「情報処理技術の基礎講座1」は、ITパスポート試験の合格を目標に、必要な情報リテラシーや論理的思考力・問題解決力を養うための基礎的な知識の獲得を目的とした科目です。これらの科目は総合情報学部・経営情報学部の正規科目で、修得した単位は卒業に必要な単位として認められます。
梁井:受講していました。この授業は資格を取得することで単位をもらうことができるため基本情報技術者試験を受けようと思っている方におすすめです。
——:授業を受けてみていかがでしたか?
梁井:この授業を受けたら必ず受かるわけではないのですが、受験するうえでの必要な知識であったり、資格を習得する上での不明点を教えてくれるので、しっかりとした土台を築いてくれることがよかったです。
——:学内の資格講座は受けられましたか?
梁井:利用していないですね。
——:それはすごいですね。なぜ利用されなかったのですか?
梁井:自分で勉強して受かる自信があったからですね(笑)。自分は計画的に勉強を進めることができるタイプだったので受講はしなかったです。
——:勉強をしていく上で意識していたことや、心がけていたことはありますか? 
梁井:長い時間をかけて勉強をしていても集中力が持ちませんし、短い時間で密度の濃い勉強を毎日できるように心がけていました。
——:資格勉強のための時間をどのように確保していましたか?
梁井:学校にいる間の空きコマに図書館に行って、その時間に集中して勉強していました。
——:空きコマが無い日はどうされていましたか?
梁井:自宅で勉強していましたね。毎日毎日勉強するより休みの日があった方が良いかなと思い忙しい曜日は勉強しないように決めたりもしていました。
——:休む時は休む、やる時はやるといったメリハリを意識して勉強されていたのですね。
一日何時間ほど勉強されていましたか?
梁井:一日のノルマとして時間で区切ってしまうとさぼってしまって内容が薄くなってしまう気がしたのでページ数や問題数を決めて取り組んでいました。
——:どうやって勉強のモチベーションを保たれたのですか?
梁井:問題を解いて正解していたら自分の自信にもつながりますし、間違っていても今の自分の立ち位置が分かるので今後の方針を決めるようにしています。
——:問題を解けたときの達成感がモチベーションに繋がっているのですね。
経営情報学部の授業でこの資格試験に役立ったものはありますか?
梁井:「IT入門」と「プログラミング1・2」です。「IT入門」は科目Aのことに関する内容を学ぶことができて、「プログラミング1・2」は科目Bの疑似言語の問題につながることを学べたので役立ちました。

資格を取ることが楽しい

——:ここからは梁井さん自身のことについてお尋ねしていきます。
入試区分を教えてください。
梁井:阪南大高校特別入試です。
——:高校ではどのようなことに力を入れていましたか?
梁井:勉強ですね。英検は準2級、漢検は2級、数学検定は準2級まで取得しました。
——:高校生の時点でそんなに多くの資格を習得されていたのですね。
高校の時から多くの資格を取得されたのはなぜですか?
梁井:それはもう趣味みたいなものですね。資格を取ることが楽しくなっていました(笑)。
——:そうなのですね(笑)
どうして阪南大学を選ばれたのですか?
梁井:最初はもっと偏差値が上の大学を目指そうと思っていましたが、そうすると自分が授業に追いつけなくなってしまったり、その他のことに力を入れることができないと思い、自分の勉強を充実させることができる上に就職率の良い阪南大学に決めました。
——:経営情報学部を選ばれた理由を教えてください。
梁井:高校の時から情報系の企業に就職したいと考えており、情報分野を学ぶことができて、なおかつほかの業種に就職するにしても幅広い業界の中から選択できるように経営情報学部を選びました。
——:所属ゼミを教えてください。
梁井:中條ゼミです。
——:ゼミではどのような勉強をされていますか?
梁井:企業に関する資料から自分なりの考察を行い、それをゼミ内で発表してそれに関してディスカッションをするといったことをしています。
——:阪南大学や経営情報学部に入学して良かったこと思うところはなんですか?
梁井:資格取得や就職に関するサポートが手厚いところです。資格取得の表彰制度があったり、資格講座が開かれていたりしていますし、就職関係ではキャリアセミナーなどを積極的に開催してくださっていて就活に対して早めに意識できることがとてもありがたいです。

——:卒業後はどのような進路に進みたいですか?
梁井:これから様々な企業へのインターンシップなどを行って決めていきたいと思っています。
——:最後にこれから基本情報技術者試験に挑戦される方に一言お願いします。
梁井:計画的に自分が行えるノルマを設定してコツコツと勉強していくことが大切だと思います。大変だと思いますが頑張ってください。

取材を終えて

 この度はお忙しい中取材を受けてくださりありがとうございました。僕自身、ITパスポートを取得はしたもののそれ以降の基本情報技術者試験の受験に踏み込めなかったこともあり、梁井さんの勉強に対するストイックな姿勢に刺激を受け、また資格取得に向けて勉強しようと思いました。今後は本格的にゼミ活動など大変だと思いますが頑張ってください!
飯銅 航太


 私は梁井さんのお話の中にあった”やらない日を決める”という勉強法で、三日坊主で終わる勉強も無理せず継続できるようになりました。今回は取材に応じてくださり、本当にありがとうございました。
松本 淳志

ゼミ指導教員コメント

 梁井君、基本情報技術者試験への合格おめでとうございます。梁井君は学習意欲がとても高く、あらゆる機会から積極的に知識を学び取ろうとする姿勢がすばらしいと思います。ゼミで質問を投げかけると、たとえそれが難しい質問であっても、必ず自分なりに考えたことを答えてくれます。私はそこに、あるべき大学生の姿を見た気がします。今後も好奇心を失うことなく、いろんなことにチャレンジしてもらいたいと思います。
中條 良美

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阪南大学経営情報学部 学生広報誌「じぇむ」