フェリー事業者によるマーケティングに関する特別講義を実施

フェリーさんふらわあが展開するマーケティングの特徴と面白さとは?

6月15日、国際観光学部准教授大谷新太郎が担当する講義「観光マーケティング論」において、株式会社フェリーさんふらわあの方をお招きし、同社のマーケティングに関する特別講義を実施していただきました。

特別講義をご担当くださったのは、同社営業企画室の三田恭平様です。三田様は同社が運航する航路や船舶の概要、様々な客層に対応した船内設備の改良や船旅のブランド化、船内イベントの実施、イベント便の運航、多様なプランの設定、広報広告活動、他社や行政などとの連携など、同社のさまざまな取り組みについてお聞かせくださりました。受講生達は同社の取り組みを授業で学んできた理論の具体的事例として受け止めて学んだだけでなく、フェリーを利用する旅行に興味を持った様子でした。

大変お忙しいなか本学へ足をお運び下さりお話し下さった三田様、ならびにご協力くださいました株式会社フェリーさんふらわあの関係各位にこの場をお借りして深く感謝申し上げます。(大谷新太郎)

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受講生の感想

森岡 勇人(「観光マーケティング論」受講生・国際観光学部2回生)

 株式会社フェリーさんふらわあは様々な取り組みを行っています。その一つの「弾丸フェリー」は、関西と九州を1万円で往復できるプランで、大阪と別府間の大阪発では別府温泉に行く人が多く利用しているそうです。乗船客が別府温泉の施設で割引を受けられる仕組みも提供されており、例えば旅館で乗船券の半券を提示することで温泉施設を朝食付き1,000円で利用できるという取組みがされています。
 フェリーさんふらわあがのこのような取り組みを行うようになったのは、新幹線や飛行機にはスピードでは勝てないので、長く乗ることや船に乗ること自体を目的とした人をターゲットとするようになったからだそうです。
 同社は他キャリアとのコラボレーションにも積極的です。たとえば阪神電鉄との企画では阪神沿線から弾丸フェリーが1万円で利用できます。コラボレーション企画なので阪神電鉄の電車内にさんふらわあの広告が無料で出せて、阪神サイドは沿線外の客の獲得に繋がるのでどちらにも良い取組みです。このほか他業種とのコラボレーションとして旅行会社とのコラボレーションが行われており、たとえば飛行機やJR九州の豪華列車「ななつ星」とさんふらわあを組み合わせたパッケージツアーが造成されていて中部地方や関東地方など関西以外の顧客の獲得に繋がっています。
 今回のお話を伺い、ただフェリーを運航しているだけでなく新規の顧客やリピーターを獲得するために誰もが思いつかないことを企画・実施したり、自社の歴史を振り返りストーリー性のあるものを復活・再現し商品化したり、他業種や他キャリア、そして行政などとの協力を自ら提案・実施することによって自社の利益だけでなくフェリーの就航地域を盛り上げていることがわかりました。株式会社フェリーさんふらわあは、フェリーを通して観光業界全体を動かしているともいえます。