2018.7.11

フェリーはどうすれば若者に“ウケる”のか?

活動テーマ:観光マーケティングに関する研究と実践
連携先:株式会社名門大洋フェリー 企画営業部


 私たち大谷ゼミ2回生がキャリアゼミとして取り組んだのは、株式会社名門大洋フェリー(シティライン)のご協力のもと、若者をターゲットにフェリーの魅力を伝えるという“マーケティング活動”を行うというものでした。具体的には、私たちが実際に同社のフェリーに乗船し、その就航先である北九州市および周辺地域へ足を運び、フェリーと就航先の魅力や強みを知ったうえでSNSやウェブサイトなどでそれらを発信する形を取りながら、同社に対し若者に向けたプロモーションの具体的な内容を提案する活動です。
 フェリーは若者による利用者は少なく、そもそもほとんど知られていないというのが現状です。そのため、私たち自身が日頃から利用する媒体で情報を発信し、若者に伝えていくことが良いのではないかと考えました。そしてテーマ性の高い情報を発信することが大事であるという議論が行われ、若者が興味を持つであろうテーマを検討した結果、“カップル旅”や“女子旅”をテーマに情報を発信していくことになりました。これらは若者である私達自身の身の回りで話題になることが多く、これらを訴求していくことで、若者が旅行の内容を検討する際にフェリーを利用することを選択肢に取り入れてもらえるのではないかと考えたからです。加えて、必ずしも“カップル旅”や“女子旅”を行おうとする若者だけでない多くの人々に、フェリーの認知度を高め、またフェリーのイメージを向上させるプロモーションにもなり得るとも考えました。
 このような考えのもと私たちは、独自のSNSアカウントやウェブサイトに加え、同社の公式ウェブサイトに特設ページを設けていただくことを目標に活動に取り組みました。

国際観光学部 2年生 田中 彰哉

学生活動状況報告

 私たちはまず、株式会社名門大洋フェリーの皆さまとの打ち合わせをさせていただくことから活動を始めました。同社のフェリーの現状や課題についてお聞かせいただき、私たちがどのような活動内容と目標を設定すべきかについてご助言をいただきました。また、3回生が中心となって活動している株式会社フェリーさんふらわあとの取り組みに混ぜてもらい、実際の乗船を伴うフィールドワークにも同行させてもらうなどして、活動の進め方を学びました。
 これらをふまえ後期から活動を本格化させました。毎週集まり、3~4時間の議論を積み重ねました。実際の企業との取り組みは大変難しいものだと最初は不安も大きかったのですが、消費者に対しマーケティングを行ううえで大切なことは何か、消費者はどのようなニーズを持っているのか、学生同士で議論を重ねていくとともに、次第に面白くなり、毎週の集まりが楽しみになっていきました。
 積み重ねた議論をふまえ、具体的な活動内容も定まってきたところで、先方より大学へお越しいただき、私たちが行おうとしているプロモーションについて説明させていただくことになりました。それは、「カップル旅」と「女子旅」をテーマとするものでした。それを評価してくださり、同社の公式ウェブサイトに特設ページを設け、そこに記事を連載させていただくことを目標に活動させていただけることになりました。
 そして11月に2回、1月に1回、実際にフェリーを利用する取材活動を行い、写真や動画のプロモーション素材の収集に力を入れました。その成果を取りまとめ、私たち“若者”が持つ感性を活かし、て、特設ページに掲載する記事を提案させていただきました。その内容としては、モデルコースの紹介、観光スポットの紹介、実際にフェリーや観光を体験した学生による様々な“声”を掲載する形となっています。そして一度の掲載で終わるのではなく、新たなテーマで記事を連載していく形をとります。先方に試作物をお示ししただけで年度末を迎えてしまい、この「キャリアゼミ実施最終報告」を行う時点では先方との調整や実際の掲載が行われていませんが、先方にもご満足いただけるよう完成させたいと思います。
 活動は今年度で終えるのではなく、次年度も続けさせていただきたいと考えています。先方からも特設ページへの掲載ではなく、特設サイトを設けるなど新たなご提案をいただいています。また、3回生が中心となったフェリーさんふらわあとの取り組みにおいて私が動画制作を手伝ったのですが、ご担当の方に高く評価していただきました。名門大洋フェリーとの取り組みにおいても動画制作に取り組めないかと考えています。こういった自分たちの活動を通して、友人など身近な人達からも大きな反響を得られており、フェリーを利用する旅には大きな魅力があること、そして自分たちでその魅力を発信することに意義があると実感してきています。次年度は、より一層フェリーの魅力が伝わる手段を考え、質の高い活動を展開していこうと考えています。

国際観光学部 2年生 田中 彰哉

参加学生一覧

田中 彰哉、香川 桃花、景山 千穂、澤田 希、関田 理佐、染田 麻椰、中谷 真弓、野口 彰太、野口 総太、松山 明允

ゼミ集合写真

教員のコメント

国際観光学部 大谷 新太郎准教授

 今年度は例年以上に意欲溢れる学生達が集まりました。そして実際の活動においても、大変意欲的に取り組んでくれました。特に毎週の議論は熱く激しいもので、フェリーを利用する旅行の魅力をどのように若者に伝えていくか、真剣に考えてくれました。
 しかし、議論の進め方に大きな問題がありました。いつも手ぶらで議論に臨むのです。熱い想いで考えをぶつけ合うが、その根拠は誰も用意していない。成果物について検討するのに、誰も試作物を用意していない。毎回熱意だけが空回りし、時間ばかりが過ぎました。やがては活動の方向性をめぐって対立が目立つようになりチームが分裂・崩壊してしまいました。
 それでも話し合いを重ねチームを立て直し、資料・データの分析や取材活動を行い成果物の試作までにたどり着きました。その内容には、ターゲットに“響く”ものとなるよう自分たちの意欲と感性を最大限生かそうとしたことがうかがえます。残念ながら試作物の完成が大幅に遅れ、目標としていた公式サイトへの掲載が年度内に間に合いませんでしたが、可能な限り速やかに、先方にご満足いただけるような形で完成させて欲しいと思います。
 この活動を通して学生達には、チームで動くために必要な力がどのようなものかについて気づきがあったかと思います。また、消費者のニーズをおさえつつ、自分たちの感性を生かして、商品・サービスの魅力を消費者に伝えようとすることがいかに難しく、そしていかに面白いか、体験的に学んでくれたものと思います。これからの研究活動や就職活動に生かして欲しいと思います。
 このような活動の機会をくださいました株式会社名門大洋フェリーの皆様にこの場をお借りして深くお礼申し上げます。