日本観光研究学会全国大会学生ポスターセッションで発表しました

出雲市の宿泊客数の増加に向けた方策を発表しました

 今年度の森重ゼミでは、島根県出雲市をフィールドに資料調査や聞き取り調査、現地調査などを行ってきました。出雲市は出雲大社をはじめとする観光資源に恵まれ、島根県内で最も多くの観光客が訪れていますが、宿泊客数は県庁所在地・松江市の4分の1に過ぎません。そこで、出雲市の宿泊客数の増加に向け、朝と夜の観光の魅力をどのように高めていくか検討してきました。
 そして、12月7日(日)に大阪府立大学I-siteなんばで開催された、第29回日本観光研究学会全国大会学生ポスターセッションに参加し、「食を活用した宿泊客増加の可能性−島根県出雲市を事例に−」という題目で、成果を発表しました。今回は例年になく多くのポスター発表がありましたが、ゼミ生も自分たちが考えていることをしっかりと伝えることができ、また多くの意見やアドバイスをいただきました。今回のポスター発表で得た成果やアドバイスを踏まえ、今後さらに内容のブラッシュアップを図るとともに、現地に成果を還元できるよう、活動を続けていく予定です。
 なお、以下のゼミ生による報告では、他のゼミ生と共同で研究し、作成したポスター発表の成果も合わせて掲載します。(森重昌之)

当日の発表の様子

  • ポスター発表の様子

  • 発表者全員で記念撮影

  • 他のゼミ生と共同で実施したポスター発表

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参加したゼミ生の報告

学生ポスターセッションを終えて学んだこと
 国際観光学部3年 田頭慶祐

 12月7日、大阪府立大学I-siteなんばで学生ポスターセッションに参加しました。今回のポスターセッションでは、9月中旬に行った島根県出雲市のフィールドワークでわかった課題を明確にして、その課題を解決するための提案を発表しました。
 私たちが発表した内容は、「食を活用した宿泊客増加の可能性−島根県出雲市を事例に」です。出雲市には出雲大社をはじめ、多くの観光資源があります。しかし、観光入込客数に対して宿泊客数が非常に少なく、特に出雲市の宿泊客数は松江市に比べると、4分の1しかないことがわかりました。出雲市の課題として、「自家用車中心の観光周遊」、「宿泊施設の減少」、「朝と夜の魅力が少ない」という3つがあげられます。その中で、「朝と夜の魅力が少ない」という課題に注目し、食を活用した宿泊客数増加のための提案を考えました。朝の魅力を高めるために、出雲の食材を使った2種類の朝食の提案、夜の魅力を高めるために、島根の食材を使った屋台の提案を考えました。これらの提案により、朝と夜の魅力を高めることができ、宿泊客数の増加を見込めるのではないかと考えました。
 この発表を通して良かった点は、フィールドワークを行い、課題を明確にして、課題を改善するための提案を考え、食を活用して宿泊客数が増加するということを明確にし、結論にたどり着くまでのプロセスを重視して考えることができたことです。逆に悪かった点は、結論にたどり着くまでのプロセスを重視したため、提案の内容が少し薄くなってしまったことです。特に朝の魅力を高めるための提案では、多くのご意見をいただきました。
 このことを踏まえ、これから改善すべきことは、さらにデータ収集をして朝と夜の魅力を高めるための提案をより濃いものにし、特にご意見をいただいたところを中心に斬新なアイディアを取り込んでいくこと、そしてこの提案でどのくらい宿泊客数の増加が見込めるのかをはっきりとさせることです。
 学生ポスターセッションを終えて感じたことは、私はポスターセッションをするのが初めてで、不安な部分の方が多く、緊張しました。しかし、発表を重ねるにつれてはっきりと話せるようになりました。このように人前で発表するという経験は少ないので、良い経験になりました。発表してご意見をいただく中で、私とは違った視点のご意見をいただくことが多く、このような考え方もあるのだと勉強になったことの方が多かったです。今回経験したことを今後のゼミで活かし、ゼミ活動の参考にしたいと考えます。

多くのものを得た学会発表
 国際観光学部3年 奥政嘉

 私たち森重ゼミ3回生は、今年の夏に実施した島根県出雲市での現地調査をもとに、12月7日に行われた日本観光研究学会での学生ポスターセッションに参加しました。
 ポスター作成では、目的や背景、現状、課題をまとめるグループ、朝の提案を考えるグループ、夜の提案を考えるグループの3つに分かれて作業を進めました。その中で、私は朝の提案を考えるグループになり、出雲そばのそば粉を使った「ガレット」を中心にした洋食メニューと、旧暦元旦の出雲大社で行われる福神祭で振る舞われる「うず煮」を中心にした和食の提案を行いました。今回は学会発表でしたので、学術的に説明することが求められており、筋道を立てて説明するためにはどのようにすれば良いか、苦労しました。
 当日の発表では、全国から集まった観光を専門に研究している先生方や、私たちと同様にポスターセッションに参加している学生に向けて発表を行いました。そこで、先生方から今まで自分たちが考え付かなかった意見や、今考えている提案にプラスした意見など、貴重なご意見をたくさんいただくことができました。また、今まで私が経験したことのない「学会発表」という場で発表することで、貴重な経験になりました。他にも多くの学生が参加していたので、自分の観光に対する考え方や他大学の学生の考え方を学ぶことで、観光に対する考え方が広がりました。
 空いた時間には、他のポスターを聞きに行きましたが、その中で「サービスエリア」を使ったポスターがあり、その学生の考え方は今まで自分の中にはまったくない考え方や調査方法でしたので、特に勉強になりました。
 今回の学会発表で良かった点は、今まで経験したことのない場で発表することによって、大学で勉強するよりもとても濃い時間になったことと、今までに話したことのない人と同じ共通の分野について話せたことです。逆に今回の反省点は、先生方に質問された時にうまく伝えられなかったり、自分の持っている語彙が少なく、伝えることに苦労したりしたことです。この反省点を活かし、さらに観光に対する知識を深めていく必要があると感じました。
 今回のポスターセッションで先生方にいただいた意見をもとに、今後の学部内での発表やキャリアゼミ報告会、出雲での現地発表などに向け、今回の意見や問題点、今までに自分たちが持っていなかった考え方を反映された、さらに良いものを作成していきたいと思います。また、今後発表を繰り返していく中で、卒論や就職など、今後の自分のためになることを見つけていきたいです。

今後の発表への課題を見つけたポスターセッション
 国際観光学部3年 東祐里

 12月7日に行われた日本観光研究学会で、以前から取り組んできた島根県出雲市を事例に、食を活用した宿泊客増加に向けた方策の提案をポスターセッションで発表しました。
 内容としては、出雲市には出雲大社のように知名度が高く、集客力のある観光資源があります。しかし、2013年の出雲市の観光入込客数は15,758,052人にも及ぶにもかかわらず、宿泊客数は588,08人と、観光入込客数とは大きな開きがあり、また隣の玉造温泉がある松江市とは観光入込客数に大差がないのに、宿泊客数は4倍もの差があります。また、出雲市には朝と夜の魅力が少ない、自家用車中心の観光周遊、宿泊施設が減少しているという課題を、9月に行ったフィールドワークで発見しました。そこで、私たちは朝と夜の魅力を食で補うことで宿泊客の増加につながると考え、朝と夜の2つの提案をしました。
 私がこの学会に参加して良かったと思う点は、さまざまな方から助言をいただけたことです。事前調査やフィールドワークを行った上で提案内容を考えましたが、学生が考えるものではやはりどこか足りない部分があることは確かです。その提案内容を今後ある発表に向けて充実させていくために、アドバイスなどをいただけたのは本当にありがたかったです。実際に島根県で活動されている方にも発表を聞いていただき、現地のことなどをうかがうことができて、もっと提案内容を深めていきたいと思いました。
 今後の課題としては、私たちが考えている提案について、もっと発表を聞いてくたださる方々に理解してもらえるよう、発表の方法などを工夫していく必要があると感じました。私たちも誰かに今までの研究について聞いていただくことは初めてで、不慣れなところもありましたが、他大学の学生の発表を見ると、自分たちは伝えたいことがしっかりと伝わっているのかと疑問に思いました。これから何度か発表を聞いていただける機会があるにもかかわらず、内容をしっかりと伝えられないと、その機会も活かしきれません。提案内容を深めていくことに加えて、発表にどのような工夫を加えていくかをゼミ生と協力して考えていこうと思いました。
 私自身、学会に参加することも、人前で発表することも初めてで、まったくどうしてよいのかわかりませんでした。しかし、経験のあるゼミ生から話を聞き、みんなで取り組んだことで、なんとかポスターを完成させることができました。意見がなかなか出ず、苦労した部分もありましたが、この経験を通じてゼミ内での雰囲気も変わったと思います。これからある学内での発表や現地での発表に向けて、さらに良い内容にしていきたいです。

出雲市の宿泊客数増加に向けての提案と今後の課題
 国際観光学部3年 磯野晃

 私たち森重ゼミ3期生は、「出雲市の宿泊客数を増加させる」ことをテーマに、4月から活動を開始し、先日終了した日本観光研究学会全国大会の学生ポスターセッションで発表しました。9月にフィールドワークを行うまでは、出雲市の歴史や神話、人口や地形など、観光にかかわりのある資料を集め、分析し、現地で調査する内容などを検討しました。現地では、市役所や観光協会の方にお話をうかがうことができ、そしてその調査した内容をもとに、今回の学会ポスターセッションで発表するために、グループに分かれて作業に取り組んできました。当日は他大学の先生や学生が作成したポスターや研究を見て学び、自分たちが作成したポスターを研究の成果として発表しました。その中で、自分たちの研究のプラス面とマイナス面の両方を得ることができました。
 まずプラスの面では、私たちが研究してきた出雲市の宿泊客数を増加させるための提案に対してさまざまなアイディアをいただき、今後さらなる提案内容を模索する上での重要なポイント学ぶことができたことです。例えば、提案内容の中で紹介したガレットを朝食メニューとして提供している店舗の数を調べることや、宿泊後の朝食だけでなく、高速バスなどで早朝に到着する人びとにも朝食メニューを提案し、食事を取ってもらうことで、単純に観光入込客数の増加を図り、そのリピーターが今度は宿泊をして朝食メニューを食してもらうことにもつながるということを学ぶことができました。
 一方、マイナス面では、今回3つのグループに分けてポスターを作成しました。目的や背景などの概要を作成するグループ、朝食を活用した宿泊客の増加に向けた提案を考えるグループ、夕食を活用した宿泊客増加に向けた提案を考えるグループです。その結果、個々人の情報の保有に少し偏りが感じられました。自分が担当していない範囲はほとんど内容を認知できていないことが発覚したため、提案が個人的な意見になってしまったのではないかと思いました。学生ポスターセッション終了後に、ゼミ生一人ひとりがもっと発見したことや考えた案などを積極的に出すべきだという意見を持つ学生が多く見られたため、今後はもう一度グループ間で情報が偏らないように情報共有を充実させ、今回他大学の先生や学生からいただいた意見も加味しながら、実現可能性を気にかけすぎずに案を出し合い、提案内容を深めていきたいと考えています。そして、今後行われるゼミ報告会、卒論発表会、キャリアゼミ、現地での報告を成功させたいと思いました。

ポスター作成を通して学んだこと
 井上さやか

 今回のポスターセッション発表までの過程と本番の良かった点、悪かった点、改善点、これからどうしていくかを述べます。
 発表までの過程の中で良かった点は、今まではゼミの授業時間が終われば解散だった私たちが、ゼミの時間が終わってもそのまま大学に残って作業を続け、提案内容をもっと良くしようという向上心ややる気が出てきたことだと思います。私が担当していた朝食チームに関しては、私も含めてチームみんなが意見を出していました。もちろん、自分の意見を言うだけではなく、他のメンバーの意見もきちんと聞き、良い点を取り入れていくという活発な意見交換ができていたと思います。逆に悪かった点は、取りかかり始めたのが少し遅かったことと、視野が狭いということだと思います。しかし、視野が狭かった部分は、他チームのゼミ生の意見や先生に意見を聞いてみるなどして、きちんと補うことはできたのではないかと思います。他にはデータが少なく、どこまで詳しく、正確にその情報を把握しているかわからなかった点です。例えば「うず煮」ですが、旧暦の元旦、出雲大社で祀られる福神祭で振る舞われる、おもてなし料理ということはわかっていましたが、それを朝食の案で使うときに、うず煮が朝に食べられていたものかなどは調べていませんでした。案を考え、進めていても、根拠や正確な情報がなければ、せっかく考えた案も振り出しに戻ってしまうということを今回経験しました。私たちの主観や弱い情報は使えないことを痛感しました。改善点としては、準備の段階で広い視野で考え、情報は細かいところまで正確に調べておくことだと思いました。
 ポスターセッションの発表で良かった点は、積極的に人を呼び止め、発表できたことです。実際に先生や学生を前に話すと、相手の反応やコメント、相槌などがあり、“伝えたい”という気持ちが増しました。また、他のポスターセッションも積極的に聞きに行き、まとめかたや発表の方法を見学しました。雲南市の発表をしておられた先生から、「ここのポスターはうまくまとまっていて流れもあり、発表の分担もきちんとしてあり、とても聞きやすかった」というお褒めの言葉もいただきました。確かに他大学の発表を聞きに行ったときに、流れができていないと感じた学校もありました。この点は良かったと思います。一方、悪かった点はゼミ全体として聞き手を逃していたことと、聞き手の目を見て伝えるという点が不十分であったと思います。改善点としては、「ポスターをつくって終わり」ではなく、聞き手に伝えるまでが大事だということをもっと意識すべきだと思いました。
 今回初めて、こうした発表の場に行きました。これからこうした場がどんどん増えていくので、今回の良かった点はそのまま続け、改善点を直すことで、次回はもっと、次々回にはもっともっと良い発表ができるよう、みんなで頑張っていきたいです。

新たに収集できた提案の課題点
 国際観光学部3年 谷下一史

 私たちは12月7日に難波でポスターセッションを行い、出雲でフィールドワークを行ってきたことなどをまとめ、たくさんの人に発表してきました。
 まず私たちは、出雲市の宿泊客数が観光客数に比べて少なかったので、それをどのように改善していくかについて調べてきました。出雲市は観光客数が多いのですが、宿泊客数が少なく、松江市に流れている現状です。問題点として、朝と夜の魅力が少ないということがわかったので、食を活用して宿泊者の増加を図りました。その中で、朝食と夕食にスポットを置きました。
 朝の魅力として、出雲大社の早朝参拝と稲佐の浜の朝日があり、私たちはこれらと朝食を組み合わせれば朝の魅力が上がり、宿泊者も増加すると考えました。その朝食にも島根の食材を使ってつくったり、朝食に朝の魅力をかけたテーマをつけたりすることによって、出雲を感じられるのではないかと考えました。夜の魅力としては、出雲大社のライトアップや出雲の地酒などがあり、それらを組み合わせて、屋台を実施するという提案を考えました。これらを通じて、ライトアップだけを見て玉造温泉に流れていた観光客を出雲に留めることができ、観光客も時間を気にせず楽しむことができます。本研究を通して、私たちは朝と夜の魅力を高めることによって、宿泊客の増加が期待できることを明らかにしました。
 これまでの研究成果をポスターセッションで発表し、さまざまな人びとから意見をいただきました。まず良かった点については、内容がわかりやすいという意見をいただきました。また、このような機会で私たちの研究を発表できることは良かった点だと思います。悪かった点については、高速バスで早朝に出雲に到着した観光客も出雲の朝食を食べることができるのかどうか考えていなかったことです。また、例えばガレットのように、現在出雲の食材を使った朝食をどれくらいの飲食店が提供できているかということも答えられませんでした。さらに、島根の観光客は20〜30代の女性が多かったので、今回朝の提案のターゲットとして20〜30代の女性を設定しましたが、少ない顧客層をターゲットにした方がよいのではないかという意見もいただきました。
 これらのいただいた意見をもとに、現在朝食を提供できている飲食店を調べ、高速バスの観光客も対象にした出雲の食材を使った朝食を提供できるようなことを考えていかないといけません。また、今私たちがわかっている課題として、地域の飲食店などの連携も問題点としてあるので、いただいた意見を踏まえて、これからより質の高い研究へと進化できるように頑張っていこうと、今回のポスターセッションで思いました。

個人と集団との違いを感じることができたゼミ活動
 国際観光学部3年 森本貴仁

 2014年12月7日に開催された第29回日本観光研究学会全国大会の学生ポスターセッションに参加しました。一昨年に一度参加したことがあったので、今回は2回目の参加となります。前回は個人で研究発表に臨みましたが、今回はゼミでの研究発表となったので、個人と集団の違いというものを常に感じながらの活動になりました。
 私たちのゼミでは、観光入込客数の多い出雲市において、なぜ宿泊客が少ないのかという点に着目し、研究を進めていきました。研究を進めていく上で、文献調査や実際に出雲市でフィールドワークを実施しました。その結果として、出雲市には3つの課題があることが判明しました。1つ目は自家用車中心の観光周遊であること、2つ目は宿泊施設が減少していること、3つ目は朝と夜の魅力が少ないことです。
 では、これらの課題をどのようにして改善し、宿泊客数の増加を図ればよいかについて、ゼミ内でいくつかのグループに分かれ、それぞれが出雲市の強みを生かしたテーマの中から提案しました。その中でも、食をテーマにした提案が一番好評であったため、ゼミの研究テーマは「食を活用した宿泊客増加の可能性−島根県出雲市を事例に−」となりました。
 研究テーマが決まり、ポスターセッションに参加するためのポスター作成に取りかかりました。ゼミ生が3つのグループに分かれ、それぞれ作業を進めていきました。作業を進めていく上で気を付けたことは、理に適った説明ができることと、集めたデータや調査をしていく中で得た経験をうまくまとめることでした。前回参加した時は個人での参加でしたので、すべてを自分で考える必要がありましたが、今回は集団での参加になったので、みんなで試行錯誤を繰り返すことができ、より良いものを発表できるよう、研究に磨きをかけることができたと思います。この時に個人では、自分が持っている力以上のものを出すことはできないが、集団は自分ではできないことを可能にするものだと強く感じました。
 発表をする時もグループに分かれ、時間を決めて発表しました。多少のばらつきはありましたが、1つのグループにつき1回は発表する機会に恵まれました。いただいたご意見には良い点と悪い点がありましたが、発表をしたからこそ聞くことができた貴重な意見ですので、良かった部分はさらに良くしていき、悪かった部分は修正し、次に活かせるようにみんなで議論を重ねながら、研究を進めていければよいと思いました。
 今回のポスターセッションで、入念な下調べや現地調査、ゼミでの議論など、前回の参加の時では経験できなかったことを経験することができ、個人と集団の違いを知る良い機会となりました。今回のゼミ活動を通じて得たものを、これからのゼミ活動や社会に出た時に活かしていきたいと思います。

今後の活動に向けて貴重な意見をいただけたポスターセッション
 国際観光学部3年 長坂恵

 12月7日に大坂府立大学で行われた学会学生ポスターセッションに参加しました。発表内容は「食を活用した宿泊客の増加の可能性」です。島根県出雲市は観光入込客数に対して宿泊客数が非常に少ないことから、出雲市の宿泊客の増加に向けた方策を検討しました。2014年9月に現地でフィールドワークを行い、調査を行った結果、宿泊客数の増加につながっていない原因として、自家用車中心の観光周遊にあること、宿泊施設の減少、朝や夜の食事で出雲の特産物を食べる機会が少なく、朝と夜の魅力が少ないことの3つがあげられました。その中で今回、私たちは食を活用して朝と夜の魅力を高め、宿泊客の増加を図ることにしました。朝の魅力である出雲大社の早朝参拝と稲佐の浜と組み合わせ、「ご縁」を感じることができるご縁ガレット、ご縁コーヒーなどの洋食メニューと、焼き魚やしじみ汁、うず煮などの「健康」と「新鮮」をテーマとした和食メニューの2種類の朝食メニューを考え、このメニューを宿泊施設あるいは飲食店で提供することで、松江市に流出していた宿泊客を出雲市に留めることができると考えました。現在、出雲大社では毎月1・15日にライトアップを行っています。今ある夜の魅力と何かを組み合わせて新しい夜の魅力をつくることが必要ではないか、また出雲市内には島根ワインや梅酒、焼酎、日本酒が有名であることからこうした酒の魅力を高めたいと考え、「島根の食材を使った屋台」も提案しました。屋台をすることによって、今までライトアップだけを見て玉造温泉に流れていた観光客が夕食を屋台でとるようになり、より出雲に留まってもらえると考えました。
 学会発表に参加して、たくさんの貴重な体験をすることができました。初めて参加したということもあり、とても緊張しましたが、発表すること、観光学を学んでいる先生方から意見をいただくことの大切さを実感しました。私たちでは考えつかなかったことに指摘をいただき、視野が広がりました。松江の玉造温泉だけでなく、鳥取県の米子にも流れていることや、島根県では松江と出雲をバラバラに考えてはいないとの指摘もいただきました。私たちは玉造温泉に流出している観光客をターゲットに考えていましたが、島根県内への観光客だけに目を向けるのではなく、他県に流れている観光客や日帰り観光客にも目を向ける必要があると感じました。また、朝食を提供してくれる飲食店が現在どのくらいあるのか調べ、ターゲットの視野を広げ、高速バスで早朝に到着する観光客の朝食、日本人観光客だけでなく外国人観光客にも目を向けていく必要があると考えました。出雲大社のライトアップが毎月1・15日に行われていることや、冬の三大味覚があまり周知されていないので、今後提案とともにPRしていきたいです。今回いただいた貴重な意見をゼミ生で話し合い、これからの活動に活かしていきます。

ポスターセッションでの学びと今後の方向性
 国際観光学部3年 岡島美紀

 12月7日に大阪府立大学で行われた、日本観光研究学会全国大会の学生ポスターセッションに参加しました。私たちのゼミでは、今年の春から取り組んでいる島根県出雲市の「食を活用した宿泊客の増加」について発表しました。
 出雲市は隣の松江市より観光入込客数が多いにもかかわらず、宿泊客数は松江市の4分の1という現状にあります。そこで、私たちは9月に実施したフィールドワークの結果を踏まえて、朝の魅力である出雲大社での早朝参拝と国譲り神話の舞台である稲佐の浜の朝日、夜の魅力である出雲大社のライトアップなど、既存の観光資源と出雲の特産品を活用した食を組み合わせるということを考えました。そうすることで、朝と夜の魅力をつくることができ、松江市に流出していた宿泊客を出雲市内に留め、出雲市の宿泊客の増加につながるのではないかと考えました。
 ポスター作成はゼミの時間だけでは完成することができず、夜遅くまで残る日もありました。また今回、私はポスターセッションの参加が初めてだったこともあり、当日までポスターセッションの雰囲気がわからず、少し緊張していましたが、原稿の準備がしっかりとできていたおかげで、当日の発表はスムーズに進めることができました。私の発表担当の時間には、あまり多くの方はいらっしゃいませんでしたが、「地元の人がいく店を紹介すればよいのではないか」、「若い人が楽しめるような体験メニューがあってもいいのではないか」といった貴重な意見やアドバイスをたくさんいただきました。これからの研究を進めていく上で、新たな課題を見つけることができました。
 ポスターセッションには多くの大学が参加していましたが、ほとんどが阪南大学の学生でした。時間が空いた時に学会発表を聞きに行ったり、他のチームのポスターを見に行ったりしました。中でも、先生方の目にとまっているものはデータやグラフが多く取り入られており、見やすいもので、説明方法においても、長々と一方的に説明するのではなく、相手に理解してもらえているか表情をうかがいながら話しているもので、発表の中ではそうしたことが大切であると学びました。
 今回のポスターセッション発表の反省点や改善点などをゼミ内で話し合い、みんなで共有していきたいです。そして、ポスターセッションで得た意見やアドバイスを踏まえて、現地での提案や学内での発表に活かせることができるよう、今後もさらに研究を進めていこうと思います。

自分とは違う視野を知る大切さ
 国際観光学部3年 野崎楓

 12月7日に開催された日本観光研究学会全国大会の学生ポスターセッションに参加しました。私たちは、島根県出雲市を拠点として『食を活用した宿泊客増加の可能性』をテーマに発表をしました。実際に、9月16日から19日まで現地に行ってフィールドワークを行いました。さらに、出雲観光協会と出雲市役所で聞き取り調査を実施しました。出雲大社をはじめ、多くの観光資源がある出雲市は、観光入込数に対して宿泊者数が非常に少ない状況です。特に、松江市の宿泊者数は出雲市に比べると4倍も多いです。私たちは出雲市の観光の問題の課題として考えられた、朝と夜の魅が少ないという点に注目しました。朝と夜の魅力を高めるためには、出雲の食材を使った2種類の朝食と島根の食材を使った屋台という提案ができるのではないだろうかと考えました。
 私は今回、ポスターセッションに初めて参加しました。発表するまでの間、とても緊張し、誰も聞きに来てくれなかったらどうしようといった不安も抱いていました。しかし、当日たくさんの方にポスターを見てもらうことができて良かったです。見て下さった方からは、「少ない客層をターゲットにした方がよいのではないか」や「外国人をターゲットにするのもよいのではないか」など、さまざまなアドバイスをいただきました。最初の方はつまりながらの説明でしたが、緊張もほぐれて数をこなしていくほど、聞きに来てくださった方の顔を見て発表ができるように慣れていきました。
 ポスターセッションは、自分たちでは気づかなかったことをアドバイスしていただけるので、勉強になりました。成長する点もたくさんありましたが、反省点もあります。「現在、地元住民が朝食を提供している店は何店舗あるのか」と調べていないところを質問され、答えることができないことがありました。なぜそこまで考えることができなかったのだろうかと思うと同時に、確かにその疑問は出てくると共感してしまう自分もいました。もっと調査が必要だと感じました。この反省を今後へ活かせるように、アドバイスや指摘されたところを参考にして研究していきたいと思いました。
 今回の発表を通して、出雲市の宿泊者数を伸ばしていきたいという思いが強くなりました。他の発表者のところへ行く機会もあり、ポスターの見やすさや説明の長さなど、人に興味を持ってもらうための工夫が知ることができました。自分たちの中では大丈夫だろうと考えていましたが、違う視野から見るとまだまだだなと実感しました。しっかり学び、それらを今後の研究に使っていきようにこれからも頑張りたいです。

刺激を受けた学生ポスターセッション
 国際観光学部3年 谷口真帆

 12月7日に大阪府立大学で学会学生ポスターセッションが行われました。私たちは、2014年9月16日〜19日に現地でフィールドワークを行った島根県出雲市を事例に、食を活用した宿泊客増加の可能性について発表しました。
 まず、文献資料と現地での調査をもとに、出雲市の観光の課題をいくつかあげました。?出雲市は観光入込客数に対して宿泊客数が非常に少ない、?松江市の宿泊客数は出雲市に比べると4倍も多い、?昼間に出雲市に訪れた観光客は、夜になると松江市へ流れている、?自家用車中心の観光周遊である、?宿泊施設が減少している、?朝と夜の魅力が少ないなどといったことです。この中から、私たちは「朝と夜の魅力が少ない」という課題に着目し、朝と夜の魅力を高めるための解決策を検討しました。
 現在の出雲市の朝と夜の観光資源は、早朝参拝や大社のライトアップなどがあり、今ある数少ない朝と夜の魅力を高めるためには、何かと組み合わせることが必要でないかと考えました。また、出雲市には出雲そばや新鮮な魚、ワインや日本酒などの酒があり、こうした特産品を朝と夜に提供する可能性を検討した結果、朝食と夕食を提案することになりました。朝食は、出雲の食材を使った和風と洋風の2種類のメニューを提案し、夕食は、島根の食材を使った屋台を提案しました。朝食と夕食の提案により、朝と夜の魅力を高めることができ、宿泊客増加が期待できます。宿泊による観光消費は、日帰り観光に比べてより多くの経済効果をもたらすことができ、また副次効果として出雲の食材を地域住民が見直し、観光客にPRする機会をつくり出すきっかけとなることも期待できます。
 この発表を聞いてくださった方々からは、「外国人向けに考えてみてはどうか」、「提案内容がまじめすぎて、おもしろくない」、「早朝に高速バスで到着した人を対象にした提案をしてみてはどうか」などのご意見をいただきました。宿泊施設と飲食店の連携は考えていましたが、高速バスと飲食店の連携は考えていなかったので、高速バスと朝食のセットプランも検討したいと思います。
 今後は、先ほどの提案を実現するにあたり、関係する宿泊施設や飲食店、観光施設それぞれがどのように連携を図っていくかが課題となります。現地での発表に向け、提案内容を充実させて、実現可能性を高めていきたいです。また、今回のポスターセッションで、阪南大学の他のゼミや他大学の学生の研究発表を聞き、刺激を受けました。多数の旅行会社でヒアリング調査を行い、比較しているところや、カードゲームを研究テーマにしていたところもありました。私たちもオリジナリティのあるおもしろい提案ができるように、今後も研究を進めていきたいです。

宿泊へ導く新たな魅力創出と課題
 国際観光学部3年 小原奈珠

 今回の学会発表では、島根県出雲市を事例に、食を活用した宿泊客増加の可能性についてポスターセッションを行いました。
 まず、今回の背景、課題として、多くの観光資源がある島根県出雲市が、観光入込客数に対して宿泊者数が非常に少ないことを踏まえて、現地でフィールドワークを行い、出雲市の宿泊客増加に向けた方策を検討しました。フィールドワークを行ってあげられた出雲市の課題は、自家用中心の観光周遊であること、宿泊施設の減少、朝と夜の魅力が少ないということです。このことから宿泊客数が伸びないと考え、食を活用して宿泊客の増加を図るためにどうすればよいか考えました。
 そして、朝と夜の魅力を高めるために、以下の2つの提案をしました。まず、朝の魅力を高めるために、「ご縁」を感じる洋食メニュー(ご縁ガレットやご縁コーヒー、縁結びスイーツなど)と、「健康」と「新鮮」をテーマとした和食メニュー(藻塩を使った焼き魚やシジミ汁、うず煮など)を、島根の食材を使った2種類の朝食として提案しました。宿泊施設あるいは飲食店でこれらの朝食を提供し、地域が一体となって取り組み、朝の魅力である早朝参拝と稲佐の浜に魅力的な朝食を加えることで、松江市に流出していた宿泊客を出雲市にとどめることができると考えました。次に、島根の食材を使った屋台の提案として、現在の数少ない夜の魅力を高めるために、出雲大社で行われているライトアップと組み合わせて、屋台(松葉ガニの焼蟹、しじみラーメン、あご野焼き、島根牛の串焼き、ワイン、日本酒など)を行うことで、今まで出雲大社のライトアップだけを見て玉造温泉に流れていた観光客が屋台を楽しむことで、より出雲市内にとどまってくれるようになります。また、日本酒発祥の地である出雲市で酒を夜に提供することで、観光客は自動車の運転を気にせず宿泊してもらえると考えました。本研究を通じて、食と既存の観光資源を組み合わせ、朝と夜の魅力を高めることによって宿泊客の増加が期待できることを明らかにしました。
 ポスターセッションいざ行うと、「泊まらなくてもよいのではないか」など厳しい言葉もいただきましたが、「大学生らしく、都市伝説をつくるなど、ユーモアのある提案はどうか」など、とてもおもしろい意見も頂戴し、これからそれらも踏まえてもっと研究を深めていきたいと思いました。
 今回この学会発表に参加し、大学の先生方、他大学の学生や大学院生の方々から貴重な意見をいただくことができ、私たちでは気づけなかった点にも気づくことができました。また、自分たち以外のポスターセッションを聞くことで、発表の方法やポスターのまとめ方などが学べました。これから1月の研究発表会やキャリアゼミ発表会に向けて改めて議論し、より良いものにしていければいいなと思います。

新たな気づきが得られたポスターセッション
 国際観光学部3年 福崎美帆

 12月7日に大阪府立大学で開催された日本観光研究学会全国大会の発表に、学生ポスターセッションとして参加しました。ポスターの発表には阪南大学の他のゼミをはじめ、他大学から多くの学生が参加していました。私はゼミ3回生全員で作成し、発表したポスターのほかに、2回生の時に催行したツアーについてもう1枚ポスターを作成し、研究発表を行いました。
 大阪には粉もの文化や笑いの文化など、全国的に有名な文化が数多く存在しています。しかし、大阪の地酒は地元住民もあまり詳しく知らない食文化です。そこで、「大阪の地酒という食文化を認知してもらう」という目的でツアー企画し、実際に大阪府交野市にある山野酒造株式会社と連携して、ツアーを行いました。内容は酒蔵見学や日本酒についての座学で、普段は入ることのできない酒蔵の仕込みタンクや米麹を見学し、日本酒の仕込み方法や美味しい飲み方について勉強することができる内容でした。発表のポスターには上記のツアー内容を記載するだけではなく、ツアーを実施したことによって参加者にどのような効果が生まれたのかなど、結果を分析しなくてはなりません。相手に伝えるにはどのようなレイアウトが良いのか、わかりやすいポスターを作成する必要性を感じました。
 ポスターセッションでは「ツアーの集客方法を改善してはどうか」、「ターゲットとする層を絞り、チラシなども年代に合わせた内容で作成するほうがよい」、「昼食の内容は若年層向けの店と連携して、興味を持ってもらう」、「若い女性層を獲得できれば、男性層も獲得できる」、「若者が日本酒に興味を持つきっかけづくりを担ってほしい」といったご意見をいただきました。「取り組み自体はとても良いので、今後も継続すればきっと効果が出るはずだ」とも言っていただき、自分の研究内容に自信を持つことができました。漠然と集客をするのではなく、ターゲット範囲を絞ることで、今まで日本酒に興味を持たなかった層へ直接訴えかける仕掛けづくりができます。そうすれば、「大阪の地酒という食文化を認知してもらう」という当初の目的達成に近づくのではないかと考えられます。
 今回のポスターセッションに参加したことで、他大学の先生方や学生の意見を聞くことができ、とても貴重な経験になりました。また他大学の観光を学んでいる学生と触れ合うことで、良い刺激を受けました。いただいた助言をもとに企画や広報を行えば、来年に再度催行する日本酒酒蔵ツアーはより良いものになると強く感じました。