1年間の研究成果を伝える現地報告会を開催しました

淡路島の文化資源に着目した観光イメージづくりを提案しました

 森重ゼミでは今年度、兵庫県淡路島をフィールドに、観光まちづくりについて検討を進めてきました。その成果をお伝えするため、3月15日(土)に淡路島を訪問し、これまでお世話になった淡路おみなの会会員の皆さまに向け、現地報告会を開催しました。ゼミ生は「御食津国」のイメージを活用した海鮮丼「淡(our)丼」と、「国生み神話」のイメージを活用した「お福分けめぐり」の2つの提案を行いました。われわれの提案は、淡路おみなの会会員の皆さまに前向きに受け入れられるとともに、闊達なご意見、ご質問をいただきました。その後、淡路おみなの会の皆さんとタコを用いた淡路おみなの会オリジナルランチをいただき、意見交換を行いました。
 今年度は、ゼミ生が検討してきた内容を発表する機会として、日本観光研究学会全国大会学生ポスターセッション、国際観光学部ゼミ報告会、キャリアゼミ報告会と3度ありました。発表と質疑応答を繰り返し、その度に時間をかけて改善を図ってきた結果、当日の現地報告会ではメッセージをうまく皆さまに伝えることができ、プレゼンテーション能力の向上を実感できました。
 このように成果を還元する機会を設けてくださったことで、ゼミ生が大きく成長できたと思います。改めて、淡路おみなの会の皆さまに厚く御礼申し上げます。以下で、当日参加したゼミ生が感じたことを報告します(報告:森重昌之)。

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写真−当日の様子

  • ゼミ生による成果発表の様子

  • 質疑応答の様子

  • 報告会終了後の記念撮影

参加したゼミ生の報告

新たに発見することができた淡路島の魅力
 国際観光学部3年 浦上絵梨香

 3月15日に南あわじ市にある松葉寿司にて、淡路おみなの会の皆さんに向けて、1年間の研究成果を報告しました。森重ゼミ2期生は、昨年4月から淡路島の観光について考えてきました。淡路おみなの会会長の投石文子さんへのヒアリングをはじめ、2回のフィールドワークで得た調査結果から、私たちは淡路島の知名度向上のために「御食津国」と「国生み神話」を使ったイメージづくりの提案を行いました。日本観光研究学会全国大会の学生ポスターセッションや、国際観光学部ゼミ報告会でいただいたご意見も参考に、何度も話し合いをしながら提案を考えました。
 淡路おみなの会から13名の会員の方々が参加してくださいました。会員の皆様は土産物をつくっていたり、伊弉諾神宮の宮司さんの奥様だったり、淡路島の観光に関連の深い方々ばかりでした。私たちのグループは「御食津国」を使ったイメージづくりの提案を行いました。淡路島の特産物である海産物を中心とした「淡丼」の提案は、お褒めの言葉をいただくことができてうれしかったです。淡路おみなの会の皆さんは、若者が淡路島をどのように観光しているのか、淡路島のどのようなものごとに魅力を感じているのか、非常に興味を持っておられました。私たちがフィールドワークをして感じたことをお話ししたり、反対に会員の方からお勧めの観光スポットを紹介していただいたりしました。特にパルシェ香りの館は行ってみたいと思いました。
 発表会の後、淡路おみなの会のオリジナルメニューのたこめし弁当をいただきました。たこめしをはじめ、たこの天ぷら、淡路牛、ひじきご飯、いかなごの釘煮、ちょぼ汁など、淡路島の名産がたくさん入っていて、ボリューム満点でとてもおいしかったです。淡路島では畑を持った家庭が多く、自宅で野菜を育ててご近所におすそ分けもしているそうです。昔ながらのご地域付き合いがあり、淡路島の皆さんのやさしい人柄を感じることができました。
 発表会の後、淡路ワールドパークONOKOROと、島スイーツである玉ねぎパイが販売されている宝来堂を訪れ、夕日を見に海へも行きました。ONOKOROには世界遺産のミニチュア模型があるほか、芝すべりやジップラインという空中を滑走するアトラクションがありました。親子連れが多い印象でしたが、アクティビティを楽しめる施設もたくさんあり、学生のグループ旅行でも十分楽しめると思いました。宝来堂は少し入り込んだ住宅地にありました。玉ねぎパイのほか、宝来堂名物のまわり弁天やロールケーキも売っていました。駄菓子もたくさん並んでいて、観光客から地元の子供たちまで親しまれているのだと思いました。
 淡路おみなの会の皆さんへ向けた発表会は、1年間の活動の集大成になってよかったと思いました。淡路島に住んでおられる皆さんとお話できたことも楽しかったです。その中でいただいた意見は、これからの活動に生かしていきたいと思います。これまでのフィールドワークで淡路島の魅力をたくさん見つけたと思っていましたが、初めて聞いた観光地もあり、島スイーツもまだまだ種類があるので、また淡路島に行きたいと思いました。

1年間の成果を通して気づいたこと
 国際観光学部3年 白野紘平

 1年間、ゼミ活動として取り組んできた「イメージ統一による淡路島の知名度向上の可能性」について、この研究を進める上で淡路島の現状や歴史、文化について教えてくださった「淡路おみなの会」(淡路島を女性の感性で活性化させる任意団体)の会長や会員の皆さまに淡路島で報告と提案を行いました。当初は2月8日に行う予定でしたが、大雪の影響で中止となり、3月15日に行うことになりました。その結果、より多くの会員の皆さまに提案を聞いていただくことができました。
 淡路おみなの会の皆さんは、淡路島のことについて詳しく知っておられるプロのため、私たち学生の提案について、どのような反応を返していただけるのか心配していました。私自身は今回、発表者として参加したわけではありませんが、隅で発表を聞いていると、会員の皆さんが私たちの提案について耳を傾け、注目して聞いてくださっていたことがよくわかりました。発表が終わり、ご質問やご意見を伺った際には、提案の具体的な内容を聞いてくださったり、より提案の質を向上させるアイデアをくださったりするなど、前向きに受け取ってくださいました。
 また、報告会の後には、「たこ飯」や「ちょぼ汁」という淡路島の郷土料理をいただきました。「ちょぼ汁」は、見た目がお汁粉のようでしたが、鰹だしにマメやモチ、「芋茎(ずいき)」という里芋などの葉茎を加えた伝統的な料理です。赤ちゃんの口元がおちょぼ口のように可愛く育ってほしいという想いで名付けられ、出産祝いやお祝いに訪れた人たちにも振る舞われていました。
 お食事をいただきながら、会員の皆さんとお話をさせていただく機会があり、そこでは料理の説明や世間話を交えながら、まだ知らなかった淡路島の文化について教えてくださいました。実際、「ちょぼ汁」はいただくまで知らなかった郷土料理でした。後日、「ちょぼ汁」を調べてみると、レシピサイトやグルメサイトなどにも取り上げられており、有名な料理でした。1年を通して取り組んだ研究について、「淡路おみなの会」の皆さんに評価をいただいたことで、私たちの考えや提案の善し悪しが理解できたので、この成果を無駄にしないように研究を続けたり、今後の研究に活かしたりしていきたいと思いました。また、学生の提案にも関わらず、真剣になって聞いてくださったので、私たちがほんの少しではありますが、淡路島の地域活性化に取り組めたのではないかと感じました。

1年間の活動の集大成
 国際観光学部3年 野中武

3月15日、淡路島について1年間のフィールドワークを重ねて練り上げた提案を淡路おみなの会の方々に報告させていただきました。提案の内容は「御食津国プロジェクト」と「お福分け」の2つでした。私は「御食津国プロジェクト」を担当し、これまで淡路島で行われている淡路牛丼や島スイーツの取り組みを別々で捉えるのではなく、1つの枠組みとして考え、活動してはどうかという提案でした。また、私たちからも「淡(Our)丼」という海鮮丼や海鮮麺のようなものを提案させていただきました。私たちがこれまで考えてきたことを提案する機会だったので、いつもよりも緊張し、頭もややパニックになりながら発表したので、どのように話したのかあまりよく覚えていません。しかし、提案が終わった後、淡路おみなの会の会長である投石文子さんに「すごく楽しい提案だった。ぜひ検討させていただきたい」と言っていただきました。また、「話すのが上手だ」と褒めていただき、とても嬉しかったです。ゼミで1年間活動をしてきて良かったと改めて感じることのできた、よい機会になりました。
 発表会の終了後に、淡路おみなの会の皆さんとタコ飯御前をいただきました。淡路産のタコがお浸しや天ぷらなど、さまざまな姿で提供されており、どれも違う感覚で食べることができるので、気持ちもお腹もとても満足のいくものになっていました。
 そして、食事を終えた後、淡路ワールドパークONOKOROに行って来ました。ONOKOROにはタージマハルやバッキンガム宮殿、ノートルダム寺院、ピサの斜塔、万里の長城や南大門といった世界遺産がミニチュアサイズで提示されている、ミニチュアワールドがありました。他にも巨石人頭像のある遺跡の世界や3匹のこぶた、はだかの王様、赤ずきん、ジャックと豆の木といった童話が展示されている童話の森などがありました。さらに足湯もあり、海を見ながら入ることができ、ゆったりと休憩することができるスペースもありました。ONOKORO全体を通して見ると、テーマパークのようなつくりになっていたので、家族や恋人、友達など、幅広く世代に楽しめるようになっていると感じました。
 今回のフィールドワークを通して、自分たちが1年間活動してきたことを発表し、評価していただいたことで、私たちが取り組んできたことの達成感を得ることができました。同時に、ONOKOROに行ったことで、まだ見ていない資源の可能性について改めて考えていく必要があると感じることができました。

ゼミ生と頑張った淡路島のイメージ統一計画
 国際観光学部3年 小杉周平

3月15日、淡路島の地域女性団体「淡路おみなの会」の皆さんの前で発表を行いました。私たちはこの1年間、淡路島全体のイメージ統一と観光客の増加を図る提案を考えるために活動してきました。活動開始当初は、提案の1つすらできず、淡路島にどのような資源があるかわからない状況で活動していました。それではいつまでも活動が前に進まないと思い、森重先生のお知り合いで淡路島の事情に詳しい方がいらっしゃるということで、その方にお話をうかがい、淡路島のことを学ぼうということになり、話をうかがいに行きました。その時にお会いし、お話を聞かせてくださったのが「淡路おみなの会」会長の投石文子さんでした。
 投石さんから淡路島の課題を3点指摘していただきました。1つ目は、地域間の意識差や住民と観光客の関係が良くないといった、住民意識の問題です。2つ目は、観光協会の体制の問題であり、行政のアピールの弱さなどがあげられました。3つ目は交通問題です。自動車がなければ淡路島全体を周りにくい上に、島内を走っているバスの運賃が高い点も問題でした。その他にも、島内と島外のイメージ統一ができていないことや淡路島は3つの市に区分されているが、洲本市ばかりに観光客が訪れてしまう傾向があるとおっしゃっていました。
 投石さんから指摘された課題から、私達は淡路島のイメージ統一と観光客増加について提案しようということになりました。そこで、淡路島には数多くの歴史があるので、淡路島ができるきっかけになった話が書かれている「国生み神話」と、食が豊富だったことを書かれている「御食津国」の歴史を使って考えることになりました。淡路島の歴史について勉強しながら、淡路島のフィールドワークも2回に分けて行いました。そして、日本観光研究学会での発表や大学でのゼミ報告会などを行い、そこでいろいろな意見をもらいながら発表も試行錯誤し、最後のいわば淡路島のプロフェッショナルに発表できる段階まで辿りつくことができました。
 発表当日は淡路島のことを知り尽くした方たちばかりなので、きつい意見を言われてしまうのではないかなど、マイナスのことばかり思い浮かべてしまいました。しかし、1年間ゼミ生一同で大変な思いしながら取り組んできたことを思い出し、絶対に思いは伝わるとの思いで発表しました。その結果、おみなの会の皆さまから良い評価をいただき、本当に1年間やってきて良かったと思いました。そして、いろいろな改善の提案もいただいたので、これからのゼミ活動で生かしたいと思います。1年間淡路島のことについて考えることは大変で、うまく進まなかったですが、チームワークの大切さと淡路島の魅力を学ぶことができたので、本当に良い1年間のゼミ活動になりました。今年は最後のゼミ活動になりますが、これまで取り組んできたことを継続し、悔いなく進んでいきたいと思います。

1年間の研究を通して感じた淡路島の新たな観光まちづくりの可能性
 国際観光学部3年 水野巧基

 3月15日土曜日に淡路島を訪問し、淡路おみなの会の方々の前で、淡路島の新たな観光イメージの提案について、2班に分かれて発表しました。
 4月当初に淡路島をゼミの研究フィールドに設定した際、淡路島は観光地であるのに何があるのかイメージすることができないゼミ生が多くいました。そこで、淡路島の統一した観光イメージを設定することを目的に、研究を開始しました。最初に淡路島の資源を知ることから始めるため、淡路おみなの会の投石さんにお話を伺いました。その際にはっきりとした淡路島の観光イメージがないのは、島内の3市で独自の観光政策を行っていることが大きな原因ではないかと感じました。その後、淡路島にはどのような観光資源があるのかを調べるために、淡路島を2回訪問し、フィールドワークを行いました。その結果、淡路島には老若男女が楽しめるような魅力ある観光資源がたくさんあるということがわかりました。そこで、2班に分かれて淡路島の観光イメージの設定に向け、提案内容を検討することにしました。
 私の班では、淡路島にはたくさんの観光資源があり、この多くの資源から何かを選出し設定するのは難しくもったいないのではないかと考えました。そこで、この多くの観光資源を一括りにまとめて、淡路島の観光イメージを設定できないだろうかと考え、議論を重ねました。そして、淡路島を訪問すれば「なにかもらえる、得する」というイメージをわかりやすく表現できないだろうかと考え、「お裾分け」という言葉を選びました。しかし、この言葉では上から差し上げるという意味になってしまうので、「お福分け」という言葉を使用することにしました。このお福分けという言葉であれば、淡路島の国生み神話を活用することができ、淡路島らしい観光イメージを設定できるのではないかと感じました。そして、淡路島の観光資源は国生みの神が与えてくれたものとして設定し、その観光資源を「福」と名付けて、その福を観光客が淡路島に受け取るために訪れてもらうしくみを考えることにしました。このお福分けというフレーズを使用することで、淡路島の国生み神話の知名度も向上し、何があるかわからないが、淡路島に来訪すれば良いことがあるという印象を観光客に伝えることができるのではないかと考えました。
 このお福分けを活用し、淡路島に観光イメージを設定するために、島内各所に「お福分けスポット」を設定し、島内を周遊してもらう「お福分け巡り」という提案内容を考案しました。まず、誰をターゲットに集客やPRを行うかを考えた結果、気軽に来訪できる関西圏からの来訪者を集客ターゲットに設定しました。また、若い女性グループが多かったことから、女性をターゲットにしました。そして、女子旅の傾向を調べてみると、女性は男性に比べて年間の旅行回数が多く、友達だけでなく家族で旅行することが多いことがわかりました。そこで、関西圏の3世代女子旅にターゲットを設定して研究を進めました。研究を進めていく中で、ただたんにお福分けスポットを設定するだけでは目的地として来訪してもらうことは難しいのではないかと考え、何がもらえるのかという果報を明確にすることにしました。そこで各観光資源に癒し・教養・感動のテーマを設定しました。
 これらの提案内容を、12月に開催された日本観光研究学会の学生ポスターセッションで発表しました。その中で、研究者の方々のアドバイスやご意見をいただき、提案内容を深め、今回発表させていただきました。実際に現地の方の前で発表会するということで、受け入れてもらえるのかどうか不安でしたが、私たちの提案内容に興味を示して下さり、多くの感想やご意見をいくことができました。来年度は、この提案内容を現地の方とともに実現していければと思います。
 この1年間の研究を通じて、課題を見出し、自分なりの解決方法を論理的に考える力を身につけることができました。また、多くの発表経験を経て、人に自分の考えや意見を説明し伝えるプレゼン力も向上させることができました。この1年間で多くのことを学び、自分自身の経験値を高めることができたのではないかと感じています。それらの中でも、ゼミ生と連日にわたり、夜分まで学校に残り、議論を重ねて研究を進めたことで、自分の役割を理解し、協調性を身につけることができたことも大きな成果だと感じています。淡路島を研究フィールドに設定し、このゼミ生とともに活動ができ、良い経験を得ることができました。来年度もゼミ活動があるので、引き続き研究を進めていきたいと思います。最後にこの場をお借りして、このような機会をつくって下さった淡路島おみなの会の皆さんと森重先生、研究をともに進めたゼミ生に御礼を申し上げます。

発表を通して感じた淡路島の魅力
 国際観光学部3年 関本健人

 3月15日に淡路島に行き、ゼミで取り組んできた研究内容を淡路おみなの会の皆さまに発表しました。
 ゼミ生は現地調査を通して淡路島に何度か訪れていましたが、私自身は留学に行っていたため、淡路島を訪れるのは今回が初めてで、とてもワクワクしていました。実際、淡路島に行く際に通った明石海峡大橋は圧巻で、また天気も良かったことから、橋からの海の眺めは最高でした。
 そして発表会場に着き、部屋に入ると、想像よりもたくさんの方が集まっていたので、驚きと同時に一気に緊張感が襲ってきました。今回はただみんなの発表を聞くのではなく、自分自身が発表者という立場だったので、緊張感と同時に、ちゃんと伝わるように説明をしなければならないという責任感をより一層強く感じました。そのせいか、先に発表していた御食津国のグループの話を聞きながらも、頭は自分たちのことでいっぱいでした。
 しかし、自分たちの国生み神話グループの順番になると、その緊張もどこかに行ってしまい、おみなの会の方に質問をするなど、楽しみながら発表できました。また発表後の質疑応答では、2つの提案に対する質問も多くいただき、逆に「淡路島の行ってよかった場所はどこでしたか」や「お土産には何を買いましたか」など意見を求められる場面もあり、私たちの発表をたんなる学生の発表会ではなく、1つの意見、提案として捉えていただいた上に、とても前向きな反応をしていただけたので、とてもうれしく思いました。
 そして、その後たこ飯弁当を皆さんと一緒に食べました。たこ飯、たこの天ぷら、たこの煮物など、本当にたこ尽くしで、たこ好きな私はとてもおいしくいただきました。また、その席で何人かの方とお話しすることができたのですが、おみなの会の構成メンバーの方は多くの方が観光業に関わっていて、観光のプロの方々であることを改めて感じるとともに、本当に淡路島が大好きなのだなと思いました。今回の経験で、淡路島の観光のプロの方々と交流し、たくさんの意見を聞くことができ、また私自身もこのような場所で発表したことで、とても勉強になりました。
 皆さんと別れた後に、少しだけ淡路島を観光しました。ONOKOROパークや和菓子屋さんなどに行きましたが、とても印象的だったのは海でした。とても良い天気でしたので、夕日がすごくきれいに見え、海とのバランスが最高でした。淡路島には本当に多くの観光資源があり、温泉があり、きれいな自然があり、とても癒され楽しめる場所であると感じました。またゼミの研究だけでなく、個人的にも訪れてみたいと思いました。

森重ゼミ2期生の1年間ゼミ活動の集大成
 国際観光学部3年 田中将司

 淡路島のフィールドワークが3回目となった3月15日。私たち森重ゼミでは1年間、淡路島の観光のあり方について考えてきました。その成果を実際に、淡路おみなの会の方々の前でプレゼンテーションを行い、意見をいただくことが、今回のフィールドワークの目的です。そして、プレゼンテーションは2つの班に分かれて行いました。2つの班は淡路島のイメージの統一を図り、観光客の観光動機に働きかけるという目的は同じですが、御食津国「みけつくに」(日本古代の頃、朝廷に海産物などを貢いでいた国を示す)を使ってイメージの統一を図る班と、「お福分け」という言葉を使ってイメージの統一を図る班に分かれて1年間、淡路島の観光のあり方について考えてきました。ちなみに、私は後者の班に所属しました。
 プレゼン内容を簡単に説明させていただきます。御食津国を使った班は、淡丼という淡路島で取れた海産物を使った海鮮丼の提案、そして現在淡路島で行われている淡路島牛丼や島スイーツなどと組み合わせて、淡路島=御食津国というイメージをPRしていくという内容となっています。一方、お福わけスポットの提案についてですが、淡路島の食や教養、自然の美しい風景などを「福」と捉えて、それらを分けていただけるスポットを設置し、淡路島=お福わけのイメージをPRしていくという提案内容になっています。
 発表する前は、島民の方々が私たちの意見に耳を傾けてくださるのだろうかとものすごく不安でした。しかし、発表を終え、質疑応答の時間になると、「淡丼を実現させてみたい」や「こういうところもお福分けスポットにしてほしい」という声をいただきました。これを聞いた時、1年間のゼミ活動が報われたと感じました。この後、おみなの会の皆さんと昼食をいただきました。お弁当をいただいたのですが、その中身が淡路島で獲れたタコを使ったタコ飯や、淡路牛を使った料理など、本当においしかったです。また、料理の説明をおみなの会の皆さんがしていただき、淡路島の郷土料理への理解も深まりました。このお弁当を食べて、また淡路島の魅力を再認識させられました。
 この経験を通して、十人十色の人たちが1つの方向に向かって何かをする、成し遂げることが難しく、またそれらを達成した時の喜びは大きいということを学びました。私自身、このような経験をすることがあまりなく、本当によい機会だったと思います。このような機会を与えてくださった周りの皆様、森重先生に感謝します。ありがとうございました。

地域の方に話を聞いていただけるうれしさ
 国際観光学部3年 岡村綾佳

 3月15日、淡路島の寿司屋「松葉寿司」にて、淡路おみなの会のご協力を得て発表を行いました。「御食津国を使ったイメージ」と「国生み神話を使ったイメージ」の2つを発表しました。おみなの会の方々は、淡路島内のさまざまな観光に携わっている方が多く、私たちの発表をメモしながら聞いてくださいました。そして、今回提案した内容を前向きに考えてくださいました。
 昼食は、すべて淡路島の特産品でつくられた弁当を用意していただきました。たこ飯をはじめ、たくさんの名物をいただきました。今まで、若者向けのB級グルメにしか注目していなかった私は、淡路島の伝統をまた新しく知ることができました。弁当の内容を松葉寿司の女将さまが、1つ1つその食べ物の歴史や島民がどのような時に食べているか、またどのようにつくるかなど、楽しそうに教えてくださいました。そのような、話を聞きながら食すと、美味しさと淡路島の昔ながらの伝統を感じることができました。「知ってもらいたい」という一心で、私たちに淡路島のことを話してくださる皆さまは本当に素敵で、ますます若者に淡路島のことを知ってほしいと感じました。そして、1年間淡路島について研究してきましたが、皆さまが話してくださることは知らないことばかりで、今までも淡路島の魅力を感じてきましたが、まだあるのかともっと知りたいと感じています。
 1年間淡路島についてゼミ内で話し合い、地元の方々に実際にお伝えできたこと、また私たちの意見を前向きに捉えてくださったことにやりがいを感じました。今後、私は1つでも形にできればと思っています。自分たちで調べるだけではなく、現地の方に話をうかがうことで、提案の視野が広がります。観光客の立場だけでなく、島民の方々にも利点があるような提案をしなければならないと、とても勉強になりました。実際に、私たちは淡路島の魅力を知るためにフィールドワークを行ってきましたが、毎回新しい魅力が出てきて驚くと同時に、淡路島という場所がどれくらい素晴らしいのかを実感しています。これから、その気持ちを忘れず、たくさんの方に淡路島を知っていただくための活動がしたいと思います。来年度活動していく上で、私たち学生だけでなく、地元の方々の協力を得ながら形にしたいと思っています。今までの淡路島とこれからの淡路島を融合させた提案ができるように話し合いを進めていきたいです。
 今回場所を提供してくださった松葉寿司さま、そして私たちに発表の機会を与えてくださった投石さまを始めとする淡路おみなの会の皆さまに感謝いたします。ありがとうございました。