2022.2.24

和歌山県湯浅町で2度目の現地調査を行いました

SNSに載せたいと思う写真スポットを探しながら町内を回りました

 今年度の森重ゼミ3年生は和歌山県湯浅町を対象に、Z世代から見た湯浅町の観光の魅力創出に取り組んでいます。10月に実施した1回目の現地調査では、町内を回りながらたくさんの写真を撮影しました。その後、それらの中からゼミ生それぞれがSNSに載せたいと思う写真を抽出した上で、それらの写真をなぜ載せたいと思うのか、ゼミ生全員で議論を重ねながら言語化を行ってきました。そして、1月と2月に学内で研究成果の途中経過を発表し、ゼミの先輩や他のゼミ生から意見やアドバイスをもらいました。
 これらを通して、SNSに載せたいと思う写真の特徴や撮影方法がある程度明確にできたことから、2月12日(土)と13日(日)に再び湯浅町を訪れました。前回と同様、町内各所を回りながら、SNSに載せたいと思う写真を集める現地調査を実施しました。10月に一度訪れているので、ある程度撮影するポイントを事前に決めながら、途中で気になったポイントでもたくさん写真を撮りました。「食」、「景観」、「その他」のカテゴリーに分けて写真スポットを探しましたが、和歌山県内に「まん延防止等重点措置」が適用されていたので休業している店舗が多く、食の写真は思うように集められませんでした。しかし、前回訪れた時とは異なる湯浅町の魅力を感じることができました。
 大学は春休みに入りましたが、ゼミ生は就職活動の合間を縫って、現地調査の成果を取りまとめに尽力しています。年度内に何とか成果をまとめ、湯浅町役場に成果報告を行う予定です。(森重昌之)

当日の現地調査の様子

  • レンタサイクルを利用した調査の様子

  • 重伝建地区内での調査の様子

  • 甚風呂での調査の様子

  • 昼食の写真撮影の様子

  • 現地調査に参加したゼミ生の記念撮影

  • 現地調査終了後の打ち合わせの様子

※関連記事

参加したゼミ生の報告

さまざまな湯浅の姿
 国際観光学部3年 上林美凪

 私たちは2月12日と13日、和歌山県湯浅町でフィールドワークを行いました。このフィールドワークの目的は、写真資料を追加で集めるためです。前回(昨年10月)のフィールドワークで撮影した写真を精査し、写真の良い点や惜しい点をあげる作業を行ってきました。これらの写真をもとに、今回のフィールドワークではさらに条件に合った写真を撮影しました。例えば、湯浅町は「醤油発祥の地」として日本遺産にも登録されています。湯浅醤油という施設では、ソフトクリームに醤油をかけて食べる「醤油ソフトクリーム」を楽しむことができます。前回は特に意識せずに撮影した結果、背景のピントが合っていない、被写体の角度が悪いなどの問題点があげられました。これらの検討をもとに、天気に左右される景色や建物の撮影をするためにフィールドワークを行いました。そこで、私は1日目の様子について報告します。
 JR湯浅駅に集合し、湯浅えき蔵観光交流センターでレンタサイクルを利用し、移動手段としました。あらかじめ決めておいた、天気に左右される海岸付近や建物を回り、写真を撮影しました。景色や建物を撮影する場合、正面から撮影するなど、角度や明るさに注目しました。原色などのはっきりした色や差し色も考慮しつつ撮影しました。食事の場合は、角度や光具合はもちろん、バランスや大きさ(皿が見切れていない)を意識することで、前回とは異なる写真をたくさん撮影できました。
 また天気と合わせて、時間帯にも注目して撮影しました。湯浅町には和歌山県内で唯一の重要伝統的建造群保存地区となる町屋や蔵が並ぶ地区があります。現在でも醤油の醸造業に携わる町屋や改装されたカフェもあり、観光資源として親しまれています。この伝健地区では日が沈むと、あちこちで電灯がつき、一層情緒ある風景にもなります。そうした昼と夜で変わるノスタルジックな景色も狙いに撮影を行いました。
 現在は湯浅温泉となっている湯浅城は、1143年に湯浅宗重氏によって築城されました。宿泊施設として改装されましたが、外観は城壁そのもので、立派な天守閣もあるため、城主になった気分も味わえます。5階(展望台)からの眺めもとても良く、湯浅湾も見ることができました。近畿地方の中で、「城に泊まる」ことのできる施設は珍しいのではないでしょうか。温泉も利用し、ひと時の疲れを癒すこともできました。
 今回は自転車で周遊しましたが、決められた時間内で利用するため、日帰り向けの旅行に適していると感じました。今回撮影した写真を精査し、SNSを活用したPR方法につながるよう、色味やバランス、昼と夜の写真をうまく使って投稿するなど、いろいろな湯浅町の魅力を伝えていければと思います。また、若い人たちに見てもらうために、プラスαで細かな部分も必要になってくると思いますが、私たちが発見した湯浅町の新たな魅力を風化させないために、若い人へのアプローチが今後ますます問われてくるのではないかと考えます。

湯浅町の新たな魅力・資源の発掘につながった
 国際観光学部3年 髙堀寛子

 Z世代に興味を持ってもらえるようなSNS映えする写真を撮るため、2月13日に私たちは2度目となる湯浅町へのフィールドワークを実施しました。10月18日にも湯浅町には訪れたのですが、その後皆で議論を重ね、魅力的に見える写真の特徴を言語化し、条件を抽出した結果、写真の取り直しを行う必要があったため、今回のフィールドワークを実施することになりました。
 この日は、3つのグループに分かれて調査することになり、私たちのグループは、ストライク軒、二ノ丸温泉、喫茶キセイを訪れました。
 最初に訪れたのは、二ノ丸温泉です。外観はログハウス調の建物で、自然豊かな場所にあり、落ち着ける雰囲気の良い場所でした。中に入ってみると、内風呂だけでなく、露天風呂やサウナ、水風呂もあり、ゆったりと過ごすことができました。特に露天風呂では、川のせせらぎを聞きながら外の自然の景色も眺められて、とてもリラックスできました。この温泉は、PH10の「アルカリ性単純泉」の温泉だそうで、入った後は肌もスベスベしていました。温泉内ではほとんど写真を撮ることができませんでしたが、入口にある、黄色と赤、青と白の色が入った暖簾は色鮮やかで、SNS映えしそうな写真も何枚か撮ることができました。
 次に、二ノ丸温泉に併設されているラーメン店「ストライク軒」を訪れました。湯浅の醤油を使ったラーメンや和歌山豚骨醤油味の中華そば、湯浅名物のしらす丼など、湯浅町ならではのメニューや平日限定のメニューもありました。私は二ノ丸BLACKラーメンを食べたのですが、麺の太さが普通のラーメンと比べると少し太めで、湯浅の醤油が使われているスープとの相性も良く、とても美味しかったです。ナルトには温泉マークが描かれていたり、器には女の子のキャラクターが描かれていて、温泉に浸かっているように見えたり、遊び心を感じさせられる部分があったことも印象的でした。ここでしか食べることのできないという湯浅らしい要素もあり、器のデザインやボリュームのあるメニューもあったことなどから、実際に訪れてみて、ラーメン好きな観光客や若者には特に興味を持ってもらえそうだと感じました。
 その後、パン工房KAWA本店に寄ったあと、喫茶キセイに訪れました。店内は広く、金魚のいる水槽があったり、窓が一部ステンドグラスになっていたり、どれもよく印象に残っています。その中でも特に印象に残っているのは、店内にある、鯉が泳いでいる小さな池です。池には、この店の模型もあるのですが、私は写真でしか見たことがなかったので、思っていたより大きいことを知りました。店の外観がそのまま再現されている模型は、実際に見てもとても綺麗でした。落ち着いた雰囲気の店で、居心地も良かったです。
 最後に全員が合流し、湯浅醤油有限会社で醤油蔵の見学を行いました。大きな木樽や醤油を搾り取る絞り場などが見れたり、醤油に関するクイズもありました。初めて見るものばかりだったので、とても新鮮でした。
 今回のフィールドワークを通して、前回湯浅町を訪れた時にうまく撮れていなかった写真の撮り直しを行えただけでなく、ストライク軒のラーメンや醤油蔵の見学が行える場所など、若者向けの新たな資源の発掘にもつながったと思います。今回の調査で得た学びも活かして、最終報告に向けてしっかり取り組んでいきたいと思います。

事前準備の大切さを学んだフィールドワーク
 国際観光学部3年 近藤うらら

 今回、「その他」のジャンルで調査を進めるにあたり、メンバーで話し合った際に写真を選ぶ時のルールを2つ決めました。1つ目は、インスタグラムに写真を3枚横に並べて投稿するとしたとき、人が写っている写真は1枚が最適であるということです。2つ目は、3枚の写真を並べたときに色味が揃っているということです。「食」や「景観」のジャンルでは、他の皿が写らないことや天気が良い方が良い、引きで撮るほうが良いなど、写真を撮る前から条件を細かく決められましたが、「その他」はそのような条件がはっきりと決まっていないからこそ、反対に写真の並べ方で条件を決めることになりました。
 今回の現地調査では、とりあえず目についたものを撮り、数を増やすことを心がけました。湯浅町内には至るところにつるし飾りの人形が飾られている場所が設けられています。人形には、赤や黄色などの原色がたくさん使われていてとても写真映えしますが、小さな人形なので、全体を写真に収めると何の人形なのか、よくわかりませんでした。撮り方に悩んでいる中で、ある場所でつるし飾りの人形が2つ写ったポストカードを見つけました。そのポストカードに写った人形と同じものを見つけた時、宝探しで宝は見つけたような感覚になりました。そこで、私は1つ1つの人形をピックアップして写真を撮ることにしました。中には動物やゆるキャラなどもあり、伝統地区の湯浅町と可愛い人形のミスマッチさが感じられました。
 1回目の現地調査ではまだジャンル別にチーム分けをしていなかったので、何を撮れば良いのかわからず、資料を思うように集めることが出でき来ませんでした。しかし、今回は事前に集めないといけない資料の条件や、あると良いと思う色味などを事前に話し合ってから現地を訪れたので、撮る写真の量が格段に増えました。目で見ているのと実際に写真に収めてみるのでは見え方が違うので、とりあえず撮ってみて後で整理するという、今回の調査方法は良かったと感じました。それは、他のメンバーも感じていることだと思います。前回は写真が少なく、良い写真を選ぶのも大変でしたが、今回は反対で、良い写真が多かったので、絞るのに大変でした。
 今回の現地調査から学んだことは、事前準備の大切さです。前回は良い写真の条件も曖昧なまま写真を撮っていたので、その後写真をまとめるのにみんな苦労していましたが、その経験が良い学びとなりました。良い写真が撮れなかったことを生かして、事前に条件を細かく決めることができたので、現地で写真を撮る際も各自スムーズに撮れたと思います。

湯浅町の魅力の表し方
 国際観光学部3年 東花琳

 2月13日、和歌山県湯浅町に2回目のフィールドワークへ行きました。事前に「食」、「景観」、「その他」の3つのグループに分かれ、どこで写真を撮影するか、どのように撮影するとZ世代に受けるかを考えました。しかし、当日の天気予報は雨で、景観の写真が思うように撮影できない可能性があるほか、飲食店が多く1日で回ることができないと考え、前日も調査するグループをつくりました。そのため、13日は前日に予定していた場所に行けなかった場所へグループに分かれて調査することになりました。
 湯浅駅に11時前に集合し、最初に1日の行動を話し合い、そこからはグループに分かれて行動しました。私は景観のグループでしたので、栖原海岸の海の写真とその近くにあるThe 7th Sence Cafeの食事を撮影する予定でした。栖原海岸は湯浅駅から徒歩で約30分の距離にあります。前日に調査したグループから「カフェは13時から営業する」と教えてもらったため、先に海岸で写真を撮影しようと考えました。カフェには12時前に到着しました。
 栖原海岸で雨の中撮影をしましたが、それなりに雨が降っていたため、納得できるような写真を撮影することはできませんでした。この結果から、景観の写真を撮影するには晴れている状態の方が撮影できるとわかりました。
 次に13時になったため、カフェに行きました。しかし、カフェは開いておらず、店員の影も見当たらないため、湯浅駅に引き返すことにしました。駅に向かう途中、飲食店を探しましたが、蔓延防止等重点措置や14時で一度閉める店が多く、徒歩で行ける範囲内で飲食店を見つけることができませんでした。しばらく歩いていると、湯浅町観光用駐車場の中にある屋台を見つけ、たこ焼きと焼き鳥を買って、隣にある湯浅美味いもん蔵の下にあるベンチで食べました。
 昼食を終えた後、私たちはカフェの写真を撮影できていないため、前回行ったことのある「キセイ」というカフェに撮影に行きました。カフェではオレンジジュースとミックスジュースを頼み、ステンドガラスの窓を背景に撮影をしました。1時間ほど経つと、すべてのグループがそれぞれの調査を終えていたため、最後に湯浅醤油の工場見学に行きました。「キセイ」から工場見学のできる湯浅醤油までは徒歩で約15分の距離にあります。工場内は自由に見学でき、湯浅醤油に関するクイズがありました。また、有料で櫂入れを体験することもできます。工場見学の後湯浅駅に戻り、今回のフィールドワークの予定がすべて終わったことを確認し、解散しました。
 今回のフィールドワークは1日中雨で、傘を片手で持った状態でカメラを使うため、景色や建物の写真を撮影することが難しかったです。また、写真を撮影する時の条件として天気は必須であることが改めてわかりました。今後の計画として、今回のフィールドワークで撮影した写真を使い、湯浅町の観光資源をZ世代に興味を持ってもらえるようなPRをするために、インスタグラムを使ってZ世代が魅力と感じる写真を投稿する提案を、湯浅町役場に行う予定です。