北海道標津町の皆さまにフィールドワークの成果を発表しました

標津町の観光協会やガイドの皆さまがたくさん聞きに来てくださいました

 2月23日(金)、国際観光学部学生有志が北海道標津町を再訪し、昨年8月に実施した現地調査の成果を発表しました。これは昨年8月に観光実習1(国内)の授業で実施したフィールドワークで得た成果を地域の方々に還元するために開催したものです。学生が旅費を負担しなければならないため、任意参加としましたが、2~4年生7名が参加しました。そして、(1)観光ガイドへの聞き取り調査の結果と今後の提案、(2)観光客への質問票調査の結果、(3)観光客の町内での周遊を促す「しべつカード」の提案、(4)町内の土産物をまとめて紹介する冊子の提案について発表しました。
 当日は平日にもかかわらず、標津町観光協会会長や観光ガイド協会会長をはじめ、たくさんの方々が足を運んでくださいました。成果報告会は終始リラックスした雰囲気の中で行われ、標津町の皆さまからは「今度は成果を生かしていくことが、私たちの役割です」とおっしゃっていただきました。地域の方々と協働してフィールドワークを進めていく大切さを学ぶ機会になりました。改めて、調査にご支援、ご協力くださったすべての方々に御礼申し上げます。
 今回はオホーツク海の流氷や5年ぶりに全面結氷した摩周湖を見る機会にも恵まれ、道東の大自然も満喫できました。(森重昌之)

当日の発表の様子ほか

  • 成果発表の様子

  • 成果発表の様子

  • 質疑応答の様子

  • 標津町の皆さまが催してくださった交流会の様子

  • 流氷と知床連山を望む

  • 5年ぶりに全面結氷した摩周湖にて

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参加した学生の報告

報告会を通して再認識した標津町への思い
 国際観光学部4年 西内拓史

 私たちは、2月23日に北海道標津町で行われた報告会で、昨年8月に実施したフィールドワーク調査の成果について発表しました。報告会で発表した内容は、観光客へのアンケート調査と観光ガイドへの聞き取り調査の結果を踏まえた提案と、町内の土産物冊子の作成状況、「しべつカード」について成果報告を行いました。私は主に町内の土産物冊子について担当していたので、報告会でもこれについて発表しました。
 現在、町内には地元の食材を使った魅力的な土産物を取り扱う店が数多く存在しています。しかし、町内には道の駅や土産物を扱っている大きな施設がなく、町内に土産物店が点在しているため、どこでどのような土産物が売っているのか、観光客にはわからないと私たちは感じました。そこで、今回標津町の土産物冊子を作成しようということになりました。8月に行ったフィールドワーク調査では、事前に町内で土産物を取り扱っている店を調べ、一軒一軒訪れました。訪れた際に、土産物の写真を1つずつ撮影し、お勧めの土産物や商品数、店のこだわりなどについて、店の方に尋ねました。どの店を訪れても快く受け入れてくださったおかげで、スムーズに調査を進めることができました。調査に協力してくださった標津町の皆さまには、本当に感謝しています。標津町の良さは、観光客や他の地域から訪れた人に対し、温かく受け入れてくださることだと再認識できました。
 こうした標津町の良さを知ってもらい、観光客に土産物店に立ち寄っていただけたらと考え、フィールドワーク終了後に土産物冊子の提案に向けて取り組みました。毎週火曜日は夜遅くまで、手分けして調査した内容をまとめ、土産物冊子を作成しました。作成した土産物冊子の内容は、町内の土産物店それぞれのお勧め商品や店舗の情報、写真を掲載しました。また、どこに、どの店があるか記載されているマップや町内の土産物すべてをリストに掲載し、その商品がどの店で販売しているのかわかりやすく印をつけたページなどもまとめ、報告会で発表しました。報告会では、土産物冊子に関する意見をあまり得ることができませんでした。しかし、この土産物冊子の提案内容から、さらに地域の方々の情報を合わせると、より良い土産物冊子が作成できるのではないかと考えています。
 私が標津町を訪れたのは、今回で9回目になりました。いつも私たちが訪れると温かく歓迎してくださり、調査や発表の際には支えてくださいます。また、観光協会やガイド協会の皆さまから、標津町をもっと良くしようとする熱い気持ちがいつも訪れる度に感じられ、とても良い町だと訪れる度に感じます。このような素敵な標津町が、これからもっと魅力的な町になるよう、私たち学生も協力できればと考えています。

地域の声と標津町の魅力
 国際観光学部3年 佐古健太

 2月22日から25日にかけて、北海道標津町に訪れました。標津町に訪れるのは、今回が2回目で、昨年8月に5日間行った調査について、標津町の方に成果報告会を行いました。また、調査内容の一部については、翌日のインカレねむろ研究発表会でも発表しました。インカレねむろ研究発表会では、努力が実を結び、大地みらい信用金庫理事長賞をいただくことができました。今回は標津町の方への現成果地報告会について報告させていただきます。
 報告会では、4つの調査報告を行いました。1つ目は観光ガイドへの聞き取り調査について、2つ目は観光客へのアンケート調査について、3つ目は土産物マップの作成について、4つ目は「しべつカード」の作成についてです。
 1つ目の観光ガイドへの聞き取り調査では、前回訪れた際に行った聞き取り調査で得た、観光ガイドの方々が考えていることを分析・考察し、フィードバックしました。また、昨年12月に参加した、第32回日本観光研究学会全国大会学生ポスターセッションで先生方からいただいたコメントについても、少しですがお伝えしました。
 2つ目の観光客へのアンケート調査では、前回訪れた際に行った2か所の立ち合い調査と、標津町にご協力いただいた5か所の留め置き調査の結果を分析・考察し、標津町を訪れた観光客はどのような特徴があるのかについてお伝えしました。また、その結果から私たちは、観光客に向けた5つの提案をさせていただきました。
 3つ目の土産物マップは、訪れた観光客の助けとなる冊子の提案です。現在標津町では、土産物店が数多く存在していますが、町内に点在しており、観光客がどこで土産物を買えばよいか、わからない状態です。そこで、前回訪れた際にご協力いただいた土産物の生産者への調査をもとに、土産物マップの原型となるものを実際にパソコン上で作成し、お見せしました。内容としては、生産者別にお勧め商品の紹介や人気商品のベスト3を記載しました。また、私たちが調べた商品の一覧表や土産物を販売している店舗を地図上にわかりやすく表示し、販売店舗の詳細情報を一覧で記載しました。
 4つ目の「しべつカード」の作成は、標津町のPRや回遊性の向上、滞在時間の延長を目的に提案しました。前回訪れた際、標津町にある美しい景色や観光資源を写真に収め、それをもとにカードをデザインし、実際に見本を作成してお見せしました。
 報告後、標津町の方々からはいろいろなご意見をいただきました。どれも貴重な意見でした。ガイドへの聞き取り調査やアンケート調査の結果については、標津町の方々に活用を委ねることとなりますが、土産物マップや「しべつカード」はたくさんの改善点があると、改めて感じました。
 昨年8月に標津町に初めて訪れ、今回で2回目となりましたが、改めて標津町は魅力的な町だと感じました。自然や食べ物、そして温かい方々がたくさんいるこの町は、何度訪れても、その度に新たな魅力を発見できるすごい町だと思います。標津町がたくさんの人に知られ、もっと観光で栄えることを心より願っています。

たくさんの想いが詰まった標津町報告会
 国際観光学部3年 世木杏佳

 私たち観光実習1の受講生は、2月23日に北海道標津町で昨年夏に行った観光客へのアンケート調査、ガイドの聞き取り調査、土産物実態調査、「しべつカード」作成調査の結果をお伝えする報告会を行いました。その中で、私は主にしべつカード作成調査を担当しました。
 しべつカードとは、標津町に訪れた観光客の回遊性向上と滞在時間の延長を目的に考えた名刺サイズのカードです。デザインは、標津町の景色や人気の観光地などの写真を絵画風に加工し、インスタ映えを狙うとともに、すべてのカードに標津町の町章を入れることで、統一感を持たせました。カードは4枚1組になっており、裏面は4枚を組み合わせると1つの絵が完成するようにし、観光客がカードを集めたくなるよう工夫しました。配布場所はカードに映っている観光施設としますが、施設がない場所のカードについては、町内の宿泊施設や飲食店で配布することで、観光施設だけでなく、町内全体を周ってもらい、標津町の良さを知ってもらうきっかけにしたいと考えました。また、カードのデザインを季節ごとや年ごとに変更するなど、変化を加えることで、リピーター獲得にもつながると考えました。標津町の景観は自然の緑、海や空の青、雪の白がメインですので、どのような景色にも合うよう、カードは暖色系ではっきりとした色にすることを心がけました。
 この提案を報告した後、地元の方からぜひ実現させたいと言っていただき、とても嬉しく思い、頑張って作成して良かったと心から感じました。しべつカードの実現に向けて、デザインの調整や標津町の方々の意見も取り入れ、より良い物になっていけばいいなと感じました。また、しべつカードの他にもアンケート調査やガイド聞き取り調査、土産物マップ作成の提案も、今後の標津町の観光に少しでも貢献できたらよいと考えています。お忙しい中、私たちの報告会を聞きに来てくださり、たくさんの意見をくださった標津町の皆さまに心から感謝申し上げます。
 また、春休みを返上し、報告会ギリギリまで行っていた今回のプロジェクトは、思うように進まず、苦しい日やつらい日もありましたが、先生やメンバーの支えがあったおかげで、乗り越えることができました。お忙しい中、いつもご指摘やアドバイス、励ましの言葉などをくださる先生、苦楽をともにしたメンバー、いつも貴重な体験をさせていただき、学びの場を与えてくださる標津町の方々と過ごした時間は、私の大学生活の中でとても大切な思い出となりました。今回いただいたご意見やご指摘をもとに改善するなどし、今後もプロジェクトに少しでも貢献していきたいと考えています。今回ご協力していただいたすべての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。