4回生最後の研究活動

 阪南大学国際観光学部和泉研究室は「地域・観光の創造(地域資源や人的ネットワークなどを活用しながら、地域づくりや観光振興のための新たなデザインプランを思考・提案し、地域の方々と共創的に実践する)」を研究テーマとしています。平成27年度から兵庫県養父市大屋地区において、豊富な地域資源を観光資源として活用する観光地域づくりデザインを思考・実践し、コミュニティーベースの経済振興を生成しながら、地域基盤の強化や活性化を目指すという取り組みを養父市商工会との産学連携という形態で共創的に展開させています。
 平成29年度は4回生の2.5年間におよぶ養父市大屋地区における研究活動のまとめとなる年度ですが、地域の方々とのつながりをより一層、深めるために、地域の方々がより一層、地域を思考するきっかけを提供するために、わたしたち目線の「マップの作成」に取り組みました。また、結果的にその成果を披露する「写真展」の開催にまで繋がりました。
 養父市大屋地区における研究活動は2回生へと引き継がれます。4回生が構築したベースをもとにして、さらに実践的な学びを深めていきたいと考えています。

マップの作成

下記のような学生目線のマップを作成しました。

わたしたち目線の養父市大屋地区の魅力まっぷ!
こんな「まっぷ」があっても良いよね

 この「まっぷ」は、地域資源の紹介・解説や施設開館時間・料金の表示などの観光情報を掲載した、所謂、『観光マップ』ではありません。大屋地区において観光まちづくりを思考・実践している他地域の大学生であるわたしたちが、「良いかも!」と感じた大屋の魅力を自分たちのコメントとともに紹介する自分勝手な「まっぷ」です。
 コンセプトは「宝の地図」です。「宝の地図」にはよくわからない暗号などが記されていますが、この「まっぷ」にもよくわからないコメントなどとともに、「大屋の宝」のありかが示されています。「宝の地図」なので、道順などが親切に描かれている訳ではありません。場所が分からない場合は、地域の方々にお尋ねください。地域の方々とのコミュニケーションも旅の醍醐味の1つです。
 そして、分かったこと、感じたことなどをご自身のお言葉で記し、留めてください。
 その言葉こそが、あなたが想い、感じた、「大屋の宝(魅力)」に他なりません。

写真展の開催

以下のようなコンセプトのもと、写真展を開催しました。

写真展 養父愛やぶあいやぶぁいヤバイ~大屋には魅力がいっぱい~

 2015年7月より、阪南大学国際観光学部和泉研究室(大阪府松原市)は、養父市商工会と養父市大屋地区の活性化に関する取り組みを共創的に展開しています。この事業の一環として、今年度、大屋の観光マップの作成とパネル展を開催します。このパネル展では、研究室が作成したこれまでにない大屋の観光マップを紹介するほか、地域の方々のたからもの、大屋の写真によるモザイクアート、みんなでつくりあげる2本目の大桜などを展示します。小さな小さなパネル展ですが、来訪者の方々へ「大屋の魅力がたくさん伝われば良いのに」、また、地域の皆様方に、「これまで以上に大屋を好きになっていただけたら良いのに」という「私たちの想い」がたくさん詰まった展示会です。
みどころ(1)地域の方々や私たちが撮影した大家の写真1,600枚でつくる1つの絵

モザイクアート みんなの写真でつくるみんなの大屋

 大屋のみなさんやわたしたちが撮影した写真を集めて、大屋に関する絵柄をつくってみました。絵柄はかつて明延鉱山において活躍した明神電車(一円電車)に乗車するヤップーです。いかがですか?可愛いでしょ!
 「明神電車に今を生きる?ヤップーが乗車する」というこの絵柄は、大屋の歴史を大切にする地域のみなさんを表現しています。また、みんなの写真で1つの絵柄をつくりあげるという構成は、みんなの想いで地域が成立しているということを発信しています。そして、わたしたちの写真の混在には、ここ大屋において、楽しく、深く、学ばせていただいているという感謝のメッセージが込められています。
  • 学生のデザイン原案

  • 写真1,600枚により完成したモザイクアート

写真をお借りする際、地域の方々とコミュニケーションを取ることができました。

みどころ(2)地域の方々とわたしたちの手形でつくる大桜

2本目の大桜

 大屋の魅力の1つに「樽見の大桜」があります。樹齢は1000年を越えるともいわれ、天然記念物の指定も受ける見事な桜です。写真展では、大屋に「2本目の大桜」を手形で作ってみようと思います。よろしければ、手のひらにスタンプをつけて、お好きなところに「ペタッ」と押し付けてみて下さい。
  • 樽見の大桜

  • 2本目の大桜

写真展準備の様子

見学者の方々も手形スタンプを押してくださっています。
4回生、17名は、養父市大屋地区で多くを学び、卒業しました。
地域のみなさん、ありがとうございました。