堀内史朗准教授が担当するゼミ生の3・4年生有志が、今年の5月から、JTBなどが主催する「大学生観光まちづくりコンテスト」2019年度に挑戦してきました。先日、壱岐市でのフィールドワークについて紹介したとおりです。
 その成果を、4名が代表して、9月12日、長崎市市民生活プラザホールにて報告してきました。残念ながら入選はなりませんでしたが、学生たちにとって自分たちの成果を他人にわかりやすく伝えること、他の大学生の発表を聞くこと、そしてどのような発表が評価されるのかを学ぶ貴重な体験になったと思います。発表した学生たちの感想を以下に紹介します。

国際観光学部3年 近藤志保

 今回長崎で行われた大学生観光まちづくりコンテスト長崎のしまステージ成果発表会では阪南大学堀内ゼミからの2チームを含め21チームが参加していました。残念ながら本戦出場チームには進めませんでしたが私たちはポスターセッションに出場しました。
 他大学の発表を見て学んだことは2つあります。まず1つ目は本戦に進むことができたチームの発表資料であるパワーポイントには文字が多く情報が詰め込んであったことです。私たちは文字を少なくし、簡潔にまとめ、発表の際に詳しく説明を口頭で付け足す方が見やすいのではないだろうかと考えていました。しかし、この大会では提出した発表資料で本戦に進めるか否かを判断されます。そういった場合は発表を見れば分かるという考え方では通じないことでした。今までは発表を見てもらって本戦に進めるか否かという大会にしか出場していなかったので、そういった部分を考えていませんでした。最初の審査の方法によって発表資料のパワーポイントを変えていかなければならないというのは新しく学べたことでした。私たちが伝わると思っていたことも、相手に伝わっていなければ伝えたという事にならないからです。質問タイムでもよくそのような場面が見受けられました。審査員の人が質問した際に、発表者は先程述べたんですけれど、と戸惑いを見せることがありました。発表者本人たちは伝えたつもりでしたが審査員には伝わっておらず二重に説明することとなってしまったのです。相手が考えていることはわからないので、第三者に発表資料を見せ、発表を聞いてもらってから、提出した後に本番に挑まないと伝わっていないところに気づけないんだなと考えました。以上が学んだことの1つ目です。
 2つ目は自分たちだけで現地調査、計画を練るのではなく、現地の人たちや、市役所の人たちと連携を取ることが必要だということです。まず今回のテーマが観光まちづくりでした。それにもかかわらず私たちは自分たちだけで計画を立て、現地調査を行い、帰ってきて発表資料を作りました。本戦に進んだチームはみな、市の人に話を聞きにいっており、また現地の人の意見を発表資料の中に組み入れておりました。市の人の話を聞くことでテーマとする場所の確実な現状と問題の公式な情報を手に入れていました。また現地の人と一緒にさまざまな体験をしていました。観光客が来ることによってどう感じるか、また来て欲しい観光地はどこかなどを現地の人達にインタビューしていました。こうした調査も観光まちづくりの一環であり、今回の大会のテーマに繋がっているようでした。こういった大会に出るときは大会のテーマに沿った調査の仕方をするべきであるということ。以上が2つ目に学んだことです。
 そして自分たちが発表して学んだこともあります。私たちの発表はポスター発表で同じ部屋で3チームが同時に行うもので、途中で違うチームの発表を見にいくのも自由なものでした。私たちのチームは何回も読み合わせをしましたし、練習をしましたが、3チーム同時に行うにあたって、他のチームより秀でたものがありませんでした。発表はスムーズにうまく終えることができましたが、一方のチームでは笑いも起きており、聞いていて楽しい発表を行うのもひとつ他のチームと差をつけるポイントなのかなと思いました。ただ伝えたい事をしっかりプレゼンテーションをするだけでいいと思っていましたが、こういった発表の場では審査員は何回も発表を聞いている中で優秀賞を選出します。その中でどういい意味で目立つかを考えていなかったことが反省点でした。
 今回の大学生観光まちづくりコンテストで学んだことはこれからの学会発表の際に大いに役立ってくれると考えます。大会だけでなく、3年生である私たちにとっては就職活動の面接の際にも必要となるようなことが学べました。自分は伝わったと思った事も相手に伝わってなかったら意味がない事、そして大会のテーマに沿った調べ方をする事、またこのような大会に出る時には多くのチームの中からどう目立つかを考えることが大事だと学べました。今回賞を取ることが出来ず、大変悔しい思いをしましたが、今回協力してくれたメンバーとアドバイスをくださった先生、そしてフィールドワークをさせていただいた壱岐島のみなさんに感謝をしたいです。大会の審査員の講評は、他のチームのものでも自分たちにも勉強になることがありました。また私たちでは気づかないところを大人の視点から指摘されており、もっと詰めていかないと実現性に欠けているところが多いと感じました。しかし大学生ならではのアイデアが出てくるのがこういった大会の素晴らしいところであり、このような大会があることで私たちは長崎の離島を知ることができました。この大会があることこそが、観光まちづくりの一環であるように思います。今後就職してからの人前でなにかを発表する時にも今回学んだことを活かしたいです。