株式会社アプティ(東京都・渋谷区)にて企業研修を実施しました。

4月6日、本学・経営学部の千島教授は、株式会社アプティ(東京都・渋谷区)にて、新入社員を対象とした企業研修を実施しました。テーマは「社会で起きている価値観や産業構造の変化に、新入社員としてどのように向き合うか」です。本研修は、昨年度に引き続き実施されたもので、今年度はEV(電気自動車)をめぐる産業変化、サプライチェーンの再編、そして企業が提供する“価値”には複数の種類があることなどを踏まえながら、多面的に社会やビジネスを理解する構成で行われました。

千島先生のゼミでは、これまでも国際ビジネス環境の変化や、変革期において企業がどのように組織や独自の強みを発揮できるかを研究・議論してきました。そうした学術的な知見をもとに、アプティ社とも継続的に意見交換を重ねながら、大学と企業が相互に学び合う関係を築いています。

研修前半は、社会の中で新たな価値を生み出している企業が、市場や顧客、制度、技術変化の兆しをどのように感じ取り、対応しているかについて考える時間となりました。ディスカッションでは、個人の能力だけでは対応しきれない複雑な仕事に対し、なぜ企業には段取りやルール、連携の仕組み、デジタルを活用するのかという点についても議論が行われ、組織で働く意味を理解する時間となりました。
研修後半では、自動車産業の大きな転換点の一つであるEV化を題材に、ホンダとトヨタの戦略の違いを取り上げ、トヨタはEVだけでなく、HEV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池車)、さらには内燃機関車も含めた複数の選択肢を維持する柔軟な製品ポートフォリオを持っていたことに着目しました。

この議論を通じて、受講者は、企業戦略とは「正しい未来を当てること」ではなく、不確実な環境の中でも変化に適応できる選択肢や柔軟性を持つことが重要であるという視点を学ぶ機会となりました。また、EV化の進展は車そのものの変化にとどまらず、部品調達、供給網、顧客価値、競争軸の変化を伴うもので、サプライチェーン全体を見渡して考える必要があることも共有されました。今回の研修は、新入社員の皆さんにとって、変化する社会や産業の中で、自ら考え、問いを持ち、価値を見出しながら行動する重要性を学ぶ機会になったと思われます。

阪南大学では、こうした企業との連携を通じて、大学で培われた知見を社会の現場へ還元するとともに、現場で生じている課題や変化を教育・研究へと接続する取り組みを積極的に進めています。