3月12日(木)、阪南大学 経営学部(経営情報学部) 千島ゼミ生たちは、Jリーグクラブであるセレッソ大阪を訪問し、「セレッソ大阪満開戦略」をテーマとしたプレゼンテーションを行いました。本発表は、試合入場者数の増加やSNSやネットワークの拡大を通じて、認知から実際の来場行動へとつなげる仕組みを、クラブ・ファン・地域・デジタルメディアなど多様な主体が相互に関係し合うスポーツビジネスのエコシステムとして捉え、その中でどのような価値共創が見えるかを研究したものです。

まず、フィールドワーク活動としてセレッソ大阪様のJリーグ試合会場外で取り組んできたファンやサポーター方々との触れ合い時間を作り、スタジアムでの来場者対応や運営サポートを体験することに努めました。サポーターや試合観戦に訪れた来場者との距離を実際に感じながら、スタジアム観戦の魅力や課題について現場の目線から状況を理解することを意識してきました。
研究の中でゼミ生が特に注目したのは、「観戦体験の分断」というテーマです。熱量の高いサポーターと、初めてサッカー観戦に訪れる一般来場者との間には、スタジアムで感じる楽しさや期待する体験に違いが存在する可能性があります。ゼミでは、この体験のズレがどのようなメカニズムで生まれているのかを分析し、その分断を緩和するための方法を、クラブ・ファン・地域社会が関係し合うエコシステムの視点から探る研究を進めてきました。

従来: 試合を提供 → 観客が消費
現在: 体験・参加・共創 & SNS投稿・地域活動・イベント参加 → ファンが価値創出に関与
つまり、消費モデル → 参加型・共創モデルへの転換が起きています
プレゼンテーションでは、こうした分析をもとに、入場者増加を実現するための手段を提案しました。特に、SNSを通じた情報発信とスタジアム来場を結びつける仕組みづくりや、初めてスタジアムを訪れる人でも参加しやすい観戦体験の設計などについて議論が行われました。また、プロ野球チームである北海道日本ハムファイターズや千葉ロッテマリーンズが実施しているファン育成(ナーチャリング)の取り組みを参考にしながら、スポーツ観戦を起点としたファンコミュニティ形成の可能性についても提案を行いました。
ゼミ生はスタジアムの外で提供されている楽しみ方と、一般来場者が求めている空間的魅力との間にズレがあるのではないかという仮説を提示し、その理由と解消策について提案しながら、セレッソ大阪側でも一部の施策について検討を進めていく方向となりました。
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セレッソ大阪・ファンマーケティング部 島田課長と広報部 松本様へのプレゼンテーション
株式会社セレッソ大阪 長谷川 顕 様
このたびは、千島ゼミの皆さまによるご提案をいただき、ありがとうございました。
現場での体験を踏まえた分析と、“観戦体験の分断”という本質的な課題への着眼は、私たちにとっても多くの気づきがありました。特に、スタジアムでの体験価値を高めるだけでなく、来場者・ファン・地域・デジタルがつながる“エコシステム”として捉えられていた点は、クラブが目指す社会連携の方向性とも重なるものであり、大変共感いたしました。
今後は、こうした視点をクラブの活動に活かすとともに、地域や行政とも連携しながら、より多くの方を巻き込む取り組みへと発展させていきたいと考えています。
引き続き、大学の皆さまとも連携しながら、新たな価値共創に取り組んでいければ幸いです。
現場での体験を踏まえた分析と、“観戦体験の分断”という本質的な課題への着眼は、私たちにとっても多くの気づきがありました。特に、スタジアムでの体験価値を高めるだけでなく、来場者・ファン・地域・デジタルがつながる“エコシステム”として捉えられていた点は、クラブが目指す社会連携の方向性とも重なるものであり、大変共感いたしました。
今後は、こうした視点をクラブの活動に活かすとともに、地域や行政とも連携しながら、より多くの方を巻き込む取り組みへと発展させていきたいと考えています。
引き続き、大学の皆さまとも連携しながら、新たな価値共創に取り組んでいければ幸いです。
参加した両ゼミ生のコメント
私は小学生の時からセレッソ大阪のファンとして試合観戦にスタジアムまで足を運んでいたのですが、改めてセレッソ大阪というプロサッカーチームが企業経営の視点から、どのようにファンマーケティングやブランディング活動を行っているのかを知る経験となりました。今回の提案内容に「第一想起」をテーマに上げるということがあり、大阪を代表するプロサッカーチーム = セレッソ大阪に近づくための施策を考えること、同時に、第一想起を手段として到達したい状態を想定しながら発表資料をまとめました。
報告を行った際に、セレッソ大阪様からのフィードバックの中で心に残ったことが、私たちの考えがセレッソ大阪視点になりすぎてしまっていた点でした。試合観戦には必ずしもセレッソ大阪ファンだけではないという要素と、それがなぜ重要なのかという視点が弱かったかもしれません。自分たちの視点とは異なる視点で感じるとることの難しさを学びました。
昨年7月のフィールドワークで体感したスタジアムの熱気を出発点に、それをビジネス課題として捉え直し、半年以上かけて提案としてまとめることができた点に大きな達成感を感じています。一方で、ガンバ大阪との比較など、もう少し掘り下げたリサーチと客観性を持つところは反省点です。発表当日は私たちの思考プロセスが「伝わるかどうか」という難しさも感じ、プレゼンの重要性もあらためて感じました。研究を通じて、プロスポーツの価値は勝敗だけでなく、観戦体験の設計にあるという考えに至り、観戦回数の少ないお客様とサポーターとの断続を解消し来場者を巻き込む施策、地域資源を活用した取り組みの重要性をあらためて実感しました。今後はKPI設定や仮説構築の精度を高め、地域と企業が共に成長するビジネスエコシステムの実現や研究に関わっていこうと考えています。
まず、発表プレゼンは、どのような説明が相手に伝わりやすいかを学びました。人前で説明する時間に慣れておらず、話すスピードが無意識的に速くなっていました。後で指摘されて自分の状態を理解することができました。発表の目的と手段が一致していない内容を一部作ってしまっていることも同様に気づきました。セレッソ大阪というチームが、お客様からどう見えているのか(見られているか)、これをどこまで考えられるか、非常に難しいテーマでしたが、見えづらい状態こそ何か隠れている線があるのではないかとチームとファンの関係を現場目線で調べたり足を動かすことにより、意外なことを見つけることができた貴重な経験だったと思います。
報告を行った際に、セレッソ大阪様からのフィードバックの中で心に残ったことが、私たちの考えがセレッソ大阪視点になりすぎてしまっていた点でした。試合観戦には必ずしもセレッソ大阪ファンだけではないという要素と、それがなぜ重要なのかという視点が弱かったかもしれません。自分たちの視点とは異なる視点で感じるとることの難しさを学びました。
三木 勇人
昨年7月のフィールドワークで体感したスタジアムの熱気を出発点に、それをビジネス課題として捉え直し、半年以上かけて提案としてまとめることができた点に大きな達成感を感じています。一方で、ガンバ大阪との比較など、もう少し掘り下げたリサーチと客観性を持つところは反省点です。発表当日は私たちの思考プロセスが「伝わるかどうか」という難しさも感じ、プレゼンの重要性もあらためて感じました。研究を通じて、プロスポーツの価値は勝敗だけでなく、観戦体験の設計にあるという考えに至り、観戦回数の少ないお客様とサポーターとの断続を解消し来場者を巻き込む施策、地域資源を活用した取り組みの重要性をあらためて実感しました。今後はKPI設定や仮説構築の精度を高め、地域と企業が共に成長するビジネスエコシステムの実現や研究に関わっていこうと考えています。
船橋 七美
まず、発表プレゼンは、どのような説明が相手に伝わりやすいかを学びました。人前で説明する時間に慣れておらず、話すスピードが無意識的に速くなっていました。後で指摘されて自分の状態を理解することができました。発表の目的と手段が一致していない内容を一部作ってしまっていることも同様に気づきました。セレッソ大阪というチームが、お客様からどう見えているのか(見られているか)、これをどこまで考えられるか、非常に難しいテーマでしたが、見えづらい状態こそ何か隠れている線があるのではないかとチームとファンの関係を現場目線で調べたり足を動かすことにより、意外なことを見つけることができた貴重な経験だったと思います。
吉岡 大夢
ゼミ生が今回の時間に学んだことは、
・価値は提供されるのではなく共創される
・人の感情や関係性は価値につながる
・スタジアムを軸にした回遊性は、企業収益に大きく影響する
・“ まだ来ていない人”を巻き込む戦略にデジタルが多用されている
今後も千島ゼミでは、エコシステムの視点から、プロスポーツビジネスが誰に、どのような価値を提供しているか、企業や地域社会の持続的な成長に関係できる要素を見つけ実践的に探究していきます。こうした活動を通じて、学生が理論と現場を往還しながら、ビジネスエコシステムが理解できる学びの場を創出していきます。
・人の感情や関係性は価値につながる
・スタジアムを軸にした回遊性は、企業収益に大きく影響する
・“ まだ来ていない人”を巻き込む戦略にデジタルが多用されている
今後も千島ゼミでは、エコシステムの視点から、プロスポーツビジネスが誰に、どのような価値を提供しているか、企業や地域社会の持続的な成長に関係できる要素を見つけ実践的に探究していきます。こうした活動を通じて、学生が理論と現場を往還しながら、ビジネスエコシステムが理解できる学びの場を創出していきます。
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セレッソ大阪・長谷川様を囲むゼミ生たち
