6月27日、韓国外国語大学 韓日政策研究センターが主催した「韓日経済安保協力フォーラム」に日韓それぞれの大学やマスコミが参加し、未来新産業の領域で成長手段や共通の利益獲得を探索・議論する会が開催されました。私たちが直面しているトランプ 2.0時代は ( =ドナルド・トランプ氏が2025年から再びアメリカ大統領に就任する期間 )、日本国内の拠点を放棄して海外に拠点を置く多国籍企業も敵視されかねないアメリカ第一主義の政策が進んでいます。日本と韓国にとってサプライチェーンの最適化と考えられていた行動が一部リスクになりえることを再考し、まさに 「戦略の自律性」と「日韓協力の再定義」のバランスが問われている状況といえます。
  • 韓国外国語大学 韓日政策研究センター 主催「韓日経済安保協力フォーラム 」

フォーラムで千島准教授が指摘した内容は以下の点などです。これらについて、研究内容を説明・議論する場となりました。
  • 今、グローバルサプライチェーンの大変革を迎えて、技術覇権争いといった米中技術競争に適応するには、既存の発想と新たな枠組みを合わせて考えること
  • 軍事産業に関係する中間財の開発(スピルオーバー効果)、重要鉱物等の戦略物資共同調達
  • 国家単位で安保分野の土台となるインフラを共用する体制を提案
  • 競合の多いグリーン & デジタル領域は、 水素や洋上風力、CCUS技術(炭素回収・利用・貯留) の分野で脱炭素ビジョンで連携の質を高める(グリーンイノベーション)

新たな枠組みを示唆した図

 
2025年に日韓両国は国交正常化から60周年を迎え、これまで歴史認識や外交摩擦がしばしば両国関係の障壁となってきました。その中でも、経済・技術・人的交流の分野においては、長期的な協力の蓄積が進んでいます。とりわけ、米中対立やロシア・北朝鮮情勢などグローバルな地政学リスクの高まりは、サプライチェーンの分断と経済安全保障の再定義を促している状況です。今回は、様々な視点が想定された中で、4つの内容に焦点を当て日韓協力の可能性と課題を具体的に検討した場となりました。

テーマとした内容を推進するイメージ