産官学連携先:株式会社ダートフィッシュ・ジャパン

スタジアムに到着した瞬間、これまで観てきたJリーグの試合とは明らかに異なる空気感を感じました。観客の熱量、試合前の緊張感、すべてが桁違いで、「これが日本代表の舞台なのか」と、言葉にできない迫力がありました。
私はボランチとして、自分と同じポジションでプレーする遠藤選手や佐野選手の動きを中心に観察しました。守備での運動量、背後に抜けた選手への対応、CBのカバーに入る判断、そして相手ボランチへのプレッシャー。それらを当たり前のように連続して行いながら、前向きにパスをつけていく姿は、自分にとって大きな学びとなりました。トップレベルのプレーを間近で体感できたことは、今後の取り組みへの明確な指針になりました。

流通学部3年 田中 晃誠

学生活動状況報告

本活動では、MF佐野海舟選手のプレーを対象に、ダートフィッシュ分析ソフトを用いてプレー内容を数値化し、主観的印象との比較を行いました。分析対象はプレー回数、ワンタッチ、トラップ、ターンの4項目です。
その結果、佐野選手のプレー回数は75回と非常に多く、試合への関与度の高さが数値として表れました。ワンタッチは17回で成功率64.7%、一方でトラップは37回・成功率94.5%、ターンは21回・成功率100%と極めて高い数値を示しました。
一般的にはDFのタックル数やボール奪取率といった守備面が注目されやすいが、今回の分析からは印象通り、トラップやターンといったボールを失わない技術の高さが数値で裏付けられました。特に、プレッシャー下でも確実に前を向くための技術が安定しており、攻守の切り替えにおける重要性を強く感じました。トップレベルのボランチに求められる「守備の強さの土台は技術である」という点を、データを通して理解することができました。
 
流通学部3年 西沢 凛音

本活動では、DF瀬古選手のパスを対象に、ダートフィッシュ分析ソフトを用いて配球を数値化し、独自に定義した9つのスペース(AU、CL、CR、SL、DL、DR、SR、HSL、HDR)への活用傾向を分析しました。
分析の結果、AUからCLへのパスは25本中25本成功、AUからCRは20本中20本成功と、中央およびCB左右への安定した配球が確認できました。また、1つ飛ばしのワイドへのスキップパスでは、SL(左ワイド)が2回に対し、SR(右ワイド)が9回と大きな差が見られました。これは右利きである瀬古選手の特性が反映されていると考えられます。
さらに、背後へのパスはSL(左ワイド)のみに見られ、右ワイドへの背後パスはほぼ選択されていませんでした。右利きの選手にとって、浮き球のロングパスは左背後の方が蹴りやすく、右方向への背後パスは難易度が高いという技術的要因が影響していると考察しました。パス本数だけでなく「どのスペースをどのように使ったか」を数値で示すことで、DFの配球が戦術と個人特性の両方に支えられていることを理解することができました。
 
流通学部4年 金子 光汰
 
 

参加学生一覧

武村 優心、 金子 光汰、 田中 晃誠、 金本 毅騎、 長崎 義喜、 犬山 真希、 岩本 昇悟、 森 紺、 山尾 柚莉杏、 山崎 遥人