産官学連携先:​一般社団法人 徳良湖ヨット倶楽部


今回のキャリアゼミに参加した学生は、自然体験型STEAMプログラムを通して、地域関係者、教育工学の専門家などと共に、地域における観光客/教育体験やそれらの魅力の発信の方法について考えました。

徳良湖ヨット倶楽部は、これまでも地域の人材育成や青少年教育の場として活用されてきました。現在は、こうした蓄積を生かし、STEAM教育やデジタルファブリケーションを取り入れた教育ツーリズムへと発展させ、関係人口の増加や地域観光の活性化につなげる可能性を検討しています。

今回の合宿では、通常のセーリングに関する座学と乗船体験に加え、地域のホームセンターで入手できる材料を用い、また3Dプリンタを活用し部品を製作して、ウィングセイルの設計・制作を行いました。

これは、科学・技術・工学・デザイン・数学を、自然体験と実際のものづくりの中で横断的に学ぶSTEAMプログラムとしての可能性を検討する試みです。

また、プログラムの一般化や今後の教育展開を検討するため、研究者に加え県内外の教育関係者にも活動を見学していただきました。

今後は、今回完成したウィングセイルの実艇への装着・湖上試験を進めるとともに、徳良湖ならではの自然・ものづくり・地域交流を組み合わせた教育プログラムとして整理していきます。
※本活動の一部は「ホームセンターからはじまる地域STEAM:分散型ファブラボによる自然体験×デジタル探究の社会実装に関する研究(2025年度公益財団法人カインズデジタルイノベーション財団採択事業)」の研究助成で実施しています。

学生活動状況報告

 山形県徳良湖ヨットクラブにて、3泊4日のキャリアゼミ合宿を実施しました。移動時間を除く実質2日間のタイトな行程でしたが、豊かな自然と地域の方々の温かい支援のもと、深く学び成長する機会となりました。
 初日はヨットの歴史や構造についての講義を受けました。英国での海賊船取り締まりの歴史から、アメリカズカップで勝利するための船体進化や速度向上を狙った構造の工夫などを学び、ヨットの深さに感銘を受けました。講義後にはハンザ級ヨットに乗艇しました。初日は無風で思い通りの操船体験ができませんでしたが、風が吹いた翌日は実艇の風を受けるリアルな感覚を得ることができ、これが効率的な「ウィング(帆)」の構造や完成形を具体的にイメージする大きなヒントになりました。今回は時間の都合上、制作したウィングの実艇実験まで至らなかったため、次回は風の当たり方による推進力の違いや従来船との比較検証を託したいと思います。
     
 
 現地ではクラウド接続された3Dプリンターと、ホームセンター等で現地調達した発泡スチロールを用いてウィングの制作に挑みました。ヨットクラブや会員の方々に工具をお借りし、型の精度と擦り合わせながら微調整を行いました。研究室とは異なり「電源の確保から限られた物資での代替まで、現場で工夫を重ねる自然環境でのSTEAM教育」の難しさと醍醐味を体感しました。また、地域交流では地元独特の吊り下げ式ハエ取りシールを使ったゼミ生同士のチキンゲームで盛り上がったり、山形の食文化である温かい芋煮をご馳走になったりと、現地の方々の温かいおもてなしに触れたことも大切な思い出です。

     

 研究室の枠を飛び出し、歴史・ものづくり・地域交流を横断して学んだこの2日間は、新たな視点を獲得し、今後の研究や自身の成長に向けた大きな糧となりました。
総合情報学部 嶋本 拓真

参加学生一覧

【3年生】
岡 沙奈美、西園寺 圭悟、嶋本 拓真

【2年生】
吉村 旺輝、宇都宮 輝早、上田 海空斗