産官学連携先:一般社団法人まめな
本活動では、瀬戸内海にある広島大崎下島久比集落に所在する(一社)まめなを訪問し、現地に1隻だけ残るみかん運搬船のリノベーションやオフグリッド技術を題材に、当地の持続的な地域レジリエンス*について考えました。
参加学生は、船のリノベーションの大工作業と並行して、船内オフグリッド化作業をおこない、船内で家庭用家電が利用できるようにしました。また、この電源を利用した電動工具の使用や、地元で調達したペットボトルを、この活動に備えて事前に大学で組み立てたペットボトル再生3Dプリント素材制作機の動作確認などをおこないました。
また、⼤崎下島久⽐集落でのフィールドワークと地域の⽅々との対話を通して、オフグリッド技術とデジタルファブリケーションを活用した、地域の暮らしとQoLを⽀える活⽤⽅法を考えました。
最終日の成果発表では、サーベイ結果に基づいた提案と実際の地域のニーズとのギャップを認識するなど、生成AIやインターネットなどの情報からでは掴みきれないものごとを現地で見つける大切さを体験することができました。
また、フリータイムはヨットで海岸沖にアンカリングして海水浴を楽しんだり、風力のみで操船するセーリングをするなど、瀬戸内海の海のアクティビティも堪能しました。
本活動では、瀬戸内海にある広島大崎下島久比集落に所在する(一社)まめなを訪問し、現地に1隻だけ残るみかん運搬船のリノベーションやオフグリッド技術を題材に、当地の持続的な地域レジリエンス*について考えました。
参加学生は、船のリノベーションの大工作業と並行して、船内オフグリッド化作業をおこない、船内で家庭用家電が利用できるようにしました。また、この電源を利用した電動工具の使用や、地元で調達したペットボトルを、この活動に備えて事前に大学で組み立てたペットボトル再生3Dプリント素材制作機の動作確認などをおこないました。
また、⼤崎下島久⽐集落でのフィールドワークと地域の⽅々との対話を通して、オフグリッド技術とデジタルファブリケーションを活用した、地域の暮らしとQoLを⽀える活⽤⽅法を考えました。
最終日の成果発表では、サーベイ結果に基づいた提案と実際の地域のニーズとのギャップを認識するなど、生成AIやインターネットなどの情報からでは掴みきれないものごとを現地で見つける大切さを体験することができました。
また、フリータイムはヨットで海岸沖にアンカリングして海水浴を楽しんだり、風力のみで操船するセーリングをするなど、瀬戸内海の海のアクティビティも堪能しました。
*レジリエンス:ストレスや困難な状況に直面したときに、心身のバランスを崩して折れてしまうのではなく、しなやかに立ち直り適応する「回復力」や「復元力」のこと
※本活動の一部は「ホームセンターからはじまる地域STEAM:分散型ファボラボによる自然体験×デジタル探究の社会実装に関する研究(2025年度公益財団法人カインズデジタルイノベーション財団)」の研究助成で実施しています。
※本活動の一部は「ホームセンターからはじまる地域STEAM:分散型ファボラボによる自然体験×デジタル探究の社会実装に関する研究(2025年度公益財団法人カインズデジタルイノベーション財団)」の研究助成で実施しています。
学生活動状況報告
今回のキャリアゼミで、私たちは広島県大崎下島の「一般社団法人まめな」のもとで2泊3日のフィールドワークを行いました。昨年に引き続き、島の自然を満喫し、まめなの皆さんと食卓を囲むことができました。
滞在中は大学で進めているペットボトルフィラメント生成の取り組みを、オフグリッド環境で実施できるかを検証しました。前年度にオフグリッド化した農船の電源を活用し、オープンソースのペットボトルフィラメント生成器を用いて、3Dプリント可能なフィラメントを生成しました。実際に現地で収集したペットボトルをフィラメントとして再利用できる状態にまで加工できたことを嬉しく思います。
また、まめなの皆さんや島民の方々との交流を通して、昨年は気づけなかった久比の暮らしの細部にも触れることができました。誰がどんな作業を担っているか、どの季節には何が獲れるかといった、その場にいないと分からない情報を知ることができ、久比やまめなコモンズに対する解像度が一段階上がりました。
最終日の成果発表では「地域レジリエンス」というテーマに沿って、それぞれがこれらの経験をもとに考えた「耕作放棄されたみかん畑の丘陵地を有効活用したオフグリッド展望スペース」「コンポストを用いたバイオ燃料生成」「オフグリッド電源を使用した公共チャージポート」などの提案を発表しました。
提案を練る過程では、まめなの方々と話す機会を多くいただきました。そこで気づいたのは、私たちが「これは久比の課題だろう」と思い込んでいた事柄が現地では思いもよらない形で解決されていたり、そもそも困りごととして認識されていなかったりするということです。
たとえばオフグリッド電源を使用した公共チャージポートについては、まめなの方から「使う人がほとんどいないと思う」というお話をいただきました。島を訪れる人が充電に困るだろうという私たちの想像は、久比で実際に暮らす人々の実感とは異なっていたのだと思います。技術的な解決策を考えるより先に、現地の人がどう暮らしているかを知らなければ話が始まらないのだと実感しました。
フリータイムにはヨットで海に出て海水浴を楽しんだり、夜には近くの島の展望台へ星空を見に行ったりしました。
また、3日間の滞在を通じて地域における人との関わり方の違いについても考えさせられました。日頃私たちが生活する大阪では周囲に人が多いぶん、限られた関わりだけでも特に問題なく過ごせてしまいます。一方、久比では関わる人の数が限られているからこそ、一人ひとりがそれぞれの役割を担い、それが重なり合うことで日々の生活が成り立っているように見えました。
道具も技術も人の手も持ち寄って使われている様子は、暮らしそのものがひとつの共有財として機能しているようで、地域レジリエンスとは外から新しく何かを足すことではなく、すでにそこにあるものをどう活かすかということなのだと考えるようになりました。
滞在中は大学で進めているペットボトルフィラメント生成の取り組みを、オフグリッド環境で実施できるかを検証しました。前年度にオフグリッド化した農船の電源を活用し、オープンソースのペットボトルフィラメント生成器を用いて、3Dプリント可能なフィラメントを生成しました。実際に現地で収集したペットボトルをフィラメントとして再利用できる状態にまで加工できたことを嬉しく思います。
また、まめなの皆さんや島民の方々との交流を通して、昨年は気づけなかった久比の暮らしの細部にも触れることができました。誰がどんな作業を担っているか、どの季節には何が獲れるかといった、その場にいないと分からない情報を知ることができ、久比やまめなコモンズに対する解像度が一段階上がりました。
最終日の成果発表では「地域レジリエンス」というテーマに沿って、それぞれがこれらの経験をもとに考えた「耕作放棄されたみかん畑の丘陵地を有効活用したオフグリッド展望スペース」「コンポストを用いたバイオ燃料生成」「オフグリッド電源を使用した公共チャージポート」などの提案を発表しました。
提案を練る過程では、まめなの方々と話す機会を多くいただきました。そこで気づいたのは、私たちが「これは久比の課題だろう」と思い込んでいた事柄が現地では思いもよらない形で解決されていたり、そもそも困りごととして認識されていなかったりするということです。
たとえばオフグリッド電源を使用した公共チャージポートについては、まめなの方から「使う人がほとんどいないと思う」というお話をいただきました。島を訪れる人が充電に困るだろうという私たちの想像は、久比で実際に暮らす人々の実感とは異なっていたのだと思います。技術的な解決策を考えるより先に、現地の人がどう暮らしているかを知らなければ話が始まらないのだと実感しました。
フリータイムにはヨットで海に出て海水浴を楽しんだり、夜には近くの島の展望台へ星空を見に行ったりしました。
また、3日間の滞在を通じて地域における人との関わり方の違いについても考えさせられました。日頃私たちが生活する大阪では周囲に人が多いぶん、限られた関わりだけでも特に問題なく過ごせてしまいます。一方、久比では関わる人の数が限られているからこそ、一人ひとりがそれぞれの役割を担い、それが重なり合うことで日々の生活が成り立っているように見えました。
道具も技術も人の手も持ち寄って使われている様子は、暮らしそのものがひとつの共有財として機能しているようで、地域レジリエンスとは外から新しく何かを足すことではなく、すでにそこにあるものをどう活かすかということなのだと考えるようになりました。
総合情報学部3年 西園寺 圭吾

連携先コメント
一般社団法人 まめな
梶岡 秀 様
昨年に引き続き今年もキャリアゼミ合宿をまめなで開催くださり、ありがとうございました。
ゼミ生の皆さんは一人ひとり個性的で、物事に積極的に挑戦しようとする姿が印象に残っています。キャリアゼミ合宿を通して、老朽化したまめなの農船が、昨年はオフグリッドでのライト点灯、今年は陸揚げした農船のリノベ(船上の工作室作り)や廃ペットボトルから3Dプリンターでの試作などと、新しく生まれ変わってゆく様子を間近で見ることができました。
末田先生をはじめ合宿に参加された皆さんの力で、私の地元・久比に新しい価値が生み出されていることを、大変有難いことだと思っています。今後とも、これまでと同様、引き続きよろしくお願いいたします。
ゼミ生の皆さんは一人ひとり個性的で、物事に積極的に挑戦しようとする姿が印象に残っています。キャリアゼミ合宿を通して、老朽化したまめなの農船が、昨年はオフグリッドでのライト点灯、今年は陸揚げした農船のリノベ(船上の工作室作り)や廃ペットボトルから3Dプリンターでの試作などと、新しく生まれ変わってゆく様子を間近で見ることができました。
末田先生をはじめ合宿に参加された皆さんの力で、私の地元・久比に新しい価値が生み出されていることを、大変有難いことだと思っています。今後とも、これまでと同様、引き続きよろしくお願いいたします。
教員コメント
総合情報学部 総合情報学科
末田 航 教授
離島や中⼭間地域では⽂化や教育・物流を外部に依存しがちで、その運営実態が島の活性化を左右し、関係⼈⼝の増減にも直結する課題になっています。
これらの課題に対し、参加学生は現地をフィールドワークし、現地に住む人々との交流を通して、学生自身が身につけた技術や考え方がどのように地域に貢献しうるのかを考えました。
到着当日は本活動のみかん船リノベーションに携わっていただいている大工の秋山さん(廃材天国)に特別レクチャーをしていただきました。
秋山さんたちは、精製廃天ぷら油でディーゼル車を動かしたり、リサイクルのソーラーパネルやバッテリーを使っていたりと、実践的な活動としてオフグリッドをおこなっています。
秋山さんには、これらの取り組みの紹介を通じたアップサイクルを実現するためのコストや場所との適合の重要性について講義と学生とのディスカッションをしていただきました。
また、再生ペットボトルの3Dプリンタ素材へのアップサイクルでは、ラボでは手短に対処できるトラブルの解決が現場では困難であったり、フィールドワークではすぐに技術的「解決策」に置き換えず、当事者の困りごと・⼯夫・⼤切にしていることを意識する大切さを、現地の人との対話を通して経験をすることができたと思います。
サーベイや対話を通して、自ら新たな問いを立てる力を磨く経験ができたなら何よりです。
これらの課題に対し、参加学生は現地をフィールドワークし、現地に住む人々との交流を通して、学生自身が身につけた技術や考え方がどのように地域に貢献しうるのかを考えました。
到着当日は本活動のみかん船リノベーションに携わっていただいている大工の秋山さん(廃材天国)に特別レクチャーをしていただきました。
秋山さんたちは、精製廃天ぷら油でディーゼル車を動かしたり、リサイクルのソーラーパネルやバッテリーを使っていたりと、実践的な活動としてオフグリッドをおこなっています。
秋山さんには、これらの取り組みの紹介を通じたアップサイクルを実現するためのコストや場所との適合の重要性について講義と学生とのディスカッションをしていただきました。
また、再生ペットボトルの3Dプリンタ素材へのアップサイクルでは、ラボでは手短に対処できるトラブルの解決が現場では困難であったり、フィールドワークではすぐに技術的「解決策」に置き換えず、当事者の困りごと・⼯夫・⼤切にしていることを意識する大切さを、現地の人との対話を通して経験をすることができたと思います。
サーベイや対話を通して、自ら新たな問いを立てる力を磨く経験ができたなら何よりです。
参加学生一覧
嶋本 拓真、岡 沙奈美、西園寺 圭悟、福本 天佑、吉村 旺輝
