フィリピンでのフィールドワークのあと、永田ゼミでは日本の米作りの現状を把握するために、現在の米の生産量、消費量、農業従事者、耕地面積の推移などを中心に調査を進めていきました。そこで知ったのが、農業従事者、および耕作地が年々減少しているという事実です。そこで、永田ゼミでは、米作りの現場を知るために、2024年5月27日(月)に兵庫県加古郡稲美町でフィールドワークを実施しました。
①JA兵庫南 にじいろふぁ~みん
 最初に訪れたのは、JA兵庫南が運営する「にじいろふぁ~みん」。月曜日の午前中にもかかわらず、駐車場はおおむね満車で、とても賑わっていました。店内には朝どれの新鮮な野菜や果物が手頃な価格で提供されており、人気商品はすでに完売済みでした。
 なかでも気になったのが、米粉で作られたパンやケーキ。稲の美しい町、稲美町にぴったりな特産品で、減少の一途をたどる米の消費量に歯止めをかける起爆剤になるのではないかと感じました。
 
 

 
JA兵庫南 にじいろふぁ~みん
 
②地産地消カフェ NOCA(ノカ)
昼食はにじいろふぁ~みんに隣接する「地産地消カフェ NOCA」でいただきました。稲美町の食材を中心に新鮮かつ魅力的な食材を提供する当レストランも11時半頃には満席に。地産地消を学ぶ絶好の機会となりました。
 
 

 
魅力的なメニューがずらり
 
③JA兵庫南 稲美営農経済センター
 大麦の収穫を終えたばかりのJA兵庫南 稲美営農経済センターでは、稲美町の米作りの現状や米の活用について詳細な説明をしていただきました。あわせて大麦が貯蔵されたカントリーエレベーター内部を見せていただくことができました。カントリーの上層から稲美町全域で使用される稲の青苗が一望でき、稲美町の米作りの規模を実感することができました。
 
   
カントリーエレベーター内部
 
 
カントリーエレベーターからの眺望
 
④加古大池
 つぎに訪れたのは兵庫県下最大のため池である加古大池。台地である稲美町で米作りをするためには、農業用水はかかせません。そのため稲美町には数多くのため池が存在します。とても人工の池とは思えない規模の加古大池を目の当たりにし、昔から今に到るまでの人々の米作りに対するなみなみならぬ熱意を感じました。
 
 
 
⑤万葉の香(田植え)
 稲美町のブランド米である「万葉の香」の作付けを見せていただき、北山営農組合の取り組みについて説明をしていただきました。ここでは日々、当たり前のように口にしていた米が当たり前にできあがるわけではない、という事実を目の当たりにしてきました。米作りに関わる多くの方々による継続的な努力があってはじめて米作りが形になることを強く感じました。
 
 
作付けが終わったばかりの万葉の香
 
⑥兵庫県立東播磨高等学校
 最後に稲美町唯一の高校である東播磨高等学校を訪れ、自然と人間探究類型の1年生40名に対して、「世界の食事情について知識を得るとともに、地元農業の魅力と課題点について学ぶ」というテーマのもと、フィリピンマニラでのフィールドワークの様子や、現在日本の農業が抱える問題点について、プレゼンテーションを行いました。その後の質疑応答の中で、日本米の魅力をどのように発信すれば良いのかを考える新たな指針が見えてきました。