産学連携先:株式会社 マイナビ
2025年、日本を訪れた外国人が初めて4,000万人を突破しました。(2025年:4,268万人/出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」)
なぜこれほど多くの外国人観光客が旅行先に日本を選んだのか、という素朴な疑問に加え、観光地として日本を選んだ外国人旅行者が、就労の場としての日本をいかに考えているかという点に興味がわき、心斎橋、大阪城公園、奈良公園・東大寺近辺でフィールドワークを実施しました。
実施時期は、2025年11月から2026年2月です。
2025年、日本を訪れた外国人が初めて4,000万人を突破しました。(2025年:4,268万人/出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」)
なぜこれほど多くの外国人観光客が旅行先に日本を選んだのか、という素朴な疑問に加え、観光地として日本を選んだ外国人旅行者が、就労の場としての日本をいかに考えているかという点に興味がわき、心斎橋、大阪城公園、奈良公園・東大寺近辺でフィールドワークを実施しました。
実施時期は、2025年11月から2026年2月です。
フィールドワークの目的は、訪日旅客の実態調査(旅行者の出身地)および訪日旅客の就労意識の調査です。
質問項目は、①出身地、②将来機会があれば日本で働いてみたいか。というシンプルな内容で行いました。回答数は130名、回答してくれた人の出身国・地域は27か所でした。そのうち、「将来機会があれば日本で働きたい」と回答してくれた方は98名、「働きたくない」は32名でした。
質問項目は、①出身地、②将来機会があれば日本で働いてみたいか。というシンプルな内容で行いました。回答数は130名、回答してくれた人の出身国・地域は27か所でした。そのうち、「将来機会があれば日本で働きたい」と回答してくれた方は98名、「働きたくない」は32名でした。
もちろん、リップサービスもあると判断できますが、観光先に選んだ日本で働きたいと感じる人が、これほど多いのは予想外でした。

奈良公園・東大寺付近でのフィールドワークの様子
就職活動まっただ中の三年生にとって、「働くこと」に対する関心は高いと言えます。特に少子高齢社会の問題が深刻化する中で、生産年齢人口の減少と外国人労働者の増加という問題は無視できません。
海外の旅行者からも働く場所として関心が寄せられている日本という場をどのように捉えるべきか。
四年生に向けての課題が見えてきました。

ご協力いただいた方々に、大阪銘菓のパインアメ・オレンジアメをプレゼントしました。
とても喜んでいただけました。
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調査結果【回答数130】
学生活動状況報告
今回のフィールドワークを通じて、外国の方々の多くが非常にフレンドリーで、対話に対して興味ある姿勢を持っていることが強く印象に残りました。特に、自分が言葉に詰まってしまった時、相手が嫌な顔をせず、こちらの意図を汲み取ろうと一緒に言葉を探してくれたことが非常に印象的でした。
正確な語学力も重要ですが、それ以上に伝えようとする意志と理解しようとする姿勢があることで、心理的な距離が縮まることを実感しました。
越智 大和
今回のフィールドワークでは、27か国・計130名の方にご協力いただき、多様な国や文化背景をもつ方々の声を直接聞くことができました。
調査を通して、日本で働きたいかどうかという考えは、その人の出身国の働き方や仕事に対する価値観と関係しているのではないかと感じました。特に「働きたくない」と答えた方の中には、日本の労働環境が厳しいというイメージや情報を理由に挙げる方もおり、日本の働き方が海外でどのように受け止められているのかを考えるきっかけとなりました。一方で、すでに日本で働いている方から前向きなお話を聞くこともでき、立場や経験によって感じ方が異なることも印象的でした。
また、声をかけやすいと感じた方の中には、日本語が話せる方や日本文化に関心のある方が多い傾向も見られました。最初は外国人の方に話しかけることに緊張もありましたが、回数を重ねる中で自然な声のかけ方や距離の縮め方を学ぶことができ、非常に実りある経験となりました。
西田 恵美子
今回の日本の働き方に関するインタビューを通して、現在の日本の労働状況が海外の方々にとって重労働だと受け止められていることに気づきました。
「日本で働きたい」と答えた人々の意見を見ても、労働環境そのものを肯定的に評価しているというより、日本の文化や礼儀正しさ、人々の親切さ、治安の良さといった社会的・文化的な魅力に惹かれている場合が多かったです。さらに、異国で働く際には言葉の壁が最も大きな課題となり、仕事上の意思疎通だけでなく、職場での人間関係や日常生活にも大きな影響を及ぼすことが分かりました。
この活動を通して、日本の働き方は国内の価値観だけで考えるのではなく、海外からの視点を取り入れ、より柔軟で働きやすい環境へと見直していく必要性があると実感しました。
小野 亜杜璃
アンケートの結果を見ると、「日本で働きたい」と答えた人数は合計98人で、「働きたくない」は32人となり、全体として肯定的な意見が多いことが分かりました。特にドイツ(16人)、イギリス(15人)、アメリカ(12人)、オーストラリア(11人)など欧米諸国で希望者が多い点が印象的でした。一方で、マレーシアやブラジル、フランスなどでは「働きたくない」という回答も一定数見られ、国によって日本へのイメージや労働環境の捉え方に差があるのではないかと感じました。
なぜ特定の国で消極的な意見が多いのか、その背景をさらに調べると興味深い結果が得られるであろうと考えました。
改善点としては、単純な賛否だけでなく理由も詳しく尋ねれば、より具体的な分析が可能になると感じました。
川本 陽大
今回、奈良公園で外国人観光客にインタビューを実施しました。
多くの方が日本の治安の良さや接客の丁寧さを評価する一方で、言語の壁や労働時間の長さに不安を感じていることが明らかとなりました。観光という短期滞在と、実際に働くという長期滞在では見える側面が異なるのではないかという疑問も生まれました。また、自分から英語で積極的に話しかける難しさを実感し、事前準備や質問設計の重要性を実感しました。
これからのフィールドワークのためにも、さらに意思疎通が取れるように語学を継続的に学びたいと考えています。
今回の活動を通して、外国人観光客を「お客様」として見るだけでなく、将来の労働者や地域の担い手として考える視点が身についた点は、大きな成果と言えるでしょう。
佐藤 夏芽
奈良公園・東大寺付近でのフィールドワークを通して、立ち止まっている人が多く、声をかけやすいと感じました。大阪の繁華街と比べて急いでいる人が少なく、調査を断られることもありませんでした。大阪の繁華街とは旅行の目的が異なると考えられます。繁華街では時間に追われて行動している人が多い一方で、奈良公園・東大寺付近ではゆっくりと観光を楽しみたい人が多いと感じました。
このことから、インタビューをともなうフィールドワークでは、ゆっくり観光できるスポットを選ぶことが大切であると感じました。
もう一つ感じたことは、活動を行う人数についてです。今回は1班5〜6人で活動しましたが、大人数で声をかけると相手も身構える可能性があると感じました。次回以降は、1グループ3人程度で実施してみたいと考えています。
村松 琉乃音
基本的に日本の観光名所に来られている外国の方は、私たちが学生であると知ると協力的で、むしろ向こうからも写真を撮ろうとしてくれるほど、日本への愛を感じました。回答結果は、「機会があれば日本で働きたい」と答える人が多かったです。本当にそう思っている可能性もありますが、「機会があれば」という表現では回答が「働きたい」に偏ってしまうように感じたため、改善した方がよいと思いました。
活動を通して、私自身も外国の方への緊張がほぐれ、さらに親しみを感じるようになりました。
藤田 一陽
今回のアンケート調査を通して、来日している外国人観光客は、日本に興味があるからこそ比較的快くアンケートに答えていただけることが多く、「日本で働きたい」と答える方も多かったです。一方で、調査結果を見ると日本で働きたくないと回答した方も一定数おり、理由を聞いてみると、多くがハードワークであると述べていました。その国の仕事の温度感や仕事量のようなものを把握することができました。
その他に、私自身これまで積極的に外国人の方と会話しようと試みることをあまりしてこなかったため、今回フィールドワークを通してそのような経験をすることができ、とても達成感を覚えました。
この経験から、外国人とのコミュニケーションに対する抵抗感が軽減され、また次の発展を目指す意欲が生じました。
この経験から、外国人とのコミュニケーションに対する抵抗感が軽減され、また次の発展を目指す意欲が生じました。
墨田 鈴
今回のフィールドワークで一番に気づいた点は、私たちが質問してYesかNoだけで答えるのではなく、理由を聞かずともなぜその答えにしたのかを話してくれる人が多く、私たちの活動に興味を持ってくれる人が多かったことから、フィールドワークをしていて楽しく感じたことです。私が思っていたよりも日本で働きたいと思う人は多く、ただ働きたいと思っているのではなく、日本のこのようなところに興味があるからとしっかりと考えを持っている人もいて、非常に印象に残りました。
改善点としては、2グループに分かれて行うと、すでに質問した人に再度質問してしまうことがあったため、スタート地点を別々にし、最終地点を中央に設定して始めた方が、よりたくさんの人に聞けると感じました。
上林 留果
今回の活動では、奈良公園を訪れ、外国人観光客に出身国や「もし日本で働けるなら働きたいか」についてインタビューを行いました。多くの人が日本の文化や治安の良さに魅力を感じており、働くことにも前向きな意見が見られました。一方で、言語の壁や労働環境への不安を挙げる声もあり、日本で働くことのハードルの高さを実感しました。
今回の活動を通して、観光と就労では求める条件が大きく異なることに気づいた点が印象的でした。今後は、質問内容をより具体的にし、相手の考えを深く引き出せるよう改善していきたいと考えています。
濱野 直希
連携先コメント
株式会社マイナビ
越戸 玲奈 様
今回のテーマである「働き方から見る国際社会の変化」に関しては、企業の立場から見ても非常に価値の高い内容であり、学生の皆さまが自らの視点で多様な働き方に触れようとしている点に深く感心いたしました。
訪日外国人の方々に直接ヒアリングを行うという実践的なアプローチは、「主体性」と「行動力」の表れだと思います。
調査結果を見ると、出身国が幅広く、多様な背景を持つ人々の意見を集めている点も素晴らしいです。さらに、シンプルで答えやすい質問設計や、インタビュー後にお礼としてお菓子を配るなど、調査対象者への配慮が随所に見られた点も非常に印象的でした。
せっかくなら、今後さらに知りたいと感じたのは、「働きたい」理由・「働きたくない」理由を分析すると、より深みが出るのではないかという点です。また、フィールドワークとして実施する上で難しさもあったかと思いますが、ヒアリング対象には一定のバイアスが生じやすい印象もありましたので、より広い範囲でアンケートを実施できると、さらに信頼度の高いデータになるかと思います。
今回の取り組みからは、皆さまの真摯な姿勢と丁寧な工夫がしっかりと感じられました。この経験が、今後の学生の皆さまのキャリア形成にとって大きな財産となり、さらなる成長につながることを心より期待しております。
訪日外国人の方々に直接ヒアリングを行うという実践的なアプローチは、「主体性」と「行動力」の表れだと思います。
調査結果を見ると、出身国が幅広く、多様な背景を持つ人々の意見を集めている点も素晴らしいです。さらに、シンプルで答えやすい質問設計や、インタビュー後にお礼としてお菓子を配るなど、調査対象者への配慮が随所に見られた点も非常に印象的でした。
せっかくなら、今後さらに知りたいと感じたのは、「働きたい」理由・「働きたくない」理由を分析すると、より深みが出るのではないかという点です。また、フィールドワークとして実施する上で難しさもあったかと思いますが、ヒアリング対象には一定のバイアスが生じやすい印象もありましたので、より広い範囲でアンケートを実施できると、さらに信頼度の高いデータになるかと思います。
今回の取り組みからは、皆さまの真摯な姿勢と丁寧な工夫がしっかりと感じられました。この経験が、今後の学生の皆さまのキャリア形成にとって大きな財産となり、さらなる成長につながることを心より期待しております。
教員コメント
国際学部 国際コミュニケーション学科
永田 拓治 教授
永田ゼミでは約一年半にわたり、国内外を問わず、さまざまな「働き方」に目を向けてきました。その目的は、「自他文化理解」です。
各地域・各国によって働き方は多種多様であり、この働き方に各文化の特徴が色濃く表れます。
今回の活動は、多少は知っているつもりの自文化(日本の働き方)を、他文化圏の人々がどのように感じているのかを知ることで、より自文化への興味関心が深まる機会となりました。
一年半の活動の成果を、四回生での個別研究につなげてほしいと思います。
各地域・各国によって働き方は多種多様であり、この働き方に各文化の特徴が色濃く表れます。
今回の活動は、多少は知っているつもりの自文化(日本の働き方)を、他文化圏の人々がどのように感じているのかを知ることで、より自文化への興味関心が深まる機会となりました。
一年半の活動の成果を、四回生での個別研究につなげてほしいと思います。
参加学生一覧
佐藤 夏芽 西田 恵美子 小野 亜杜璃 上林 留果 濱野 直希 村松 琉乃音 越智 大和 川本 陽大 墨田 鈴 藤田 一陽
