この特別講義は、平成30年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)を受けた「世界史教育内容編成論の研究-ESDの視点に基づく「現代の諸課題」からの再構成-」に基づくものです。
 昨年に引き続き、本年度も奈良県立法隆寺国際高等学校のご協力により実践の機会をいただきました。(昨年の実践報告は、以下のリンクから)

奈良県立法隆寺国際高等学校 特別講義9月17日(火)

 今回の特別講義も、昨年同様、第3学年の歴史文化科(37名)のクラスで特別講義を実施させていただきました。
 授業の主題も昨年と同じ「近代日本の産業発展 -資源・エネルギー問題から日本の産業革命を考える-」とし、歴史文化を専門的に学ぶ同じ学科の同じ学年で、歴史的探究活動として資源・エネルギー問題を考察する授業を実施することで、その学びに年度による差異があるかを調査することも研究課題に加えました。
 この講義内容は6~8時間程度の単元を2時間に集約したものであるため、内容の説明や生徒による議論に十分な時間を確保することが課題でしたが、これまでの教訓を生かして説明をより精選し、時間配分を生徒に指示することで、生徒による意見交換の時間を効率的に設けるようにしました。
 今回の特別講義は、まだ残暑の厳しい時期で、空調が使える大教室を使わせていただきました。これにより、グループ活動での机の移動はできなくなりましたが、同じ机のメンバーで話し合うことで、講義とグループでの議論の切り替えがスムーズで、テンポよく授業を進めることができました。歴史文化科の生徒の皆さんからは、歴史的な観点に基づく意見や同校での世界遺産教育を踏まえた意見を多く得ることができました。
 今回の特別講義により、歴史文化科の2年分の生徒を対象に同じ主題の授業ができたことで、貴重な実践記録を得ることができました。今後は、実践記録を比較・分析するとともに、その研究成果を踏まえて、より望ましい形での単元の改良につなげたいと考えています。

 最後に、研究へ継続したご協力をいただいた法隆寺国際高等学校の先生方、そして、真摯に授業に取り組んでくださった歴史文化科の生徒の皆さんにお礼申し上げます。ご協力ありがとうございました。