経済学部櫻井ゼミの2年生は、毎年、奈良県吉野町でフィールドワークを実施しています。今年度は吉野町の吉野山地区のまちあるきを実施したり、万博で吉野の割り箸ワークショップを開催したりしました。そうした吉野町の課題や現状を取り上げ、各テーマをゼミで学修しました。その結果を、各グループで報告しました。
1. 櫻井ゼミCグループ
2年 西谷桜祐、中辻爽太、池本鉄心、大喜多心音【4名】
テーマ:吉野町について~吉野町の概要と課題
吉野町は奈良県中央部に位置し、紀伊山地に囲まれ山・川・森が広がる自然豊かな地域である。現状の課題は人口減少と高齢化、若年層流出による人材不足、財政状況の厳しさ、空き家の増加である。町が掲げる解決策として「森林環境の適正化」「民間活力の導入」を提示し、新たな解決策として子育て支援と移住促進を提案した。具体例として北海道上士幌町の取組を紹介している。
2. 櫻井ゼミAグループ
2年 太田力斗、市川湊太、松川晴季、市位佳崇【4名】
テーマ:吉野町の環境とSDGs
吉野町の課題として木材産業・林業の衰退、木材が売れないこと、労働者不足、現場の高齢化(人口減少による担い手不足)を挙げ、SDGsの推進で乗り越えようとしている。SDGsに関わる地域産業として、割り箸の製造を示す。環境保護では「吉野の清流を大切に!」として川遊び後のごみ持ち帰りを求める条例を制定した。地理的条件から吉野材の集積地となり「製材のまち」として発展してきたこと、また「里山林活性化による多面的機能発揮対策交付金」により住民・団体の保全活動を国が支援し、伐採材・枝葉の資源活用を通じ林業振興と地域経済活性化も目指すことを説明した。観光面では、ごみ持ち帰り等のマナー啓発や公共交通利用促進によるCO2削減を例示し、個人ができる行動を提言した。
3. 櫻井ゼミBグループ
2年 大下亮、山内愛翔、井上遥斗、西川楓【4名】
テーマ:吉野杉の林業~伝統と課題、そして未来への挑戦
吉野林業は500年の歴史を持つ日本三大人工美林の一つとして、密植、多間伐、長伐期により、年輪が緻密で節の少ない高品質な「吉野杉」を生む。奈良県は森林が県土の約8割を占め、人工林率も高い。課題は、急斜面が続くV字谷地形による運搬コストの高さ、鹿の食害に伴う防護対策費増、住宅様式の変化による需要減と木材価格低迷、過疎化による就業者高齢化・技術継承断絶などで山守制度が維持困難になることである。解決策として、「奈良型作業道」により、ヘリ依存からトラック輸送へ転換してコスト削減し、災害に強い路網を普及・継承する。さらに、吉野町・川上村・東吉野村連携のプロジェクトでJ-クレジットや自然共生サイトを通じ森林の多面的価値を経済化し、木造建築等での需要拡大、六次産業化と商品開発、科学的管理ができる次世代フォレスター育成を進めるとしている。
4. 櫻井ゼミDグループ
2年 永山大稀、市野裕介、中西暁大、又吉瑛斗【4名】
テーマ:吉野町のグルメ ~吉野葛
吉野町の食の魅力として柿の葉寿司、あまご、茶粥などを紹介し、「吉野葛」を解説した。歴史は江戸時代中期に吉野地域の葛粉が好まれ食文化として定着した。「中井春風堂」の葛餅・葛切りは賞味期限10分で、香りや食感、見た目が特徴である。生産量減少の要因として職人減少、葛根採取の「堀子」減少、高齢化を指摘した。活用策は体験コーナーや栽培・管理施設、都市部出張販売や県内販促を提案した。また、観光課題を踏まえ、吉野葛活性化と観光活性化を結論としている。
5. 櫻井ゼミEグループ
2年 西村壮馬、宮端蒼、野村謙信、山口陽翔【4名】
テーマ:吉野町の自然環境の活用
吉野町の豊かな自然環境として山林・渓谷、河川・湖、森林保全とヘルスツーリズムの可能性を整理した。県外事例として沖縄の「ジャングリア」や、六甲山アスレチックパークGREENIAを参考に、吉野町でもよりインパクトの強い自然活用を目指す。提案は「自然共生型アミューズメント施設」で、渓谷をまたぐ絶景空中サウナ&ジップライン、吉野山での自然共生型アスレチックを構想した。現状の自然活用に加え、空き家活用やテーマパーク整備の方針も論点とした。
