活動テーマ:産業都市における新産業の活性化によるまちづくり
産学連携先:アミング潮江商店街振興組合


 尼崎市でのフィールドワークは、夏と冬それぞれ1回ずつ行きました。夏はゼミ生の全員で参加しタピオカの販売、体験型ブースとして射的を行いました。活動の目的は「いかにして塩江商店街の夜市を盛り上げることができるか」でしたので、企画段階ではどうすれば老若男女が来店してもらえるかどうかを考えました。その結果、近年若い層を中心に人気となっているタピオカカ、そしてお子様連れの親御様や、お年寄りの方々にも懐かしんでいただけるように射的を企画しました。その後の準備は櫻井先生の手厚いサポートもあり迎えた当日は、私たちが想定していた以上のお客様に来店していただき、店の前には長蛇の列ができました。私はお客様が安全に列に並んでもらえるように列を整列させる役割を担っていましたが、お客様の多さに圧倒されてしまい、最初はお客様からお叱りを受けることもありましたが、時間がたつにつれて徐々に順応していき大きな声と最後尾と書かれた看板を高く持ち、お客様を安全に整列させることに成功いたしました。夜市が終わった後はゼミ生全員が満足気な顔をしており、結果的には大成功であったと感じました。この経験を機にゼミ生の仲も一層深まったのではと考えました。
 又、冬はスタンプラリーを行いました。子供を対象としたイベントであった為、子供受けが良くなるようにスタンプを手作りでサンタ柄にし、スタンプ台紙にスタンプのある場所をわかりやすくするように地図を掲載するなどの工夫を施しました。当日は気温が低く、夏ほどの集客は達成できませんでしたが、多くの子供と触れ合うことができて、癒されたとともに、私自身の子供のころの純粋な心を取り戻せたような気がします。(谷 颯馬)

 この活動は、本学のキャリアゼミの支援によって実施しました。

学生活動状況報告

 今回の尼崎のフィールドワークで感じたことは、住民の方々との交流を通じて暖かさを感じることができたことです。このようなことを書くとありきたりだと思われるかもしれませんが、実際に私は一番感じることができました。尼崎市と聞いてフィールドワークへ参加する前は正直、良い印象ではありませんでした。ガラの悪い人が多く、町の雰囲気も何となくではありますが、暗いといった印象でした。しかし実際行ってみると人情味あふれる商店街がありました。私たち学生を優しく受け入れてくれる住民や無邪気な子供たちと出会うことができました。以上のことから、自分自身が持っている固定概念や感覚、印象というものは実際とは大きく異なることもあるのだと感じました。近年はネットの普及でコミュニケーションツールが数年前とは大きく異なりました。しかし、いつの時代になってもコミュニケーションの基本は直接会って話すことなのだと今回の経験を経て再確認することができました。
 今後はこのフィールドワークの経験を糧に、就職活動を進めていくにあたって、ネットの評判や噂話に頼りすぎず、実際に自分の足で企業へと訪問し、直接目で見て確認することが大切であると考えることができました。

経済学部 谷 颯馬

 コミュニケーション能力が大事なことに気づきました。普段の大学生活では同世代の人と話す機会がほとんどの中で、尼崎市での活動は、様々な世代の方と接する貴重な機会になりました。
 7月の祭り行事は、屋台を出店していることから、家族で訪れている方が沢山いました。その中で、小学生の子供達に屋台に訪れて頂く機会が多く、接する機会が多かったです。子供達と接する際に、伝わりやすい表現方法を意識しました。同じ目線になって会話をしたり、手や体を使って全身で表現したりしました。これを意識して会話をしたことで、相手の考えも気にしてコミュニケーションをとることが出来たので、初対面で接する方を、身近に感じることが出来ました。
 コミュニケーション能力は、元から私自身の長所としても意識していました。しかし、この課外ゼミ活動を機にさらに成長したと感じています。インターンシップや就職活動を行ってきて、複数人で議論する機会が増えました。よって、相手の立場なども考えながら接したり、表現方法を意識したりしています。これは、課外ゼミの活動を経験したことで受けた、良い影響でした。

経済学部 西川 博登

参加学生一覧

海道 亮汰、田添 美穂乃、辻 泰治、福間 勇太、吉田 美来、山本 康富、大西 慧生、山下 えり、池田 達弘、大谷 篤矢、勇 亨輔、上松 嵩弥、竹邊 聖偉、西川 博登、藤田 雅也、山崎 孝明、谷 颯馬、山本 泰祐

ゼミ集合写真

連携団体担当者からのコメント

アミング潮江商店街振興組合
理事長 田中 正喜 様

 夜市の準備から、ゴミの処理、本部の役割など手伝ってもらった部分が多かったですが、学生の企画がとても盛り上がってよかったと思います。若者が商店街の活動に参加してもらったことは、若い人という点でお客さんに喜んでもらえたと思いますし、多くの集客にも繋がったのではないでしょうか。
秋からは一から企画に入ってもらったことで、お客さんもたくさん集まったし、喜んでもらえたと思います。今後の課題は、一部の企画だけではなく全体の構想や企画などにも携わっていただきたいと思います。
 最初はどうなることかと思いましたが、この一年でとても成長したと思います。

アミング潮江商店街振興組合
商店街アドバイザー 堀 登志子 様

 アミング潮江商店街は、四半世紀前に再開発で生まれた商店街です。市花ハナミズキが植樹された約600mの歩行者専用道路をはさみ、当時は白かったビルの一階二階に店舗が入っています。このすばらしい環境が、今では自転車が爆走し、新築が続く近隣マンションに住む子育て世代は滞留しない、もったいない空間になっています。
 ここにやってきてくれた学生18人。グループでの視察の後の報告会。「商店街に思えない」「住まいの近くの商店街なんて行かない」との声。ここでなにするのという表情でした。そんな彼らに、いきなり夏の夜市で店を開いてもらい、準備から後片付けまで有無をいわさず手伝ってもらい・・・どうなることかと思いましたが、驚くことにすでに個々に課題を見いだしてくれていました。夜市後、グループにわかれて、10月から年末までの三つのイベントを舞台に、個々の課題を投げ、企画から実行まで行ってもらいました。商店街メンバーでは思いつかないような企画をたて、最後まできちんと実行。店主にも協力を仰ぎ、お客さんにもきちんと対応し、すばらしい場を創出してくれました。商店街メンバーにとっても、新しい視点を得、「やる気」を刺激された様子。事業を自分ごとで実施する姿勢が生まれました。
 最後の振り返りアンケート。驚きました。この商店街のリソースをきちんと分析し、店主達が誇るべき「魅力」を見いだし言葉にかえ、新しいターゲットを提案してくれています。
 これからこの商店街が「まちの人に必要とされる」場として生き残るために、参画して下さった18名の学生は個々にすばらしい存在を果たしてくれました。感謝です。

教員のコメント

経済学部 櫻井靖久 准教授

 今回のフィールドワークでは、一部ですが全て学生に任せてみました。最初の夜市では、商店街の方々の指示に従って、不満げな感情も出しながら活動する姿に不安も感じておりました。しかし、私よりも商店街の方々が前向きに捉えていただいたことに救われたと思います。秋には、企画から参加したことで、学生たちは責任感を持って活動できたと思います。特に、商店街の方々のエネルギッシュな姿にひきづられながらも、自分で考えて意見を伝えることができるようになったように、学生の成長にとてもよい影響をもらったと思います。この点は、協力していただいた振興組合理事長の田中さん、アドバイザーの堀さん、各店舗の皆様には深く感謝申し上げます。