産学連携先:JA南さつま

 離農が増加している日本の農業ですが、食糧問題への取組、食料自給率の低さは社会問題として認識されており、効率的かつ持続可能な農業経営の実現は農業の活性化を図るために必要です。
 効率的かつ持続可能な農業経営には、ITやAIの活用も注目されていますが、農産物そのものの価値を伝え、地域のブランドを高める高付加価値戦略も重要となります。そこで注目されるのが農業の六次化です。これは、一次産業×二次産業×三次産業すなわち農産物生産×食品加工×流通・販売を意味しています。
 鹿児島は美味しい農産物が多いにもかかわらず、全国的にその知名度が低い状況です。
鹿児島でも農業の六次化に取り組まれていますが、阪南大学生にできることは何かを考えました。そして、鹿児島の産品を使った商品開発に取り組むことにしました。
 今回は、JA南さつまにご協力いただきまして、鹿児島の美味しさを大阪で広めることを目標に、石倉熟成さつまいもと、カツオ×カケルを使った商品の開発、販売に取り組みます。

学生活動状況報告

経済学部3年 藤野 颯太

さつまいもの商品開発—焼き芋、さつま芋スムージーの試作
 石倉熟成のさつまいもは、開聞岳の見える場所でつくられています。さつまいもにはさまざまな種類がありますが、今回は「べにはるか」「ふくむらさき」「マロンゴールド」の3種類です。SDGsの観点から、規格外の大きさのものを送っていただきました。小さくても大きくても、甘くておいしかったです。小さい方が、こどもよこちょうのイベントには向いている、という意見もありました。また、異なる色合いを楽しめるよう、スティック状に切ってから調理したり、三色大学芋にしたりする案もでました。
 私たちのグループでは、さつまいもを使ったスイーツを開発しようと取り組みました。その中で、外でも食べやすく子供から大人まで楽しめるものにしようと考え、スムージーを作ることにしました。
 開発を進めていく中で一番大変だったことはスムージーとしての触感です。蒸したさつまいもと牛乳を混ぜて試作をした際には、想像していたよりもさつまいもが小さくならず、口に入れたときにさつまいもの繊維がかなり気になってしまいました。そこで私たちはさつまいもを裏ごししてペーストにし、ミキサーで混ぜました。ペーストを作る際に混ざりやすくなるようはちみつや生クリームを加えたことで、スムージーにしたときの甘みを同時に足すことができました。この工程は、家で作る際に子供にも手伝ってもらいやすく、余ったペーストをスイートポテトに使えるなど一つの工夫で食材を余らせない大切な工夫ではないかと考えます。
 2024年度も、カツオ×カケル×阪南大学、さつまいも×阪南大学で、鹿児島の味や魅力を大阪に広められるよう、取り組みます。