今、世界で高齢者人口の割合が最も高い国は日本です。国の総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれますが、日本が「高齢化社会」に突入したのは1970年。その後1994年には「高齢社会」に、2007年には「超高齢社会」へと突入し、2021年10月1日現在の高齢化率は28.9%です。
 今後、年間死亡者数がピークを迎える2040年まで、日本の医療ニーズはどんどん高まってくることが予想されます。それに伴い、終末期医療費も膨大になることが予想され、在宅医療に対する期待は高まるばかりです。そんな中、喫緊の課題は在宅医療の提供体制を整えていくことだといえます。
 日本の在宅医療を促進する方法として、今回、在宅療養支援診療所(居宅で療養する患者からの連絡に24時間対応することができる診療所)と訪問看護ステーションの連携をよりスムーズに、より効率的に行えるような他職種他機関アプリを開発し、患者宅を訪問した訪問看護師がスマートフォンやタブレットを用いてアプリを操作し、医師は診療所内からオンライン診療を行うという試みを提案します。そして今回は、アプリから送信された情報に基づき、薬局から患者宅にドローンで薬が届けられるという想定のもと実証実験第3弾を実施しました。
 アプリは、本学経営情報学部の前田利之教授のご協力のもと作成しています。今回の実証実験には阪南大学田上博司学長にご同行いただきました。また、和歌山県伊都郡かつらぎ町のごんべえドリ薬局かつらぎ店訪問介護ステーションおやつの皆さまにもご協力をいただきました。さらに、ドローン教習所えんdo 京都校の遠藤隆恭講師には、ドローンの様々な登録に関してご教授いただいた上に、学生にドローンの基礎から始まって特訓までしていただき、本当に多くのご尽力を賜りました。
 なお、実証実験第1弾では、診療所の医師と本学保健室の看護師をアプリで繋ぎ、オンライン診療の実証実験を行い(第1弾の様子はこちら)、第2弾では、和歌山県伊都郡かつらぎ町の前田医院と、かつらぎ町のグループホーム太陽の家をアプリで繋ぎ、西本ゼミ3年生とともに実証実験を行っています(第2弾の様子はこちら)。


  • 薬局前でドローンの準備

  • 薬を装着したドローン

  • 飛行中

  • ドローンから撮影

  • ドローンを待つ施設の皆さん

  • 薬を受け取る施設の皆さん

  • 集合写真(施設前)

  • 集合写真(薬局前)