「はぴなん水」(ミネラルウォーター)の製造を委託するサカイキャニング株式会社を訪問しました(経済学部三木ゼミ3年生)

 2016年6月1日(水)、経済学部の三木ゼミ3年生は、和歌山県伊都郡かつらぎ町にあるサカイキャニング株式会社高野山麓かつらぎ工場を訪問し、本学経済学部OBである代表取締役社長の阪井克行さん、品質保証本部品質保証課の水浪鈴巳さんにお話をうかがいました。
 経済学部三木ゼミ3年生は、サカイキャニング株式会社・阪南大学生協と連携し、「はぴなんどら焼き」に次ぐ本学のイメージアップにつながる新たな商品として、「はぴなん」をラベルデザインに起用した「はぴなん水」(ミネラルウォーター)を企画しました。この「はぴなん水」の製造をサカイキャニング株式会社に委託しています。
 サカイキャニング株式会社は、大正元年に「阪井商店」として創業、その後「阪井鉱泉所」として、高野山の参拝者を対象に飲料を製造販売していましたが、現在はコンピュータで徹底管理され先進設備を有する新工場で、受託商品を中心に数々の商品を生産しています。またこの高野山麓かつらぎ工場で採水された自社ブランドミネラルウォーター「大師の水」は、2007年から16年まで10年連続でモンドセレクション最高金賞を受賞し、その美味しさは世界でもしっかりと評価されています。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。

今回の訪問を通じての感想・気づき

徹底された衛生環境に感動しました 山田 恭歌 さん(3年生)

 今回私たちは、和歌山県に本社を置くサカイキャニング株式会社の高野山麓かつらぎ工場を訪れました。私たち三木ゼミは、阪南大学の公式キャラクター「はぴなん」を起用した「はぴなん水」という阪南大学オリジナル商品を企画しており、その製造を委託したのが今回訪問させていただいたサカイキャニング株式会社です。代表取締役社長の阪井克行さんは本学のOBの方で今回の訪問を快く了承してくださいました。
 サカイキャニング株式会社は大正元年に設立した会社で、高野山に参拝される方々に飲料を提供したことから始まったそうです。現在受託生産がほとんどだそうで、自社製品としては「大師の水」の生産・販売をしておられます。「大師の水」はモンドセレクション最高金賞を10年連続受賞されていて、高野山のお寺のお土産物として寺院や関西国際空港などで販売されています。
 私たちが見学させていただいたかつらぎ工場では2つのラインで形成されており、1分間に500本の飲料の生産能力があるそうです。1日の能力は72万本、年間約1億本の生産をしているということを聞いて気が遠くなるような数だと思いました。生産の特徴は、ペットボトルに詰める液体の温度を85℃にすることでペットボトル内部をその熱で殺菌するという「ホットパック」という手法だと思います。少し空気の入るキャップの部分もロボットがすべて余すところなく殺菌していて、見ていてとても面白かったです。
 私がこの会社に訪れて一番強く感じたのは衛生に対する姿勢でした。ライン工場に入ることのできる出入り口は一つでエアシャワーは当然ありますし、工場内のいたるところに虫を引き寄せる音の鳴る蛍光灯が設置されていました。これは裏に粘着シートが貼られており、そこについた虫の種類や数を数えて虫の侵入を許さない対策を練るそうです。さらに、清浄度が高い部屋ほど圧力を上げて虫が入らないようにする工夫などもされていました。2,3日に一回薬液で工場内部を洗浄するそうなのですが、ここも工夫がなされていました。パイプが中ですべて繋がっていて、一カ所から薬液を流せばすべてを洗い流して戻ってくる仕組みになっているそうです。洗い残しや濯ぎ忘れを防ぐためにそうなっているようです。そのうえ御手洗いでは、消毒をしなければ扉が開かず外に出ることができないという徹底ぶりで驚きました。
 今回の訪問では中小企業が大手とやりあっていくには先のことを見越した事業展開はもちろんのこと、徹底した衛生管理もかなり大きく重要なことなのだと感じました。

こだわりのある飲料製造 椎葉 昌也 さん(3年生)

 6月1日、今回私たち三木ゼミは「はぴなん水」の製造を委託している和歌山県にあるサカイキャニング株式会社を訪問しました。工場のある高野山麓の景色は緑が多く、私の田舎を彷彿させました。見学させていただいたのは高野山麓かつらぎ工場という大きな工場で、後ろには紀ノ川が流れており豊かな自然の中に建っていました。
 到着後、スタッフの方に事務所に案内していただいて、代表取締役社長の阪井克行さん、品質保証課の水浪さんから事業内容や沿革について教えていただきました。サカイキャニングの歴史は私が思っていたよりも古く、大正元年に「阪井商店」として阪井金四郎氏が創業して以来ずっと続いています。大正時は地元地域でサイダー・みかん水の製造販売、昭和45年に缶コーヒーの製品化に成功して近畿地方で「サカイコーヒー」を販売、56年には「大師の水」の製造販売を開始しました。62年からは大手メーカーの勢いに押されてきたため、受託生産に切り替えました。平成3年2月に「サカイキャニング株式会社」を設立、現在は10年連続モンドセレクション最高金賞を受賞している「大師の水」といった清涼飲料水や乳製品、缶詰又は瓶詰食品などの製造をしています。この「大師の水」は高野山麓の地下から汲み上げられている軟水で、「はぴなん水」にも同じ水を使わせていただいています
 一通り教えていただいた後は、引き続きお二人に実際に工場内を見学させてもらいました。この工場内にはPETラインとCUPラインの2種の生産ラインがあります。PETラインは加熱殺菌した高温の飲料のもつ熱で、充填時に容器と栓の内面を殺菌するホットパック方式により品質の高い商品づくりを実現。CUPラインでは中味も容器も栓も滅菌状態で充填するアセプティック方式により滅菌方法、包装形態を様々に対応できるそうです。回ってみて、驚いたのは品質管理にとても慎重で徹底されていたことです。工場内での服装もですが手洗い・消毒・エアシャワーがハード的に義務付けられており、防虫・防塵対策もハード・ソフトの両面から万全にされていました。外注したペットボトルの容器を取り出して、中味を充填していくという作業のひとつひとつにも細かい品質チェックがされており、段ボールにボトルを入れていく作業にも細かい管理がなされていました。私は飲料の製造についての知識はありませんでしたが、このように徹底した管理がされているのを目の当たりにしてサカイキャニングがお客様に安全・安心に飲んでもらえるように努めていられるのがわかりました。
 これまで飲料の製造というものにあまり関心がなかったのですが、こんなにも手間をかけて品質管理に細心の注意を払い、同じお茶や水でも他社との違いを出すために抽出条件や茶葉などを変えていること知って、私は飲料製造に対する認識が甘かったと感じました。現在もサカイキャニングで製造していただいている「はぴなん水」をぜひ多くの人に買っていただきたいです。

徹底は成功の基となると感じました 松井 大輔 さん(3年生)

 今回、私たちは、キャンパス内で販売する予定である「はぴなんウォーター」を製造していただいているサカイキャニングさんを訪問し、製品が作られる工程に関するご説明や工場見学をさせていただきました。
 まず、サカイキャニングさんについて説明します。高野山の近辺である、和歌山県の伊都郡に工場があり、大正元年から飲料を製造されている歴史ある企業です。「高野山に登る人のために」という意図がきっかけとなり、高野山の恵まれた水を用いて、飲料の製造を始めたそうです。創業当初の名称は「阪井商店」であり、阪井金四郎さんが立ち上げました。
 今回、私は、工場見学やご説明を通じ、企業としての創意工夫に触れました。私は今回知ることが出来た創意工夫の中で、特に「衛生管理」と「プライベートブランド、受託生産」という点が印象的でした。まず衛生管理についてです。工場内に入る際、まず、専用の服に着替えます。そして、マニュアルに沿った手洗いを行い、エアシャワーにより付着物が無い状態にします。これらを行わないと入場出来ない仕組みになっており、衛生管理が徹底されていることが伺えます。工場内においても、ペットボトルを仕入れる際、大量のペットボトルがビニールで包装されており、先ほどと同様にエアシャワーを行い搬入されるなど、外部からの汚染を防ぐ対策が厳重になっています。他にも、工場内の空気の換気、パイプの1本化による、清掃効率向上、品質管理室による品質の厳密なチェック、など、衛生・品質面においてとても尽力されていました。飲料物をペットボトルに入れる際には、液体温度を85度にし、キャップが閉まった後には、機械で流れながらペットボトルを多方向に傾け、ペットボトル内を殺菌するなど、並みならぬ管理体制にとても驚きました。次に、「プライベートブランド、受託生産」についてです。現在のサカイキャニングは、ほとんどが受託による生産となっています。これは、近年の大手企業やコンビニの発展に伴い切り替えたもので、時代背景に沿った工夫を生かした方法で、同時に「大師の水」という自社ブランドの販売も行い、この「大師の水」は10年連続でモンドセレクション金賞を受賞しており、企業を経営するにおいて「武器」となるモノを強く感じました。
 企業が生き続ける為に大切な事や考え方を今回の訪問で学びました。自身の将来の就職先の業務においても、この学びを生かしていきたいと強く感じました。

ご参考