MOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)を訪問しました(経済学部三木ゼミ 2年生)

 2015年6月10日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は東大阪市にあるMOBIO(モビオ)を訪問しました。
 MOBIOは、大阪府がクリエイション・コア東大阪に開設した、府内全域の中小ものづくり企業のための「ものづくりの総合支援拠点」です。 平成22年4月に大阪府ものづくり支援課もここに移転し、まずます充実したものづくり企業の支援を実施しています。
 三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。
 以下に、今回の校外学習における学生たちの「気づき」を紹介します。

中小企業の素晴らしさが分かりました 2年生 阪上 優里菜

 今回、私たちはMOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)を訪問しました。MOBIOは大阪府が開設した、府内全域の中小ものづくり企業のための「ものづくりの総合支援拠点」です。中小企業にあまり訪れたことがなかったので大企業と中小企業の違いを学べたらという思いで訪問しました。
 初めに、会議室でお話を伺いました。大阪の中小企業の海外進出実績として多いのは中国です。最近は東南アジアへの進出が多く見られ特に人気があるのがタイ、ベトナムです。次いでインドネシア、マレーシア、フィリピン、ミャンマーです。
 次に、実際に日本最大級の中小企業を展示した200のブースを時間の許す限りご説明いただきました。ここで、私の疑問に感じていた大企業との違いについて知ることが出来ました。初めに説明していただいた企業は、松浪硝子工業株式会社です。この会社は、ガラスを製造しています。よく小学校で使うプレパラートや50ミクロンの薄いアーチ状のガラスも作ることが可能です。そして、私が一番印象に残っているのは、デンタルプロ株式会社です。これは、歯間ブラシや女性なら気になるだろうほうれい線を薄くするブラシを販売しています。将来から使うと言わず、今からほうれい線のブラシを使いたいくらいです。また、株式会社アイテックは、私たちが普段使っているスマートフォンに内蔵されている熱伝導・電気伝導性に優れた新素材を開発しています。携帯の中に入っている材料も携帯電話メーカーが全部作っているものだと思っていたのでこの話を聴き驚きました。
 また、各企業のブースの右下には名刺入れが設けられています。名刺が入っていたら、その企業へ連絡を取り企業同士の商談の契機にしているのです。
 今回、さまざまな中小企業の展示があるところを訪問することができて良かったです。MOBIOへ行くと大阪の全ての中小企業の会社が分かるのではないかという程数多くの展示品がありました。この校外学習を通し、たくさんの中小企業の魅力が分かったのでそれを就職の際に役立てられればいいなと感じました。

ものづくりのこれからのために 2年生 椎葉昌也

 2015年6月10日、私たちはものづくりビジネスセンター大阪を訪問させていただきました。周りを市役所、JAなどに囲まれた四角い建物で周辺地域と関わっている施設なのだと一目でわかりました。南館から入館して北館へと進むと、施設内に歯ブラシや螺子、シューズなど様々な製品が、製造した中小企業の説明と共に展示されていて目を引きました。
 エレベーターで3階へと上がり会議室で中小企業の魅力、課題、大阪府のものづくり支援について説明していただきました。大阪のものづくり中小企業は事業数、従業者数にて1、2位で金属製品や産業用部品などが強い、企業グループによるグローバルな展開、小型人工衛星プロジェクトを実施している、などを聞いて大企業に隠れて印象が薄かった中小企業に少し関心を持ちました。しかし適した後継者が見つからないなどの理由で小さな事業所から減少していっており、これは製造を主とした中小企業ならではの大きな問題だなと感じました。この問題に業種転換や海外への進出、新しい内需の創造といった事業展開で解決していくらしく、こういった中小企業の変革や挑戦を支援しているのが「ものづくりビジネスセンター大阪」通称「MOBIO」。幅広くきめ細やかにビジネス機会を提供するために大阪独自の仕組みとして「B2Bネットワーク事業」、「ビジネスマッチング推進事業」や週2〜3回開催される交流会「MOBIO−Café」など5つの重点施策を中心に様々な支援を行っているそうです。
 説明が終わった後は1階へと戻りコーディネーターの兒玉さんに丁寧に紹介していただきながら常設展示場を廻りました。たくさんの中小企業の優秀製品・技術が展示・紹介されていて海外や大手メーカーなどとつながりを持つことを目的とされています。紹介された、個人的に気になった展示についていくつか記していきます。まず電化製品・自動車・建築物から光海底ケーブルなどの異形線・部品を製造している「ナミテイ」、160年以上の歴史をもつ特殊薄板ガラスの熔融・加工を得意とする技術指向型企業の「松浪硝子工業」、シボや写真を3DCAD化によって高精度な金型の製作を行う「日清精工」、大型・小型スピーカーやエンコーダーなどの極細スリット微細な穴を大量に加工するエッチング加工に優れた「エス・ジー・ケイ」、世界で初めてフィルム・インサート・テクノロジーを開発したフィルター・レンズの製造に優れた「山本光学」等々、他にも多くの気になる企業が展示されていました。
 名前が全国的に知られた大手の影で優れた技術を持って細やかな製品をつくる中小企業、今回の訪問で訪問前から印象が変わりました。ひとつひとつに特化した中小企業らによって大手は良い商品を提供できているのだ、こんな優れた職人芸を持つ中小企業をもっと多くの人に知ってもらえたらなと感じました。

魅力的な企業がこんなにも存在していることに驚きました 2年生 松井大輔

 今回、私たちは東大阪市のものづくりビジネスセンター大阪を訪問させていただき、日本を支えている中小企業の実態や魅力について大阪府内の企業を中心とするご説明、また展示場の見学を通して学びました。
 まず、ものづくりビジネスセンター大阪とはどのような施設なのかを学び、当施設は大阪府と関連機関が連携して中小ものづくり企業の新技術・新商品開発、販路開拓を支援するための施設と知りました。特に大阪東部地域は技術力の高いものづくり企業が集積している地域であり、イノベーションの促進拠点としての役割を担っています。
 最初に大阪府商工労働部ものづくり支援課の楠本参事に大阪のものづくり企業の現状についてご説明を受けました。大阪のものづくりは金属製品の生産が他と比べても多く、これは歴史的にも長く伝わっており、8世紀の河内鋳物師と呼ばれた金属鋳造の技術者集団が存在していました。また、金属類のみならず他府県と比較しても、割合的に多種多様な分野の企業が存在しており、事業数も全国で最も多いことから日本の技術の中心地であり、かつて「東洋のマンチェスター」と言われたことにも納得しました。しかし、こうした中小企業が集まっている大阪も近年、大手メーカー生産拠点の海外移転やグローバル調達、事業承継問題、少子化などによって事業所数が年々減少しており、開廃業率に関しても長らく廃業率が上回っているのが現状となっています。少子化が進行していることによる、事業者の減少は仕方のないことと感じますが、高い技術力を持っていながらこれから就職する年齢層、特に大学生などに知られている企業は少ないと感じています。実際に私自身、大阪のものづくり企業についてのご説明後、各企業の展示ブースを拝見させていただき、高い技術力に驚き興味を抱きましたが、初めて耳にする企業名も沢山ありました。中小企業の技術の高さや魅力に触れてもらう機会を多く設けるべきだと感じました。
 今回の訪問で私は大阪のものづくり技術の高さにとても驚き、また中小企業についての理解と関心が深まり、もっとたくさんの企業について調べたいと思える良い機会となりました。また、どのようにして知名度を上げ、世間に知らせるか、アピールしていくかが中小企業の就業者数確保の今後の課題だと感じました。

【ご参考】