「三木ゼミ生が魅力ある就職先と考える大阪のものづくり中小企業」

 2023年7月19日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、大阪市都島区にある株式会社中央電機計器製作所を訪問し、代表取締役の畑野淳一さん、経営企画室室長の田彬さん、経営企画室の峯百花さん、他の社員の皆様にお話をうかがいました。
 株式会社中央電機計器製作所は1930年創業、画像検査システム、計測制御システム等の設計・製作、ソフト開発 (LabVIEW 他)等を主な事業内容とし、電子・電気計測機器分野でオリジナル製品を手がけてきました。数々の受賞歴があり、近年では中小企業庁が様々な分野で活躍している中小企業・小規模事業者を選定する「はばたく中小企業・小規模事業者300社」を受賞するなど、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。

 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部2年生 金城 寧々 さん

1. はじめに
 今回、三木ゼミで中央電機計器製作所に訪問した。中央電機計器製作所は、社会の安全、安心を守るために欠かせないテストや計測、制御システムをカスタムメイドで製作している会社です。創業から93年培った計測分野の技術を合わせ、ハード・ソフト両面から設備の遠隔監視や制御、目視検査の省力化等、DXを推進しています。
2. 印象に残ったこと
 1つ目は取引先の大手電機メーカーM社と70年も続いているということです。長く取引をするにあたってのポイントは「人と関わる際のコミュニケーションや細かいフォロー、気遣いを大切にしている。また、お客様の要望に応えられるように解決策をしっかりと考えるということを意識している。」とおっしゃっていました。このことを聞いた私は、コミュニケーション能力は仕事面でもプライベートでも大切なのだなと改めて感じました。私自身、人と話すことが好きなため、初対面の人とも比較的話せるほうだと思います。最近、アルバイトを変え、スーパーのレジ店員から居酒屋のホールスタッフとなりました。居酒屋のアルバイトではレジ店員よりコミュニケーションを取る機会が多く、お客様との距離が近くなると働き始めて感じでした。違う職種のアルバイトをしたことによって、私はコミュニケーションを取る機会の多い仕事のほうが向いていると感じました。将来、仕事を上でコミュニケーション能力は重要となってくるため、色々な経験をし、もっと自身の能力を高められるようになろうと感じました。
 2つ目は海外拠点がタイにあるということです。現在、従業員が44名いる中で外国人社員が6名も働いていると知りました。私のイメージではパソコンなど機械を扱う専門分野の仕事では日本で海外の人が働くことは難しいのではないかと思っていました。なぜならば、お互いの言語の違いで伝わらないことや教えられないことが多いと感じるからです。でも、海外出張や海外の人が勤務していることからどんどん海外展開している職場や企業が多いのだと感じました。
 3つ目は必ず一度はドラマやニュースで私も聞いたことのあるMRIの超電導マグネットの状態を監視する機能や周辺装置のコントロールできる製品を製造していると知りました。そして、更に驚いたことは日本で製作されているMRIには必ず中央電機計器製作所の製品が使用されているということです。
3. 最後に
 このことから私は社長と社員の距離感やコミュニケーション能力や世の中を便利にすること、不可能を可能にできる企業を目指しているということが心に刺さりました。コミュニケーションの重要性を改めて気づかされ、誰もが耳にしたことのある大手企業でなくとも、見えないところや知らないところで私たちの生活に使用されているのだと感じました。

経済学部2年生 山中 夏妃 さん

 今回は、中央電機計器製作所様に企業訪問しました。中央電機計器製作所は、お客様の課題に合わせてのカスタムメイドが9割以上で、ハード・ソフト両面から開発・設計・製作、AI画像検査システムや遠隔監視・制御装置の展開などを行っている会社です。説明や実際に働いている様子を見学して、普段の生活では目にすることはないかもしれないが、私たちの生活の安全を守るのに役に立っていることを学びました。
 企業訪問の中で感じたことは、機械を遠隔操作すること、人が読んでいた数値をカメラやAIを使って記録する技術は将来、人手不足になる可能性がある将来の問題にしっかりと考えていると感じました。離れたところから操作、制御することができるので問題が起こっても、わざわざ遠いところまでいかなくても作業できるので、海外でも使用することができるのはすごく便利だと感じました。
 実際に働いている様子を見学して感じたことは、動画で見せていただいた寸法自動測定装置の説明は、わかりやすく折り紙を計測していて、折り紙なら人間が時間をかけて一枚一枚重ねたり定規で測ったりすると判別できると考えていましたが、実際は飛行機の外側や人の目では確認できないような極小な傷を正確に見つけることができ、折り紙の計測は約1分で完了するので圧倒的に速いし、正確に数値まで出るので機械には勝てないと感じました。
 画像認識AIに極小の傷を見つけるためには、正確な状態を学習させる必要があり、説明の時は手の形でグー・チョキ・パーをいろいろな角度から認識させ、瞬時にパソコンの画面に表示されていたのを見て、テレビなどでは見たことがあったが実際に自分の目で見てとても勉強になりました。
 最後に、質疑応答や実際に働いているところを見て感じたことは、仕事に責任感ややりがいを持って働いている方が多いと感じました。社員の方も若手社員の方も会社の雰囲気が良かったから、面接の中で自分の話したいことをしっかりと伝えられたなどを理由で中央電機計器製作所を選んだとおっしゃられていました。また、社長との距離が近いのですぐに伝えることができる、社長の人柄がよいなども会社の良いところだと感じました。

経済学部2年生 金城 寧々 さん

1. はじめに
 今回三木ゼミで河陽電線株式会社に訪問しました。河陽電線株式会社は、私たちの日常生活で使用しているコンセントのビニル電線を製造している会社です。日常生活に使用している商品の例を挙げると、テレビやドライヤー、充電器など電気を利用するものに使用されています。
2. 印象に残ったこと
 1つ目は差しっぱなしのプラグが原因で発火するというトラッキング現象です。コンセントに差し込んだプラグ周辺に、ほこりや湿気などが付着する、それによって、差し込みプラグの刃の間に電流が流れ、放電が起り、発火する。このことを知った私は、実際に、家の中で差しっぱなしのプラグを確認しました。すると、少しほこりが付着しており、普段見える部分ではないためこまめに掃除をすることやプラグ用のカバーをつけておくことが重要なのだと分かりました。今回知った私以外の人々にもプラグの差しっぱなしの状態に危機感を持ち、不慮の事故を無くして欲しいと感じました。
 2つ目は製造している室内の温度です。河陽電線株式会社では1つ1つの工程で手作業が多く、「完璧にできるようになるには3年はかかる」と聞き、高い技術力が必要なのだと感じました。機械の温度が180度まで上がることから、夏場は室温が約45度になり逆に、冬場は白い息が出るほどの寒さで、マイナスがつくほどの温度になるという温度差に私は驚きと過酷な作業だと感じました。私は中学生の頃、軟式のテニス部に所属していました。日差しがきつく、気温も暑い中や手が凍りそうなくらい寒い冬でも外でも部活をしていました。学校まで私は少し距離があり、徒歩で約30分かけて通っていました。毎日部活中も登下校時も暑さと寒さに耐えながら過ごしていました。しかし、その当時でもしんどいと感じていた私以上に仕事となるともっと過酷なのではないかと感じました。
3.最後に
 河陽電線株式会社は、地球環境に優しい企業づくりを目指し、電線を通じて、人々に安心、安全を届けるものを作っていきたいという意志を強く感じました。私たちが当たり前に使用できている製品には製造している人々の思いが込められており、何事もなく安心して使用できていることに感謝しなければならないと思いました。また、私たちにはまだまだやりたいことを実行できる時間があります。そのため、自分のしたいこと興味のあることには頭の中で考えることや思うことだけで終わらせずに自分自身にある可能性を広げ、実行していこうと今回の企業訪問で感じました。

ご参考