2023年5月24日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、八尾市にある株式会社中田製作所を訪問し、代表取締役の中田寛さん、及び若手社員の皆さんにお話をうかがいました。
 株式会社中田製作所は昭和52年創業、アルミ専門の精密部品機械加工メーカーとして高品質で魅力ある製品をお客様にお届けしています。納品先は液晶製造装置・半導体製造装置・産業用ロボット・医療機器など多岐に渡り、特に近年はアルミを含む幅広い金属材料に対する超微細加工技術の開発に成功。平成19年(2007年)と平成25年(2013年)には内閣総理大臣表彰「ものづくり日本大賞」優秀賞に選ばれるなど、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。なお、三木ゼミ2年生は毎年最初のものづくり企業訪問先として中田製作所の皆さんに大変お世話になっています。

 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部2年生 吉本 昂生 さん

 株式会社中田製作所へ企業訪問に伺い、アルミの精密加工技術から会社への思いまで社長や社員の皆さんから直接教えていただいた。
 企業に訪問させていただいてまず印象に残っている事は、会社の雰囲気がとても明るく和気藹々としていたことだ。自身は、製造業の方々は職人気質で寡黙なイメージがあったのだが、全く堅苦しさはなく、アットホームな雰囲気にとても驚いた。社長さんや社員の皆さんとの座談会をしているときも、皆さん常にニコニコと笑顔で接してくださり、簡単な質問から答え辛い質問まですべて真摯にお答えいただき感動しました。中でも社長さんに直接質問した際、まっすぐと目を見ながらお話を聞いていただいたこと、そして、学生の我々にも分かりやすいよう具体例を出しながらの説明や、笑いを交えながら丁寧にご返答いただいた事はとても記憶に残っています。
 座談会でたくさんのお話を聞かせていただいた中でも、これから先、将来の会社の在り方について尋ねた際に社長さんがおっしゃった「会社はチームである。しかし、チームワーク以上に大切なことがある。それは、社員一人一人の強さ。一人一人が強いから会社も強い、そんな会社を目指している」「そのために、社員が挑戦しやすい環境作りはしている」という言葉には強く感銘を受けた。多くの場合、会社としての発展やチームワークを強くすることに注目してしまいそうだが、まずは社員一人一人に目を向ける、その姿勢から社長の人柄の良さを強く感じ、同時に社員の皆さんがなぜこの会社で働いているのかがハッキリと伝わってきました。
 最後に、株式会社中田製作所への企業訪問と社長さんや社員さんとの座談会を通して、中田製作所の魅力はもちろんの事、社内の雰囲気や社長さんの思い、アルミ加工への情熱を肌で感じ、学ぶことができた。職場環境や福利厚生も素晴らしいが、それ以上に社長や社員の皆さんがキラキラと輝いており、自分も将来、このような素晴らしい人たちのいる職場でぜひ働きたい、と心の底から感じられる素晴らしい経験をさせていただきました。

経済学部2年生 木村 優耀 さん

 今回、中田製作所にフィールドワークを行いました。ここではアルミを精密に加工する技術、そしてそれを応用にアルミ素材以外にも対応している優れた中小企業だと知りました。

● 概要
中田製作所は、大阪府八尾市にある中小企業です。主にアルミ精密部品の超精密切削加工を行っています。また超微小径穴加工というミクロンレベルの穴をあけられる技術を有しています。
 また大阪府品質管理推進優良企業表彰など、これまでに様々な賞状を数多く獲得している非常に優秀な企業です。

● 感想
 中田製作所は多くの視点から見て優れた中小企業だと感じました。
 まず、アルミ素材だけでなく多くの物に大きい穴から、ミクロンレベルの小さい穴まで空けることが出来るという技術がある事です。実際、ミクロンレベルとはどのようなサイズなのか聞くだけでははっきりとは分かりませんでした。ですが、実際に穴のサイズの確認ができるものを用意して頂きそれを見ました。それは、とても小さくて簡単に出来るような技術ではないと感じました。そしてそれも、某有名キャラクターのデザインで作られており、穴のずれもなく精密に作られていたことに衝撃を受けました。また、ユニバーサルスタジオジャパンで使われているロボットの部品にもなっていると聞き、私たちの身近にあるそのようなところでも活躍されていることに驚きました。
 さらに、社長の人柄の良さが明確に分かる会社だと思いました。私が思っていた企業の社長のイメージは少し堅く、厳格な性格の持ち主というものでした。ですが、中田製作所の社長、中田さんはとても気さくな人で親しみやすいような人でした。その反面、私たちの面談の時には、真剣な表情で語っていらしたのでとてもメリハリのある方なのだろうと感じました。そのような人ですので社員さん達からの信頼も厚く、親しまれていて働きやすい雰囲気である会社を作れたのだろうと感じました。
 そして、その社員達の態度や人柄、そして仕事に対する姿勢が素晴らしいと感じました。私たちが聞いたことにも丁寧に対応してくださったり、工場見学を行ったとき、設備やもの、人の紹介もわかりやすくしたりしてくださいました。その上、おもてなしのようなものも用意して頂いたので、気遣いも素晴らしく感じました。
 この中田製作所は、技術面だけでなく社長をはじめとする、社員さんたちの人としての良さも非常に優秀だと感銘を受けました。この高度な技術は人柄の良さがあるからこそのものだろうと思いました。今回非常に優れた企業に訪問できたことは貴重な経験だと受け、この人柄の良さを見習います。

経済学部2年生 中谷 優花 さん

1. はじめに
 5月24日に大阪府八尾市上尾町にある「株式会社 中田製作所」を訪問した。お話を伺い、実際にプログラミングをしているところや製造しているところを見学した。

2. 事業内容
 中田製作所では、アルミ専門の技術者が精密部品を製造している。最新設備を導入しているが、設備だけでは精度・品質ともに限界がある。長年の経験、ノウハウ、技術開発を柔軟な発想で融合させ、機械加工の限界を超える超微細なアルミ精密加工技術を得意とする技術者集団である。
 鏡面切削加工や歪み抑制加工を活かしミクロンレベルの精度と複合加工技術が特徴の半導体製造装置や、大型プレート(1700mm)を中心とする平面穴あけ加工が特徴の液晶製造装置など徹底した品質管理のもと、試作開発品を含め1個から中ロット・量産対応まで様々なニーズに対応している。
 また、8カ月間の開発時間を要して、Φ5ミクロンの極微小径穴30カ所連続穴あけ加工技術が確立できた。ミクロンレベルの微細加工技術を応用し、精密微細加工だけでなく加工方法を工夫することによって、より難易度の高い超微細加工技術に挑戦している。
 そして、これらの加工技術が、大阪府品質管理推進優良企業表彰、IT経営百選最優秀賞受賞、厚生労働省高度熟練技能者認定、ものづくり日本大賞優秀賞2回受賞など多数受賞している。
 また、エミダス全国アクセスランキングでは6年連続1位となった。

3. 感想
 社長さんや社員の方が笑顔で快く接して下さり、たくさんのイラストとクイズを織り交ぜた企業説明は聞きやすくあっという間だった。入社一カ月目の方が企業説明を行っていて、早い段階で仕事を任せてもらえる機会があることを知った。そしてそれが、若手社員にとってのやりがいと会社の魅力につながっていた。工場を見学した時、既に完成していた複雑なプログラミングの作成プロセスを見ながら解説して下さり、やりがいと誇りを持ってお仕事に取り組んでいるのだと実感した。また、福利厚生もしっかりしていて、会社独自の記念日休暇や月に一度必ず有給休暇を取ることを義務付けていたり、社長との交換ノートを行ったり歳の近い先輩がマンツーマンでフォローしてくれ、その日に分からなかったことを質問する時間を設けるメンター制度を導入していて、働きやすい環境が整っていると感じた。実際に先輩後輩、役職に関係なく仲の良さが伝わってきてチームワークの重要性を学ぶことができた。普段企業訪問に訪れる機会はないのでとても有意義な時間を過ごすことができた。

ご参考