2026年6月24日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、大阪市平野区にある株式会社中川製作所を訪問し、代表取締役社長の中川敬晶さん他にお話をうかがいました。
 株式会社中川製作所は1979年創業、金属部品の切削加工を得意とするものづくり企業です。空圧工具や通信機器向けをはじめ、シャフトや継手、ピンなどの精密部品を試作から量産まで幅広く製造しています。2009年に法人化され、2022・2025年には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞するなど、高い技術力と品質が評価されている大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。
(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業局、地方独立行政法人大阪産業技術研究所で構成
 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。
【経済学部2年生 瀬川 空良 さん】

今回、中川製作所を訪問し、会社説明や工場見学、社員の方へのインタビューを通して、ものづくり企業の魅力や働く環境について学ぶことができました。
 まず印象に残ったのは、会社全体に「人を大切にする」という考え方が浸透していたことです。社員同士のコミュニケーションを重視し、社内改善活動やヒューマンエラー講習などを積極的に実施していると伺いました。また、「一日一笑」を大切にし、笑顔で働ける職場づくりを目指していることから、働きやすい環境づくりに力を入れていることが伝わりました。
 会社説明では、図や資料を用いながら丁寧に説明してくださり、製造している製品や仕事内容について理解を深めることができました。将来については、現在は国内を中心に事業を展開しているが、今後は海外への展開も視野に入れ、自社ブランドの確立を目指しているという話が印象に残りました。将来を見据えた経営を行っている点に、会社の成長への意欲を感じました。
 工場内は整理整頓が行き届いており、清潔で安全に配慮された職場でした。喫煙所も設置されており、健康面への配慮として禁煙手当があることも知りました。また、ベッセルやクボタなど多くの企業と取引があり、高い技術力が評価されていることが分かりました。特に、技術や経験を継承していくことが会社の将来にとって重要であるという考えが印象に残りました。
 若手社員へのインタビューでは、高校からの紹介で入社した方が、「職人気質ではあるが、人間関係が良く、話しやすい職場」と話していたことが印象的でした。上司や社長とも気軽に相談できる環境があり、社員同士も仕事だけでなく、日常的にコミュニケーションを取っているそうです。また、マニュアルや教育制度が整備され、工場見学や教育訓練も行われているため、未経験者でも安心して技術を身に付けられる環境だと感じました。給与は大学新卒で平均程度で、資格を取得すると資格手当が支給されるほか、年2回の賞与もあるとのことだった。努力や技術が正当に評価される制度が整っている点も魅力だと感じました。
 今回の企業訪問を通して、中川製作所は高い技術力だけでなく、人材育成や働きやすい職場づくりにも力を入れている企業であることを知ることができました。社員の皆さんが明るく丁寧に対応してくださったことも印象的で、ものづくりに誇りを持ちながら働いている様子が伝わってきました。今回の訪問を通じて、製造業の魅力や中小企業の強みを理解することができ、自分の将来の進路について考える良い機会となりました。

【経済学部2年生 武知 佑磨 さん】

私は今回、中川製作所を訪れて感じたことが大きく3つあります。
 1つ目は、社員のモチベーションを保つための努力です。例えば、社員に経営理念を説明し、「会社はこのような考え方で仕事をする」ということを伝えている点です。これは普通のことだと思うかもしれませんが、私はとても大切なことだと感じました。前回訪れた企業でも、会社の経営理念と社員の思いが食い違い、辞めていく若手社員が多く苦労していました。しかし、入社当初に会社の経営理念を説明しておくことで、会社の経営理念と社員の思いが食い違うことも少なくなり、仕事の方針が原因で嫌になることも少なくなると思います。また、社員が上司や同期と仲が良いことも仕事のモチベーションにつながっていると感じました。なぜなら、楽しいと自然と仕事が嫌になることがなくなるからです。売上を上げるには、やはり社員のモチベーションを上げることが一番だと思います。だから、中川製作所のように中川オリンピックを開催したり、登山部を作ったりすることは大切なことだと感じました。
 次に私が感じたことは、中川製作所がヒューマンエラーの講習を行っていることです。これは、社員が犯してしまったミスを個人に押し付けないという考え方です。この講習では、「ミスは誰でもするもの。ミスをした人を責めるのではなく、ミスをした原因を突き詰め、次にミスが起こらないように働き方を変える。そして、ミスをして新たな気付きを得る」という考え方を学んでいるそうです。私もアルバイトをしていて、やはりミスをすることがあります。ミスをした後は怒られることを意識してしまいます。しかし、この考え方が浸透すれば、ミスをしても気持ちが下がることなく、前向きに仕事ができると私は感じました。
 私が最後に感じたことは、自社の強みを存分に生かして仕事をしていることです。本来、中小企業では大手企業から仕事を依頼されて仕事をするため、なかなか自分たちがしたい仕事をすることができないというイメージがありました。しかし、中川製作所は安い仕事は引き受けず、自社の強みである技術力の高さやミスの少なさを存分に発揮できる仕事を引き受けています。その結果、お客様に価値を提供し、利益アップにつながったと話されていました。会社を経営する際は、自社の強みを存分に生かせる仕事を引き受けることも大切だと感じました。

【経済学部2年生 宮本 心華 さん】

今回、三木ゼミの企業訪問で大阪市生野区南巽駅近くにある中川製作所を訪問しました。実際に企業を見学し、社長や若手社員の方々から直接お話を伺うことで、ホームページや会社案内だけでは分からない企業の魅力や働く環境について深く知ることができました。
 まず印象に残ったのは、会社全体が品質を非常に重視していることです。社長からは、不良品を出さないことを大切にし、常に高い品質を維持するために努力しているという話がありました。その話からは、自社の製品や会社に対する強い誇りと責任感が伝わってきました。また、会社の強みについても分かりやすく説明していただき、製造業としての技術力だけでなく、品質へのこだわりが取引先から信頼される理由であると感じました。
 さらに、中川製作所は現在だけでなく、将来についても具体的なビジョンを持っていることが印象的でした。国内市場だけにとどまらず、自社ブランドの展開や西日本でトップクラスの企業を目指すという目標を掲げており、会社の成長に向けた姿勢が伝わってきました。また、安全性や品質の高い製品は今後も必要とされることから、AIが発展しても製造業は簡単には代替されず、将来性のある業界であるという説明にも納得しました。
 職場環境についても魅力を感じました。会社内は朝礼後に清掃を行うなど、整理整頓が徹底されており、とても清潔でした。また、社内には自社製品を使ったインテリアもあり、ものづくりへの誇りを感じられる空間になっていました。学生への対応も丁寧で、企業説明や工場見学では質問にも分かりやすく答えていただき、安心して見学することができました。
 人材育成にも力を入れていることが分かりました。教育訓練や工場見学などの研修制度が整っており、入社後約3か月は無理なく仕事を覚えられるよう配慮されているという話を聞き、新入社員でも安心して働ける環境が整っていると感じました。また、技術を身に付ければ給与が上がりやすく、年2回のボーナスも支給されるなど、努力が評価される仕組みも魅力的だと思いました。
 若手社員の方へのインタビューでは、人間関係の良さが特に印象に残りました。入社の決め手は福利厚生や職場の雰囲気の良さであり、実際に入社後も上司が話しやすく、仕事中も笑顔で働ける環境であると話されていました。また、自分が携わった製品を街中で見かけたときにやりがいを感じるという話から、ものづくりの仕事ならではの魅力を知ることができました。さらに、登山部やバスケットボール観戦などの社内活動もあり、社員同士の交流が活発であることから、働きやすい職場づくりを大切にしている企業だと感じました。
 今回の企業訪問を通して、企業を選ぶ際には仕事内容だけでなく、職場の雰囲気や人間関係、人材育成制度なども重要であることを学びました。私は製造業そのものにはあまり興味がなかったが、中川製作所のように社員を大切にし、品質へのこだわりや将来への明確な目標を持つ企業であれば、安心して働くことができると感じました。今回の企業訪問で得た学びを今後の就職活動にも生かし、自分に合った企業選びをしていきたいと思います。