2026年4月15日(水)、経済学部の三木ゼミ3年生は、堺市にある株式会社浪速工作所を訪問し、代表取締役社長の谷本和考さん、コンサルティング部門の辻華奈さん他にお話をうかがいました。
株式会社浪速工作所は昭和21(1946)年創業、主にお客様の要望に応じた最適なプラスチック金型を提案し、設計・製造しています。2018年には第8回ものづくり日本大賞を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2・3年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

【経済学部3年生 西田 裕咲子 さん】

1.事業内容
株式会社浪速工作所は、主にプラスチック金型の設計・製造や機械設備の開発を行う製造業の企業です。特に、射出成形や押出成形に関わる金型製作に強みを持ち、自動化ラインの設計や治具の開発などを通して、生産効率の向上に貢献しています。また、顧客のアイデアをもとに新製品の企画・開発を行うなど、単なる製造にとどまらない幅広い事業を展開しています。
2.強み
同社の強みは、設計から製造、さらに製品開発までを一貫して行える体制にあります。この体制により、顧客の要望に対して柔軟かつ迅速に対応することが可能となっています。また、これまでに数多くの製品開発に携わってきた実績があり、その経験を活かして難易度の高い案件にも対応できる高い技術力を有しています。さらに特徴的なのは、単に製品を作るだけでなく、顧客の課題に対してビジネスモデルまで提案する点です。「どのような製品が必要か」だけでなく、「どのように活用すれば価値を生むか」まで考えることで、新たな価値を創出しています。
3.取り組み
具体的な取り組みとして、同社はこれまでに3000種類以上の製品開発に携わってきました。その中でも、小ロットで缶詰を製造できる装置の開発は、地域の特産品ビジネスの支援につながる取り組みとして注目されています。また、ろ過装置などの自社製品の開発にも取り組み、新たな市場の開拓を進めています。さらに近年では、IoT技術を活用して機械の稼働状況を可視化するサービスを提供するなど、時代に対応したものづくりを行っています。
4.CANメーカーと小さな缶詰工場
特に注目すべきは、同社が開発した小型缶詰製造装置「CANメーカー」です。この装置は、小ロットでの缶詰製造を可能にし、これまで参入が難しかった中小企業や地域事業者でも缶詰製造に取り組める環境を実現しています。この装置の導入により、「小さな缶詰工場」という新しいビジネスモデルが生まれています。少量多品種生産が可能になることで、地域の特産品や季節限定の商品を活かした商品開発がしやすくなり、規格外の農産物や余剰食材の活用による食品ロスの削減にもつながります。また、缶詰は保存性が高いため、流通範囲を広げることができ、地域の魅力を全国へ発信することが可能です。このように、CANメーカーは単なる機械ではなく、地域活性化や新たな価値創出に貢献する装置であるといえます。
5.訪問を通して学んだこと
株式会社浪速工作所を訪問して、ものづくりの現場の緻密さと責任の大きさを強く実感しました。金型の加工や組み立ては非常に精密であり、わずかな誤差も製品の品質に大きく影響するため、高い技術力と集中力が求められていることに驚きました。また、機械だけでなく人の手による微調整が重要であり、長年培われた職人の経験や感覚が品質を支えている点が印象に残りました。

【経済学部3年生 小山 智輝 さん】

今回、株式会社浪速工作所を訪問し、実際の現場や社員の方々の話を通じて、企業の強みや課題、将来性について理解を深めることができました。まず感じたのは、長年培ってきた精密加工技術の高さです。製品や加工風景の写真からも、細部までこだわったものづくりを行っていることが伝わり、実績の積み重ねが企業の信頼につながっていると感じました。また、企業説明も分かりやすく、担当者の話し方から仕事に対する誇りや責任感が伝わってきた点が印象的でした。経営面では、「会社を潰さない」という強い思いが語られており、家業としての責任感や継続への意識の高さがうかがえました。さらに、将来に向けた取り組みとして、既存事業だけでなく食品分野にも目を向けている点が特徴的でした。インバウンド需要や国の政策を踏まえた経営判断であり、リスク分散を図りながら安定した経営を目指していることが分かりました。このように、変化に対応しようとする姿勢は中小企業にとって重要であり、評価できる点です。職場環境については、社内が清潔に保たれており、日々の清掃活動が徹底されていることが分かりました。社員同士の挨拶も活発で、全体的に温かい雰囲気が感じられました。また、社員旅行や懇親会、キャンプなどの活動があり、人間関係の良さを重視している点も魅力的です。上下関係が厳しすぎない環境は、働きやすさにつながると考えられます。一方で、平均年齢が40代とやや高く、若手人材の確保や育成が今後の課題であると感じました。人材育成に関しては、明確なマニュアルはないものの、個々の特性に応じた指導を行っている点が特徴です。これは柔軟性がある反面、教育の標準化という面では改善の余地があると考えられます。また、給与は新卒で約19万円と一般的な水準であり、ボーナスや社内イベントなどで社員のモチベーション向上を図っていることが分かりました。若手社員のインタビューからは、「ある程度自由に働ける」「人間味がある」「福利厚生が整っている」といった声があり、働きやすい環境であることが伝わってきました。入社のきっかけとしてアルバイトから正社員になったケースもあり、現場での信頼関係が重視されていると感じました。

【経済学部3年生 藤川 愛子 さん】

1.はじめに
私たちは今回、大阪府堺市南区にある株式会社浪速工作所を訪問しました。株式会社浪速工作所は、昭和21年12月に設立されており、主にプラスチック金型や製造設備の設計・製作・修理を行う企業です。また、最近では「和の食」といった自社で立ち上げたプレミアム缶詰ブランドの販売も行っています。
2.株式会社浪速工作所の強み
株式会社浪速工作所の強みだと感じたものは3つあります。
1つ目は、高い技術力です。約70年間で3000種類以上の製品を開発しており、大手企業への難関な課題に対して常に新しいアイデアと技術、試行錯誤によってこの世にない製品を生み出し、解決しています。
2つ目は、顧客ニーズに合わせた提案力です。図面通りの製作ではなく、最適な金型の提案や設計ができます。設計・試作・製造・量産・販売まで一貫対応しており、他社ではできないお客様からの要望にも、ラインや用途に合わせたオーダーメイド対応ができます。
3つ目は、社会課題解決に向けた商品開発力です。これまでは1億円もするような缶詰機械しかなかったものを、価格を抑えて小ロットで缶詰を作ることができる「CANメーカー」という装置を開発し、販売しました。また、この装置を利用した地域の居酒屋が缶詰工場を立ち上げ、事業を拡大するなど、地域活性化の支援にもつながっています。
3.株式会社浪速工作所の環境
株式会社浪速工作所は平均年齢が45歳とやや高いものの、その分勤続年数が長い人が多く、少人数ならではの社長と従業員の距離の近さがあります。年に1回の社員旅行や社内での飲み会などもあり、和気あいあいとした雰囲気が感じられました。また、株式会社浪速工作所では定年退職がなく、定年の年齢を迎えても現役と同じ仕事内容や給料で働くことができます。さらに、マニュアルがないため、その人に合ったやり方や職種を上司と相談しながら決めることができます。これらのことから、年齢に関係なく新しいことに挑戦でき、自分に合った仕事ができる職場環境であると感じました。