2025年10月20日(月)、経済学部「グローバル・ビジネス論b」(三木担当)は、株式会社中田製作所の若手社員3名をお招きし「中小企業で働くことの魅力」についてのご講演をいただきました。
 株式会社中田製作所は昭和52年創業、アルミ専門の精密部品機械加工メーカーとして高品質で魅力ある製品をお客様にお届けしています。納品先は液晶・半導体・産業用ロボット・医療機器など多岐に渡り、特に近年はアルミを含む幅広い金属材料に対する超微細加工技術の開発に成功。平成19年(2007年)と平成25年(2013年)には内閣総理大臣表彰「ものづくり日本大賞」優秀賞に選ばれるなど、大阪を代表するものづくり企業です。

 以下に今回のご講演で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

藤川 愛子 さん (経済学部2年)

 今回、大阪府八尾市にある株式会社中田製作所の講演内容を聞いて、中小企業全体の良さや中田製作所にしかできない強みの3点を知ることができました。
 私が印象に残った1つ目の良さは、規模が小さい分、大手企業とは違い、大きな仕事を若いうちから経験できる点です。私は「大きな仕事は、ある程度勤続年数が長い人がするもの」というイメージを持っていましたが、中田製作所の従業員の中には、入社2か月で採用担当の仕事を任された方もいるそうです。
 2つ目は、さまざまな仕事を経験できる点です。大手企業では希望または配属された部署から異動しにくい印象がありましたが、中田製作所では入社後2か月間のジョブローテーションを実施しており、自分が希望していた部署以外の仕事も経験できます。そのため、自分に合った部署を見つけたり、入社前後のギャップを減らしたりできるだけでなく、各部署で学んだ知識を活かすこともできます。
 3つ目は、福利厚生が充実している点です。大手企業と比べて劣っているかと思っていましたが、昼食代やインフルエンザ予防接種の補助金などがあり、従業員を大切にしていると感じました。
 これらを通じて、私の中小企業に対する印象が変わりました。中田製作所は、従業員を大切にし、一人ひとりに合った仕事を一緒に見つけてくれる企業だと感じました。これから就職活動が始まるため、今回の講義を参考にして考えていきたいと思います。

DINH THUY DUNG さん(経済学部2年)

 以前、私は幸運にも株式会社中田製作所を見学し、アルミ精密加工や超微細加工技術の現場を実際に見る機会がありました。その際、ミクロン単位で加工を行う技術者の集中力と丁寧な作業に深く感銘を受けました。今回の講演を通して、当時感じた印象がさらに明確になり、同社の「高い技術力」と「人を大切にする姿勢」の両方が強く心に残りました。
 特に印象に残ったのは、アルミ精密加工技術と超微細加工技術の紹介です。肉眼では確認できないほど小さな部品を正確に加工するその技術は、まさに職人の技と呼ぶにふさわしいものでした。光を当てると黒いモデルの上にドラえもんの模様が浮かび上がるデモンストレーションでは、技術の繊細さと美しさ、そしてそれを可能にする創造力に感動しました。このような高精度の加工は、最新の設備だけでなく、現場の技術者一人ひとりの工夫と情熱によって支えられていることを改めて実感しました。
 さらに今回の講演では、実際に働く社員の方々の話を聞き、技術の裏にある努力や誇りを知ることができました。驚いたのは、以前見学した際に私のことを覚えてくださっていた社員の方がいたことです。その温かい言葉をかけてもらった瞬間、「この会社は本当に人を大切にする職場だ」と心から感じました。中田製作所は、最先端の技術だけでなく、社員同士のつながりや人への思いやりを大切にしており、その人間味あふれる社風こそが、同社の技術をより魅力的にしているのだと思います。
 今回の講演を通して、私の中で最も印象に残ったのは、技術のすばらしさと同時に「人の温かさ」です。どれほど精密な機械や優れた技術があっても、それを支えるのは「人」であり、そこに誇りや情熱があるからこそ真の価値が生まれるのだと感じました。社員の方々が互いを尊重し、楽しみながら技術を磨き続ける姿に、強い刺激と憧れを抱きました。今後、自分が社会で働く立場になったとき、この経験を思い出し、「人とのつながりを大切にしながら努力を続けること」の大切さを忘れずにいたいと考えます。

武内 沙羅 さん (経済学部2年)

 中田製作所について学びました。アルミ専門の技術者が精密部品を製造している会社だと初めて知りました。他にも、液晶製造装置や光学電子、医療・医薬機器などを取り扱っており、幅広くものづくりをしていると伺いました。アルミ加工という分野から幅広く事業展開されているのは、発想と技術が掛け合わさり、爆発的な力を発揮して会社が進化しているのだと感じました。
 一番印象的だったのは、一見ただの黒い筒に見えるものが、底面にライトを当てると、ドラえもんの絵が浮かび上がってきたことです。ライトを当てることで、超微細加工技術の一つである超微小径穴加工技術によって、黒い底面に小さな穴があけられていました。ライトを当てないと肉眼ではドラえもんの模様は見えません。この技術は、蜘蛛が巣を作る糸と同じ細さの穴もあけられるということで、とても驚きました。
 私は注射がとても苦手です。蚊に刺されるときは気づかないのに、注射は痛いです。注射針は主にステンレスでできていますが、アルミとは成分が違うものの、蜘蛛の巣のような応用でいつか蚊と同じような注射針を作ってほしいと思いました。
 また、驚いたことに、中田製作所の技術は某有名テーマパークの主要アトラクションにも使われているそうです。中田製作所の人たちはとても楽しそうで仲が良く、アットホームな雰囲気の中で仕事をしており、そのことが会社の売り上げ向上にもつながっているのだと感じました。