2022年11月9日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、堺市にある株式会社浪速工作所を訪問し、代表取締役社長の谷本和考さん、コンサルティング部門の辻華奈さん他にお話をうかがいました。
 株式会社浪速工作所は昭和21(1946)年創業、主にお客様の要望に応じた最適なプラスチック金型を提案し、設計・製造しています。2018年には第8回ものづくり日本大賞を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。

 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部2年生 中村 優希 さん

1.はじめに
 今回私たちは浪速工作所というモノづくり企業に訪問させていただきました。浪速工作所ではプラスチック製品の金型、自動化設備を取り扱っている企業です。
 今回は浪速工作所で発見した、技術力、発想力、人間関係、印象付ける大切さ、をまとめていきます。
2.浪速工作所での気づき
 私が浪速工作所で見つけることのできた新しい発見や魅力は3つあります。
 1つ目は、ホームページの工夫による見やすさです。ホームページの見やすさでいうと、これまでの企業訪問で一番見やすく特徴的だと考えました。なぜこのように考えたかというといくつか理由があります。まず背景が動画になっておりインパクトがありました。次に目の疲れない色使いと文字の大きさ、そして何よりほかの企業では目にすることのない、プライベートを混ぜ込んだ社員紹介。この社員紹介は、少し面白く紹介しているように感じ取れたので、仮に入社しようと考えた時にどんな人が働いているのか、この会社はメリハリのある会社だ、などを知ることができるので、非常に魅力的だと考えました。
 2つ目は社長さんのこてこての関西人とキャラの濃さです。社長が博士の仮装をして来たときは正直驚きを超えて動揺してしまいました。しかしその甲斐あってか、社長の顔と社内説明がこれまでの企業訪問の中で一番記憶に残っています。このことから、どんな方法でもいいから印象に残すことは非常に重要なことだということを学びました。
 3つ目は社員さんの一人一人の思いやストーリーです。いつもの企業訪問であれば若手社員のお話をメモに取っているのですが、今回は皆さんのお話が良すぎるが故に聞き入ってしまいました。これまでの若手社員座談会の中ではトップだと考えました。ウンテクさんの入社理由が国際結婚とこんなドラマみたいなことがほんとにあるのだと実感しました。またミナトさんの場を繋ぐトークや年の離れた我々に、フランクに接していただいたところも印象的です。
3.まとめ
 浪速工作所では技術の高さや日本でしていないことを成そうとするチャレンジ精神を強く感じることができました。また一人一人の話が心を動かすような、元気になれるような、言葉でとても気持ちがよかったです。
 社長を先頭に社員一丸となって大きくなっていく企業ではないかと考えています。

経済学部2年生 田中 大智 さん

1.はじめに
 私たちは今回堺市にある浪速工作所という会社を訪れた。この企業では金型をメインに製作している企業である。今回はこの企業で見た高い技術力や商品の開発力、人間関係の良さを本レポートでまとめていく。
2,浪速工作所で見たもの
 私が今回浪速工作所で着目し、魅力的に感じた点が4つある。まず1つ目は人間関係の良さである。これは今まで訪問したどの企業よりも良かったのではないかと思う。これは工場見学内外だけでなく説明会の合間や見学の後のちょっとした隙間の時間からも仲の良さを感じることができた。
 そして2つ目がホームページの見やすさである。企業の強みや概要の掲載はもちろんだが、社員それぞれの好きな言葉や食べ物、特技など社員の特徴が分かる情報を掲載するのはこれから一緒に仕事をするかもしれない人たちの事を少しでも知るための材料になるためこれは非常に魅力的に感じた。
 更に3つ目は社長のキャラの濃さである。始めは今までにない形で企業説明が始まり動揺したが、インパクトもあり何より記憶に残り易いなど様々な利点を考えた結果の策であることを聞いて面白いなと感じた。
 そして最後に4つ目は自社製品に非常に力を入れている点である。会社の持つ77年という長い歴史の中で約3000以上もの自社製品を開発に成功している話を聞き、既存の商品ではなく、1からモノを製作していると考えると並大抵のことではないと思った。
3.最後に
 今回は金型をメインに製作している浪速工作所を訪れた。ここの企業では他の中小企業では見ることのできなかった経営数字の話も伺う事ができた。自分たちの製品を製作することにも力を入れながら同業者と比較すると倍近くの利益率を出していると考えると本当に自分たちがやりたいことを仕事にしているという印象を受けました。
 これからの目指す目標もしっかりと定まっており、そのうえで社員の事も考えていていい企業だと感じた。

経済学部2年生 藤原 寿莉 さん

 今回、私たちは「株式会社 浪速工作所」に訪問した。
 はじめに、企業説明が始まるのを待っていると部屋にひとりの博士の格好をした男性が現れた。その人が浪速工作所の社長だったのだ。企業説明が始まる以前に登場からとても印象的だった。そして企業説明でも特に印象に残っていることが2つある。
 1つ目は、経営理念の中にある「全従業員の物心両面の幸福」だ。これをおっしゃっていただけでなく、この幸福はどのように高められるのかというパワーポイントがあり、経営理念を掲げるだけでなく具体的に考えられていたのがとても印象に残っている。
 2つ目は、浪速工作所の事業についてだ。2018年から新事業を始め自社商品をつくったそうだ。そして今年の2022年には、缶詰工場製造支援などをはじめ、2023年からは世界に向けて電気自動車向けの新事業を行うという。そして、既存事業は年々5%減少しており、日本の人口が減少しているのに合わせインフラ向けの事業を考えているという。また、これからの課題として「生産性を伸ばすこと」とおっしゃっていた。このように、これからの課題を見出し、時代に合わせて新事業をはじめる姿勢が企業の成長に繋がっているのだととても感じた。
 次に3名の社員にインタビューを行った時に、とても印象に残っていることがある。私たちがインタビューを行う際に全員の名前を伝える。その際に、女性社員の方が全員分の名前を紙にメモしていた。そして名指しで逆質問をしてくださるなど、私たち生徒に対しても低姿勢だった。そして、逆質問でも会社の成長に繋げるような意見を求めていて、私たち生徒からも学ぼうとする姿勢がみられ、なによりとても低姿勢で驚いた。また、私たちが質問した際も3名ともとても1つずつ丁寧にしっかりとした内容で答えて下さった。特に、やりがいを聞いた際にみなさんとても熱い思いで、仕事に取り組まれてるのだと伝わってきた。
 浪速工作所はみなさん会社に対して思いが熱く、成長しようとする姿勢がとても見られた。時代によって変化していく浪速工作所にとても興味が湧いた。

経済学部2年生 安田 花音 さん

1.はじめに
 中小企業と大企業の違いは何なのか。近年の若者はなぜ、大企業就職に固執するのか。この二つの命題が、今回の企業訪問のカギになりました。中小企業で働いていらっしゃる方に直接この質問を投げかけられ、改めて自身の就職活動に対する意識を再確認させられました。
 私たちが行っている中小企業訪問。そして、その訪問から得た学びと将来の自身の行く先を再構築しながら、本レポートを論じたいと思います。
2.適材適所の企業形態
 「私たちは高校生のころからグローバル人材や情報人材になることが要求される世代でした。自身の能力がこれからの将来を担う役割を持つ人材になれるのか。また、私の歩みたい暮らしは、大手企業で得ることのできるものか。または、中小企業で得ることのできるものなのか。それを模索するために大学へ進学しました。」
 私は上記質問を社員の方に投げかけられたとき、こう答えました。私自身、大企業か中小企業か、特に会社形態の大きさにこだわりはあまりありません。私が主軸とする就職選択は“今後の暮らしに満足し、心豊かに暮らせるかどうか”です。このため、中小企業であってもこの主軸を満たすことのできる企業があれば、私はそこに進むと思います。
 しかし、就活生の多くが大企業に進むことを望んでいると思います。この現状が長くの間、就職活動期の中小企業で人材を確保することの難しさを生み出しているとおっしゃっていました。「なぜ大企業に?」この疑問はとても深く、想定していた答えよりももっと奥深い議題であると感じました。
3.魅力的な中小企業
 大企業に進むことを望んでいる方の理由の多くは、「安定している」「福利厚生が充実している」「社名のブランド力がある」とおっしゃいます。しかし、前期後期で行ってきた中小企業訪問を通して、中小企業にもこれらと同等の意見を持つことができました。今回お伺いした浪速工作所様は70年以上続く会社であり、安定力があります。お子様が2人いらっしゃる方も、毎日が充実していて、妻と子供を守るためにこの会社で働きたいとおっしゃっていました。外国人雇用も積極的です。このように、大企業と遜色ない様々な魅力を感じ取ることができました。私たちゼミ生の中でもこの活動を通して中小企業の魅力が分かり、大企業でなく、今後の暮らしを豊かにできる中小企業就職という新しい選択種を増やした者もいます。
 これらのことから、大企業と中小企業の違いは「広く名前が知られているかいないか。」だけなのではないかと感じました。
4.おわり
 大企業がいいか。中小企業がいいか。この大まかに分類される2つの企業形態は、就職活動をする際の指針を表し、企業名で振り分けられる指標になってきました。しかし、その内面を深く見てみると、大企業に匹敵するほど魅力的な中小企業は多数存在します。「名」ではなく「内面」を感じ取り、未来に良い豊かさをもたらす暮らしができる就業生活を歩みたいです。