2022年5月25日(水)、経済学部の三木ゼミ3年生は、豊中市にある株式会社若林精機工業を訪問し、生産部主任の大脇晧太郎さん、生産部の丸谷恭平さんからお話をうかがいました。
 株式会社若林精機工業は昭和32(1957)年創業、樹脂・非鉄金属の切削加工及び射出成形を得意とし、医療機器部品に特化したものづくりを行っています。令和3(2021)年には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」最優秀企業賞を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミは今年度も大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。
(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業局、地方独立行政法人大阪産業技術研究所で構成
 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

【経済学部3年生 曽我部 桃菜 さん】

 今回私達三木ゼミは若林精機工業を訪問しました。若林精機工業は医療に特化したものづくりを行う企業です。主に血液検査に使用される機械の部品作りを行っています。将来的には機械本体の制作を視野に入れています。最先端ロボットを使用することにより夜間や休日にも仕事が行える強みがあることから大手企業との取引を行うなど技術力を活かした製品づくりに取り組んでいます。
 技術力以外の面で他の企業とは異なると感じた特徴的な取り組みは社員の「人間力向上」に関するものです。具体的には、外部勉強会、社内勉強会の実施や朝礼、近隣清掃などが挙げられます。中でも社員による委員会の発足が特に印象に残りました。社員は五つの委員会に割り振られ日々の業務とは別に仕事を行っています。そうすることで技術力
だけでなく人間力の向上を目指しています。今回企業訪問の際に社内説明を行ってくださったのも社長ではなく、新卒採用委員会に所属する入社2年目の社員の方でした。他の企業では、勤続年数の長い方しか行わないような仕事を若いうちから積極的に行うことで人間力の向上を図っています。実際社内説明を行ってくださった社員の方から生の声を聞くと、「様々なチャレンジができる環境が整っていることにより自分自身の成長を日々実感している」と仰っていました。また仕事での目標ややりがいに関しての質問を投げかけた際も生き生きとした表情で回答してくださるなど社員の人間力の高さを実感することが出来ました。
 人間力以外にもう一つ若林精機工業を代表する取り組みとして手厚い福利厚生が挙げられます。サービス残業がなく一分単位で残業代が出て年間休日が120日となっており、プライベートの充実が可能なのはもちろんのこと年二回の賞与や年間五万円までの医療費負担、家賃補助費、家族手当費など手厚い手当の数々に驚きました。勤務時間中は仕事に全力を注ぎ、休日は仕事から離れてプライベートを満喫する切り替えが全社員できる仕組みが取られていることが社員の生き生きとした姿を生み出すのだと実感しました。業務内容以外に社員一人一人に目を配る仕組みが整っている環境であることが大きな魅力であると感じるとともにこれからの若林精機工業の発展に期待が膨らむ企業訪問となりました。

【経済学部3年生 美淋 麗乃 さん】

 今回、私たちは大阪府豊中市にある若林精機工業へ訪問してきました。若林精機工業は、医療機器に取り組まれる部材の製造を手掛けており、医療機器の部材供給に特化した樹脂加工で60年の経験と技術を持っている会社です。
 実際に今回、若林精機工業を訪問し、感じたことは環境がとても整っているなと感じました。私は三木ゼミに入り、いくつかの企業を訪問してきましたが、好印象を持った企業はどこも環境が整えられており、とても綺麗な印象がありました。なので訪問してすぐに好印象を持ちました。
 私は、この企業の考え方である「技術を高めるために必要なのは努力と人間力」という考えに深く共感しました。なぜなら社員全員の意識を統一させないと会社自体も団結することができないと感じるからです。人間力を高めるため、人間力の研修があったり、教科書があったりすることも驚きました。実際に工場を見学した際も新入社員の方が周りの方と楽しそうに作業をしており、わからないことがあっても聞きやすくとても成長しやすい環境だなと感じることができました。
 そして何より、これから就職活動をしていく側としては、とても魅力がある企業だと感じました。福利厚生は手厚く、残業代は1分単位で出ます。週休2日であり、給与やボーナスもこれまで訪問したどの企業よりも条件がよく、とても好印象を持ちました。それに、ものづくり企業であるにも関わらず、半数が「女性」であることにも大変驚き、女性でもものづくりに関わることができることを感じました。採用情報もウェブサイトやパンフレットに包み隠さず記載されており、それだけでもとても好感を持てる企業だと感じます。企業説明会では聞きづらいことも関係なく聞くことができる時間が設けられていてなんでも聞くことができたのも就活生からするととても助かると感じます。
 今回の訪問で感じたことは多くあります。女性でも、ものづくりに参加できること。やはり、好印象であった企業は環境が整えられていること。数や安さも大事かもしれないが、競合他社と差をつけるには、確実な技術力とできないことをできるようにする挑戦力が大切であり、そのためには「人間力」と「努力」が必要なこと。たくさん学ぶことができました。私も、企業に就職する際にはこのような企業に就職したいなと強く感じました。

【経済学部3年生 宇井 源一郎 さん】

 今回訪問させて頂いた企業は、株式会社若林精機工業であった。訪問先では、まず初めに主な業務内容や各部門についての説明をしてくださった。今回の説明は、決して理解できない程ではないが、少し難しい様に感じた。しかし、若林精機工業で作成した紹介動画の様なものもあり、私達の興味を引くには十分な工夫が施されていたのだ。その後は工場内の見学という流れになっており、作業風景の見学や、中には実際に体験させてくださるというものまであった。そういった事もあり、終始非常に関心を持って見学をする事が出来た。また、実際に体験した事で機械の操作が如何に難しく、技術が求められるものであるのかを理解する良い機会となったのだ。
 私自身が今回の企業訪問を通して最も関心を抱いたのは、若林精機工業では、人間力に最も重点を置いているという事であった。通常であれば利潤追求の為、機械設備の充実やコスト削減に重点を置くものであり、私自身もそう考えていたからだ。しかし、若林精機工業ではそうではない。人間力に重点を置く事で、より良いものを作り上げていこうと考えていたのだ。数ではなく質。より良いものを作り上げていく事こそが、取引相手に対する気持ちの現れであるそうだ。そして、それらを可能とする為の研修なども実施されており、如何に強い意志のもとに掲げられたものであるのかは容易に想像する事ができた。私自身、初めこの事には大きな衝撃を受けた。利潤を第一に考えてこその企業であると考えていたからだ。しかし、説明を受け、企業理念を語って頂いた事で十分に納得する事ができた。またそれだけではなく、高い技術力や売り上げなどそれら全ては、この人間力に由来するのなのだと理解する事ができたのだ。
 これらの様に、今回の企業訪問では、普段では決して見る事のできない作業風景を見られたなど、非常に貴重な体験をする事ができた。特に実際に体験させて頂くといったものは、これまでの企業訪問でも無かった為、全く新しい経験とする事ができたのだ。そして、なによりも人間力の重要さを知る事が出来た。利潤のみを追い求めるのではなく、自らを高めていく事で利潤へと繋げていく。非常に衝撃的ではあったが、今となっては素晴らしい企業理念である事が理解出来ている。したがって、今回の企業訪問でも非常に有意義な時間を過ごす事が出来たと感じている。

【経済学部2年生 大田 真美 さん】

 今回は、豊中市にある株式会社若林精機工業を訪問した。若林精機工業では、医療機器に組み込まれる部材の製造を手がけている。大手企業と取引しており、今は血液検査の部品の製造を手がけているが、将来は若林ブランドの医療機器を製造したいと考えているそうだ。
 若林では旋盤・フライス盤を用いた切削加工と成形機を用いた射出形成を行っている。普通は切削できない素材も、成形機を用いることにより加工が可能となっているそうだ。工場内は、とても清潔感があり、床も壁もピカピカだった。医療機器の部品を取り扱っているということもあるので、実際に綺麗な工場で作られた部品が使用されているという現場を知って安心したし、3S活動を徹底して行われているんだなと思った。
 この会社では、日々勉強・日々挑戦というモットーで、仕事をされているため、様々な研修が行われている。技術力向上の研修はもちろん、マナーやコミュニケーションを高めるための講義もある。役職が上がっていくほど研修の内容は難しいものとなっていくそうだ。研修に行くだけでなく、社内でも朝礼で部署ごとに日々の気づきや感謝の発表や、外部講師を招いての勉強会を開催することで、コミュニケーションを通じて人間力の向上を目指している。まさに、新しいことを研修や勉強会を通して学び、レベルアップしていく内容にも挑戦していくという姿勢をとられていると感じた。
 若林では、自分のアイデアや意見を発信するための機会が多くあるため、年齢問わず様々なことに挑戦することができる。若い世代でも役職に就くチャンスもあるというのはモチベーションに繋がるなと思う。日頃行われている研修を通して技術的成長も人間的成長もできるという点もあり、自分のためになる有意義な時間にできるのではないだろうか。
 今回の訪問では、社員を育てるために整えられた仕事環境の中で、向上心を持ち、一生懸命に楽しく働いている社員さん達を見て、とても良い会社だなと思った。私も将来は若林精機工業のように、自分が育つための環境があって、この仕事を頑張りたいと思えるような職場で働きたいと思った。