2021年11月24日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、八尾市にある株式会社デジックを訪問し、代表取締役の上野雅弘さん他従業員の皆さんからお話をうかがいました。
 株式会社デジックは昭和63(1988)年創業、製造部門では発電所や航空機などに使用される、国内でも手がける企業が少ないバルブ・ポンプ用グラファイトパッキンを製作しています。またソフトウエア部門では中小企業向けの生産管理システムの開発販売を行っています。平成21年(2009年)には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミは今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。
(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業局、地方独立行政法人大阪産業技術研究所で構成

 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部2年生 曽我部 桃菜 さん

 今回私達三木ゼミは、株式会社デジックを訪問しました。はじめにデジックが行っている事業内容の説明をお聞きしました。デジックは大きく「パッキン製造部門」と「ソフトウエア開発部門」に分かれています。パッキンとは火力発電所など高温下で使われることを想定した軽量で強度が高い製品です。特に国防で使用されるなど高い技術力を誇っています。ソフトウエア事業では、小規模製造業向けの生産管理システムが作られています。受注情報が一覧で確認できるなど従来の製造業にはなかった技術が導入されることで中小企業のモデルとなり世の中をリードしていける工場を目指しています。
 その後の工場見学では、今まで私が持っていた工場のイメージが一掃されました。工場というと大きな機械音が鳴り響き、オイルの匂いなどが充満した空間を思い描いていたのですが、デジックの工場現場は従来のイメージと正反対のものでした。整理整頓が行き届いた空間で大きな機械音はなく、せせらぎの音などバックミュージックが流れていました。落ち着いた空間でゆったりと作業している光景がとても新鮮に映りました。また、工場内ではデジックが制作した製品を使い生産工程の見える化が行われていました。具体的には、作業指示書がバーコード入力できるようになっておりリアルタイムで作業の進捗が見えるような仕組みが取られていました。そのほかにも利便性を向上させるための様々な製品を自社開発しており、現在は製品のバーコードを読み取るだけで金型の保管場所のLEDが点灯する技術が試作されています。
 また、デジックでは「3S活動」を行っています。3S活動とは、整理・整頓・清掃を時間を設けて継続的に行う活動のことです。本来あるべき姿と現実との差を埋められるように「守るべきルールを決め、決められたルールを守る」という言葉のもと全社員が一丸となって取り組んでいます。活動の記録はホームページなどに掲載され誰でも簡単に見られるようになっています。3S活動で得られる効果は見た目の綺麗さだけではなく、どのようにしたら現実と理想との差を埋めることが出来るのか考えることで考える力や行動力を身につけることができます。
 私がデジックを訪問して特に印象に残ったのは若手社員との交流での女性社員の入社のきっかけのお話です。彼女は以前からものづくりに興味があったものの製造業は男性の仕事という社会的なイメージから長年別の仕事に就いていたそうです。しかし、近年職種に性別が関係ない風潮が高まってきたことから転職を決め、デジックに入社したと仰っていました。デジックに入社を決める際、パッキンの製造のみならず様々なことを行っている会社であるという特色に惹かれたそうです。「柔軟な発想、新しい考え大切にします」という言葉のもと勤務年数に関係なく全社員の意見が通りやすい社風がとても心地よさそうに感じました。従業員一人一人に寄り添った社風を肌で感じることができ、とても有意義な企業訪問でした。

経済学部2年生 美淋 麗乃 さん

 今回、私たちは八尾市にある株式会社デジックへ訪問してきました。株式会社デジックは、高音油・ガス・高圧蒸気から低温流体まで厳しい条件に耐えられるグラファイトパッキンを製造する製造業と、小規模製造業・金属加工業向けに特化した受注生産型の生産管理システムを作るという二刀流の中小企業です。
 株式会社デジックが、これまで訪問してきた中小企業とは違い、グラファイトパッキンの製造業と、中小企業向けのソフトウエア開発という2つのことに取り組んでいることに驚きました。グラファイトパッキンは、高温にも耐えられるということで火力発電所や、飛行機、石油コンビナートなどの条件が厳しい箇所に使われています。800℃〜1000℃の高温状況で使われているときいてとてもすごいなと感じました。また、このような高技術をもったパッキンをつくれる企業は少なく、ライバル企業が少ないというのも安定していてとてもいいなと感じます。
 次に生産管理ソフト「Assist series」は、小規模製造業・金属加工業向けに特化した、「シンプルで使い易い」受注生産型の生産管理システムであり、「事務管理」「工程管理」「現場管理」の3つのモジュール(機能群)より構成されています。このようなシステムがあることで、製造業を全般的にカバーしており、中小企業からすれば、強い味方になるなと感じました。取引先は約150社の中小企業で使われており、これからもっと増やしていきたいと仰っていました。
 今回の株式会社デジックは、「安定した製造業」に「中小企業の将来を考えた生産管理システム」をつくるという仕事内容も素晴らしく、とても印象が良かったのですが、特に私がいいなと感じたのは「何に対しても挑戦できる」社風が素晴らしく、とてもいいなと感じました。社長の上野さんの考えは「思いついたら何に対しても挑戦できるように」という考えであり、若手社員の方にこの会社のいい所を尋ねた際も「思いついたら直ぐに挑戦できるところ。失敗してもいいから取り組んでみようという社風」と仰っており、私自身もとても魅力的な会社だなと感じました。そのような社風である株式会社デジックだからこそ、小規模製造業の大変さを理解でき、そこに対してカバーできるようなシステムを開発できるのだと感じます。
 今回の企業訪問を経て、「なんでも挑戦できる会社」「失敗も成功の糧にしよう」という考えの企業はあまり多くないと感じ、とても魅力的に感じました。私も就職する際は、株式会社デジックさんのような「何事にも挑戦できる」ような会社に就職し、やりがいがあるような会社に勤めたいと感じました。

経済学部2年生 池田 奈美 さん

 株式会社デジックさんは飛行機で使う航空機用部品のパッキンや、1000度の熱さにも耐えられる超高温バーミキュライトパッキンなどを作るパッキン製造部門と、どこの部署で何の作業がされているか、リアルタイムで知ることのできる小規模製造業向け生産管理システムの二つの事業があります。ソフトウエア事業はお話を聞いていて現時点での契約数も、将来性もありかなり希望のあるものだと感じました。しかし、今回私がすごく気になったのはパッキン事業のものづくりの方なのでこっちをメインにレポートを書いていきます。
 パッキンが実際に作られている工場を見学したときに思ったことは、イメージしていた工場よりはるかに静かだということです。オルゴールバージョンの曲のタイトルがわかるくらいに静かでした。工場長さんのお話を聞くとここの工場は他のところと違い、静かで力仕事もあまりなく、油をあまり使わないため汚れもしない特徴があるとわかりました。使われている機械も特注のものがほとんどで、中には社員さんの手作りのものもあると聞いて驚きました。作っている部品自体がマイナーなため他社との競争率が低いとおっしゃっていたのですが、特注の機械や手作りのものがあれば尚更、他社さんと被らない唯一無二の商品が作れるのだろうと思いました。
 パッキンを作る現場には女性の方がいました。若手社員さんとお話しする時間の時にその方からもたくさんのことを聞きました。私が気になったことは、ものづくりという男の人のイメージが強い仕事に就いた理由でした。この質問に、元々興味はあったが高校三年生の就職活動をしていた当時は、今よりもものづくり=男の人というイメージがあったため違うところに就いたと教えてもらいました。しかし、やはりものづくりがしたいと諦めきれず、年齢的に最後のチャンスだと思い求人を探していたところこの会社に出会い応募したとおっしゃっていました。実際に入社してから力仕事が少ないことや、製造以外の仕事もあることを知ったらしいのですが、ものづくりの現場をこれまでのフィールドワークでいくつか見てきた中で、こんなにも女性が働きやすい仕事場はないのではないかと思います。
 私はデジックさんに訪れて初めて、ものづくりに興味が出ました。しかしこんなにも現場で女性が働きやすい環境が整っているのは、この会社のモットーに「昔のやり方ではなく、柔軟な考え方と新しい発見を大切にします」というものがあるからではないかと考えます。今の時代に適用していく株式会社デジックさんに私はとても魅力を感じました。今回が三木ゼミ初めての訪問だと思いますが、次のゼミ生にもぜひ訪ねてほしいです。

経済学部2年生 大田 真美 さん

 今回は八尾市にある株式会社デジックを訪問した。この会社は、火力発電所や化学プラントのポンプやバルブに使用されるパッキン製造する、パッキン製造部門と、小規模製造業に向けた生産管理システムを提供するソフトウエア事業を同時に行っている会社である。自社で製造業を経営しつつ、その製造をより効率良く行うために、開発した生産管理システムを活用しているそうだ。システムを使用する側である製造部門が、システムにおいて使いにくい部分や、追加して欲しい機能を、ソフトウエア開発部門へ提案し、改善をしている。自社の他に150社以上もの製造業を行う中小企業がこのシステムを導入している。製造とソフトウエア開発を同時に行うことで、すぐに製造業のニーズが分かるので、とても良い方法の事業だなと思った。
 株式会社デジックでは、「整理・整頓・清掃」を行い、作業環境を綺麗にして、業務効率や生産性の向上を目指す3S活動を行っている。実際に工場や、オフィスを見ても、ラベルでどこに何を置いているのか分かるようにしたり、清掃用具をすぐに取れる所に置いていたりされていて、床も机も全て綺麗に整頓されていた。このように労働環境を綺麗にするというルールを定め、全員が守り、実行することで、一体感が生まれ、アットホームで活き活きとした雰囲気が作り出せるのだろうと思った。
製造を行う工場では、パッキンを製造するためのプレス機がならんでおり、どれも特注品で、デジックにしか置いていないものだそうだ。手のひらに乗るような小さな物から、運ぶのが大変な程大きい物まで作っている。デジックのパッキンは、ほとんどデジックでしか作られていない物だが、製品が使用される場所が少ないという懸念点もあるそうだ。他にもこの技術を活かして、何か作れる製品を増やすことができればもっと幅が広がるなと思った。製造業は男性の仕事だという固定概念があったが、女性社員の方も働いており、職業においての性別の壁がなくなりつつあることを知った。女性を製造部門に採用し、だれもが働きやすい環境を作っているところはとても良い取り組みだと思った。
 デジックのソフトウエアは、効率や情報共有を重視したものになっていて、今まで計算して出すのが大変だった生産製品の原価確認や、在庫管理、機械毎の負荷状況についての情報を簡単に確認することができる生産管理システムや、作業指示書のバーコードを読み取ると、その作業がどこまで進行しているのかというのがモニターに映し出されて、見えるようになる、「生産工程の見える化」というものを取り入れている。製造業をしながら製造業をサポートするシステムを運営し、どちらの視点からも事業について考えられるデジックの経営方法はすごく賢いなと思った。
 デジックは、社員全員が目標に向かって行動し、問題点があればどうすれば解決に持っていけるのか考え、自発的に行動できる人が集まった会社なんだなと感じた。社長の人望の厚さや、会社・社員を思う気持ちも強いところも伝わってきて、お互いが信頼関係にある良い会社だと思った。全員が意見や考えを交換し合い、会社をより良くするために改善し、全員で作り上げられた会社なんだなと感じた。

ご参考