2021.11.26

大阪府商工労働部との連携事業「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」(65) 株式会社アミヤを訪問しました(経済学部三木ゼミ3年生)

 2021年11月17日(水)、経済学部の三木ゼミ3年生は、摂津市にある株式会社アミヤを訪問し、代表取締役の中村恒さん他従業員の皆さんからお話をうかがいました。
 株式会社アミヤは昭和55(1980)年設立、叩き板金や簡易金型の技術を駆使し、一品物や小ロット試作部品などを中心に顧客要望に応える会社です。平成25年(2013年)には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミは今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。
(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業局、地方独立行政法人大阪産業技術研究所で構成
以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部3年生 福田 晃輝 さん

 今回、私たち三木ゼミは大阪にある中小企業「株式会社アミヤ」を訪問しました。到着して、最初に会社で行われている事業やアミヤが持っている主に打ち出し板金(たたき板金)と呼ばれる技術について、代表取締役社長である中村さんから説明をお聞きしました。中村さんの説明はPowerPointに書いている文字をそのまま読むのではなく、自分自身の言葉で私たち学生の目を見ながら説明をされていたため、聞き手側からしても内容が聞き取りやすく、説明も理解しやすいと感じました。また株式会社アミヤ、そして打ち出し板金(たたき板金)に対して強い誇りと愛情を持っている方なんだと感じました。
 説明が終わり工場見学をさせていただきました。工場の中ではベテランの職人が機械と向かい合って作業に取り組んでいました。そして驚いたことに作業を近くで見ようと案内について作業現場の近くまで来たときに、職人の方がわざわざ作業を中断して私たちよりも先に挨拶を交わしてくださいました。堅苦しい挨拶ではなく笑顔で挨拶をしてくれました。しかもこの出来事は一人ではなく職人の方とすれ違うたびに、どなたも私たちよりも先に挨拶を交わしてくださいました。アミヤに勤めている社員の方は人柄がよく私の目には好印象に映りました。
 工場見学の途中で、社内で取り組んでいる作品を見せていただきました。アミヤが持っている技術をすべて使い社員全体で取り組んで作成している干支の作品でした。細かい部分まで繊細に作られていて丁寧に作られているんだと感じました。社員全体で取り組んで作られた作品という点にも魅力的に感じました。社員同士仲が団結して少しずつ作業の合間に作業を進めて作品として残していることから、アミヤで創りあげている絆が素敵なものだと感じました。
 株式会社アミヤへ訪れて、就活の際に会社を選ぶ際のヒントを手に入れることが出来ました。どれだけ先を見据えた事業に取り組んでていても、社員同士での団結がない会社や社会人として当たり前のことが出来ていない会社はどこかでつまずきそれ以上先に進むことはできません。その点、株式会社アミヤは両方を備えているため、たとえつまずいたとしても社員が団結して意見を出し合い問いに対しての答えを見つけられると感じました。中村さんも話されていた、一つのメーカーになれると私は感じました。株式会社アミヤに訪れていい経験になりいい勉強にもなりました。

経済学部3年生 野元堀 ななほ さん

 今回は摂津市にある株式会社アミヤに訪問させていただきました。打ち出し板金を得意とする金属加工の企業です。
 訪問してすぐ経営者の方から企業説明がありました。ホームページで打ち出し板金が強みと記載されていましたが、実際どのようなものか今一つ分かっていませんでした。すると経営者の方が他では出来ない古くからの技術の一つだと丁寧に説明して下さいました。打ち出し板金とネットで検索すると一番上に出てくるくらいアミヤはこの技術を強みとしています。
 また、この打ち出し板金のような古くからの技術だけでなく、新しい技術との融合も目指しているそうです。毎年、社内スタッフ全員で約10カ月かけて干支の造形物を製作しているのですが、デザインも一から考え、打ち出し板金だけでなくプレス加工などアミヤの得意とするすべての技術を結集して製作しているそうです。実際見せていただきましたが、ネズミの小さく可愛い造形物から虎のかっこいい迫力あるものまで幅広く、一緒に見学をしていた友人も写真を撮ってしまうくらいかなりリアルで細かいデザインに驚きました。同じ作品を社員全員で協力して作り上げるというのもアミヤならではで良いなと感じました。
若手社員にインタビューすると、お二人とも先輩が丁寧に仕事を教えてくださるところがアミヤの良いところだとおっしゃっていました。先ほどの皆で一つのものを作り上げるのもありますが、釣りや流しそうめんやBBQなどイベントが多くあるのも仲が良い秘訣だと教えて下さいました。私たちが工場内を見学している時も、作業中にも関わらず全員が挨拶して下さって素晴らしいなと感じました。今まで色々な企業に訪問しましたが、ここまで全員が挨拶して下さったのはあまりなかったので社内の雰囲気も良いなと感じました。他にも、最後に全員で記念写真を撮らせていただいたのですが、経営者の方が社員の方と前で大きなハートのポーズを二人でしていて、経営者の方と社員の距離も近く、また経営者の方がいつも明るく接して下さったのも印象に残っていて、それが社員の方にも伝わって社内雰囲気が良いのかなとも感じました。
 今回の企業訪問で一番印象に残ったのは新旧技術の融合を取り組んでいる姿勢です。古くからの伝統的な技術を残しつつも、新しい技術に常にアンテナを張って取り入れていこうとしていました。これはアミヤのことだけでなく、あらゆるモノづくりに通用することで、私は金属加工でははなく洋服のものづくりに興味があるので、自分のしたい事だけでなく、その軸にプラス新しい挑戦だったりをしていくのが大切なんだなと感じました。

経済学部3年生 村松 七音 さん

 今回訪問したのは、摂津市にある株式会社アミヤという中小ロットの量産板金や試作板金を製作している金属加工企業である。アミヤが得意とするのは叩き板金(打ち出し板金)と積層金型&ZAS型である。叩き板金は文字通り金属を叩いて加工・造形するものであるが、その技術を持っている工場や職人さんの数が非常に少ない。積層金型&ZAS型は簡易金型のことであり、短い納期と低いコストで製作することが可能である。試作の板金がメインということもあり、日常で私たちが目にするものでは無いが、ものづくりにおいては欠かせない基盤となっている企業である。
 アミヤを訪問させていただいて印象に残ったことが3つある。まず1つ目は社長さんがおっしゃっていた「新しいものと古いものの融合」という言葉である。これは叩き板金のような昔から使われてきた技術を使用しつつ、レーザー加工などの最新技術も活用することによってより自由度・完成度の高いものを作り上げることができるというものだ。この考え方はこれからの時代に必要なものだと感じた。
 2つ目は技術の伝承だ。先ほども記述したように叩き板金の技術をもっている職人さんは非常に少ないが、アミヤには6人もいるそうだ。叩き板金を行う際に、叩く人と教わる人のマンツーマンで教えられているとのことである。このように教育と技術の伝承があることにより若い世代が会社を引っ張っていくことが可能となるのだと感じた。
 3つ目は社員の方々がコミュニケーションを取りながら仕事をされていたことである。質問に答えていただいた際には朝礼で図面の確認・情報共有やトークテーマを決めて話す時間があるとのこと。これらは社員さん同士が質問や意見を出せる機会であるため、働きやすい環境であると感じた。
 今回の企業訪問では、経営者の会社や技術に対する思いが伝わってきた。会社のトップに立つ人は働く方々に大きな影響を与えるため、どのような理念をもっているか知ることが大切だと考えました。

ご参考