2021.11.17

大阪府商工労働部との連携事業「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」(63) 株式会社中田製作所の若手社員3名よりご講演をいただきました(経済学部 グローバル・ビジネス論b)

 2021年11月15日(月)、経済学部「グローバル・ビジネス論b」(三木担当)は、株式会社中田製作所の若手社員3名をお招きし「中小企業で働くことの魅力」についてのご講演をいただきました。
 株式会社中田製作所は昭和52年創業、アルミ専門の精密部品機械加工メーカーとして高品質で魅力ある製品をお客様にお届けしています。納品先は液晶・半導体・産業用ロボット・医療機器など多岐に渡り、特に近年はアルミを含む幅広い金属材料に対する超微細加工技術の開発に成功。平成19年(2007年)と平成25年(2013年)には内閣総理大臣表彰「ものづくり日本大賞」優秀賞に選ばれるなど、大阪を代表するものづくり企業です。

 以下に今回のご講演で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

大田 真美 さん (経済学部2年)

 講演内容の中でもっとも私が印象に残ったのは、メンター制度についてである。先輩とマンツーマンで対話し、困りごとや難しかったことについて話したり、仕事だけでなく雑談をしたりできる制度で、様々なフォローをして貰えるそうだ。どんな組織に所属している時も先輩や上司と気軽に話せる関係を作るのは大事だと思う。もし良い関係性を築けなければ、気を遣いすぎて本来の自分が出せる力が出せないことや、できる仕事ができなくなってしまうことがあるだろう。
 私は中学1年生の頃、2・3年生の先輩が非常に厳しく、部活以外の話をほとんどしたことがなかった。ソフトボールという団体競技をしているのに、常にピリピリした雰囲気で、全く楽しめないし、失敗が許されないというプレッシャーで余計エラーをしてしまっていた。私は、先輩・後輩問わず、気軽にどうしていきたいか意見を出せて、団結力を大切にできる部活に変えたいと思った。そして自分がキャプテンになって、理想のチームに変えることができた。新チームでは、お互いがどうすれば上手いプレーにつながるのか教え合い、堅すぎない雰囲気で練習しやすい空気を作り、放課後や休日には全員で遊んだり話したりしてコミュニケーションが取れていた。このことから、コミュニケーションをとって、先輩とも良好な関係を築けたら、全体の雰囲気も良く、技術や練習の質の向上にもつながるんだという事を学んだ。
 企業や部活という組織内での人間関係や上下での関わりは良好なものにできると、仕事の生産性向上や、各々が本来の力を発揮することが可能になるだろう。コミュニケーションを大切にしていて、全員で会社をつくるという姿勢の中田製作所は素晴らしい会社だと思った。

谷口 実優 さん(経済学部2年)

 今回の講義で一番印象に残っているのは、中田製作所では働いている人ひとりひとりが社長と毎週交換ノートをしているということだ。昔からあるような企業では、絶対にそのような行為はされない。なぜなら、社長が絶対的優位な立場にあり下の人は上からの意見を聞き、動くのが当たり前であるからだ。新入社員が、社長にフレンドリーな感じで交換ノートをするなんてことは考えられないはずである。だが、そのような取り組みをしている中田製作所では交換ノートを通して社員一人一人の意見を直接聞けたり、何かの改善になったりするのだ。プライベートのことを話したりもすると言っていた。それほど距離が近く、親的存在な社長なのだろうと思う。
 私はアルバイトでホールを担当している。私の働くアルバイト先では、ホールの人だけで回している一冊のノートにその日の出来事や、気づいたことなどを書いている。昨日もアルバイトだったが、とても忙しく書くのも疲れるくらいだった。だが、出勤した時は必ず誰か一人は書き、また出勤した時に他の人が書いたものを見るのだ。アルバイト全員が揃う機会はほとんどない。しかしそのようなノートがあるおかげで、注意することや楽しかったこと、嬉しかったことなどその人のことを知ることができ、またお客さんの情報を知ることができる。ノートがあるおかげで、昨日は忙しかったんだ、それなら今日は少し暇だろうと予想を立てることもできる。たまにそのノートに、店長やパートさんからのコメントもあったりする。それを見るのが楽しみにしていたりもするのだ。
些細なことでも社長や、上の人と連絡を取り合い、話を聞いてもらえる機会がどれだけ大切かを改めて感じ取れた。交換ノートが会社全体をよくしていくためになくてはならないものであることがわかった。みんなの意見を交換する場が少ない会社では、そういったことをするだけで、少しでも雰囲気や会社が良くなるのではないかと思った。
 最後に私も働いた時に、何か提案をしたり話したいことがあったときに交換ノートという形で報告や連絡をしてみたいと思った。今回の講義での話を聞いて中小企業のことをもっと深く知りたいと思った。さまざまな取り組みがあり、親しみやすい企業だと思った。プレゼンテーションを聞き、新しい上下関係の作り方だなと強く思った。

中平 圭耶 さん(経済学部2年生)

 今回の中田製作所さんのご講演を聞いて今まで私が持っていた中小企業のイメージが大きく変わりました。それまでは正直「中小企業はブラック企業が多いんじゃないか」や「いつ会社が倒産するかわからないから良くない」という偏見がありました。自分が就職するならやっぱり誰もが知っている大企業の方が絶対に良いと考えていました。
 しかし、実際に働かれている方の話を聞いてみると中小企業にもたくさんの魅力や中小企業ならではのメリットがありました。
 そのうちの一つとして社員全員が活気に溢れ、楽しそうに仕事に取り組んでいる点です。大企業に比べて社員の数が少ない分社員同士の距離が近くコミュニケーションが取りやすいため会社全体を把握しやすいと感じました。また、意思決定や昇進のスピードが大企業に比べ早かったり個人の影響力が大きくなるなども中小企業ならではの魅力だと思います。
 他の魅力として福利厚生の充実さが挙げられます。会社ごとに独自の変わった制度を設けているのがユニークで素晴らしいと思います。中田製作所さんの制度を例に挙げると有給休暇を積極的に活用していくものや大雨暴風警報が出た際の出社ボーナスなどです。このように福利厚生が充実していると働きやすくなり仕事にもやりがいを感じると思います。これらの制度の中には従業員の提案から生まれたものもあるそうで一社員が会社を変えるチャンスがあるのがとても魅力的に感じました。
 今回このご講演を聞いて私の知らない世界を知ることができ大変貴重な経験となりました。就職活動の際にはこの経験を活かして幅広い視野を持っていきたいと思います。

美淋 麗乃 さん(経済学部2年)

 今回の講義では、中小企業で働く魅力や、中田製作所さんはどのような事をしているのかという講義であり、とても興味深く、面白かった。
 まず、私はゼミのフィールドワークで「ものづくりビジネスセンター大阪」へ訪問した際に、中小企業がこんなにも多く、そして、ものづくりを支えているのかと感じた為、今回の講義はとても興味があった。
 中田製作所さんは、アルミの精密部品の切削加工や、超微細加工技術の開発をしており、アルミ加工の企業だということがわかった。その中でも、極微小径穴加工技術がとても凄く、最小で約5ミクロン。赤血球でも7〜8ミクロンなので、それより小さいことになる。それに、ものづくり日本大賞優秀賞を2度もとっていて、そんな企業が大阪にあることを誇らしく感じた。
 私は、小さい頃はサッカー選手という夢があったが、怪我でサッカーを断念した時から自分がしたい仕事が決まっていない。しかし、大雑把に、「大手企業」に就職できたらいいなと考えていた。しかし、今回の講義を受け、中小企業がものづくりを支えているのは紛れもない事実であり、やりがいを感じるのかなと感じた。たしかに、大手企業なら社長と自分までの間にある壁が多く、会社を自分の力で変えるとなると相当の努力と運が必要になる。もちろん、中小企業であっても努力と運は必要だが、頑張れば頑張る分結果が目に見えて返ってくるので、やりがいを感じるだろうなと考えた。
 今回の講義は、私にとって中小企業の捉え方が変わる講義になった。日本のものづくりを支えるにはこれほどの技術と工夫がされているのかと感じた。これからは中小企業にも注目し、多くの企業の工夫や技術に注目して見ていきたいと感じる。

ご参考